仏壇は一生に一度の買い物と言っても過言ではありません。
価格もバラバラで購入ポイントや決まり事が難しく、何を基準に選べば良いのかわかりにくいですよね。
購入した後もどこに置けば良いのか、向きに決まりはあるのか、どう飾れば良いのかなど考えることはたくさんあります。
ですがどれも仏壇屋さんに相談しながら行えば不安はありません。
魂入れや魂抜きなどの欠かせないことはご自分の宗派のご住職にお任せしましょう。
仏壇を移動する時や処分する時にもご住職が頼りになります。
仏壇は自分で選ぶものですが、たくさんの方の助けを借りて存在するものなのです。
仏壇の飾り方は?
仏壇の周りには様々な仏具がありますが、どこに置くかが決まっています。
仏具を飾ることを「荘厳(しょうごん)する」と言うのですが仏壇の中にご本尊や位牌を置いた後、花立てや香炉を飾ってようやく完成するのです。
仏具は仏壇を購入する時に一緒に選ぶと全体的なイメージがわきやすいです。
宗派によって揃える仏具が違うのでまずは確認をし、仏壇屋さんと相談しながら購入しましょう。
仏壇の大きさによって仏具の大きさも変えないとバランスが悪くなってしまいます。
基本の仏具は基本的に香炉、花立て、燭台、五具足です。
仏壇が小さい場合はバランスが悪くなるので三具足でも大丈夫です。
基本の仏具の他にはご先祖様のご飯を載せる仏飯器、お茶やお水を供える茶湯器、リンとリン台のセット等が必要です。
宗派によって異なりますが、基本的には最上段の中央にご本尊を置いて、左右に掛け軸をかけます。
位牌は左右か一段低いところに置いて、ご本尊が隠れないようにします。
二段目には中央に仏飯器や茶湯器を置いて左右に高月という、お菓子や果物を供える器を置きます。
二段目にはご先祖様のお食事を置くと覚えれば良いでしょう。
一番下の段には花立てや香炉、マッチやリンを置きます。
花はスーパーなどの仏花コーナーで手に入ります。
ご先祖様にお供えする食べ物の中で果物は傷みやすいのでこまめに取り換える必要がありますが、大きな袋に入ったお菓子はずっと置いておけるので便利です。
花は水が汚れやすいので毎日水を替えましょう。
仏壇の向きに決まりはあるの?
仏壇を置く向きは大きく分けると西方浄土説と、南西北座説と、本山中心説の3つに分かれます。
西方浄土説では極楽浄土である西に向かって拝むため、東向きに仏壇を置きます。
南西北座説では仏壇を南向きに置くのですが、これは中国の王様が南向きに座るというところから来ています。
本山中心説は総本山の方向に向けて仏壇を置く考えです。
このように仏壇に向きはあるといわれていますが、あまり気にしなくても良く、住宅事情によって置けない方向があるので拝みやすい方向で良いでしょう。
ですが仏壇の置き場所としてあまり良くない場所はあります。
直射日光の当たるところや湿気の多いところは仏壇がすぐに痛みますし、冷暖房の風が直接当たるところも良くありません。
仏壇の向きは自由でもかまわないのですが、痛まないところに置きましょう。
観音開きのタイプの仏壇は、開いた時に周りにスペースがあるかも確認しましょう。
仏壇はどのように処分すれば良いの?
事情により仏壇を処分しなくてはいけなくなったときは、まず初めに開眼法要が行われているか確認する必要があります。
開眼法要とは仏壇を購入した時にご先祖様を祀るために魂入れを行うことです。
仏壇の中にご先祖様の魂が込められているので処分する前に魂を抜かなくてはならず、その作業を閉眼法要と言います。
閉眼法要を行うと仏壇はただの木の箱になるので安心して処分することができます。
仏壇を処分する方法にはいくつかあるのですが、閉眼法要を行ったお寺にそのまま引きとってもらうこともできます。
他には仏具屋に引きとってもらうか、粗大ごみとして処分する方法があります。
お寺に引きとってもらうと全てを任せられますが、毎月のお勤めをしなくてはいけません。
仏具屋に引きとってもらうと処分の日を決めるのが簡単ですが、新しい仏壇を購入する意思が無いと頼みにくいでしょう。
粗大ごみとして出すのは費用が安くすみますが、抵抗があります。
どの方法にもメリットとデメリットがあるので自分の生活リズムに合わせた方法を選びましょう。
仏壇の中には位牌や遺影を入れたままのこともあるので、処分する際には必ず確認しましょう。
見えにくい引き出しもあるので注意しましょう。
最後にお世話になった感謝の気持ちを込めて丁寧に掃除して処分しましょう。
今までご先祖様の魂を守っていただいたので、ご先祖様の家だと思って綺麗にしてお別れしましょう。
仏壇は移動しても良いの?
