ビジネスの場で取引先の人などを自社の上司に紹介をする、あるいは結婚式の親族紹介をする、など、「他人と他人を引き合わせる」という場面に遭遇した場合に慌てずきちんと対応できるようにしたいものですよね。
そこで今回は人物紹介の仕方やマナー、紹介する順序など、知らないと恥をかいてしまいそうなポイントをわかりやすくご紹介しています。
併せて初対面で好印象を持っていただける自己紹介の仕方もまとめましたので是非お役立てください。
人物紹介の際のマナーは?
ビジネスなどの場で、自己紹介をする機会は頻繁にあるかと思います。また、自分が取引相手などに自社の人を紹介する、というような場面も多く発生しますね。その場合のシチュエーションも、取引先の方と自社の人との地位や年齢が違う場合、どちらも複数の場合、男性も女性もいる場合、など、さまざまなケースがあります。
シチュエーションごとに紹介の仕方も異なりますので、しっかり頭に入れておくと、ビジネス以外でも物事がスムーズに運ぶ場合も多いです。
たとえばご結婚なさるときにご両親にお相手をご紹介する時や、結婚式などでそれぞれのご親族同士を引き合わせるときなど、一般常識として役に立つこともあるでしょう。今回はさまざまな場面、そしてさまざまなシチュエーションにおいての「紹介の仕方」をまとめてみましょう。
基本的な紹介のマナーとしては、自社の人と他社の人の場合では自社の人を先に紹介します。年齢が違う場合には、先に年少者を年長者に紹介しましょう。男性と女性がいる場合には基本的には男性を先に紹介しますが、立場や年齢にかなり差がある場合には女性を先に紹介します。
紹介をするときにはまず、「ご紹介申し上げます」と一言断りを入れましょう。面識がない者同士を紹介する場合には、事前に理由や経緯などを両者それぞれにきちんと説明しておきましょう。いきなりその場所に行ったら知らない人たちがいた、という状況を作ることは避けたほうがいいですね。また紹介後も、ご自分が間にたち、両者との橋渡し役になることも忘れないようにしましょう。
以上の基本事項を頭に入れたところで、さらに詳しく、シチュエーション別にまとめてみます。
人物紹介の順番は?シチュエーション別にご紹介
例えば、取引先の方の役職が自社の上司の役職よりも下だった場合、紹介の仕方はどうなるでしょうか。そのような場合でも、自社の人を先に紹介する、というマナーは変わりません。たとえば自社の社長であったとしてもお客様の方が優先、というのがマナーですから、この場合でも自社の社長を取引先の方に先に紹介をします。
取引先同士を引き合わせるケースもあります。この場合は、自分が密接に関わっている取引先の方を先にご紹介しましょう。これはビジネスに関わらず、年齢や地位も同じような立場の方同士を引き合わせる場合にも適用し、自分がより親しくしている人を先に紹介します。
また、一人と複数人を引き合わせる場合には、先に一人を紹介しましょう。その後に、大勢の側を、地位の高い人から紹介していきます。地位などが同じような場合には、端の人から順番に紹介していきましょう。
地位も年齢もバラバラ、など困った場合でも、基本マナーとして「自分の方を下げ、相手を敬う」ということを覚えておくと良いでしょう。まずは身内を先に紹介し、敬意を示す相手の紹介を後にする、この基本の姿勢を忘れなければ、大抵のシチュエーションで役立ちます。
結婚式の際の親族紹介の挨拶や順番は?
