結婚を決めたカップルが最初に考えることが婚姻です。
婚姻届けを出し結婚式を挙げて、夫婦となることを具体的に考えていかなければならないのですが、そもそも婚姻とは何?と感じることもあるでしょう。
婚姻と入籍はどう違うのか?婚姻のメリットは何?など分からない事も多いと思います。
ここでは、そんな婚姻についてを詳しく説明します。
婚姻とは一体どんなもの?
婚姻とは、結婚し夫婦になることを言います。
社会的に承認された夫婦関係の締結のことです。
日常で使われるのは結婚ですが、法概念としては、結婚というよりも婚姻となります。
そのため法律関係の書類では婚姻を用います。
婚姻をすることにより、男女は夫婦となります。
生計をともにし、夫婦間に亀裂をもたらす行為は禁じられます。
近頃では、不貞行為をする有名人をマスメディアが糾弾するため、婚姻関係を結ぶ男女の在り方が一般的にも強く認識されるようになりました。
婚姻と入籍は同義ではありますが、厳密にいうと違います。
入籍は婚姻届け提出により男女が同じ籍に入ることを指します。
近年では、女性の社会進出により、姓の変わることが仕事上マイナスとなるという事情から婚姻関係を結ばずに、事実婚を選択する男女も増えてきました。
また、婚姻を優先し仕事上では通称名を使うという事も珍しくありません。
日本ではまだ夫婦別姓が認められていないためそのような形を取るしかないのです。
婚姻をする意味とは?
婚姻はその社会背景により、異なる意味を持ちます。
昔は女性が男性側の家に嫁ぎ、家族の一切の面倒を見ることが当たり前でした。
男性の家系を絶やさぬように子を産み育て、その家庭のために身を捧げていました。
交通手段や通信手段が発達していなかったため、自分の生家の家族にはなかなか会えず、場合によっては死に目に会えない覚悟の下婚姻をしていましたが、多くの人間がそのようにしていたためそれが通常の婚姻であると認識されていました。
現代では、婚姻により男女のどちらかが制約を受けるという事も減ってきました。
男女平等が叫ばれ、女性の社会進出が一般化してきたからです。
そのため、現在の婚姻は、単に男女が夫婦として社会生活を営むためのものである場合がほとんどです。
家系を絶やさないために男性側が婿入りする場合もありますし、夫婦生活を送る目的でなく、財産分与の関係で婚姻締結をする場合もあるのです。
また、国によっては、同性による婚姻を認めており、現代では、婚姻が柔軟に考えられていて、その意味も多岐に渡ります。
夫婦になるメリットとは?
好きになった相手が結婚に乗り気ではないという話はよく聞きます。
結婚することにメリットを感じないという男女も一定数存在します。
しかし、多くの男女が婚姻し夫婦となっているのも事実です。
では、婚姻して夫婦になるメリットはどこにあるのでしょうか?まず、婚姻関係を結ぶことにより、社会的信用が得られます。
一緒に暮らしていても、ただの内縁関係と夫婦とでは世間の目が違う場合も多いものです。
また、2人の子供を持てるのも大きなメリットです。
婚姻関係のない男女間に子供ができた場合、男性側が認知の手続きをしなくてはなりません。
認知は、法的に親子の関係を成立させる手続きのことです、認知をしないと生涯親子とは認められません。
そのため、何か特別な事情でもない限り、夫婦でないことが子供にとってもマイナスとなり得るのです。
婚姻関係を結ぶことで、その男女はいわゆる家族になります。
相手が病気になって手術が必要になった場合、同意書などの書類は家族でないと書けません。
大切な人の命が自分で守れるのです。
どれだけ長く一緒に生活していても、婚姻関係にない夫婦間では基本的に財産分与がされませんし、保険金の受取りなどもできません。
しかし、これらのメリットを知っていても婚姻を選ばない人も居ます。
勿論、お互いがそれで良ければ何ら問題ありません。
夫婦関係になると適用される法律なども多くありますので、その辺りも検討の上、お互いに最善の方法を決めましょう。
人気の婚姻届け
婚姻届けは役所でもらった物を使うというイメージがありますが、実は用紙サイズ・記載内容が揃っていれば、色やデザインは基本的に自由なのです。
近年では、さまざまなデザイン種類の婚姻届けがあり、カラフルで可愛いものもたくさんあります。
