正月に飾られるしめ縄はどんな意味があるかご存知でしょうか?何となく飾って、何となく処分している人も多いのではないでしょうか。誰もが素晴らしい一年を送れるよう願いを込め、どんな物を選び、どこに飾るべきなのか、ここではそんなしめ
縄のアレコレを詳しくご紹介します。
しめ縄とは?どういう意味があるの?由来は?
しめ縄とは、神道にて用いられる神祭具です。「注連縄」と書き、神聖な区域を区別するために飾られているものです。
一般的には、神社の周りに飾られ、神域を示す役割や意味を持っています。禁足地の目印としても使用されおり、木や岩、滝などに飾られることもあります。
しめ縄の由来や起源は古く、天照大神の時代に遡ります。天岩戸に籠っていた天照大神が出てきた際、二度と入れないように稲や茅でしめ縄を作り、張ったといわれています。
また、注連縄は、注連と書きますが、中国では、死者が出た家の扉に注連という縄を張り、死者が戻ってこないようにする風習があります。
日本では、神社などに飾られるだけではなく、正月に玄関や門などの出入り口や車、自転車など乗り物に飾られることも多く、目にしたことがある人も多いでしょう。正月に飾られるしめ縄のことを「しめ飾り」といい、歳神様を迎え入れるために飾られます。
毎年同じ場所に飾るべきなの?
正月に飾るしめ縄=しめ飾りは、玄関や門等に飾られることが一般的です。門や玄関に飾ると、厄災が入ってこない、災難除けといわれています。その他にも、神棚、仏壇、勝手口、床の間、蔵、納屋、トイレ、竈門など様々な場所に飾られています。
「毎年、何となく同じ場所に飾ってしまう・・・」と感じる人も居るかも知れませんが、新たな年に訪れる歳神様に「ここは神聖な場所ですよ」と知らせる目的があるため、自宅の分かり易い場所に飾るのが一番です。殆どの玄関ドアにはマグネットが付くため、マグネットで取り付ければ取り外しが簡単です。
神棚に飾る場合には、他のお札等が隠れないように飾りましょう。
また、しめ縄は、門松や鏡餅などと併せて飾られる事も多く、それぞれの目的に合わせた場所に飾られています。
しめ縄は、縄だけでなく、様々な意味のあるモチーフと共に飾られています。そのモチーフの種類や意味は以下の通りです。
・裏白(うらじろ)
隠し事の無い、清廉潔白を意味します。白髪になるまで長生きできるという長寿の願いも込められています。
・ゆずり葉
家系が絶えないという意味があります。
・橙
代々家系が続く、家系の繁栄を意味します。
・扇
末広がりの形から、一族の繁栄を意味します。
・海老
腰が曲がるまで長生きするという長寿を意味します。
・昆布
よろ昆布と言われ、喜びの象徴とされています。
・藁
豊作の感謝と祈願の意味を持ちます。
これら全てのモチーフが付いていないものもありますが、自分の好みや願いでデザインを決めても良いでしょう。但し、気に入ったデザインだからといって、毎年同じものを使い回しするのはNGです。とても大切なお客様をお迎えする際には、スリッパや食器など使い古したものではなく新しいものを使うという人が多いと思います。その考え方と同様で、使い回したものではなく新しい物を用意するのです。使い古したものは、縁起が悪いとも考えられますので一度使用したら適切な方法で処分し、翌年は再び新調しましょう。
しめ縄はいつからいつまで飾るべき?正月だけ?
一般的には12月28日までに飾り、松の内が終わるまで飾っておきます。いつから飾れるのか?という疑問を持つ人も居るかも知れませんが、大掃除の起源といわれている12月13日にすす払いをする風習が残る地域もあり、その日にすす払いを済ませてからしめ縄を飾り、正月を迎える準備をするのです。そのため、12月13日を「正月事始め」と呼んでいます。近年では、クリスマスなど欧米文化を起源とするイベントの影響が大きく、クリスマスが終わってから正月準備をする人が多いため、大半が12月26日頃からしめ縄を飾っています。
12月の29日、31日に飾るのは縁起が良くないとされています。29日は、「二重苦である」とされるため避けられていますが、一方では、「福」と読ませて良しとしている地域もあります。また、日本では一夜飾りが良くないとされていて、31日も避けられています。
松の内とは正月に訪れた歳神様が居る期間とされています。一般的には、1月7日までですが、関西では1月15日までとされています。松の内が過ぎたら飾りを取り外し、処分しましょう。
一部地域では、1月14日まで飾る、1月20日まで飾るなど決められた日まで飾る場合もあります。
しめ縄をおしゃれに飾るには?
「しめ縄を飾りたいけれど、家のインテリアや雰囲気にマッチしない・・・」と考えて飾らない人もいるでしょう。でも、そんな家庭でもマッチする様々なデザインのしめ縄が作られています。
藁を黒や白、ピンクなど様々なカラーに染めて作られていたり、ダリアや胡蝶蘭、椿、牡丹、まつぼっくり、南天、松、稲穂、パールなどの飾りなどが施されていたりするものもあります。モダンな物から、厳かな和の雰囲気の物、カラフルでポップな印象を受ける物、アースカラーで自然な感じの物など様々です。水引も紅白の物が用いられていたり、金銀の物が用いられていたりします。
自分で好みの物を作成する人もいます。輪飾りは比較的簡単に作れますので、挑戦してみると面白いかも知れません。藁が手に入らないという場合でも、100円均一で売られている紙の糸を束ねて藁のように使う事ができますので、そういったものを活用しても良いでしょう。アーティフィシャルフラワーと呼ばれる造花を使用すれば華やかに作れます。造花と言えども、かなりリアルです。生花を使用すると、飾っているうちに花弁が落ちたり、色が変わってしまったりします。造花なら、そんな心配も手間もありません。
しめ縄の処分方法はどうすればいいの?
しめ縄は松の内まで飾り、その後取り外します。取り外したら処分をするのですが、どのように処分すれば良いのでしょうか?
神社で回収してお焚き上げで処分してくれるところもありますし、地域でどんど焼きや左義長と呼ばれる行事・イベントで回収しお焚き上げをしてくれるところもあります。近年では、コロナ禍や環境問題の影響で、どんど焼きや左義長を行わない所も多いため、神社などに納めるのが確実な処分方法といえます。でも、出掛けるのが難しい事情がある人も居ます。そんな時は、家庭ゴミとして出します。和紙などの綺麗な紙に包み、塩を撒いて新しいゴミ袋に入れて出しましょう。他のゴミや匂いのある生ごみなどと一緒にしてしまうのは、縁起が悪いため避けたいところです。
毎年、節分(毎年2月3日頃)、立春(毎年2月4日頃)から春が訪れ、新しい年が始まると考えられています。そのため、お正月飾りも節分までに処分を心掛けましょう。
まとめ
しめ縄とは神道で用いられており、神域を分けるものとして使われています。日本で正月に用いられているしめ縄も、歳神様を迎える為、神域を示すように飾られています。近年では和モダンなどオシャレな雰囲気のしめ縄も販売されています。玄関や神棚を中心に飾られているしめ縄ですが、12月13日から28日までに飾り、1月7日及び15日の松の内まで飾り、その後処分します。処分は地域のどんど焼きでお焚き上げしてもらう方法や神社に持ち込みお焚き上げをしてもらう方法、家庭ゴミとして処分する方法があります。自分のライフスタイルに合った方法で処分しましょう。