出産という人生の中で大きな出来事を迎えた家庭は、親族や知人などから出産祝いを貰うことがあります。出産祝いを貰ったら、当然、それに対してのお返しが必要になります。
出産が初めての家庭では、出産祝いのお返しについてよく分からないことだらけではないでしょうか?ここでは、そんな出産祝いに関するマナーや、どんなものを選ぶべきかなどを中心にご紹介します。
出産祝いを貰ったら・・・?
赤ちゃんが産まれるということは、非常におめでたいことです。産んだ女性本人はもとより、家族も喜び、お祝いムードに包まれます。親族や友人、仕事関係など、お付き合いのある人へ出産の報告をすると、出産のお祝いとして「出産祝い」を頂くことがあります。出産祝いは、基本的に相手の好意で贈られるものです。子供が産まれたことを報告しても、必ず貰えるものではありません。とても仲の良い友人でも、出産祝いをくれない場合もありますし、お祝いを強要する訳にはいきません。
また、いくら好意で贈られたものとはいえ、いただいてそのままというわけにはいきません。出産祝いをいただいたら、内祝いというお返しをするのが一般的です。内祝いを忘れてしまうと、「マナー・常識の無い人」という印象を与えてしまいます。出産により親となるわけですから、今後の末永いお付き合いを考えると、子供のためにも非常識な振る舞いは避けたいものです。
内祝いとはどんなものを贈ればいいの?
出産内祝いというと、何を贈れば良いのか迷ってしまうでしょう。
そんな時は、自分との関係性や、相手の家族構成などに着目して選んでみましょう。
例えば、若くて独身一人暮らしの女性であれば、オシャレな雑貨や日持ちのするお菓子などが良いでしょう。1~2人前のパスタとパスタソースのセットなどもオシャレで人気です。
老夫婦であれば、カステラなどの和菓子やうどんなどの乾麺、漬物セットなど、少量でも上質なものが好ましいといえます。
小さい子供がいる家であれば、たくさんあっても困らない可愛いバスタオルや子供受けの良いお菓子の詰め合わせなどが良いでしょう。
このように、出産内祝いは相手のことを考えて贈り分けをすると安心です。慣れない育児に奮闘していて時間が取れないという方には、カタログギフトもおススメです。近年では、セレクトショップのオシャレなカタログギフトもたくさんありますので、相手に合わせて贈りやすくなっています。
中には、出産内祝いとして、ふさわしくない贈り物もあります。
例えば、靴下や靴などの履物は、「相手や相手の好意を踏みにじる」という意味に捉えられることがあり、特に目上の方への贈り物にはふさわしくありません。また、ナイフや包丁、ハサミなどの刃物も「相手との縁を切る」うようなイメージが強くあまりオススメできません。近年では「未来を切り開くアイテム」として刃物の贈り物も見直されていますが、まだ良くないイメージを持つ人もいるのです。
昔は緑茶といえば法事のお返しの定番でしたが、近年では名入れのオシャレな入れ物に入ったお茶類も豊富にあり、出産内祝いでも使用されています。
内祝いはいつ渡すもの?贈るタイミングは?
出産内祝いは一体いつ、どのタイミングで渡せば良いものなのでしょうか?遠くに住む人へは郵送で贈ることもできるのでしょうか?
産後、家族は赤ちゃんのいる生活に慣れるまで、相応の時間を要します。そのため、出産直後にお祝いを頂いても、すぐには内祝いを返せないことがあります。
あまりに時間が空き過ぎると、子供も成長してしまいますし、親族の場合、それ以降のお祝いを渡し辛くなってしまいます。出産から1~2ヶ月、出産祝いを頂いてから1ヶ月程度を目安にして贈るようにしましょう。いつ贈れば良いのか迷って、気になってしまうようであれば、お祝いを頂いてから、なるべく早めにお返しをするようにしましょう。直接手渡す場合には、相手と会えるタイミングで構いません。ただ、2ヶ月以上会えないようであれば、先に郵送で贈る方法をとります。
遠方に住む方へのお返しは、郵送で構いません。
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出産内祝いの基本的なマナー
出産内祝いには、守るべきマナーが幾つかあります。中でも、次の3つは特に注意が必要です。
まず、金額です。出産内祝いは、頂いたお祝い金額のおよそ半分を返す「半返し」が基本となります。そのため、少なくとも3分の1から半額を目安に内祝いを用意しましょう。あまり安すぎても高価すぎてもマナー違反になってしまいます。
次に期限です。前述の通り、出産内祝いは、産後1~2ヶ月まで、お祝いを頂いてから1ヶ月以内にはお渡ししたいものです。あまり期間が空き過ぎると印象も悪くなってしまいます。また、内祝いをすぐ返せなくても、お祝いを頂いた事に対する御礼はすぐにしましょう。電話やメールでも構いません。お祝いを受け取った旨と御礼はしておきます。もし、何の音沙汰もない場合、相手も「受け取れなかったのでは?」と不安になってしまいます。それを防ぐために内祝いを贈る前にお礼の報告はしておくのです。
最後に熨斗(のし)です。頂いた出産祝いに対する内祝いであるという旨が分かるよう、熨斗を付けて贈るようにしましょう。
熨斗には産まれた赤ちゃんの名前を書くようにします。詳しくは後ほど説明します。
これらのマナーを守り、今後の円滑な人間関係を築くようにしましょう。
内祝いにお礼状は付けるべき?
