夏至とは日の長さが一番長くなる日の事をいいます。これは世界共通で起こる現象なのですが、他国では日本と異なる過ごし方をしているのでしょうか?一体、どのように過ごされているのでしょうか?ここでは、世界の夏至のイベント事情や食べ物を中心にご紹介します。
夏至とは一体どんなものなの?白夜など日の長さが変わるの?
夏至とは、一日の中で昼の長さが一番長く、夜が短いことをいいます。でも、実はこの夏至=昼が長いのは北半球だけで、同じ日に南半球では昼が一番短く、夜が長いのです。
グレゴリオ暦では、6月20日から6月23日の間に夏至があるとされ、その大部分が21日と22日です。北半球では昼が一番長いと言われていますが、日本では夏至の一週間ほど前が一番日が長いのです。
夏至や冬至に起こる有名な現象といえば、白夜と極夜です。白夜は一日中陽が落ちない事をいい、極夜は一日中日が登らない事をいいます。これも夏至と冬至と同じ6月と12月に起こります。北極付近では夏至の時期に白夜が訪れます。反対側の南極付近では同じ時期に極夜が起こります。白夜が起こる国は北欧のグリーンランド、フィンランド、アイスランド、アラスカ、ノルウェー、スウェーデン、カナダ、北極、南極、ロシア北部です。
夏至は各国共通?世界の夏至の過ごし方は?
夏至は、日本だけでなく世界各国で存在する共通の現象です。日本では、梅雨の時期である事が多く、天気が良くないため夏至の日の長さを実感できない事も多いかも知れません。そのため、過ごし方を変えるという人も少ないのではないでしょうか?そんな中でも、静岡県では夏至に冬瓜を食べるという風習があります。関東地区や島根県、熊本県などでは新小麦で焼き餅を作り、豊作を祈願して神に供えたり、近隣住民に配ることがあります。
では、世界各国では、どのような過ごし方をしているのでしょうか?
世界では、夏至に「夏至祭」と呼ばれるお祭りを開いています。夏至は夏の訪れを意味しており、夏の到来を祝うイベントとして各国で開催されています。
世界の夏至の風習や行事は?ミッドサマーのお祭りが開かれているの?
世界で行われている夏至の風習といえば夏至祭です。
ヨーロッパ諸国では、焚火をして一晩中その周りを踊り明かし、ゲン担ぎや占いとして、その焚火の上を飛び越えたりもしています。
ミッドサマーとはスウェーデンで6月の下旬に行われる夏至祭のことをいいます。スウェーデンでは、町の広場に柱を立て、その周りを人々が踊ります。民族衣装や花冠を身に付ける人も多いものです。恋のまじないとして夏至祭の夜に女性が7種類の草花を枕に下に入れて寝るというものがあります。
フィンランドでは、スウェーデンのように柱を立てる地域や、湖の傍に焚火をする地域があります。白樺やポプラの葉や草花で街中を飾り、一晩中踊り明かされます。また、以下の様な風習も伝わります。
・夏至の露には病気を直す力があり、薬草やハーブを摘む
・牛小屋にナナカマドの枝を吊るすと牛が守られる
・夏至の夜、鬼火に目を凝らすと財産が手に入る
・夏至の夜に交差点に立つと、未来の伴侶が現われる
ラトビアでは、夏至の日にシダの花を摘んだカップルが幸せな結婚生活を送れると言われています。
ロシア・ウクライナ・ベラルーシなどでは、身に付けていた冠を川に流します。その流れ方で恋の行方を占ったりもします。
リトアニアでは、朝露で顔を洗い再び眠ると、未来の伴侶が夢に出てくるといわれています。また、夏至の夜の焚火を家に持ち帰ると幸運を呼ぶとされ、家に持ち帰る人も居ます。この日の炭や灰を畑に撒くと農作物が豊かに育つとされています。
ノルウェーやデンマークでは、焚火が焚かれ、周囲で楽団が演奏などを行ったり、魔女に見立てた人形を燃やしたりします。魔女を焼くことで遠くの森へ追いやっているのです。
カナダでも「ケベックの日」として大きな焚火が焚かれています。
アメリカではスウェーデン系の人々が暮らすミネソタ・カンサス・イリノイ州を中心に夏至祭が開かれています。ニューヨークでも、スウェーデン系の住民が中心にイベントが開催されています。
ブラジルでは、「フェスタジュニーナ」というお祭りが開かれます。
中国では、観光産業の一つとして「オーロラ祭り」が開かれています。
このように、様々な国で様々な夏至イベントが開かれています。
世界の夏至ではどんな食べ物が食べられているの?
世界で夏至が祝われていますが、夏至のイベントではどんな食べ物が食べられているのでしょうか?
スウェーデンでは、夏至にニシンの酢漬け、茹でジャガイモ、サーモンやスペアリブ、イチゴなどを食べます。
フィンランドでは、乳製品やジャガイモ、ソーセージが食べられています。
ノルウェーやデンマークでは、ソーセージやホットドックが食べられます。
中国では、冷たい麺が食べられています。
ブラジルでは、トウモロコシ料理が食べられます。塩ゆでやポップコーンなどが主に食べられます。
因みに日本では、関西地区で「たこ」を食べます。これは、タコの吸盤みたいに稲がしっかり根付く様にという願いが込められています。関東地区では「半夏生餅」という名の小麦餅が食べられています。中部地区では「いちじく田楽」と呼ばれる物を食べます。イチジクを半分に切り、田楽味噌を掛けた食べ物です。健康・豊作祈願として食べられます。北陸地区では、
「焼きサバ」を食べます。一人一本食べるというところが多いです。夏を乗り切るために栄養を補給するという意味があります。中国地方では「うどん」を食べます。豊作祈願として食べられています。
夏至の時期に旅行するなら観光はここ!!
夏至の時期に旅行をするなら、断然欧州・北欧をおススメします。冬場に比べて断然日の長いこの時期は、長い昼間を利用した様々なアクティビティが豊富です。また、白夜で有名なフィンランドでは、朝焼けや夕焼けの様な幻想的な光が一晩中照らし、いつもと違う街並みを演出します。ヘルシンキにあるシャクナゲ公園では、その名の通りシャクナゲの花が咲き誇り、色とりどりの美しさを体験できます。また、ヌークシオ国立公園では、白夜のハイキングツアーを楽しめるイベントも開催されています。日本語のガイド付きで、キノコやブルーベリーを探したり、ゆっくりと森を散策したりと思う存分白夜を楽しめます。
アイスランドなどでも、キャンプやコテージで自然と共にゆっくりと白夜を楽しむという人が多いものです。アイスランドではイーサフィヨルズルなどの北部がより日が長いので、足を伸ばして日の長さを体感するのも良いでしょう。
6月はどの国への旅行・観光も航空券が比較的安くお得な時期です。是非、この夏至の時期に旅行を楽しんでみて下さい。
まとめ
夏至の夜は神秘的で超自然的なものだと考えられています。様々な国で焚火を焚き、その周囲で踊り明かす等、夏の訪れを祝うイベントが開かれています。日本では梅雨真っ只中ということもあり、焚火はおろか、日の長さを実感できることも無い場合が多いのですが、豊作や健康を願って各地で様々な物が食べられています。北欧では白夜などが起こり、一日を長く楽しむことができます。チャンスがあれば、世界の夏至イベントに参加し、楽しんでみてはいかがでしょうか?