誰でも冬、寒いのは嫌ですよね。
普段の生活なら、自分に合った暖かな服装で過ごすことができますが、人生にはあらたまったシーンが付き物です。
結婚式や葬儀、就活などはどんな人でも必ず経験しますし、プラーベートでも初詣には少しおしゃれをして出かけたいですね。
寒いのを無理に我慢するのも嫌ですが、周りの人たちがあらたまった服装をしているのに、自分だけ着ぶくれして、浮いた存在になっているのも嫌なものだし、マナーも心配です。
今回はそんなあらたまったシーンで、マナー違反にならずに防寒対策をする方法を紹介します。
なぜ防寒対策が必要?寒さが与える影響とは
防寒対策は、毎年寒くなってくると聞かれる言葉ですが、寒いのを我慢するのはそんなにダメなことなのでしょうか。
寒くて冷えてくると、人の体は血流が悪くなってしまいます。このため、血液が行き届かなくなる手足が冷たくなるのですが、これを放っておくと代謝が悪くなって、老廃物がたまりやすくなるのです。また、冷えることで免疫力が低下して、疲れやすくなったり、カゼをひきやすくなる人もいます。体が冷えると体調が悪くなるのは、決して気のせいではありません。
また、体の冷えは精神面にも影響を与えることが知られています。イライラを感じやすくなり、ひどい場合はうつのような状態になる人もいます。
あらたまった場所に出かけるときは、大切な目的があるはずです。
そんなときに寒いのを我慢して体調が悪くなってしまっては、目の前のことに集中できません。
体調が万全で集中力や気力を発揮できる状態でなければ、結婚式で新郎や新婦を祝福することも、葬儀で大切な人とおわかれをすることも、就活で自分の進む道を見つけることもできないでしょう。だから、防寒対策はあらたまったシーンでこそ必要です。
ですが、あらたまったシーンでは、服装にマナーがあることがほとんどです。このマナーを守って、防寒対策を行うにはどうしたらよいのか考えていきましょう。
寒いときにふさわしい素材をチェック!
まず最初に防寒対策として行って欲しいのは、着るものの素材をチェックすることです。
フォーマルな衣類はあまり着る機会がないため、いつでも同じものを着ようと考えてしまいますが、それでは自分も寒いし、周りの人にも寒々とした印象を与えることがあります。
結婚式で着るドレスには冬に適した素材がありますし、就活のスーツや喪服にも冬でも着られるように、工夫されているものがあります。
結婚式のドレスならベロアやツイードがおすすめの素材です。ベロアは毛や絹の織物を毛羽立てて作ります。やわらかく、ふっくらとした感触で冬にピッタリの布です。
ツイードは太く短い羊の毛を使って作られているため、空気を多く含んで温かさを感じさせます。
ただしいくら暖かいからといっても、ニットはカジュアルな素材のため、フォーマルな場面には使えないので、注意しましょう。
また、ドレスやスーツの素材を見直すだけでは、防寒にも限りがあります。可能ならパンツスーツにするのも、よい方法ですね。
防寒対策の基本!肌着をえらぶ
積極的に防寒対策をするなら、基本は肌着です。
肌着は外から見えないので、スマートに寒さを防ぐことができ、マナー違反になる心配がありません。周りの人たちから、浮くこともないのでどんなシーンでも安心です。初詣に和服を着る場合でも、和服用コートを用意するよりも、肌着を用意するほうが手軽で簡単です。
最近では機能的に優れた肌着がたくさん販売されています。ユニクロのヒートテックはもう有名ですね。ヒートテックの主な素材は、レーヨンという化学繊維です。これは人間の体が発散する水分を吸収して発熱して、水分は外に逃がし、熱だけを留める仕組みになっています。
手軽に手に入れることができるので、ありがたい存在ですが、このような仕組みの肌着を着ると、もともと乾燥肌の人は肌の水分が奪われすぎて、かゆみの原因になることがあります。
自分に合った素材の肌着を探しましょう。
ベルメゾンのホットコットのように、綿100%でも、繊維の中央を空洞にすることで、空気を多く含んで暖かさを保つ肌着もあります。綿なら、かゆくなりにくい人も多いので、試してみる価値はありそうです。
防寒対策には便利な存在の肌着ですが、暑くなったときに脱ぎづらいのが難点です。
どんな場所に出かけるのかをよく考えてから、着ることをおすすめします。
防寒対策の必需品!専用のコートで身だしなみも合格!
