神社での結婚式に憧れを持つ人は少なくありません。昔から続く白無垢姿の美しさは見る者を圧巻します。でも、教会式と一体何が違うのか？どんなことに気を付けるべきなのか？など分からない事も多いでしょう。ここでは、そんな和の結婚式である神社の結婚式について詳しくご紹介します。
神社で結婚式を挙げたい！！どこに注目すべき？
近年、神社仏閣ブームで和の結婚式・神社での結婚式が注目されています。
結婚式と聞くと、ウェディングドレスを着てチャペルで行うというイメージが強く、神社での結婚式がどういうものなのかを知らないという人も多いでしょう。では、神社での結婚式とは一体どんなもので、どんな点に注目すれば良いのでしょうか？
日本で最初に神社で結婚式を挙げたのは、大正天皇です。1900年（明治33年）に行われ、これがきっかけで神前結婚式の形式が一般化しました。その後、東京大神宮で一般客でもできる神前結婚式が始まりました。神前結婚式は日本の伝統や奥ゆかしさが感じられ、教会式と人気を二分しています。
神社で結婚式を挙げる場合、まず気にすべきは日程です。神社では、時期によりお祭りなどのイベントなどが行われたり、混雑状況が変わります。特に、七五三の時期には境内が非常に混み合い、子供達への配慮が必要になったりすることもあります。繁忙期には結婚式の受入れ自体をしないところもありますので、希望する日に行えるかどうかを確認しましょう。
また、規模によっては親族のみしか入れないところもあります。元々神殿は結婚式を行うために作られたものではありませんので、大人数では入れないことも多いのです。更に、神殿などがバリアフリー対応されておらず、車椅子での移動が困難な場合もあります。ゲストの人数や呼びたい人の状況を考えて決めるのも大切です。
信仰している神社の系統であるかどうかも確認しておきましょう。神社にも様々な種類があります。両家の意向が合う神社選びも重要です。
神社での結婚式に参加する際の服装は？友人と親族では違うの？
神社で結婚式を挙げる場合、服装はどうしたら良いのでしょうか？
神社は神前式なので、花嫁は白無垢、新郎は羽織袴を着るのが一般的です。でも、挙式や披露宴に参加するゲストは一体何を着れば良いのかと迷ってしまいます。
おもてなしをする側である親族は、なるべく和装が好ましいと言えます。若い姉妹などは振袖を着ても良いでしょう。そして、お呼ばれしたゲストは、和装でも洋装（露出の少ないドレス）でも構いません。和装だと非常に華やかな印象を与えますが、妊婦さんや怪我をして草履が履けないような人は無理をして着物にする必要はありませんし、わざわざ買い揃えようとするとコストも時間も掛かります。神社の結婚式でも、ドレスで参列できますので、無理せず決めましょう。挙式会場までは境内を歩くこともありますので、ドレスの場合はヒールが太く歩きやすいものを合わせるようにします。
和装をする場合には、着付けも必要です。会場でヘアメイクと同時に予約できる場合もありますし、会場近くの美容室などでしてもらえることもあります。着付けもヘアメイクも一日何人までと決まっているため、直前では予約できません。参列が決まったら、着付けの件は早めに確認しておきましょう。
白無垢に憧れる人が増えているって本当！？
白無垢は和装の中で一番格式が高い「第一礼装」です。そんな貴重なものに身を包めるのは、一生に一度なので、憧れを持つ人も多いのです。
白は「清廉・潔白」を表わし、無垢のまま嫁ぎ、相手の色に染まるという意味が持たれています。
それと同時に、産まれた時に着る産着や死人に着せる装束も白であることから、死生にも大きく関連します。白無垢は、生まれ育った家での自分は一度死に、嫁ぎ先の家で生まれ変るという意味もあるのです。昔は、今のように通信手段など文明が発達していなかったため、家には容易く戻れないという覚悟の元結婚をしました。そのくらい大きな覚悟を持ち、一生添い遂げる気持ちで結婚式をあげるのは、とても素敵ですね。
披露宴には移動が必要！？