ここまでは主にビジネス上での紹介マナーについて書きましたが、次は結婚式などでの親族の紹介の仕方について見てみましょう。結婚式の際に両家の親族の顔合わせや紹介といったことが行われることがあります。おそらくご結婚されるほとんどの方々が行ってきていると思います。両家の親族全員が揃うのが大体結婚式当日になるケースがほとんどでしょう。
ですから両家の親族紹介は大体が結婚式当日に行われることが多いです。結婚とは本人たちだけでなくお互いの家族、親せき同士が結びつくことでもありますから、親族紹介はマナーにのっとってしっかりこなしたいものですね。
親族紹介には代表者形式と自己紹介形式があります。代表者形式というのは両家の父親が代表となり、それぞれの親族を紹介していくケース。そして自己紹介形式は親族1人1人が自己紹介をしていく形式です。こちらでは代表者形式についてまとめましょう。
まず新郎側の紹介から始めます。このとき代表者(大体は家長である新郎の父)は挨拶から始め、まず自己紹介をします。続いて母、息子(新郎兄弟)、娘など、自分の家族から紹介した後は、父方の父母(新郎の祖父祖母)など親族を先に紹介していきます。
このとき、「さん」などの敬称はつけないようにしましょう。そして順番は、親等が近いところから
紹介していく、と覚えておきましょう。新郎側が終わったあとは続いて新婦側も同じように紹介をしていきます。
それぞれの紹介が終わりましたら、新郎側の代表者が締めの挨拶をしましょう。代表者形式はそれぞれの代表者にはプレッシャーなど負担がかかりますが、1人1人自己紹介をしていくよりは時間の短縮にもなり、こちらの方法をとる方が多いようです。
紹介される立場のマナーは?
それでは、紹介される側としてのマナーについても触れておきましょう。紹介をされたら、もし腰掛けていた場合にはきちんと立ち上がって挨拶をしましょう。服装など身だしなみもその前にきちんとしておくことが大事です。紹介者に名前を言われたあとでも、ご自分からも改めて「はじめまして」とフルネームを名乗るようにしましょう。
また、紹介された相手の名前はできるだけ一度で覚えるようにし、会話の中でもお名前を呼ぶようにすると失礼に当たらず、やり取りもスムーズにいくでしょう。
また、紹介された後の話題の振り方にも気を付けましょう。宗教や政治、思想関連の話題は避けるのがマナーです。また、学歴などに関しても話題にしたり立ち入って質問などしたりすることはタブーです。初対面ですからあまりお相手の個人情報、プライベートなことなどに迫るような質問や話題は避けましょう。
好感をもたれる自己紹介の仕方
それでは最後に、ご自分自身を紹介する、「自己紹介」について、これだけは押さえておきたいというマナーや、初対面でも好感をもたれる仕方などまとめてみましょう。
社会人になると自己紹介をする場面がとても増えてくるかと思います。特にビジネスの場となると第一印象はとても大事になってきますので、好感をもたれる自己紹介のマナーを覚えておくことは大切です。
まず、これは自己紹介のときに限らず、どんな場面でもそうですが、言葉をはっきりと発音してお話するということ、そして早口にならないように心がけましょう。また、自己紹介とは自分のことをお相手に覚えてもらう、ということでもありますから笑顔をつくること、そして気持ちの良い印象をもってもらう、ということも押さえておきましょう。
次に自己紹介の流れです。まず、お辞儀をして挨拶をします。このとき、お辞儀をしながら言葉を発するのではなく、必ず、お辞儀を終えてから挨拶をしましょう。次に名前を名乗ります。そのあとに自己アピールをし、締めの挨拶をしてから最後にまたお辞儀をします。
一番悩まれることの多いのが自己アピールの部分かと思います。上記しましたが、初対面でもお相手に印象づける、ということが大切なので、お相手に覚えてもらいやすいような、分かりやすく印象的なアピールをすることが大事です。あらかじめ自分の「ここが売り」というようなポイントをまとめておくとか、エピソードを考えておくなどすると良いでしょう。ただし、あまり長いアピールはかえってお相手に良い印象を与えません。なるべく短く簡潔にまとめましょう。
まとめ
今回は「紹介」について、自分が誰かを引き合わせる場合のマナーや紹介する順番、また、自己紹介についてのマナーや、初対面でも覚えてもらえる、好感をもって頂ける方法についてご紹介しました。自分自身を紹介することもそうですが、人を誰かに引き合わせる、紹介する、ということも、なかなか責任重大なことで難しいですよね。
基本としては自分に近しい方から紹介をする、お客様のほうを優先する、といった姿勢を忘れなければ全てパターンを覚えなくてもスムーズにいきます。社会人になると思いもかけないところでそういった場面に遭遇することもあります。そういう時に慌てずに対処できるように日頃からマナーを頭に入れておくと良いですね。