出産の内祝いにはお礼状やメッセージカードが必要なのでしょうか?
お礼状やメッセージカードは、内祝いに必ず付けなくてはならないという物ではありません。お礼状を付けることで、こちらの感謝の気持ちを伝えることができますし、親しい間柄であれば、赤ちゃんの顔写真入りのメッセージカードなどを付けるとより丁寧な印象を与えます。写真カードにはお礼文、名前、性別、産まれた日、中には誕生した際の時間や重さなどを記す人もいます。特に遠方に暮らしなかなか会えない人にとっては、どんな子供が産まれたのかが分かるメッセージカードが付いていると嬉しいものです。
お礼状の文面としては、
「この度は、素晴らしい贈り物をありがとうございました。今後もよろしくお願い致します。」
「お祝いをありがとうございます。子供の名前は○○です。今後も親子共々よろしくお願い致します。」
など簡単に読めて分かりやすい文章が好評です。
お礼状の文面で注意すべきは「頂いた出産祝いのお返しです」という言葉を使わないということです。お返しですという言葉を使う事で、相手に「迷惑掛けたかな?」「お祝いは必要なかったのでは?」と良くない印象を与えてしまいます。また、死や別れなどを連想する良くないイメージを持つ言葉も使用しません。
出産内祝いの熨斗はどんなもの?名前は?
出産祝いのお返しとしてお渡しする内祝いには、必ず熨斗を付けます。
熨斗は、紅白で蝶結びのものを使用します。出産のようなおめでたいことは、何度あっても嬉しいことなので、何度解いても結び直せる蝶結びを選ぶのです。
熨斗の表書きは、上段に「内祝い」の文字を入れます。下段は産まれた子の名前を書きます。子供のためのお祝いに対するお返しですので、子供の名前で返すというのが一般的なのです。また、子供のお披露目という意味も含みます。名前が漢字の場合は、漢字表記をしますが、読み仮名を忘れずに付けるようにしましょう。
熨斗の掛け方には、「内のし」「外のし」の2種類があります。
内のしというのは、商品の箱などに熨斗を掛け、その上から包装するものです。一方、外のしは包装の上から熨斗を掛けます。どちらを選んでも構いませんが、内祝いを郵送するような場合には、汚れや防犯面を考え、内のしにすることが多いようです。風呂敷に包んで持参し、手渡しをするような場合には、外のしにしておいた方が、渡す相手に何を持参したのかがすぐに分かりやすいでしょう。
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お返しは不要と言われた場合は?
出産祝いを頂いた相手が親族などの場合、出産祝いのお返しは不要といわれることがあります。
その不要の言葉をそのまま信じてしまっても良いのか?と不安に感じるものです。特に、血縁関係の無い友人知人は、社交辞令やこちらを気遣いお返し不要としている場合もありますので、なるべくお返しはしたいものです。もし、贈り辛いようであれば、幸せのお裾分けと考えて相手の負担にならないものを贈ると良いでしょう。例えば、旅行に行ったのでそのお土産という名目で品物を渡し、「内祝いをお返しできなかったので・・・」と一言添えるなど、自然に相手に受け取って貰える方法を取りましょう。これは、お返し不要と言われていた親族、血縁者であっても同様に渡すことができます。
もし、会社関係など数人から頂いた出産祝いのお返しを不要とされた場合には、小分けのできるお菓子や、ハンドタオル1枚ずつなど負担にならないものを贈りましょう。
まとめ
出産祝いのお返しである内祝いは、基本的に必ず贈ります。お祝いを頂いてから1ヶ月以内に贈るのがベストですが、様々な事情で2ヶ月後くらいになる場合もあるかも知れません。そのため、お祝いを頂いたらすぐに相手に報告をしておくのがマナーです。内祝いは相手の好みや家族構成などを加味し、困らない物を贈りましょう。食べ物や消耗品など消費出来る物が根強い人気です。内祝いには熨斗を付け、産まれた子の名前を書きます。簡単なお礼状を添付すると、より気持ちが伝わります。
親になって最初の人付き合いが試されるのが内祝いです。家族でしっかり話し合い、マナーを守り贈れるようにしましょう。
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