京野菜として古くから愛されている水菜。
その水菜の栄養素や味わい深さに興味を持つと、いかにすごい野菜であるかわかることでしょう。
特に風邪などを引きやすい冬場には、旬とされている野菜が少なく店先から野菜が消えていきます。
季節関係なく欲しい野菜がずらっと並ぶスーパーなどがない時代、冬場に手に入る水菜は人々の大事な栄養源だったのです。
実はどんな料理にも合う水菜ですが、意外にも栄養素や、どの様な料理に合うのかなどを詳しく知らない方も多いはず。
こちらでは、思わず「明日から食べたい」と思わせるような水菜の秘密を検証していきます。
水菜はどうやってできるの?
八百屋やスーパーで当たり前に見る水菜。
そこまで特別に感じない水菜ですが、日本原産の野菜であり京野菜として有名です。
京野菜とはその名の通り「京都の野菜」という意味で、江戸時代から親しまれているのです。
色見は緑、見た目は細長い葉っぱであることから、関東地方では京菜とも呼ばれていますね。
水菜はシャキシャキとした歯ごたえが特徴で、様々な料理に使われます。
昔から食べられている野菜ではありますが、いつから水菜が日本で食されていたのかはわかっていません。
ただ1640年代に刊行された書物の中に、水菜という野菜の名前が登場していることからもその時代には食べられていたと考えられています。
現在では水菜はハウス栽培などで作られていますが、昔は肥料を使わずに水と土だけで作られていました。
現在でもその方法で栽培しているところも多くあります。
しかも水菜には冬を耐え抜く強さがあり、霜がおりる寒さが厳しくなった頃が旬だったのです。
水菜はそこまで大きな株にならないイメージがあるかもしれませんが、昔からある在来種は2kgにも及ぶ大きさが特徴的でした。
最近では食べやすく改良もされ、「サラダ水菜」や「赤水菜」と呼ばれるものも増えています。
また葉ではない部分が、紫色になっている「紫水菜」と呼ばれるものも。
元々は京野菜として知られていた水菜ですが、最近は全国栽培ランキングでは3位。
1位は茨城県だと言われており、関東では多く水菜を食べる習慣がありますね。
本来の旬は冬場ではありますが、1年中食べる事ができる葉物として多くの人々に愛されています。
水菜の栄養素は?
あまり栄養素を気にしたことがいという方も多い水菜ではありますが、実は栄養素が豊富です。
まずはビタミンC。
良く耳にするビタミンCですが、ビタミンCは風邪を防いだり、アンチエイジングにも効果があると言われていますね。
日常的にビタミンを摂取しているという方もいることでしょう。
ビタミンCが含まれている食べ物で有名なのはレモン。
ただレモンは独特の酸味があり、そのままで食べることは難しいですね。
水菜にはそのレモンの半分量のビタミンCがあり、水菜を食べる事でビタミンが摂れることも知られていません。
冬場が旬だという事ですし、風邪予防にもなりそうです。
また水菜にはカリウムが入っていますし、お子さんの健康にも欠かせません。
カリウムは骨などの成長に非常に役立ちますが、決して食べやすい食材とは言えませんのでどのように料理をするかは考えなければいけません。
次に注目すべき水菜の栄養素は、葉酸。
葉酸は妊娠に必要なものであると言われています。
葉酸は胎児の先天性異常のリスクが軽減されるとのことで、少し前からメディアでも話題になっていますね。
この他にも抗酸化作用が強いBカロテンが入っていることで、癌予防になることも有名です。
未だ癌は怖い病気でありますし、水菜などを積極的にとることで予防したいもの。
アンチエイジングを始め、高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防にも良いとされており、性別を問わず嬉しい効果が高い水菜は、比較的安値で買うことができる手に入りやすい食材と言えますね。
水菜は鍋料理にもぴったり!
水菜を鍋に入れる人が多いのは知られています。
水菜は歯ごたえが良くシャキシャキしていることで、好物だという方もいるでしょう。
水分が多い鍋の中に水菜を入れても、すぐにしなっとしないのが特徴。
ただしあまりに火にかけると良さが軽減するので、できるだけ火にかける時間は短くするのが良いですね。
そのため鍋料理に水菜を入れる方が多いのです。
また鍋料理に水菜を入れる必要性の1つに、生もののにおいを消すという事もあげられます。
鍋には肉や魚を入れる事もありますが、それらにはにおいがすることも多いですね。
鍋料理は醤油やポン酢で食べる事が多いのでにおいをさほど感じる事はありませんが、水菜を鍋に入れる事で食べ物のにおいを消し、より食べやすくしてくれるのです。
また生で食べる事もできますが、その際には塩で少し揉み込むのがおすすめ。シャキシャキ感が火に通しても人気の水菜ではありますが、生で食べるとその歯ごたえが逆に食べにくいと感じてしまうこともあるでしょう。
さらに生だと辛みも出てしまいますが、塩もみすることで柔らかくなり口に入れやすくなります。
旬の水菜の見分け方と美味しいレシピとは?