インターネットで手軽にダウンロードができたり、自分で加工できたりもしますので、2人の好みの物を探すのも楽しいでしょう。
尚、婚姻届けをダウンロードしたり、自作したりする場合、用紙サイズはA3コピー用紙を使用します。
このサイズでないと認められないため要注意です。
また、あまり派手なデザインでは記載内容を確認しづらくなってしまい、スムーズに受理してもらえなくなる恐れがあるため、控えめなデザインがオススメです。
婚姻届けは365日、24時間、夜間でも受け付けをしているため、仕事終わりに2人揃って提出ができます。
婚姻と結婚式
婚姻と結婚式をセットで考えている人も多いのではないでしょうか?婚姻が先か、結婚式が先かとタイミングに悩むところですが、基本的にどちらが先でも構いません。
婚姻届は2人が好きな日付で提出できますが、結婚式は必ずしも希望の日時に行えるとは限りません。
結婚披露宴を行う場合は、招くゲストのことも考えなくてはなりませんので、休日でないと都合が悪いからです。
そのため、結婚式の日取りは妥協しても、婚姻日は妥協したくないというカップルが多いのです。
特に希望する日付が無い場合は、結婚式当日に婚姻届け提出するということもあります。
また、婚姻日と結婚式を挙げた日が違う場合、どちらを結婚記念日としているのでしょうか。
結婚記念日は2人の記念日ですので、覚えやすく思い入れのある日で良いと言えます。
婚姻届けを出した日に思い入れがあるのならば、その日を結婚記念日とし、挙式をした日は結婚式記念日としている夫婦もいます。
世界の婚姻事情
日本では婚姻=結婚とし、同じ籍に入る夫婦関係に対し一定の条件を定めています。
そのため、子育て、介護など家族を構築する上で夫婦であることが大きな意味を持つ場合があります。
しかし、世界中の全てが婚姻に重きを置いている訳ではありません。
アメリカのように、婚姻という制度をとらずとも子育てや社会生活を送れる制度が整った国もありますし、同性どうしが婚姻できる国もあります。
中東のイスラム社会では、いまだに一夫多妻制の婚姻制度を認めているようです。
逆に一妻多夫制を認めている地域もあります。
近親婚をしている所もあります。
日本でも、離婚率などの増加から、ひとり親家庭などに支援する制度が整ってきました。
また同性をパートナーとできる制度を整える自治体も出てきました。
婚姻の解消
結婚している夫婦のどちらかが死亡した場合には婚姻関係が解消されます。
また、生前であってもお互いの意思で婚姻を解消する場合があり、これを離婚といいます。
離婚には、協議離婚・調停離婚・審判離婚・裁判離婚の4種類があり、多くが協議離婚により離婚を成立させます。
日本では男女平等、女性の社会進出が推進された頃から徐々に離婚率も上昇し、一時期は熟年離婚、成田離婚などが世間を賑わせました。
国際結婚をしたい場合
日本でもグローバル化が進み国際結婚を選択するカップルが増加してきました。
日本人が国際結婚をする場合、日本国内で婚姻を成立させようをする時には日本法を適用することになります。
結婚相手の国籍によっては配偶者ビザが必要になることもあります。
それ以外にもさまざまな書類を用意しなければならず、事前にきちんと下調べをして用意しなければなりません。
結婚したい相手が現在日本で生活をしているか、海外で生活をしているかという点でも手続きが変わってきます。
すぐに結婚したくても、なかなか書類やタイミングが揃わず、思わぬ時間がかかることもありますので注意が必要です。
また、公的書類を提出する際には有効期限があります。
日本国内発行のものは発行から3カ月、外国で発行したものは発行から6カ月です。
あまり早く準備をし過ぎても効力を失ってしまうことがありますので注意しましょう。
まとめ
婚姻とは、結婚の法律用語です。
日本では、婚姻をする事で男女が夫婦となり、家庭を築いていくのが一般的です。
人間社会では昔から何らかの形で婚姻関係を結んで生活を営んできました。
それほど重要視されてきた制度なのです。
近年では、婚姻事情も柔軟に変化し、同性による婚姻なども認められてきました。
婚姻は、大切な人と人生をともにするために必要な制度なのです。