仏壇は一度置いたら移動してはいけませんが、引っ越しや建て替えなどでどうしても移動しなくてはいけない時があります。
その時には必ず「魂抜き」を行わなくてはいけません。
仏壇は購入した時には開眼法要と言って、ご先祖様の魂を入れます。
魂の入ったままで仏壇を動かすことはできないので必ず行いましょう。
魂抜きを行うには自分の宗派の住職にお願いします。
引っ越しの1週間前までには魂抜きをしてもらわなくてはいけないので、それまでに連絡しておきましょう。
引っ越し先では抜いた魂を再び入れなくてはいけませんが、魂抜きをしていただいたご住職でなくても大丈夫です。
引っ越し先のご住職を紹介していただいて、その方にお願いしましょう。
交通費やお布施などで相場は1万円から5万円と幅広いので事前にいくらかかるか確認しておくと良いでしょう。
さらに仏壇の引っ越しでは一般的な引っ越し費用に1万円から2万円ほど追加する必要があります。
仏壇は立てて運ばなくてはいけないので背の高い仏壇だと大変なのです。
引っ越し屋さんに運んでもらっても良いのですが、購入した時の仏壇屋さんにお願いすると仏壇に詳しい方を手配してくれます。
仏壇には細かい飾りや小さな引き出しがあるので壊れると修理が大変です。
また、仏壇によっては持ってはダメなところもあるので運ぶのが難しいでしょう。
信頼できる方にお願いして丁寧に運んでいただきましょう。
位牌やご本尊は小さくて自分でも運べるので、引っ越しの荷物に入れずに自分の手で運びましょう。
仏壇を購入する 時のポイントは?
仏壇はまずどこに置くかを決めましょう。
置き場によって大きさが変わるので、購入前に決めておかなくてはいけません。
仏壇によっては照明も使うので、コンセントの位置も確認します。
木の材質によって値段も変わりますが、予算だけある程度決めておいて好みの見た目で選ぶと良いでしょう。
外国産よりも国産のほうが高く、仏壇の彫りの精巧さによっても変わってきます。
初めて購入する場合が多いので悩みますが、お店に何回通っても良いので妥協せずに選びましょう。
四十九日が終わるまでに購入すれば良いので慌てなくても大丈夫です。
仏壇を置く部屋の写真を撮っておけば、お店に行ったときも迷いにくいのでおすすめです。
仏壇は金額も見た目もバラバラですし、ずっと使い続けるものなので迷いも出てきます。
店員さんに相談しながらおすすめやアフターフォローの確認をしましょう。
インターネットでの購入も良いですが、イメージと異なるものが届く可能性があります。
何回も買い替えるものではないので慎重に選びましょう。
仏壇を購入するときには一緒に仏具も揃えます。
後からも購入できますが、一緒に購入したほうが全体的なイメージを合わせやすいです。
また、仏壇は和室にあるイメージですが、最近の住宅事情では和室の無い家もあります。
洋風の家の中では従来の仏壇ではなじまず浮いてしまいますね。
最近では一見仏壇に見えないような、お洒落なものもあります。
木の仏壇でもサイズが小さくなり、インテリアに見えそうなものもあります。
観音開きになっているものもあるのでお客様が来ている時には閉じておくこともできますし、リビングに置いていても違和感がありません。
家族のみなさんが集まるリビングに置いておくと故人も寂しくありませんね。
お盆やタンスの上にも載るほどの小さな仏壇もあるのでアパートにお住まいの方も安心です。
若い女性向けにはピンクの仏壇もおすすめです。
故人に合わせた仏壇でも良いですし、どこに置くかでも選べます。
仏壇の種類は年々増えているのでお気に入りのものが見つかりますよ。
まとめ
仏壇は購入する前もした後も、行わなくてはいけない作業が多いのです。
ご先祖様をお守りするものなので、ただの木の箱ではなく大切な家を作るという気持ちで仏壇を選びます。
周りの飾りや仏壇の向き、お供えするものなど全てご先祖様に心地よく過ごしていてだくためのものです。
時間がかかっても良いので妥協のないように仏壇を選び、気持ちをこめてご先祖様の家を作りましょう。