5月5日の子供の日には、五月人形を飾るという家庭もあるでしょう。でも五月人形とは一体どんなもので、どんな意味を持っているのでしょうか?男児が何人いても、一家に一台あれば良いものなのでしょうか?ここでは、そんな五月人形に関する疑問を詳しく解説します。
五月人形って何?どんな意味があるの?飾る時期はいつ?
五月人形とは、その名の通り五月五日のこどもの日=端午の節句に飾られる人形です。江戸時代頃から武家の屋敷で始まった習慣で、男の子の健やかな成長と健康を願って飾られる、鎧兜や刀などをいいます。ただ、格好良いから飾っているわけでは無く、様々な意味や願いも込められています。
昔から、子供は宝でした。でも、現代のように医療が発達していない時代には、子供のうちに流行り病にかかったり、産まれながらの虚弱で長く生きられないという人も多く、何とかして子供を災難や厄から守りたいと考えていたのです。そこで、端午の節句には、菖蒲湯に入って身を清め、この鎧兜の人形が、「子供の厄を引き受け、守ってくれる」と考えられていて、大変大切にされてきました。武将にとって、鎧兜や刀は、自分の身を守る大切なものです。それを自分の子供にも与え、身を守らせたのです。
五月人形を飾る時期は、やはり五月の端午の節句に合わせます。4月半ば頃から飾る家庭が多いようですが、桃の節句が終わった後すぐに飾るという人もいます。
五月人形はお下がりがダメって本当!?理由は?
五月人形は、前述の様に子供の厄災を引き受け、成長を祈願するものです。いわば、お守りと同じような考え方を持たれています。そのため、お下がりはダメという意見も多いものです。
中には「高価な物だから、親のお下がりで問題ない」と考える人も居るかも知れませんが、既に他者の厄災を引き受けた人形を貰うと、厄災まで引き継いでしまい良くない事が起こると考えられます。そのため、基本的には1人に一つの五月人形を用意するのです。尚、親の五月人形と、子の新しい五月人形を並べて飾るのは全く問題有りません。
お祓いをすれば、お下がりにしても良いのでは?と考える人も居るかも知れませんが、お祓いをしたからといって、他者のお守りを使う事はおすすめできません。五月人形も同様に考えられます。
五月人形購入はアウトレットでも良いの?中古は避けるべき?
アウトレットでは展示品、型落ち品、新品として作られたものの売れ残ってしまったものなどを扱い、販売されています。
五月人形は、その名の通り五月に飾られるため、販売シーズンがある程度決まってしまいます。でも、作られた商品が必ず全て売れるとは限りません。売れ残ってしまうと、メーカー側は次のシーズンまで保管しなくてはならず、その場所の確保も一苦労なのです。このことから、少し値を下げても、売ってしまった方が、販売側も得なのです。また、一番売れる時期には、様々な場所で展示が行われます。そのため、特にシーズンオフの時期には一定数のアウトレット品が存在するのです。アウトレットと表現される以外に「在庫処分」といわれることがあります。
在庫処分市という名前などで大々的に売られている事もありますので、男児が産まれたらシーズンまで待たず探してみても良いかも知れません。
アウトレットは新品の割引品なので、中古・リサイクル品とは異なります。中古・リサイクルは一度他者の手に渡り、使用されていたものなので、前述のお下がりはダメで述べた理由に基づき避けた方が良さそうです。
新品はいらないと考える親子も多いの?
近年では、五月人形自体を「要らない」と考える親子も多くなりました。都心に住む核家族が増え、狭小住宅やマンションに住む若者が増加し、飾る場所や収納場所を取れないために不要という考えに至るのです。
また、以下の様に考える人もいます。
・購入にはお金がかかる
・伝統や風習に興味が無い
・出し入れが面倒
・子供が怖がりそう
・子供が何人も居て揃えきれない
このように、デメリットで捉えていると、無理して買い揃える必要はない。と感じてしまうでしょう。でも、一方でこう考える人もいます。
・日本の伝統を大切にしたい
・端午の節句をより華やかに彩りたい
・子供の成長を願い形あるものを残したい
・子供に家族の愛情を知らせたい
このようにメリットを重視して購入する人が多いのです。購入に際しては、家族で相談し、価格帯やサイズ・デザインを選ぶと良いでしょう。お祝いとして送られてきたものが、好みのデザインやサイズで無かった場合には、途端に迷惑な物に感じてしまうかも知れません。購入前の相談が大切なのです。
程よいサイズのオシャレな五月人形がおすすめ
五月人形を選ぶ際は、出し入れがしやすいサイズの物、自分の家のインテリアを邪魔しないデザインのものを選ぶと良いでしょう。近年では、兜のデザインも豊富で、昔ながらの重厚感のある素材で作られたもの、木製でできたナチュラルなものから、白黒などベーシックカラーを基調としたモダンなもの、パステルカラーを使用した物、ガラス製のものなど非常に様々です。インターネット上でも探せるため、自分の好みの物、自分の子供に似合いそうな物をじっくり選べます。
ちょっとした棚上などのスペースにも飾れるような、非常にコンパクトなタイプもあり、価格もリーズナブルなものから高価なものまで揃っています。歴史のある有名人形メーカーでもコンパクトな物がありますが、価格はそれなりに高いものです。
こだわらなくても良いのであれば、色々なメーカーから探すことが可能です。
直に置くと子供やペットが触らないか心配・・・という場合には、ガラスケースなどに入ったものを選ぶと安心です。割れないガラスやプラスチック製のケースに入れられたものもあります。
五月人形を処分する場合は?お祓いは必要?
五月人形を処分するにはどうしたら良いでしょうか?
飾っても子ども自身が喜ばなくなったら、子供が家を出て独立したら処分したいと考える家庭も多いものです。
五月人形が不要になったからといって、粗大ごみや家庭ゴミとして回収に出すのは避けましょう。長きに渡り、子供をまもってくれたお守りの様な存在を、最後まで敬いながら処分するのが鉄則です。神社などで供養祭などが行われている場合には、それらに持参して供養やお祓いをして貰った上で処分をする事が望まれます。
また、自治体や施設・団体などで寄付を募っている場合もありますので、そういったところに寄付をするのも処分方法の一つです。
近年では、フリマアプリやリサイクルショップなどで簡単に処分ができますが、五月人形のお下がりを使うのはNGと考える人が多いので、高値で引き取ってもらえるものではありません。配送料の方が多く掛かってしまう可能性もありますので、注意が必要です。
まとめ
産まれた時に自分のために購入された五月人形は、生涯に渡り自分のことを守ってくれる存在です。最初に送られた子のお守り的な存在ですので、兄弟や親子で共有したり、お下がりを渡すことは「厄災を引き継ぐ」という意味があるため避けた方が良さそうです。近年では、飾る場所などの問題から、五月人形の需要が減りつつあります。でも、縁起物だからという理由で必ず用意する家庭もありますので、自分の家庭に見合ったサイズ、デザイン、価格のものを選びましょう。