お箸の作法、子供の頃に厳しくしつけられた方もいるのではないでしょうか。
誰かと食事をする時は相手のお箸の持ち方や作法などが目につきますよね。
しかし、見てしまうということは相手からも見られているということでもあります。
皆さんはきちんとお箸が使えていますか?
今回はお箸の作法についてご紹介していきます。
正しいお箸の作法とは?
和食の席で欠かせないのがお箸ですよね。
日本人に馴染み深いお箸はとても優秀な食器でもあります。
洋食のコース料理などでは前菜やメインによってその都度使うカトラリーが異なりますが、和食では、お箸一つで全て賄うことができるのです。
そして、お箸の使い方の作法も存在します。
子供の頃に両親からお箸の作法について厳しく叩き込まれた方もいるでしょう。
身近にお箸と関わってきた日本人にとって、食事をする上でお箸の作法はとても重要です。
しかし、どのような作法があるのかご存知ですか?
お箸の作法は、お箸を取るとことから始まっています。
普段は何も考えずにお箸を持ち上げて食べ始める方がほとんどかと思いますが、正しいお箸の持ち上げ方を知っておきましょう。
①右手の指を揃えて箸の中央からやや右寄りの部分を持ちます。
②右手で箸を持ったまま、左手の親指と人差し指で下から持ち上げます。
③右手を箸の下にして、左手は外します。
④そのまま右手で箸を使う形に持ち直せば完成です。
お箸の置き方にも正しい作法があります。
①右手で箸を持ちながら、左手を箸の下を持ちます。
②左手はそのままで右手を箸の右側に移動します。
③右手で箸を上から持ち変えます。
④左手を離し、右手で箸を置きましょう。
箸置きがある場合は、箸の先端を3センチほど箸置きから離して置きましょう。
箸袋の場合は、箸袋の箸を折ってから箸袋に戻しましょう。
お皿の上などに無造作に置くとマナー違反となってしまいます。
お箸を置く場所にも気を付けて下さいね。
洋食などと違い、日本人は器を持って食べるのがマナーですよね。
器を持つ場合も箸の持ちあげ方にマナーがあります。
①両手で器を持つ
②左手だけで器を持ち、右手で箸を持ち上げる。
③器を持ったまま、左手の薬指と中指に箸を挟む。
④右手を箸の右側へ移動する。
⑤右手を箸の下へ移動させて、箸を持つ。
このようにすれば器と箸を同時に持ち上げることが出来ます。
お箸は上げ下げだけでも正しい手順があるのですね。
知っておけば恥をかかなくても済みます。
普段からお箸の作法をきちんと行うのも良いですが、誰かと和食を食べに行く際にも是非お試し下さい。
食事の相手がお箸の作法を知っている方ならば「お!この人はお箸の作法をきちんと知っているのだな!」なんて思われるかもしれませんよ。
お箸の正しい持ち方、きちんと出来ていますか?
普段、意識してお箸を持つことはあまりないですよね。
しかし家の外に出ると他人のお箸の持ち方は意外と目につくものです。
しっかりと正しい持ち方を確認しておきましょう。
①下に来る箸から持ちましょう。
右手の親指と人差し指の間で箸を持ちます。
②そのまま箸を右手の薬指の内側に当てます。
③もう1本の上に来るお箸は親指と人差し指と中指で鉛筆を持つように持ちます。
④箸の右側は三角形を作るようにして形を整えましょう。
⑤使うときは箸の上の部分のみ動かして下さい。
下の箸は固定したままです。
このようにすればお箸の正しい持ち方をすることが出来ます。
正しいお箸の持ち方、皆さんはちゃんと出来ていましたか?少し違った!なんて方がいたらこれを機会に正しい持ち方へ直してみて下さい。
慣れていないと最初は窮屈かと思いますが、正しい持ち方は食べやすい持ち方でもあります。
きれいにお箸を持って、楽しく食事をとって下さいね。
箸のマナーを守ろう!
