海苔の日をご存知でしょうか?一体どんなもので、いつなのか?知らない人も多いかも知れません。あまり見聞きしないため、そんな日が有ること自体を知らないという人も居るでしょう。でも、実は興味深い記念日なのです。ここでは、海苔の日について詳しく紹介します。
海苔の日っていつ?どんな由来があるの?
海苔の日は、毎年2月6日です。日本で定められている記念日のひとつです。でも、あまり有名ではないため、知らないという人も多いでしょう。では、海苔の日にはどんな由来があるのかをみていきましょう。
そもそも、海苔の日は、1966年(昭和41年)に「全国海苔貝類漁業協」同組合連合会」に制定されました。なぜ、2月6日なのか?という点には、大宝元年の(西暦701年)に制定された、「大宝律令(たいほうりつりょう)」が大きく関係しています。且つての海苔は、非常に高級品でした。そのため、大宝2年には「諸国指定産物」に指定され年貢の対象になったのです。当時の海苔は、「紫菜」と呼ばれており、「むらさきのり」が主流でした。大宝律令では、34品目の特産品を租税「調」として定めており、その中に紫菜が入っていたのです。因みに、34品目のうち実に29品目が海藻類であるといわれています。
大宝律令は、大宝2年の1月1日に施行されたのですが、その日を西暦にすると、702年2月6日でした。そこから2月6日を海苔の日にすることになったのです。
海苔ウィークと呼ばれるわけ!!
近年、節分には恵方巻を食べるという習慣が根付いてきました。節分は毎年2月2日か3日に行われますし、海苔の日には各地で海苔の消費拡大を図るイベントが行われています。そのため、2月6日を含む前後一週間程が「海苔ウィーク」と言われています。
毎朝、味海苔を食べているという人も、お弁当やおにぎりで海苔を頻繁に使う人もいるかも知れませんが、なかなか使わないという人も、この記念日をきっかけに積極的に取り入れて欲しいものです。海苔の日付近には各地でのりフェスタが開催され、海苔を使ったグルメや海苔すきの体験、海苔の販売が行われます。食べたことの無い海苔料理を試せたり、知らない商品を買えたりと、非常に人気があります。機会があれば参加してみると良いでしょう。
海苔には案外長い歴史がある!!
海苔などの海藻類は、案外長い歴史があり、長きに渡って人々に親しまれて来ました。縄文時代や弥生時代から既に海藻に付した貝類などの化石が見つかっているため、その時代から海藻は何らかの形で使われていました。はっきりと海苔の存在を確認できるのは、689年の木簡です。その後、701年の大宝律令、大宝律令を改編した757年の養老律令、927年の延喜式にも登場します。延喜式は、平安朝廷の運営マニュアルのようなもので、紫菜=海苔が汁物に使用されていたことが記されています。また、平安時代の「うつほ物語」の中で海苔が貴族の贈答用として使用されていたとされています。
鎌倉時代以降は徐々に庶民に広まり精進料理などでも取り入れられるようになったのです。
江戸時代には、徳川家康が好物の海苔を新鮮な状態で献上するため、東京湾でも養殖が開始されました。板海苔が作られたのもこの頃です。
海苔は初春の季語で、かの有名な松尾芭蕉も幾つかの句を詠んでいます。
海苔の日は給食でも海苔が出ている
海苔の日には、全国各地の学校給食でも海苔が提供されています。郷土の歴史を学び、海苔を出すという学校もあります。東京の学校では大森の養殖場で作られた海苔、長崎や佐賀の学校では有明海で採れた海苔など、各地で作られた海苔が提供されます。海苔は子供達にも評判が良く、食べやすいと好評を得ているようです。
海苔の日以外にも、海苔は学校給食に多く用いられています。「ほうれん草の磯香和え」をはじめ、「海苔の佃煮」「もやしとツナの海苔酢和え」や、刻み海苔をかけたご飯など、様々なメニューで用いられています。
海苔の味を添えることで、子供には食べ辛く、苦手意識を持ちがちな野菜が美味しく食べられるのです。
尚、干し海苔の支出金額の一位は、有明海の海苔が多く出回っている佐賀市です。
お菓子でも食事でも!!海苔は栄養満点
海苔は年間を通じて様々なメニューで用いられています。それは、お菓子、食事を問わず多くのシーンに馴染んでいます。
海苔はローカロリー、海藻なのでミネラルやビタミン、食物繊維が豊富です。意外なことに、カルシウムも豊富で、海苔を二枚食べると牛乳15㏄分と匹敵するともいわれています。海苔は「海の牛肉」と例えられるくらい、たんぱく質も豊富です。「畑の肉」と言われる大豆に匹敵するたんぱく質量であるとされています。
また、海苔には三大旨味成分として知られるグルタミン酸、グアニル酸、イノシン酸が全て含まれており、少しの量でも非常に美味しく感じるのです。
世界中をみても日本人は特に海苔の消化吸収能力が高いことが分かっています。海苔を分解できる腸内細菌を持つ者が多いため、食生活に取り入れやすかったと考えられています。
海苔は、白米に合わせても、餅や団子、煎餅に巻いても非常に美味しくいただけます。その外、岩のりはパンに塗っても、パスタに使用しても美味しいと評判です。和にも洋にも合わせやすい万能食材です。
海苔の美味しさは食べ方よりも保存方法が大切!?
前述の様に、海苔は旨味成分が非常に多く、和洋問わず色々なメニューに良く合う食材です。でも、そんな万能な海苔が
保存方法一つでより美味しく食べることができるのです。
乾海苔の大敵は湿気です。外気に触れさせておくと、どんどん湿気ってしまい、風味が低下してしまいます。多くの人が通常のジップ付きポリ袋などで保存をしていると思いますが、湿気をシャットアウトするにはイマイチな方法です。一番良いのは、アルミの袋です。アルミは湿気の遮断率がなんと80%と高く、海苔の保存にうってつけなのです。海苔と乾燥材をアルミ袋に入れ、空気を抜きジップを閉めます。食べ残した海苔を仕舞う時も、同じ袋に入れてしまうと湿気が移ってしまうため、別の袋で保存するのが好ましいものです。
食べる前に、魚を焼く網やフライパンの上で海苔をサッと炙ると良いでしょう。海苔を半分にした時に、パリッと割れれば美味しいサインです。
海苔の旬は初春です。そのシーズンの初めに摘んだ海苔は柔らかく、汁物などに溶けやすい性質を持ちます。これは主に「初摘み」や「一番摘み」と表記されて売られています。ラーメンなどに乗せてもなかなか溶けない海苔は、比較的に摘み回数を重ねたものといえます。
まとめ
2月6日の海苔の日は、大宝律令を由来とした海苔の記念日です。
海苔は古くから高級品として愛されて来ましたが、現代では比較的手に入れやすく、食卓に上りやすい食材です。海苔の日に併せて給食メニューで取り入れられたり、節分の恵方巻に使われたりと、海苔の日前後は海苔ウィークと呼ばれるほど食べられています。海苔は栄養も豊富で旨味成分がパーフェクトです。乾海苔も岩海苔も様々な食事に合いますので、自分の知らない食べ方を模索するのも楽しいものです・
でも、海苔は非常に美味しいのですが、食べ過ぎると腹痛を起こすことがあります。ほどほどに楽しむのが一番ということですね。