冬になるとこたつの上にはみかんが置いてあるのが当たり前!といってもよい程、寒い冬に定番の組み合わせです。こたつに入りながらおいしいみかんを食べるご家庭も多いことでしょう。寒くなるとどこのご家庭でも目にするといってもよいみかんは、単に甘くておいしいだけじゃないのです。今回は「そうなんだ。」と思わず納得してしまう、みかんの効果・産地・旬・保存方法などをお伝えします。
みかんの効果
みかんは甘くておいしいだけではなく、人にとっていろいろな効果を与えてくれる果物だとご存じでしょうか?
みかんには多くのビタミンCが含まれており、成人が一日の必要なビタミンCをみかん3個で摂取できるため、人の体をウイルスに対する抵抗力をつけたり、免疫力をつけたりすることで風邪の予防にも効果的といわれています。
ビタミンCには、動脈硬化や狭心症などを誘発させる悪玉コレステロールを抑える働きもあるので、みかんを食べることはこれらの病気の予防にもつながります。
また、女性にとってうれしいのが、そばかすやシミの元となるチロシナーゼを抑制する効果がビタミンCにはあるとともに、肌に弾力やハリをもたせる働きもあるのです。美肌のほかにも、ダイエット・月経などの影響で貧血になりがちな人にとって、ビタミンCは鉄分の吸収を向上させる働きもあります。
ビタミンCのほかにも、みかんにはB-クリプトキサンチンという成分が含まれています。B-クリプトキサンチンには、抗酸化作用・目や皮膚を紫外線から守る働きがあるのです。
2型糖尿病・骨粗鬆症などの病気も、B-クリプトキサンチンにより発生のリスクも抑えられ、免疫力を高めたり、肌の保水機能である「アクアポリン」という器官の生成を助けます。
みかんの産地はどこ?
冬に一般的に出回るみかんは、皮がやわらかくてむきやすく、食べやすい温州みかんです。温州みかんの産地は、愛媛県・和歌山県・静岡県・熊本県が常に上位を占めており、2015年から2017年の3年間、連続してみかん生産量の全国1位となりました。
2017年のみかんの生産量の1位である和歌山券の出荷量は全体の19.5%、2位である愛媛県の出荷量は全体の16.2%、3位である熊本県の出荷量は全体の11.6%、4位である静岡県の出荷量は全体の11%と、上位4県の出荷量が全体の約6割を占めています。
出荷量は上位4県には及ばずとも、佐賀県・長崎県・広島県など、気候の温かい西日本での生産が多い温州みかんです。
温州みかんと聞くと、産地は日本だけのように思えますが、実は中国・トルコ・スペイン・韓国・ペルー・クロアチアなどでも栽培されています。温州みかんの「温州」とつけられた由来は、中国浙江省が柑橘の名産地であったことから、あやかってつけられたようです。
同じ温州みかんでも、産地がどこであるか?品種は何であるか?によっても、味も違いがあるでしょう。これだけ多くの産地があれば、食べ比べてみて一番好みの温州みかんを見つけてみるのも楽しいのではないでしょうか。
みかんの旬
みかんの旬の時期はタイプによって差があります。温州みかんにおいて、極早生温州みかんと呼ばれるものには、宮本早生・日南1号・日南の姫・岩崎早生・崎久保早生・上野早生・ゆら早生・YN26などがあり、9~10月位にかけて収穫されます。
早生温州みかんと呼ばれるものには、青江早生・宮川早生・興津早生・田口早生・木村早生などがあり、10~12月にかけて収穫されます。
中早生温州みかんには、藤中温州・南柑20号、愛媛中生・向山温州・きゅうき・久能温州・瀬戸温州・盛田温州などがあり11~12月にかけて収穫します。
普通温州みかんにおいては、青島温州・十万温州・大津四号・今村温州・紀の国温州・寿太郎温州などがあり、1月以降に収穫されることもあるため、なかでも遅い出荷される青島温州みかん・十万温州みかんなどは、晩生温州みかんとして位置づけられています。
よって、ご家庭で購入する温州みかんによって、市場に出回る時期にも違いがあると同時に、旬の時期にも違いが出るとの認識でしょう。
収穫時期が遅くなるほど、みかんの味は濃厚になるため、極早生温州みかんはさらっとした食感・晩生温州みかんは味の濃厚なタイプといった感じでしょうか。少し酸っぱさの残るタイプがお好みの方には、早くから市場に出回る極早生温州みかんがおすすめです。
みかんの皮は栄養がある
みかんを食べる時、ほとんどの人はみかんの皮をむいて食べますよね。それはごく一般的なことなのですが、実は、みかんの皮には身の部分よりも多くの栄養があることを、ご存じでしょうか?
