暖かくなったり寒くなったりしてくると、衣替えを意識し出します。季節が変わるたびに行われている衣替えですが、やってはいけない事や注意点、上手に衣替えを行うコツやポイントはあるのでしょうか?ここでは、そんな「衣替え」についてを詳しくご紹介します。
衣替えとは何のためにするの?時期は?
衣替えとは、季節に合わせて衣類を調整することをいいます。その時期に使い易い場所に衣類を移動させ、より快適に衣服を使用する目的もあります。
制服のある職場や学校では、夏服と冬服を入れ替える時期としても衣替えという表現が用いられています。
日本では、6月1日と10月1日に衣替えを行う地域が多いものです。でも、北海道では半月づつ冬季を伸ばし、6月15日、9月15日に衣替えを行ったり、温暖な南の地域では夏季を伸ばすため5月1日、11月1日に衣替えを行う事があります。出雲地域では、毎年出雲大社で6月初旬に行う「凉殿祭」が終了次第衣替えをするという風習があります。
日本の衣替えにおける歴史は古く、平安時代から行われています。平安時代には旧暦の4月1日、10月1日に行われ、「更衣」と呼ばれていました。その後、鎌倉時代には、衣服以外の調度品も取り替えていました。
江戸時代になると、年4回の衣替えを行っていました。明治時代以降は、現在と同じように6月10月の年2回の衣替えが定着しました。
衣替えの注意点とやってはいけない事とは?
季節の変わり目に衣類を変える衣替えですが、衣類を上手に保管するためにやっては行けない事や注意点があります。
やってはいけない事は以下の通りです。
・洗濯をせずに仕舞う→衣類の思わぬ汚れや黄ばみに繋がります。
・ハンガーに掛けたまま仕舞う→衣類の型崩れを招きます。
・ジャケットのボタンを閉めておく→平面型のクセがついてしまいます。
・ギュウギュウに詰め込む→型崩れやシワの原因です。
・ビニールを掛けたまま仕舞う→湿気が籠り、カビの原因になってしまいます。
・防虫剤を使わない・置く場所を間違える→虫食いの原因です。
・雑に畳む→型崩れ・皺の原因です。
・日の差し込む場所に置く→色褪せの原因です。
・雨の日に衣替えを行う→湿気を閉じ込めてしまいカビの原因です。
様々な注意事項がありますが、これらに気を付けて快適な衣替えを行いましょう。
仕舞う前に洗濯やアイロンは必要なの?
衣替えで仕舞う際に「出す時に洗えばいいや」とそのまま仕舞っていませんか?
実は、そのまま仕舞ってしまうことは避けるべき収納方法です。一見汚れていない衣類でも、見えない皮脂が付いていて、その皮脂を衣類の繊維が吸う事で黄ばみやシミへじわじわと変化するのです。そのため、次に着ようと出してきた際に「こんなに黄ばんでしまっていた!!」と驚くことになるのです。一度黄ばみが定着してしまうと、元に戻すことが難しいのも事実です。特に直に皮膚と触れる衣類(シャツ・Tシャツ・下着)などは汗染みや黄ばみが出てしまう事が多いです。
後悔しないためには、きちんと洗濯をしてから乾かし、アイロンがけまでしておくことをおススメします。アイロンを掛けることで雑菌や虫が死滅し、皺まで伸びた状態にできるため、おススメです。洗ったり、アイロンがけのできない洋服は、クリーニングに出して防虫加工をして貰うと良いでしょう。
ケース?圧縮袋?どうやって保管すべき?
衣替えで悩むのは保管法方です。保管には収納ケースや圧縮袋を使用する家庭が多いでしょう。
近年では、様々な収納ボックスが販売されており、サイズも自分の家の収納場所に合わせて選ぶ事ができます。使わない時には畳んでおけるものもありますし、上に座れるソファのような収納ケースもあります。
次のシーズンを考えると、一目で分かる収納にしておくことが便利です。
圧縮袋は毛布やタオルケットなど嵩張るリネン類を入れておくのに適しています。圧縮をして空気を抜くため、どうしてもシワっぽくなってしまうのが難点なので、自宅で利用するものを入れておくのが良いでしょう。
保管ボックスとして、段ボールを使用する事はNGです。段ボールは水分に弱く、湿気を吸ってしまいます。更に隙間が多く虫が入り込みやすく、防虫剤の効果も利き辛いのです。日々溜まる段ボールを「勿体無いから使いたい」と考えてしまいますが、ここは我慢して収納ケースに仕舞うようにしましょう。
アレルギー対策や虫除けはどうしたらいいの?
衣替えをすると何故かアレルギー症状が出てしまうという人がいます。それは、ハウスダストアレルギーが要因であることが殆どです。衣替えで長期間仕舞われていた衣類には様々なハウスダスト(繊維くず、ダニ、ほこり、カビなど)が付着しています。そのため、それらが引き金となり鼻水やくしゃみが止まらない、目が痒いなどのアレルギー症状が出るのです。
ハウスダストアレルギーを引き起こさないために、次の事に注意しながら衣替えを行います。
・出す際にはそっと出す。衣類をあまりバタバタさせない。
・換気をする
・マスクを着用する
・洗濯や天日干しを行う
天気の良い日を選んで衣替えをし、これらを行う事でアレルギー症状は軽減できるでしょう。
衣替えまでの間、収納場所の風通しを良く保つことも大切です。衣類の素材に合わせた収納ケースを選ぶのもコツです。
また、夏服への衣替えは、梅雨入り前に行いましょう。虫はゴールデンウィーク後~梅雨時期に産卵します。産卵をしたままの衣類を仕舞うと虫が産まれてしまい、次に出した時には虫食いだらけという状態を招きかねません。
また、防虫剤を正しく使いましょう。防虫剤は上から下へと効果を発揮します。下の方や衣類と衣類の間に置く人がいますが、それでは効果半減です。衣類ケースの場合には蓋を閉める前に一番上に置きましょう。ハンガーラックの場合には、上段に掛けておきます。
収納しきれない分はどうすべき?
衣替えをする際に、どうしても収納しきれない分が出ることがあります。特に、夏服よりも冬服の方が嵩張る為収納スペースも多くとります。そのため、限られたスペースで効率良く収納をする必要があります。
薄手の羽織り物など、夏でも冬でも使える物、持ち運びし易く年中使う物はそのまま出しておくようにしましょう。
また、断捨離を機に思い切って断捨離をするのもポイントです。ワンシーズン着てみてサイズがしっくり来ない物、既に色褪せやよれ、シワなどが気になる物、逆に一度も着なかった物などは手放しましょう。年々トレンドや流行カラーが変わりますし、自分も歳を取る毎に服の好みや似合うものが変わります。そのため、毎シーズン見直してみると良いでしょう。使わない衣類はリサイクルに出したり、カットして雑巾として使用すれば惜しいとは感じないかも知れませんね。
まとめ
衣替えの時期は、5月頃から22度を超える日が続いた時、9月頃から18度以下の日が続いた時などがベストです。季節の変わり目は寒暖差も大きいため、衣替えも急に完了することはありません。そのため、2~3週間を掛け、ゆっくりと衣替えを完了させるのがベストでしょう。衣替えの際にはやってはいけない事、注意点が様々あります。衣類を長持ちさせるために気を付けながら衣替えを行いましょう