年の瀬になると、お年玉のことを考える機会が増えます。子供の頃に貰えて嬉しかった経験がある人も多いのではないでしょうか?でも、いざ渡す立場になると、一体幾らに設定し、どんなタイミングで渡せば良いのか?と悩んでしまいます。
ここでは、そんなお年玉の相場を中心にご紹介します。
お年玉とは一体何?どんな意味があるの?
お正月が近付くと、お年玉という言葉を聞く機会が増えます。スーパーやコンビニエンスストアなどでもポチ袋を目にする機会が増えるでしょう。でも、そもそもお年玉とは一体どんなものなのでしょうか?
お年玉は、正月に渡される金品のことを指します。目上の人が、目下の人に渡すものが「お年玉」で、逆に目下の人が目上の人に贈るものは「お年賀」と呼ばれます。
正月には年神様をお迎えするために注連飾りや鏡餅など様々な物を準備します。昔はその鏡餅を子供達に振る舞っており、それを御歳魂(おとしだま)と呼んでいました。それらが現在のお年玉になったのではないかと言われています。
お年玉の相場は年齢で決まる!?
お年玉の相場は、一般的に渡す子供の年齢によって変わると言われています。
未就学児は500円から1,000円程度
小学校低学年は1,000円から5,000円程度
小学校高学年は3,000円から10,000円程度
中学生は3,000円から20,000円程度
高校生は3,000円から30,000円程度
大学生以上は家庭による
というのが一般的な相場です。でも、必ずその相場を守らなくてはならないという訳ではありません。家族の状況や兄弟姉妹の有無などから年齢による変動がない家庭もあります。親族間で相場が決まっている場合もあります。
お年玉の相場は関係性によっても変わる!?
お年玉はその関係性でも相場が変わります。
親から子へ渡す、祖父母から孫へ渡す、甥っ子や姪っ子に渡す、親戚に渡す、会社の同僚や友人の子に渡す、近所の子に渡すなど様々な関係でお年玉が渡されています。
中でも、祖父母から孫へ渡される金額が一番多い傾向にあります。親よりも祖父母からの金額を多くして家庭内のパワーバランスを保つという意見もあります。でも、その家庭の状況により変動するものです。祖父母はずっと一定額という家庭も勿論あります。
近所の子や友人の子などは幾つになっても1,000円程度で良いという意見が多い様です。あまり良く知らない相手から大金を貰うと子供心に大きな影響を及ぼす可能性があるからです。また、毎年会う子どもにあげる場合は、毎年期待されますので張り切って高額を入れない方が良いでしょう。少額でもずっと渡せるように自分に負担が掛からない金額を包みましょう。
お年玉の金額は、親同士、子供同士がどのくらい親密な付き合いがあり、お世話になっているかで変わるものです。あまり親密でない人でも新年会などで顔を合わせる機会があれば気持ち程度で渡す形をとれば安心です。
お年玉はいつからいつまで渡すの?
では、お年玉はいつからいつまで渡せば良いのでしょうか?
赤ちゃんや子供が小さいうちは渡さないという方針の家庭もありますし、何もわからない赤ちゃんにも通常通り渡す家庭もあります。子どもが小さ過ぎるうちは、親御さんに直接渡す形を取る場合もあります。
また、大学生、社会人になっても、完全に独り立ちするまでは渡すという方針の家庭もあります。大人になっても渡すのは、親や祖父母からのお小遣いという意味合いが大きく、普段はなかなか渡せないためお年玉という名目を借りて渡しているのです。親戚や知人などの子に渡す場合は、渡す側の気持ちですので、特にいつまでという決まりはありません。頂いた方は幾つになっても喜びます。
お年玉の有無を親に相談した方が良い?
