伊達巻の日をご存知でしょうか?見たことも聞いたことも無いという人も多いでしょう。伊達巻と聞いても、どんな食べものなのか、いまいちピンとこないという人いるかも知れません。
実は伊達巻は有名な戦国武将の名前が由来となっていることもあり、昔から日本人に親しまれている食べものなのです。
ここでは、伊達巻の日や伊達巻についてを詳しくご紹介します。
伊達巻の日とは?一体何?
伊達巻の日という日があることをご存知でしょうか?毎年、5月24日が伊達巻の日といわれています。
伊達巻というと、正月に食べる料理のはずなのに、なぜ記念日が5月なの?と不思議に思うでしょう。
5月24日にしたのには、ちゃんとワケがあるのです。因みに、この伊達巻の日は、「株式会社千日総本社」(現名称:株式会社せんにち)という会社が制定したものです。
株式会社せんにちは、大阪にある卵焼きや厚焼き玉子、寿司具などを扱うメーカーです。具体的には、卵焼き、錦糸卵、厚焼き玉子、オムライスや天津のキット、寿司の干瓢(かんぴょう)、しいたけ、おはぎの餡子などを製造し取扱っている会社です。もちろん、伊達巻も販売しています。
伊達巻の日の由来は?伊達政宗が関係しているの?
伊達巻の日は、有名な戦国武将である伊達政宗の没した命日が5月24日であるため、この日にされたといわれています。
伊達巻の名前の由来は諸説ありますが、その中のひとつに、伊達政宗の好物であったためというものがあります。
そのため、伊達巻の日もその由来に則って伊達政宗の命日ということになったのでしょう。せんにちという会社が、伊達政宗の好物である伊達巻を、現代でも皆に身近に感じてもらえるようにする目的が有ったのかも知れません。
伊達巻は勇敢で華やかな伊達政宗のイメージにピッタリです。一般的な卵焼きに比べると豪華な印象もあります。
伊達巻はお節には欠かせない美味しい卵料理!!
伊達巻と聞くと、まず最初に「お正月のおせち料理」をイメージする人が多いのではないでしょうか?
おせち料理に入る伊達巻には、幾つかの意味があります。
まず、伊達巻は、巻き簾で巻かれ、平仮名の「の」の字を描くように作られています。
これは、昔勉学に使われていた巻物を連想させます。そのため、学問の成就や発展の意味を持ちます。頭が良くなるようにという願いを込めて食べると良いとされています。
また、卵料理である伊達巻は、その色合いが華やかでおせち料理の中でもひと際目を引きます。そもそも伊達という言葉には「豪華に見せる・見栄を張る」という意味があり、派手な卵料理である伊達巻の名前の由来にもなっています。地味な
おせち料理を一層お祝いとして華やかなものとするために欠かせないのです。
伊達巻は、おせち料理の一段目に入ります。おせち料理の壱の重は「口取り」と呼ばれ、昔から祝いの席で酒や吸い物と共に出される料理です。華やかで目立ち、老若男女に好かれる優しい甘味の卵料理なのです。
美味しい伊達巻の作り方!
伊達巻の製法は、カステラに似ている部分があるといわれています。
本来の作り方では、グチやスケトウダラなどの白身魚やエビなどのすり身を使用しますが、ここでは、家庭でも手軽に手に入る食材で作れるものをご紹介します。
<材料>
- はんぺん・・・90g
- 卵4個・・・(Мサイズ)
- 砂糖・・・大さじ2
- みりん・・・大さじ2
- 薄口しょうゆ・・・小さじ3分の1
- 塩・・・ひとつまみ
<作り方>
材料を全てミキサーにかけ、なめらかにします。熱したテフロン加工の卵焼きフライパン(テフロン加工が無ければ薄く油を引きます)に、半量を入れ、上からアルミホイルを被せて弱火で約5分置きます。ほど良く焦げ目が付いたら、焦げ目の面を巻き簾にのせ巻きます。
巻いたら全体をラップで包んで、輪ゴムで留めます。粗熱が取れるまでは立てて置いておきます。ここで立てて置かないと、平べったく形の悪い伊達巻になってしまいますので注意が必要です。冷えて固まったら出来上がりです。
尚、フライパンではなく、オーブントースターなどで焼く場合は、1000Wで15分ほど加熱します。
※このレシピは甘さ控えめな作り方です。甘いものを好む人は砂糖の量を増やして調節してみて下さい。また、はんぺんの分量を増やすともっとふわふわになり口当たりが軽くなります。はんぺんが魚のすり身の代わりとなっています。
伊達巻は一見、複雑な作り方なのかな?と感じるかも知れませんが、自宅でも簡単に作る事ができますので、お正月だけでなく普段の食卓でも充分活用できるでしょう。
着物の帯の伊達巻きとはどんなもの?