みかんには、内果皮と外果皮の厚い皮があり、ビタミンC・食物繊維・ビタミンP・カロテンなどの栄養素が含まれています。
ビタミンCには、心臓病・ガンなどを予防したり、アンチエイジングを予防したりに役立つ抗酸化作用があります。食物繊維は、腸の調子を整える作用・血糖値が上がるのを抑制する作用・コレステロールの濃度を下げる作用が、ビタミンPには、動脈硬化・高血圧の予防と毛細血管を強くしてくれます。カロテンは、鼓膜や皮膚を強くする作用があります。
みかんの皮の部分にたっぷりの栄養があるのは分かったものの、やっぱり、みかんの皮をそのまま食べることはなかなか難しいものです。そこで、無理せず楽しみながらみかんの皮を栄養と共に摂取できる方法をご紹介します。
まずは、みかんの皮・レモン汁・はちみつ・グラニュー糖・水を使ってマーマレードを作ることです。マーマレードであれば、朝食のときにパンを塗って、おいしく味わうことができます。
ほかにも、みかんの皮をカラカラになるまで乾かしてつくる、陳皮もあります。陳皮は、咳止めや発汗の作用や、風邪の初期症状にも効果的といわれるほどです。みかんの皮の栄養を生かした、自然の食べ物を味わってみてはいかがでしょうか。
みかんをおいしく長持ちさせるには?
「みかんは甘くておいしいけれど、すぐに腐ってしまう。」「この前、みかんをもらったけれど、気づいたら腐ってしまっていた…。」などの残念な思いをしたことはありませんか。
箱でもらったたくさんのみかんを駄目にしてしまわないため、的確な保存方法でみかんをおいしく長持ちさせてみませんか。
まずは、冷蔵庫を使ったみかんの保存方法です。みかんはヘタの部分を下にすることで痛みにくくなります。みかんを乾燥させないためにも、冷蔵庫に保管する際には、必ずポリ袋に入れましょう。
ヘタの部分を下に向けて、ポリ袋にいれたみかんを野菜室で保存することで、常温では10日前後で傷んでしまうみかんも3週間ほど長持ちさせることが可能です。
つぎに冷凍庫で保存する方法です。金属トレイに並べたみかんを冷凍庫で凍らせ、凍ったみかんを1つずつ丁寧に水をくぐらせます。再び、金属トレイにみかんを並べて再凍結させて、冷凍用の保存袋に入れて保存します。冷凍させたみかんは、氷の膜が乾燥を防いでくれるため、3カ月前後、長ければ4カ月ほど保存できます。
みかんを冷蔵庫や冷凍庫などで保存するのはいや!という人には常温保存ですが、箱や袋に入ったままではすぐに傷んでしまいます。面倒にはなりますが、一度、全部のみかんを検品を兼ねて取り出し、段ボール箱にヘタを下にして並べます。全部を並べ終えたら、新聞紙などを上からかぶせて、箱を冷暗所におくと通常よりも長持ちさせることが可能です。
せっかくのおいしいみかんを腐らせないためにも、冷蔵庫や冷凍庫を利用して保存してみてはいかがでしょうか。くれぐれも、もらったみかんをそのままで保存しておくのはやめましょう。
まとめ
みかんには、実の部分にも皮の部分にも、人にとってうれしい効果のある成分がたくさんあることが分かりました。また、あまり長持ちしないみかんをちょっと工夫することで、みかんを長持ちさせる方法があることも分かりました。昔から、日本の冬のご家庭に置かれていたのは、先人の知恵であったのかもしれませんね。寒い時期には、人も病気になる頻度も多くなるので、自然の力であるみかんの効果をおいしく上手に利用してみるのもよいでしょう。