お箸の作法や正しい持ち方などをお伝えしてきましたが、食事のマナーについても知っておきましょう。
食事をする際にはどの国でもいろいろとマナーがあります。
例えば洋食だったら食器の音をたてないとか、インドだったら左手で食べてはいけないなどがありますね。
日本のお箸も一緒です。
箸の使い方ひとつでマナー違反となってしまうことがあります。
これからお箸を使う際にやってはいけないことをご紹介していきたいと思います。
・刺し箸…食べ物に箸を刺して取ること。
・拾い箸…二つの箸で同じものを取ってしまうこと。
・迷い橋…食べ物の上でどれにしようかと箸をあちこち動かすこと。
・寄せ箸…箸で手前に食器を寄せること。
・ねぶり箸…箸についたものを拭き取ろうとして、箸をなめること。
・渡し箸…食器の上などに箸を置くこと。
・振り上げ箸…箸の先を手より上に上げること。
・探り橋…手前の料理ではなく、奥の料理を食べること。
このように、お箸を使う際にはやってはいけない行為がたくさんあります。
刺し箸などはマナー違反としてよく聞くかと思いますが、皆さんは全てご存知でしたか。
マナーを守って食事をすると周りも気持ちの良いものです。
是非、マナー違反とならないようにお箸のマナーを守って食事をして下さいね。
お箸の由来、日本人の箸食はいつから始まった?
日本人にとって生活に欠かせない食事道具のお箸ですが、いつから使われていたのでしょうか。
時代劇を観ていると江戸時代には当たり前のように庶民もお箸を使っていますよね。
実は日本では江戸時代よりもさらに前、弥生時代末期に神様の祭器としてお箸の形をしたものが登場していたそうです。
現代でお箸といえばまっすぐな形をしたものですが、弥生時代の祭器は竹で作られたピンセットのような形だったといわれています。
しかし弥生時代から食事の際にお箸を使っていたというわけではないようです。
祭器としてお箸のような形のものが作られてはいましたが弥生時代の人々は手食がメインだったようですので、お箸を使って食べる箸食になることはありませんでした。
ではいつから日本へ箸食が広まったのでしょうか。
実は弥生時代よりもかなり時を経た7世紀ごろに中国から日本へ箸を使って食べる箸食の文化が伝えられたとされています。
遣隋使が持って帰ってきた中国の文化の中に箸食があったといわれ、聖徳太子が朝廷の供宴儀式で箸を使ったとされている記録もあります。
この箸食の文化は8世紀に入ると庶民へも伝わっていきました。
このようにして馴染み深いお箸は日本中へ広まったのですね。
ちなみにお箸の語源については端で物をつかむということからおはしと呼ばれるようになったとの説や、柱や橋の形に似ていることからおはしと呼ばれるようになったなどの説があります。
割り箸っていつからあるの?
定食屋さんなどに入ると大抵のお店では割り箸が出てきます。
家で知人を招いて一緒に食事をとる際も割り箸だと使った後は簡単に捨てることが出来るのでとても便利ですよね。
この割り箸、日本でいつから使われているかご存知ですか?
実は割り箸が日本へ初めて登場したのは江戸時代だったといわれています。
江戸時代では割り箸ではなく、引裂箸と呼ばれおり高級な料理店などで使われていたそうです。
その後、明治時代に入ると奈良県の寺子屋の教師によって廃材を利用して作られた小判箸が作られました。
大正を経て昭和に入ると機械化で一気に生産量が多くなり、現代ではコンビニエンスストアなどでも当たり前のように割り箸がついてくるほど身近なものになりました。
まっさらで使い捨てが出来る割り箸は衛生的で日本人の気質に合っており、現代でも当たり前に使われているゆえんでしょう。
ちなみに、お正月などで寿と箸袋に印字された新しい割り箸を使うこともあるかと思います。
これは割り箸を割ることがお祝い事において「事を始める」という意味があるので、めでたい席でも割り箸が使われています。
中国のお箸のマナーはどんなもの?
日本と同じく中国もお箸の文化がありますよね。
そもそも中国からお箸の文化が伝わったとされていますから、日本よりも箸食の文化は長いのです。
箸自体は中国由来のものですが、作法については、中国と日本では違うところがあります。
日本ではNGとされることも中国では正しいとされていることがあるのです。
例えば日本ではお箸は横向きに置くのが一般的ですが、お隣の中国に行くと食べ始める前や食事中は箸を縦に置きます。
日本ではお箸を縦置きにはしてはいけませんよね。
中国では食べ終わったというサインで横に箸を置くのです。
食べている最中にお箸を横置きにしてしまうとお皿を下げられてしますので注意して下さいね。
まとめ
お箸の作法についてご紹介してきましたが、皆さんはどれもご存じだったでしょうか?昔から日本で使われてきたお箸にはいろいろな作法があります。
作法を守ることは相手への気遣いの表れでもあります。
自分にとっても相手にとっても楽しい食事にしたいものですね。
また、お子さんがいるご家庭では、お箸のしつけは立派なコミュニケーションにもなります。
親から子へとお箸の持ち方は伝わっていくものですから、ぜひ正しい持ち方を教えてあげて下さいね。