水菜は冬場が旬。
鍋料理で食べる方が多いのはもちろんですが、最近ではサラダなどにも使われています。
せっかく水菜を食べるのですから、美味しい水菜の見分け方を知りたいところ。
簡単なところでは葉の色での見分け方があります。
水菜の葉がしんなりしていたり、葉っぱの色が変わっているものは避けましょう。
また水菜の白い茎のような部分は、基本的に白です。
この白い部分が透明になっていたり、液が出てしまっているなどの場合は鮮度が落ちてしまっていることが多いので食べることはおすすめできません。
できるだけ茎のような部分は綺麗な白さがあり、葉っぱシャキッと緑色をしたものを選ぶようにしてください。
食べ方のおすすめの方法とは、肉料理や魚料理の添え物として使う事です。
肉や魚と一緒に火を通すのではなく、出来上がった料理の上にまぶして使うのはいかがでしょうか。
これなら水菜の歯ごたえが無くなる心配もありませんし、何よりにおいを消してくれます。
さらには油料理の上に少量添えるだけで、口に入る時にさっぱりした口当たりになるはず。
水菜そのものを使った料理というよりは、添える事で水菜の良さを発揮させることも可能なのです。
もしくは細切りにした大根などと混ぜ、ゴマドレッシング和えるのも良いですね。
出来るだけ火をそこまで通さない調理法で、歯ごたえを大事にしつつ、鮮やかな緑色を料理に活かすことをい方法を取り入れるのが最高のレシピと言えます。
水菜と壬生菜の違いと保存方法
水菜と同じ様な見た目の葉物の野菜に、壬生菜と呼ばれているものがあります。
もともと水菜も京野菜として有名であることから、京都で最初に栽培されてのではと言われていますね。
壬生菜も京都の壬生で栽培されていることから、その名が付けられたのです。
ではどうして名前を分けたのかというと、壬生菜と水菜は見た目はそっくりですが実は若干の違いがあります。
水菜の葉はギザギザとしているのが特徴ですが、壬生菜は丸い葉っぱで1つの葉が細長いのがポイント。
これは水菜が壬生で栽培されるときに突然変異したものであるとされ、現在でも京都や壬生を中心に栽培されているのです。
ただ水菜よりも生産量が少ないのは一目瞭然。
そのために水菜よりも、1.5倍から2倍ほどの価格で購入することになってしまいます。
しかも栄養素が豊富であった水菜よりも、低カロリー。
だからこそダイエットにも良い食材として、女性に愛されているのです。
水菜と同じような見た目であり、歯ごたえではあるのですが、水菜は漬物として使われることも多い野菜。
千枚漬けなどが伝統的な食べ物とされている、京都という土地柄が関係しているのでしょう。
また壬生菜は水菜よりも辛みがあり、そのまま食べる料理では子供には向いていません。
ただし大人料理には良いスパイスとなるので、サラダはもちろん、チャーハンなどの料理と相性抜群。
何気ない醤油ベースの料理に壬生菜を入れる事で、ピリリと刺激のある魅力ある食事へと変わるのです。
また水菜も壬生菜も冷凍保存は向いていませんので、すぐに食べない場合は濡れた新聞紙にくるんでみましょう。
寝かせて保存するよりも、縦にして冷蔵庫にいれると葉も折れずにおすすめです。
葉が折れてしまうと鮮度が落ちるのが早くなるので気を付けましょう。
壬生菜と水菜の違いは、意外にも見た目だけではありませんでした。
ぜひ食べ比べなどをして、その味わいを楽しんでみるのも良いでしょう。
まとめ
こちらでは京野菜として有名な、伝統的な野菜・水菜についてまとめてきました。男女問わず大病を予防する効果が期待される水菜には、様々な栄養素や食べ方がありました。
冬場の寒い時期に旬を迎える野菜だからこそ、耐久性もあり人間の免疫にも効果がでると言われているのかもしれませんね。
生で食べたり、火を通したりと水菜の魅力を活かしたレシピは数多くあります。
ぜひ、水菜についての知識を得て、いかにおいしく水菜を食べるかを考えてみてはいかがでしょうか。