,結婚式を行う場合、挙式と披露宴がワンセットとして考える人も多いのではないでしょうか？
ただ、大きな神社でも披露宴会場が無いところも多く、披露宴会場は別途探したり、神社備え付けの狭い会場で小規模なものを開くしかないと諦めていたカップルもいました。
ところが、和婚が注目される最近では、有名神社とホテルが提携して挙式と披露宴をスムーズに行えるところも増えています。そういったプランでは、挙式を行う神社から披露宴会場までは専用バスで移動できたりと、非常に便利です。
もちろん、先に神社で挙式をして、披露宴だけを別の日に行うここともできます。ただ、この場合は、パック料金等が適用されないこともあるため注意が必要です。また、自分や参列ゲストのレンタル衣装や着付けが2倍かかることも考えられるので、じっくり考えましょう。
実際、費用はどうなの？
神社で結婚式を行う場合、挙式自体はチャペルで行うよりも安いことが多いものです。神社での挙式相場は15～25万円、
教会では25～30万円でおよそ10万円の差があります。また、白無垢など和装の衣装はレンタルが主流なので、ドレスを作る式場よりも衣装代が安いパターンがほとんどなのですが、カツラや簪（かんざし）など和装小物や白無垢特有のヘアセットが高くつくこともあります。新郎の羽織袴なども家紋を刺繍するとなると追加料金が発生しますし、神社から披露宴会場などへの移動が発生するとその移動費用も掛かります。そのため、神社の結婚式は安いイメージがありますが、教会式と比べても、そこまで大きな差はないと言えるでしょう。
神社での結婚式は神前式！式次第はどんな感じ？写真が撮れないって本当？
神社での結婚式は神前式です。神前式の式次第は以下の通りです。ここでは、神前式を一般向けに初めて行った東京大神宮の式次第を参考にしております。
1.参進の儀（さんしんのぎ）・・・神職が先導し、新郎新婦が神前まで歩きます。ゲストは新郎新婦の後ろに2列で並んで続きます。雅楽の演奏がされている境内を歩くのですが、一般参拝客の中を歩きますので、人目が多いのが特徴です。
2.修祓（しゅばつ）・・・神職が新郎新婦やゲストの前で「祓詞（はらえことば）」を奏上し、お祓いをします。
3.祝詞奏上（のりとそうじょう）・・・婚儀を司る神職（＝斎主）が祝詞を奏上します。祝詞は神に結婚の報告をし、幸福を祈るものです。
4.三献の儀（さんこんのぎ）・・・三三九度（さんさんくど）と呼ばれる儀式です。大中小の3つの盃にお神酒を注いで新郎新婦が順に飲み夫婦の契りを交わします。
5.豊栄舞（とよさかのまい）・・・4人の巫女が菊の花を手に持ち舞いを踊ります。
6.誓詞奏上（せいしそうじょう）・・・新郎新婦が神前で結婚の誓いを読み上げます。
7.玉串拝礼（たまぐしはいれい）・・・「玉串」という榊の枝を奉納します。神前に置かれた台に奉納しますが「2礼2拍手1礼」で拝礼します。
8.結婚指輪の交換・・・新郎新婦が結婚指輪の交換をします。
9.豊寿舞（とよほぎのまい）※東京大神宮独自のものです・・・巫女が蝶の装束を纏い舞いを踊ります。蝶は子孫繁栄の象徴です。
10.親族盃の儀（しんぞくはいのぎ）・・・両家の親族、ゲストの皆でお神酒をいただきます。
挙式の最中、神殿内では許可を持つカメラマン以外は撮影できないという場所も多いものです。特に狭い場所だと式の進行に支障をきたしてしまう恐れがあるためです。事前に写真撮影に関してアナウンスがあるかと思いますが、不明点は確認するようにしましょう。
まとめ
最近、和の結婚式が再注目されています。白無垢を着て厳かに執り行われる結婚式は、息をのむ美しさです。
お呼ばれしたゲストも和装を身に付ければ、より一層華やかな雰囲気が出ますし、普段なかなか触れられない和の世界に挑戦してみるのも良いでしょう。ただ、和装参列の場合には着物の格には要注意です。
また、神前式には教会式とは異なるしきたりがありますので、それを守り素敵な結婚式にしましょう。
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