新型コロナウイルスの国内感染が確認されてから、数週間の短期間に日本政府から様々な感染防止対策が出されました。それに伴い、旅行や帰省、出張などJR各線や航空路線を利用しての移動を自粛するよう求められています。突然のことなのですが、既に持っている切符や航空券の払い戻しをしたいと考える人も多いのではないでしょうか?
ここでは、コロナウイルス感染拡大防止によるJR各社、航空会社の払い戻し、交通機関キャンセルの流れをまとめてみました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けJR各社の払い戻し対応
2020年2月、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、JR各社が各種旅券の払い戻し対応を決定しました。
これは、新型コロナウイルスから1人でも多く守ろうと国が注意勧告を示したことによります。
JR各社は既に発券及び支払い済みの普通乗車券、特急券、指定席券、グリーン席券を対象に払い戻しの対応を行います。フリーパス切符は使用前であれば払い戻し対象です。但し、定期券や回数券は対象外です。
対応窓口は、特別企画乗車券(お得な切符、往復切符など)は各商品販売窓口にて、えきねっと、モバイルSuica、新幹線eチケットなどはそれぞれの問い合わせ窓口で相談可能です。
該当するチケットは、手数料無しで払い戻しが受けられるとのことです。
該当条件は以下の通りです。
- 外務省からの新型コロナウイルスの感染拡大防止のための渡航中止勧告、または退避勧告を理由に旅行を見合わせる時
- 新型コロナウイルスに罹り、旅行を見合わせる時
- 新型コロナウイルスの感染拡大防止によりイベント等が中止・延期・規模縮小することにより、旅行を見合わせる時
- 新型コロナウイルス感染防止のため旅行を見合わせる時
また、今回は特例として、政府からの臨時休校宣言により休校になり不要となった学生の通学定期券も払い戻し対応できることが分かりました。最終登校日=最終利用日として払い戻しができるため、急がなくても良いというメリットがあります。体調が思わしくない時は、しっかりと自宅待機をし、回復してからの対応で間に合うというのは非常に有り難いものです。但し、こちらは所定手数料がかかりますので要注意です。
今回のコロナウイルス感染拡大予防を受けて、多くの施設が臨時休館・臨時休園の措置を取っています。そんな中でも、その事実を知らずに訪れてしまう人や、開園等の情報を調べずに電車で目的地まで来てしまう人も多々いるようです。中には「休館・休園だということを知らなかったため、電車代の払い戻し対応をして欲しい」という人が居るそうですが、JR各社ではそのような対応は行っておりません。払い戻し対応が適用されるのは、あくまで旅行やそれに伴う移動の自粛を行う場合、出掛ける前の旅券なども未使用である場合のみです。実際に電車を使用した分は当然支払いが発生します。その点は忘れないようにしましょう。
JR各社の通常払い戻し対応
JR各社では、通常時も払い戻し対応を行っています。ただ、払い戻しには所定の手数料が掛かります。
普通乗車券、回数乗車券、定期券、急行券、自由席・特定特急券、自由席グリーン券は使用開始前および有効期間内に限り220円の手数料で払い戻しが可能です。
また、指定券は出発前までは払い戻せますが、220円の手数料が掛かります。
指定席特急券、指定席グリーン席券、寝台券、指定席券は、出発の2日前までは340円の手数料ですが、前日から出発時刻までのキャンセルは切符代金の30%の手数料が掛かります。(最低340円以上)
その他、お得なきっぷなどは、商品により払い戻し手続きや金額などが異なりますので、各種販売窓口に要確認です。電車での交通機関キャンセルの流れは、通常時も今回の特例時も基本的に同じです。まず、各種販売窓口に問い合わせ、手続きを取りましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け各航空会社の払い戻し対応
日本国内航空会社は、新型コロナウイルス感染拡大に関する政府からの基本方針に基づき、国内線全便の航空券を手数料無しで払い戻し及び予約の変更を発表しました。(現時点では、ほとんどが3月19日まで対応予定)
対応する会社は以下の通りです。
- 全日本空輸(株)・・・ANA
- 日本航空(株)・・・JAL
- スカイマーク(株)・・・SKY
- (株)ソラシドエア・・・SNA
- (株)スターフライヤー・・・SFJ
- (株)AIRDO・・・ADO
- (株)フジドリームエアラインズ・・・FDA
- アイベックスエアラインズ(株)・・・IBX
- オリエンタルエアブリッジ(株)・・・ORC
- ピーチ・アビエーション(株)
- ジェットスター航空
- エアアジアジャパン(株)
- 春秋航空日本(株)
対応内容は、中国本土に向けての航空券の場合に限られる場合、欠便が決定したものなどに限られる場合もありますので、各航空会社へ確認してみましょう。
各航空会社の通常払い戻し対応
各航空会社でも、通常時に払い戻し対応を行っています。ただ、払い戻しには所定手数料などが掛かります。
国内大手のJALでは、航空券1枚につき出発前440円、出発後は440円と運賃20%が払い戻し手数料として掛かります。航空会社によっては、出発前であっても、期間毎に運賃の一部を負担する必要があります。また、出発後には払い戻し自体ができないところもあります。その負担割合や払い戻し時期、対象航空券などは各社異なりますので、その都度確認が必要です。一番大切なのは、購入前に約款などをしっかり確認し、払い戻し可能な場合とそうでない場合をしっかり確認しておく事です。各航空会社の交通機関キャンセルの流れは、通常時も特例時も基本的に同じです。航空券を購入した会社の対応窓口にて所定手続きを行いましょう。
加入率上昇中、チケットガード保険・旅行キャンセル保険
コロナウイルス感染の広まりを知り、早目にキャンセルした人は、通常の払い戻し対応で処理されてしまいました。卒業・卒園祝いとして三世代で大規模な旅行を予定していた筆者の知人は、キャンセル料だけで1~2人分の旅行代金が掛かってしまいました。そんな悲しい事態を避けるため、チケットガード保険や旅行キャンセル保険というものに加入しておくのも1つの手かも知れません。
チケットガード保険は、急病、怪我、家族の入院、突然の出張、交通機関遅延などでイベントへの参加や観戦ができなかった場合に一定の補償を受けられるものです。また、旅行の宿泊費、交通費、手数料などの保険が旅行キャンセル保険です。旅行キャンセル保険は、突然の病、怪我、家族の入院、突然の出張、交通機関遅延などで旅行に行けない場合にキャンセル料が戻る保険です。
今回の新型コロナウイルスの場合、感染者や濃厚接触者として自宅待機が必要な人は補償対象です。また、イベント主催者側や旅行会社などがコロナウイルスを理由に中止をしチケット代を払い戻した場合には、保険料も全額返金されるそうです。
毎年流行するインフルエンザなどの感染症の際にも、医師からの診断書があれば適用されます。安心のためにも加入を検討してみても良いのかも知れませんね。
まとめ
今回、突然のコロナウイルス発生及び急速な感染拡大により様々なところで大きな影響が出ています。JR各社や国内航空会社では、特例として手数料などが掛からない形での払い戻し期間を設けました。旅行などを予定していた人が大きな損をすることが無いよう、各社が全力で取り組んでいます。
これらの対応は、今後の新型コロナウイルス感染状況により変更や期間延長など、情勢に合わせてどんどん変化する可能性があります。
また、JR各社や航空会社以外の旅行会社でチケットを手配されている場合には、各旅行会社での対応となるため、手続き内容の確認が必要です。