毎年5月には母の日があります。既に母を亡くされている人にとっては「関係ない」「もう母親はいない」と悲しい気持ちになってしまったり、目を背けたい気持ちを持つかも知れません。でも、近年では、母の日には亡くなった母にも会いに行こう!!ということで、母の日参りというものが取り上げられ、徐々に普及してきました。では、母の日参りとはどんなものなのか?を詳しくご紹介していきます。
母の日には母の日参りを・・・
毎年5月の第二週目日曜日は、「母の日」です。
母の日とは、日頃の母親の仕事や苦労を労い、感謝を表わす日です。母の日はアメリカやアジア・ヨーロッパ諸国など様々な国々で行われています。17世紀頃から行われている国々もあり、歴史は古い伝統のある習慣です。世界的にも母の日は5月が多いものの、3月から12月まで様々な時期に行われています。日本ではアメリカの文化に倣い、5月の第二日曜日に行われています。
母の日の過ごし方も各国様々で、オーストラリアではクリサンセマムという菊の花を贈るのが一般的とされています。
アメリカでの母の日のルーツは、亡くなった母を偲んで追悼集会を開いていたことからです。カーネーションを持ち母に会いに行くのです。
日本では、お彼岸やお盆にお墓参りをして死者に会いに行くという風習がありましたが、近年、母の日にも母の日参りとして会いに行くことが広まって来ました。母の日には母に会いに行くという大切な文化なのです。
亡くなった母を思い出すのは辛いと考える人も居るかも知れませんが、母のお墓の前で手を合わせ、家族が元気にしている姿、孫が元気に走り回る姿などを見せることで天国の母を喜ばせたいものですね。
母の日に天国の母へ贈る花は?
母の日には、カーネーションの花を贈るのが一般的です。とは言え、カーネーションにも様々な種類・色があり、何でもOKというわけではありません。
カーネーションには色別に花言葉があり、以下の様になっています。
赤色・・・母への愛
ピンク色・・・感謝・温かい心・上品・気品
紫色・・・気品・誇り
オレンジ色・・・純粋な愛・貴方を愛します
黄色・・・友情
青色・・・永遠の幸福
白色・・・尊敬・貴方への愛情は生きています=亡き母を偲ぶ
このように、それぞれが別々の意味を持つため、母が黄色が好きなだからと黄色のカーネーションを贈ってしまうと、意味が異なってきてしまうのです。
尚、カーネーションの意味からも分かる様に、赤いカーネーションは健在する母へ送り、白いカーネーションは鬼籍に入った母へ送られます。それを間違えると大変な失礼ですので、気を付けましょう。
カーネーションを他の花と併せてアレンジメントフラワーにして贈る方法もあります。
天国の母へ贈る花として、白いカーネーションを主役にした供花もありますので、それらを持参してお参りをすると良いでしょう。
母の日参りに持参するお供えは?
母の日参りでは、前述の様に白いカーネーションを持参します。カーネーションとそれ以外の白い花を合わせてアレンジメントにして豪華な花束を持参する人も居ます。白のカーネーションを軸に、カスミ草やユリ、アマリリス、トルコキキョウなどを合わせると豪華です。また、母親の好物を持参してお供えする人もいます。
でも、近年では集合墓地や納骨堂のような完全屋内の墓地も存在します。そういった場所では、個別のお供え物は遠慮して欲しいという取り決めがあることもあります。屋外の墓地でも、虫や鳥、動物が来ないよう、食べ物や生花のお供えを禁止とする場所も多いものです。
そういった場合には、お参りの間だけお供えし、お供え物は持ち帰るようにしましょう。持ち帰った後は、自宅の仏壇にお供えしたり、家族が故人である母との思い出を語りながら食べましょう。
昔ながらの一般的な墓地の場合には、生花がお供えできます。両端に一つずつ花をお供えできますので、同じものを2つ持っていきます。
死者にとっては花や線香の香りが何よりの御馳走といわれています。新鮮な花と良い香りのするお線香を持参してお参りをするのが良いでしょう。
花の香りのお線香が人気!?
母の日参りに出向く際、持参するお線香はどんなものが良いのでしょうか?
前述の様に、死者にとってはお線香の香りが食事変わりになると言われています。そのため、現代では様々な香りのお線香が販売されています。
通常の花の香りの他にも、ドロップスやラムネ菓子の香りやお酒の香り、チョコレートの香り、アイスの香りやカレーの香りまであります。故人の好みに合わせて選ぶ事ができます。
また、高級ブランドや有名ブランドなどもお線香を販売しています。アロマオイルや精油が使われ、優しい香りを漂わせる物もあります。
中でも一番の人気は、やはり花の香りのお線香です。老舗香堂や有名な園芸店が販売している物もあり、香りが良いと評判です。
年に一度の母の日参りには、いつもより少し贅沢なお線香を用意して会いに行くのも良いでしょう。
遠方の場合にはゴールデンウィークに・・・
実は、母の日の直前にあるこどもの日には「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福を図るとともに、母へ感謝すること」という意味を持つ日でもあります。そのため、母の日参りはゴールデンウィークから5月第二週の日曜日までに行うのが好ましいとされています。都心に住む核家族が増えた現代では、地方の両親に会いに行くのは大型連休という人も多いものです。それと同様に、遠方への母の日参りも大型連休に行われているのです。
ゴールデンウィークは国民の祝日でもあるため、休みになる人が多く、学校も休みなので家族総出で遠方まで出向くことができます。そのついでに、他の家族・親族や兄弟姉妹とも顔を合わせることができます。母の日参りの機会に、他の親族との親睦を深めれば、母親にとっても嬉しい事でしょう。
どうしてもゴールデンウィークに休めない、予定があるという場合には、少しずらしても構いません。これを機に亡き母へ会いにいくという想いが一番大切なのです。
母の日参りに関するコンクールがあるって本当!?
母の日参りでは、亡き母への想いを題材とした手紙コンクールが開催されています。
これは、日本での母の日参りの普及を目的として行われているものです。毎年、ホームページなどで応募の方法や期限などが発表されています。ノンフィクションでかつ未発表の作品を公募により集め、様々な分野の選考委員により審査されます。この審査は、文章の優劣を付ける物では無く、いかに母への想いに心惹かれたか?エピソードが印象に残ったか?を基準に金賞・銀賞など各種賞が選ばれています。
このコンクールには様々な企業も協賛しています。自分が亡き母への想いを形として残しておきたいという場合には、自信をもって応募してみても良いかも知れませんね。
まとめ
近年、母の日参りという亡き母を偲び、墓前に会いに行くという素晴らしい文化が日本でも徐々に浸透してきました。親孝行をする前に亡くなってしまった、母の最期を看取れぬまま旅立たれてしまった等、母親の死に関してネガティブな思い出がある人も多いかも知れません。でも、母の日参りとして毎年忘れずに出向き、語らうことで少しずつ自分自身も前を向いて生きていけるのではないでしょうか?母の日にはぜひ、家族で母の日参りをしてみましょう。