どんど焼きをご存知でしょうか?子供の頃に参加したことがある人も、毎年参加している人も、興味があっても一度も参加したことが無いという人も居るでしょう。では、どんど焼きとは一体何をするイベントなのでしょうか?ここでは、どんど焼きの内容を詳しくご紹介します。
どんど焼きって一体何?
日本では、どんど焼きと呼ばれるお祭りが存在します。では、一体何をするお祭りなのでしょうか?
どんど焼きは鎌倉時代には既に存在していたとされています。かの有名な「徒然草」にもそのことが記されています。
中国の元宵節(げんしょうせつ)という行事と関係があるのではないか?と考える人もいます。
具体的などんど焼きの内容は、田畑などの広い場所で地域住民がその年に飾った正月飾りを持ち寄り燃やします。その火で団子や餅などを焼き、食すことでその年の健康や長寿を願うのです。また、焼き後の灰を持ち帰り、自宅の敷地に撒くことで、その年の病を除けるといわれています。書初めを燃やす際に、炎が空高く上がると、字が綺麗になるともいわれています。正月飾りを燃やすのは、お迎えした歳神様を見送るという意味もあり、昔から大切に受け継がれてきました。
左義長とは?どんど焼きと同じもの?
左義長というお祭りを聞いたことがある人もいるでしょう。これも実はどんど焼きと同じです。どんど焼きは、全国各地で行われており、それぞれの地域で呼び名が異なります。
ほぼ全国的にどんど焼きと呼びますが、東北地方では「どんと焼き」、関西の一部地区や中国地方では「とんど焼き」、京都や滋賀、愛知、岐阜、北陸地方などでは「左義長」、群馬、山梨、長野、埼玉、神奈川辺りでは「道祖神祭り」、九州地方では「ほんけんぎょう」「鬼火焚き」などと呼ばれます。その他にも、どんどん焼き、さいと焼き、おんべ焼きと呼ばれることもあります。全国的に同じように行われていますが、焼くものなどが少々異なっています。
尚、どんど焼きの名前の由来は、竹などを燃やした際に「ドン!」と独特な音がするため、そこから付いたと考えられています。
日本では、平安時代に三毬杖(さぎちょう)が行われていました。これは、毬杖を三本束ね、1月15日に魔除けとして燃やしていたものです。ここから左義長と変わって伝わったとされています。左義長からどんど焼きへ地域により名前がより分かりやすく変わってきたのです。
どんど焼きはいつ行われるの?
どんど焼きはいつ行われているのでしょうか?多くは小正月に行われています。小正月は、1月15日なので、14日の夕方か15日の朝に行うのがほとんどです。九州地方では、1月6日の夜か7日の朝に行い、松の内が明けるのを見送ります。
また、近年では、成人の日がハッピーマンデーで1月の第2月曜日になったため、第2日曜日、もしくは第2月曜日に行う地域も増えてきました。福井県の勝山市で行われる左議長は、2月の最終週の土日に行われていて、300年以上も続いています。
大人から子供まで老若男女が参加するどんど焼きは、皆が集まれる日に行うのが良いのでしょう。
何を燃やして火を焚くの?
どんど焼きではどんな物を燃やすのでしょうか?
地域によって燃やす物は少々異なるのですが、主に注連縄や門松などの正月飾りを燃やすのは共通しています。
その他に下記の物を燃やします。
・古札・・・お札やお守りなどを正月飾りと共に燃やします。
・だるま・・・縁起物として飾られ、目を入れられたものを天に還す意味で燃やします。でも、焼くことで目が潰れると考えられている地域もあり、焼かないところもあります。
・みかん・・・みかんは橙(だいだい)といわれ、代々の子孫繁栄を願い燃やされます。でも潰れたみかんは縁起が悪いと考えるところもあります。
炎が収まってきたところで、竹竿や木の枝に針金を巻き付け、餅、団子、みかん、スルメ、昆布、サツマイモなどを吊るし焼きます。
どんど焼きでは何でもかんでも燃やして良い訳ではありません。年賀状やポチ袋などゴミとして出せるもの、神様に関係ないものは持ち込み禁止の場合が殆どです。お餅は鏡餅でも構いませんが、市販のパッケージのままでは有害物質が出る可能性が有り燃やせません。パッケージから餅だけを取り出して燃やしましょう。
また、竹などで土台や囲いを作りより安全に燃やせるように準備がなされています。火傷などをしないように近付き過ぎないように注意します。
棒に取り付けた餅などを焼くことで厄除けになるって本当?
前述の様に、どんど焼きの炎が収まってきたところで食べ物を焼き、参加者に振る舞われます。餅などを焼くことが厄除けになるわけでは無く、神火で焼かれたものを食べることで厄除けになり、その年は風邪を引かず、健康に過ごせるといわれているのです。
縁起物なので、白玉粉に砂糖を加え、カボチャやサツマイモなど様々な食材を練り込んだ五色団子の繭玉を作る家庭もあります。食紅でカラフルな物を作ることもあります。焼き過ぎると焦げたりして食べ辛くなってしまうため、軽く炙るだけで食べられるよう、茹でて火を通しておくという家庭もあります。通常の餅よりも白玉粉で作る物の方が火の通りが良く食べやすいため人気があります。港町ではスルメや昆布など炙って食べられる海の幸を焼くこともありますし、農村ではサツマイモなどを焼いています。これらを皆で食べ、厄除けをするのです。
どんど焼きは子供でも参加出来るの?
どんど焼きは子供でも参加できます。それどころか、地域の子供会が主体となり行う行事でもあり、松の内が過ぎた頃から子供達が近隣住民宅を回り、正月飾りを集めるところも多いのです。そのため、子供が主役のイベントといえるのです。主に中学生以下の子供達が親や友達と共に気軽に参加できる貴重なイベントです。年末年始の休みが明けて楽しみが無い時期に行われる行事なので、子供達に喜ばれるのです。大きな火を扱う行事なので、火傷や事故にならぬよう、子供の動きには最大限の注意を払いましょう。
全国で行われている大切な新春の行事!!
どんど焼きは、全国で行われる新春の行事です。昔から地域や集落単位で行われ、人々に愛されており、参加する人も多いものです。
近年では、ダイオキシンの問題などが叫ばれるようになり、消防法の観点からもどんど焼きを断念する地域が増えてきました。でも、広い土地で安全を充分に確保した上で、観光イベントとして行う施設などもあります。神社などが独自の敷地内で行うこともあります。
地域住民との繋がりが希薄化している昨今では、頻繁なイベント行事の開催が少なくなってきています。そんな中、どんど焼きは子供からお年寄りまでの地域住民が集まり、同じ目的の中交流することで、地域活性や繋がりを持てる大切な集落繁栄のイベントでもあります。お近くで開かれる際には是非、気軽に参加してみて下さい。
まとめ
どんど焼きは全国各地で行われている新春のお祭り行事です。人々が持ち寄った正月飾りや書初めを燃やし、その火で炙った餅やみかんなどを食べることで無病息災、子孫繁栄などを願うものです。
燃えた灰を持ち帰り、自宅周辺に撒くことで魔除け、厄除けにもなると言われていますので、それらを目的に地域住民が集まります。
また、歳神様を見送り、地域住民と交流する大切な場でもあります。炎を囲みながら待つ時間は、癒しの時間ともいわれますので、チャンスがあれば是非、参加してみましょう。