あまり親密な関係でない家庭の子にあげる場合は、事前に確認した方が良いでしょう。「お年玉渡しても良いですか?」と確認すれば良いでしょう。
お年玉をお金では無く、物で渡す場合にも、事前に一言伝えた方がスムーズです。子供の好みなどがありますので、全く興味がない品物を買い与えるよりは、お金にした方が無難かもしれません。
また、渡す相手と同じ年頃の子供が居る場合には、お互いが見せ合う可能性もあるため、事前に親同士が渡す金額を確認し合う方が安心です。親族が集まった新年会で一族の長が子供達を呼び渡していくというところもあり、個別に用意しないところもあります。
お年玉を渡すタイミングは?
お年玉を相場通り用意しても、渡すタイミングを掴めなければ意味がありません。
では、いつどこで渡すのがベストなのでしょうか?
お年玉を渡せるのは、松の内の年明けおよそ二週間程度です。相手と会い新年の挨拶をした後に渡すようにします。
子ども本人に渡す際でも、なるべく親御さんの居る前で渡すようにしましょう。どんな関係の誰から幾らを頂いたのか?は親がきちんと把握すべき事なのです。
お年玉を用意していたのに子供自身に会えない場合は、親御さんに渡しても構いません。その場合、ポチ袋正面に誰宛に渡すのかを書き、裏面に自分の名前と関係性を書くと分かりやすいです。会えない子供宛のお年玉を頂いた場合は、後から子供にお礼の連絡をさせましょう。遠方に住んでいる場合は、郵送しても構いませんが、会えないのであればそこまでする必要が無いと考える人も多いものです。もし郵送などで受け取った場合も同様に、早目にお礼の連絡を入れるようにしましょう。
お年玉は日本だけでは無い!?
お年玉の風習は、実は日本以外の国にもあります。特にアジア諸国で見られます。
中国では、「圧歳銭」と呼ばれ、大人が子供に金銭を贈ることで祟りが抑えられると考えられています。一年を健康に幸福に過ごすための大切な習慣なのです。
中国の香港では「利是」と呼ばれています。独自の赤い袋に入れられ、大人から子供だけでなく、大人同士でも渡します。これを配らない人はケチと言われてしまう様です。
韓国では「歳拝金」と呼ばれ、目下の者が目上に服従することを条件に渡されます。
ベトナムでは「ムントゥオイ」と呼ばれ、新札を赤い封筒に入れます。これを貰うと幸運が訪れると言われています。社長が社員に渡したりします。
台湾では「紅包」と呼ばれ、赤い袋にお金を入れて親から子に渡します。子が成人して独立すると、今度は立場が逆になり、子が親に渡すようになっていきます。
インドでは「カンジャク」と呼ばれ、かつてラーマ王が信仰していた女神に基づき、近所の女子を家に招いて御馳走でもてなし、お菓子やお小遣いを与えます。
このように、各国でお正月にお金などのやり取りがあるのです。
お年玉ではなくお盆玉もある!?
正月に渡すお年玉は有名ですが、近年では「お盆玉(おぼんだま)」と呼ばれるものが増えてきました。
お盆に故郷へ帰省する子や孫に渡されるもので、地方で待つ高齢者が用意しておくお小遣いとして認識されています。都市部に住む家族が長期休みに帰省するという現代の日本情勢を表わしたイベントです。少しでも高齢者の様子を気に掛けるきっかけになればという意図も隠されています。お年玉ほどの知名度はありませんが、これから普及していく可能性がありますね。
まとめ
お年玉の相場は一般的に渡す相手の年齢や関係性により変わります。基本的に年齢が上がれば相場金額も上がる傾向にあります。また、親や祖父母に比べると他の親族や知人が渡す金額の方が少ないのが一般的です。一応、年齢や関係性で相場の金額がありますが、実は一番大切なのは渡す側の気持ちです。幾らであっても渡す気持ちがあれば相手も喜びます。また、一度渡すと翌年も期待されてしまいます。年に一度の事ですが、自分の家計の負担にならないような金額を渡すのが一番良いでしょう。