着物を着る際には、伊達巻き(伊達締めともいいます)というものを使います。着物の伊達巻きは、食品の伊達巻とは関係が無いとされています。
着物に使う伊達巻きは、幅10センチ程度の薄い帯状をしています。着物を身に付ける際に、長襦袢に1本、着物に1本の合計2本を使用します。長襦袢を着る時には、衿を合わせて固定するのに使います。着物を着る時には、衿合わせを固定し、おはしょりを真っ直ぐに整えるのに使います。
着物の伊達巻きは、元々は細い帯を使用していましたが、より使いやすいように改良され、現在のものができました。
博多織りのものや、化繊の芯入りのものは胴に二重に巻くタイプが主流です。その他にも、マジックテープで留めるものがあります。マジックテープのものには、伸縮するものや、メッシュ素材でできているものもあり、夏場の着物を快適にする工夫がされています。着物初心者には伸縮生地でマジックテープのものが着脱しやすくオススメです。
日本各地の伊達巻は?
日本では、各地で様々な伊達巻が食されています。
千葉県銚子市の一部では、伊達巻をすし飯に巻いた「伊達巻寿司」が有名です。一般的な寿司には、卵を乗せた寿司が存在しますが、これは伊達巻の真ん中に寿司を入れたような作り方をしています。
中には、プリンのように濃厚でなめらかな伊達巻を作り、それで寿司を作っているお店もあります。非常に豪華な見た目で、寿司と甘さが絶妙にマッチしているため、機会が有れば是非食したい一品です。
長崎県では、伊達巻ではなく「カステラ蒲鉾」と呼ばれている商品があります。一見カステラのような見た目で、味は伊達巻のようなものです。
また、関西と関東の伊達巻を比べると、関東の方が甘いといわれています。関西では、そもそも伊達巻を食べないという家庭もあり、おせち料理に入れないという所もあります。地域によっては、うどんや雑煮の具として入れることもあります。
近年の伊達巻は種類も多い
近年、売られている伊達巻は、普段使いがしやすいように様々な工夫がなされています。
甘さやカロリーが控えめなもの、和三盆を使用した高級なもの、はちみつやメープルシロップを使用したものなどが売られています。
栗の入ったものや、チョコレートやイチゴ味、クリームチーズの入ったものなど、食卓に上がるおかずというよりも、そのままお菓子感覚で食べることができる物も増えています。
また、カットした伊達巻にマスカルポーネチーズや生クリーム、ココアパウダーなどを合わせてティラミス風にするスイーツアレンジなども行われています。伊達巻をスポンジケーキの代わりにして、甘さを上手に利用しているのです。
高級志向の伊達巻も販売されています。上質な素材を使い作られているため、一本3千円近く、販売本数も限定の物ですが、やはり年末には注文が殺到します。
おせち料理の時期以外には、なかなか伊達巻をじっくり選ぶことがないでしょう。でも、案外、自分好みの美味しい伊達巻やアレンジが見つかるかも知れません。
まとめ
毎年5月24日は伊達巻の日といわれています。これは、卵料理などを扱う「株式会社せんにち」という会社が制定したもので、伊達政宗の好物であった伊達巻を日本の食文化として広く知ってもらうために作ったとされています。
欧米の食卓文化が入ってきて、おせち料理くらいでしか見掛けない伊達巻という日本食のことを「馴染みが薄い」「あまり良く知らない」という人も多いのではないでしょうか?伊達巻の日を作る事で、おせち料理以外の用途でも伊達巻を食べる機会が増えることを願っているのです。伊達巻は、意外と家庭でも手軽に作る事ができます。「売っている物は甘くて少し苦手」という人でも、自分で作れば味の調節ができますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。