あらたまったシーンでも、防寒対策としてコートは欠かせません。
普段のコートを流用するのではなく、シーンにあった専用のコートを用意することは、マナーの点でも、身だしなみの点でも大切です。
動物の殺生を連想するため、結婚式(葬儀も)での毛皮のコートはマナー違反です。
また、フード付きのものやダウンジャケットもカジュアル過ぎるため、避けた方が無難です。
結婚式にドレスで出席する場合、コートだけでは防寒が十分ではないこともあります。
そんなときは、カーディガンなどを着て寒さを防ぎましょう。結婚式の場合はクロークがあり、コートなどを預かってくれることが多いので、一緒に預けてしまえば大丈夫です。
会場内は空調が完備されているので、寒いという心配はないでしょう。
葬儀では、外での待ち時間があるものです。コートは案外人目につきやすいので、その場から浮かないよう、黒のコートを用意した方がよいでしょう。たとえ黒のコートであっても、デザインがカジュアル過ぎるものや、ボタンなどがキラキラして目立つものは葬儀には適していません。黒いフォーマルなコートを新調してもよいかもしれませんね。
就活のシーンなら、スーツ用のコートを用意しましょう。
スーツ用のコートは、ライナー(裏地)が取り外せるようになっているものが多いので、秋から冬にかけて長い間役に立ちます。
就活で出かける場合、会場に到着した時点でコートは脱いでしまいますが、普段のダウンジャケットなどを着ていると就活に対する気持ちまで疑われてしまいます。明らかにスーツ用のコートの方が印象がよいでしょう。
すぐに用意できる!小物で防寒対策を
コートや肌着も寒い時期には大切ですが、マフラーや手袋といった小物も同じくらい大切です。
首には頸動脈という太い血管が通っています。首の皮膚はとても薄いため、首を温めると、効率よく全身の血液が温まります。一説には、首を温めると体感温度は3度も上るそうです。
初詣で和服を着る場合にも、ストールやショールが利用できますね。
マフラーと合わせて手袋も使いましょう。体の末端にあり、血流が悪くなりやすい手を温めると、かなり体感温度が変わってくるはずです。マフラーや手袋は、温度変化によってすぐに着けたり、外したりできますから、便利ですね。
初詣では外にいる時間が長くなりますが、和服のときも手袋を忘れないようにすると、防寒対策に有効です。和服では袖口から冷気が入り込んでくるので、ロング丈の手袋がおすすめです。
マフラーも手袋も、会場に到着したら、すぐに外すのがマナーだということは忘れないでくださいね。
外出先でも買える!防寒に役立つグッズとは
おなかや腰にカイロを貼ると、全身が温まります。
直接肌にカイロを貼らないことは当然ですが、肌が弱い人は肌着の上から貼っても、かゆみを覚えることがあります。出かける前に、試しておいてください。結果、カイロは使えないとわかったら、腹巻きを使うのもよいでしょう。
ドレスやスーツを着る場合は、着ぶくれしていると着こなしに影響します。シルクの腹巻きなら、薄手でじゃまになりませんし、冬は温かく、夏は涼しく着けられると評判です。
靴に入れて使うカイロも販売されていますから、足先を温めるために、うまく利用するとよいですね。
最近はインフルエンザの予防や花粉症のときのエチケットとしてマスクを活用している人が多いのですが、マスクは防寒対策にも使えます。
マスクをしていると、自分の息でマスク内の湿度と温度が上がります。冷たい空気を吸わなくても済むので、体の内側が冷えません。いろいろと活用できるマスクですが、フォーマルなシーンでマスクをしたままなのは、マナー違反です。
どんな場合でも会場に到着したらマスクを外すのを忘れないでください。特に就活の場合は、人事担当者の印象を悪くしてしまいますから、注意してください。
急に寒くなったときに、外出先でも簡単に手に入るのが、カイロやマスクのメリットです。
マナーを守って、上手に防寒対策をしてくださいね。
まとめ
今回はマナーを守って防寒対策を行う方法を紹介しました。
あらたまったシーンでも、着るものの素材、コート、肌着で防寒対策を行えることがわかりました。特にコートは場面に応じたものを用意することで、マナーの点でも、身だしなみの点でも安心できます。
また、マフラー、手袋、カイロ、腹巻き、マスクといった小物を上手に利用することも大切です。これらは使い方でマナー違反になってしまうこともあるので、十分な注意が必要ですが、コートやスーツを新調するよりも、気軽にそろえることができますから、すぐにでも防寒対策ができますね。
寒さによる冷えが体や心に悪影響を与えることもわかりましたから、あらたまったシーンでの防寒対策が大切なこともわかりましたね。ぜひ、寒くなる前から防寒対策について考えておいてください。