日本人にも馴染み深い燕。
渡り鳥として知られている燕は、冬の寒い時期には南の島へ飛んでいき、日本が暖かくなる季節に戻ってきます。
見た目も可愛らしい燕ですが、その名がついた意味や巣の特徴などを知らない方もいるのではないでしょうか?
しかも燕は幸せの象徴とも言われています。
昔から燕が巣をつくった店はその後繁盛する、巣をつくった家には子宝が授かるなど、縁起の良い鳥として慕われているのです。
一体どうしてこのように燕が取り上げられているのでしょうか?
こちらで燕の魅力について、ご紹介していきます。
燕の名前の意味は?
つばめの名前は小さい頃から良く耳にするので、とても日本人に馴染み深い鳥であることは有名ですね。
そんなつばめの名前には、一体どの様な意味があるのでしょうか?
ある程度の年齢の方はつばめのことを「つばくろ」と呼ぶ方が多いのですが、これはつばめの見た目の特徴によるものだと考えらえています。
ツバとは黒光りしている様を表す言葉であり、「メ」とは群れのことを指すと言われています。
ただここで言われている「つばくろ」という呼び名は、「つばくら」から変化したものではないでしょうか?
理由は諸説ありますが、光沢がある様で「ツバ」、そして「黒」がつばくろになったというもの。
他にはもともとつばめは自宅の軒下などに巣をつくるのですが、昔はお金持ちの敷地には宝物などをしまっておく蔵がありました。
その軒下に巣をつくっていたことから「つばくら」という呼び名になり、方言や言い方などが時間をかけて変化し「つばくろ」となったのかもしれません。
またはつばめが巣をつくる過程から、「唾」と「黒」または「蔵」が組み合わさり、つばくろやつばくらになったという話もあります。
他には雀などもすずめと書きますが、この「すず」は雀の鳴き声が変化したものであり「め」はやはり群れのことを指すのではと伝えられてきました。
そのことからも黒光りする鳥であり、渡り鳥として群れる特性もあって「つばめ」と名付けられたという説が有力なのです。
いずれにしても鳥の名前などがついた明確な歴史や由来を知ることは難しく予測にすぎませんが、これらのことがつばめの意味となっていると考えられています。
燕って巣をリフォームするの?
燕が巣を作ることは有名ですが、その巣がどのようにできているかをご存知の方はいるでしょうか。
基本的に鳥は巣をつくる時、まさに「せっせと」という言葉がぴったり当てはまります。
そんな可愛らしい姿を見かけると、思わず巣をつくる事を応援してあげたくなってしまうかもしれません。
燕が巣をつくる方法は、2種類あります。
最初から自力で巣をつくる方法と、もともとある他の燕の巣を作り変えることです。
作り変えるとはいわゆる、リフォームですね。
まず燕が巣を作る場所としての条件は、人間の生活感を感じるところ。
これは燕が蛇などの天敵から襲われることを避けるためで、そのことから民家の軒下に作るようにしているのです。
民家といっても軒下の壁が凹凸がない場合は作りにくく、でこぼこしている場所に巣をつくる傾向があります。
また日当たりが良くて風が抜ける場所を好み、その場所を見つけています。
これらの条件がそろった時に、燕は「ここだ」と考え、巣をつくるのでしょう。
巣の作り変えの場合は、1日から4日ほどで完成することもありますし、一から作り直す場合は1ヵ月かかることも。
それだけ巣を作ることは重労働でありますが、子供を育てるためだけに頑張るのでしょう。
つばめは3月から6月の間頃に巣をつくり始めます、これは春から夏にかけて卵を産み、ひなを育てるから。
動物の母性や本能を感じることができる、まさに生命の神秘ですよね。
燕のひなを悪戯に触るのは罪!?
