手土産という言葉を聞いたことがありますか?お土産と同じだと思っている人も、何だかよく分からないという人も居るかも知れません。では、一体どんな場面で使う物なのでしょうか?ここでは、手土産の意味や選び方、渡し方のマナーなどを中心に詳しくご紹介します。
手土産って必ず必要なの?渡す意味は?
手土産(てみやげ)という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。でも、実際どんな場面で使うのか?を分かっていない人もいるのではないでしょうか。
手土産には似た言葉が他に2つあります。それは、「おもたせ」と「お土産(みやげ)」です。『誰かに渡す品物』という点は共通しているのですが、場面や意味、目的が異なるのです。
まず、手土産は、誰かの元へ訪問する際に感謝の意味を込めて用意する進物のことをいいます。手土産には自分の住んでいる場所の名産物を持参するのが基本です。自分が自信をもっておススメできる品を渡し、「お招き頂きありがとうございます」の気持ちを表します。例えばホームパーティーに招かれた際や、友達同士で誰かの家に集まる場合、会社同士の商談や打ち合わせなどで訪問する場合などに手土産を持参します。親切なことをして頂いたお礼や失態を犯してしまった際の謝罪などでも手土産を持参します。
次にお土産ですが、これは旅行などに出掛けた際、誰かのために商品を選んで持ち帰り、旅の話と共に渡すものです。お土産は旅先の名物などを選びます。どちらかというと、プレゼントに近い感覚です。旅行へ出掛けていない人に対し「こんな場所でしたよ」という報告の意味もあります。
おもたせは、訪問者が持参した手土産をホスト側(家主、主催者、開催者など)から見た言い方です。よって、「手土産=おもたせ」で同じものを示すのです。
手土産は、「何があっても絶対に必要」な物ではありませんが、事前に招かれる約束をしていた場合には、持参するのがマナーです。
手土産=お菓子が基本なの?
手土産というと、お菓子を思い浮かべる人も多いでしょう。でも実は、お菓子以外のものでも失礼にはあたらないのです。
お菓子以外で人気の手土産は、ディップソースの詰め合わせやドレッシング、ジャム、お酒、野菜など様々です。相手の家族構成や好みでお菓子以外に変更しても構いません。例えば、ホームパーティが好きな上司に招かれた場合には、ディップソースやミニピザの詰め合わせなどを持参すると喜ばれます。食べ盛りの子供が居る家庭に招かれる場合には、手間を掛けずにすぐつまめる手毬寿司や稲荷寿司なども人気です。夏の暑い時期には、冷たいアイスやゼリーなども人気です。
人と同じにしたくないと考える場合でも、趣向の異なる手土産でインパクトを狙えます。
御礼や謝罪!目的別の選び方
手土産は、仲の良い間柄だけで渡すわけではありません。
会社間のお礼や謝罪などでも手土産が重要な役割を果たします。
大きなデパートなどでは、食料品売り場のコンシェルジュなどが居て、目的別に人気商品を案内してくれます。
また、老舗の御菓子屋さんなどでも、売り子の方がTPOに合う商品の提案をしてくれることもあります。選ぶのに困った時は、恥ずかしがらずに聞くと良いでしょう。
お礼の場合、のしは「御礼」、謝罪の場合は「お詫び」にします。一目で目的が分かるようにします。
謝罪の場合、商品は有名店の定番品が無難です。派手な印象を与えるものは避けましょう。また、日持ちがして、個包装になっている物が安心です。相手の人数が少なくても、多めに入っている物を選び、しっかりと重みのある菓子折りにすることで「事態を重く深刻に受け止めています」という心情を表わすのがマナーです。
手土産で印象が変わる!?どんなものが人気なの?
手土産はそれだけで印象が変わることがあります。逆を返すとそれだけ重要ともいえます。例えば会社間など親しくない間柄では、より一層印象が左右されてしまいます。
センスが良い人と思われたい時や、印象アップを目指すなら、手土産を見直してみても良いのではないでしょうか?
味はもちろん、包み紙や箱、缶など入れ物も美しく、デザイン性の高いものは、見るだけでウキウキさせます。インスタ映えを気にする若い世代なら尚更印象アップ間違いありません。
また、なかなか手に入らない予約待ちのお菓子や、一日限定何個とされているお菓子なども相手を喜ばせます。チェーン展開していない郊外の小さなパティスリーのお菓子なども、なかなか希少性が高く喜ばれます。
あまり金額の高すぎる物を選んでしまうと、相手に気を遣わせてしまうこともありますので、ほどほどの金額のものが良いでしょう。
渡す相手の好みや人数を把握しておこう
手土産を渡すで大切なポイントは、相手の事を考えて品物を選ぶということです。
甘いものが苦手な人にスイーツを渡しても、迷惑になってしまいます。相手の好みが分かっていれば、合う物を選びましょう。もし好みが分からないときは、性別や年代を考慮して考えたり、誰もが好むであろう物や様々な味が楽しめる詰め合わせなどがおススメです。
会社など大人数の所に、少人数で食べる普通サイズのホールケーキのようなものを渡しても、全員に行き渡らないかも知れません。また、切り分けたり食器を使用するものは分け辛いため、よほど気心知れている間柄である場合や、誕生日祝いの目的などでお渡しするのに留めておくのが懸命です。
大人数の会社などに手土産を持参する場合には、1人1人への分けやすさを重視した個包装で、尚且つ種類がわかるようになっているものが良いでしょう。
手土産を渡すマナー!タイミングも重要!!
手土産を渡すにはタイミングが重要です。
会社などの訪問で手土産を渡す際は、会議室などに通され、相手方と一通り挨拶が終わった後にお渡しします。正式なマナーでは、紙袋などから品物を出し、熨斗が付いている場合にはそれが見えるように渡し、紙袋は持ち帰ります。もし、場所が屋外などの場合、品物を出す場所もありませんし、紙袋が無くては相手方が持ち帰るのも大変です。そんな時は「紙袋のまま失礼致します」と一言添え渡しましょう。紙袋で持ち運ぶことが多いのですが、改まった場面では風呂敷を使用します。
謝罪の場合は、謝る前に渡してしまうと「物で釣って許して貰おう」という魂胆が見えてしまい、嫌らしい印象を与えてしまいます。そのため、まず謝罪を終えてから渡しましょう。
手土産を渡す時には、「お口に合えば幸いです」と添えます。「つまらない物ですが・・・」という人も且つては多かったのですが、それは不適切な言い回しです。
尚、接待の場合には、相手がお帰りになる間際に渡します。お見送りの際が良いタイミングです。
まとめ
手土産は、相手に感謝の意を伝えるものですが、お礼や謝罪などにも使われますし、「これからも宜しくお願いします」の挨拶の意味も込められています。
一言に手土産といえども、売られている商品の数は非常に多く、トレンドも日々進化していますので、会社などで手土産を用意する機会がある人は、常日頃から様々な新しい情報を仕入れておくと安心です。
また、渡す機会が多い人は、どうしても事務的になってきます。相手が誰であれ笑顔で渡すのが手土産の基本です。相手を不快にさせない渡し方が大切ですね。