燕が軒下に巣をつくり、ひなが産まれると可愛くてついつい触ってしまいたくなることもあるかもしれません。
実はひなを巣から取り出して勝手に育ててしまう、そんな行為は罪を問われてしまう可能性があります。
鳥獣を捕獲・殺傷したり、鳥類の卵を採取・損傷したりすることは、原則として禁止とされています。
これを勝手に人間が行ってしまった場合は、以下の通り罰せられる可能性があることを覚えておきましょう。
- 懲役1年以下
- 罰金100万円以下
これだけ見るとわかりますが、燕のひなや卵を人間のエゴで勝手に動かしてしまうことは、自然界の掟に反します。
ただ意図的に巣から取り出してしまうといことではなくても、例えば巣から落ちてしまったなどを目撃することもあるでしょう。
その際には勝手に触らずに、状況を観察し見守ることも大事です。
また落下し弱っていくひなを見守るのは確かに辛いことですよね。
ですが勝手に触ることはいけませんので、その場合は済んでいる地域の役所の中で「鳥獣保護課」のような部署を探します。
そこで落下した燕のひながいることを告げ、保護しても良いかという許可を申請する必要があるのです。
例えば怪我をしていたり、明らかな病気である場合は、役所によってはそのまま保護してほしいと言われることもあります。
ですが場合によっては保護をせず、そのままにしておいて欲しいなどということもあるでしょう。
いずれにしても燕のひなや卵は勝手に人間が手を加えることはできませんので、これらの対応を頭に入れておくことが重要です。
もしもつばめのひなを保護したら?
落下などの理由でつばめのひなが弱っているのを見かけた場合、役所などに電話をして保護してよいかの伺いを立てる旨はご説明しました。
そこでもし保護の許可が出た際には、その後一体どの様にしたら良いのでしょうか?
もちろん的確なアドバイスが役所から出るかとは思いますが、基本的な情報をまとめておきます。
つばめのひなを見つけると、焦ってしまいすぐに病院をさがさなければと思いがち。
ですがそのひなが一体いつ落下してしまったのか、また弱ってしまったのかはわかりません。
かなり長い間餌を口にしていない可能性がありますので、まずは餌をあげましょう。
- スポーツドリングなどを半分に薄めたもの
- ハチミツなどの糖分を溶かした湯
- 水
- 食塩0.9%水
- ブドウ糖5%水
- 豆乳ボンラクト(赤ちゃん用ミルク)
などです。これらをあげる時は必ずスポイトを使い、1,2滴でOK。
しかもくちばしのなかに入れず、くちばしにつけて少しだけ垂らしてあげます。
水分をごくんと飲むことはまだ難しいので、自分で舐めるイメージです。
またあまりに上げ過ぎるとひなの体の負担になるので、注意しましょう。
ただこれらの餌は、あくまで臨時。
どうしようもなかった緊急事態以外は、以下のものを餌としてあげましょう。
- 食べやすいように潰した虫
- 卵の白身をつぶし、糖分を混ぜたもの
- 肉のドッグフードをお湯でふやかし水けを絞った餌
- 生の鶏ささみ肉を水に浸したもの
これらが基本的につばめのひなの餌になりますので、緊急時以外はこちらを用意します。
また餌以外には保温も大事で、まだ小さいひなは自分で体温キープできませんので41~43度の熱さになるように、タオルなどでくるんであげると良いでしょう。
幸せの象徴でもあるつばめ
つばめは渡り鳥でありますが、自宅の軒下に巣をつくると幸せの象徴でもあると言われています。
それは一体なぜなのでしょうか?
もともとつばめは自分の天敵から身を守るため、人間が多い場所に巣をつくる習性あります。
ですが実はこれは、農家にとってとても有難いことでもあります。
古来よりつばめはシロアリなどを食べるので、農家にとって作物の害虫を食べてくれるというのです。
また農家以外にもつばめが来ると幸せの象徴でもあるというジンクスがあるので、以下でご紹介します。
- つばめの巣が作られたら縁起が良い
- つばめが3回巣をつくると千万長者
- つばめが巣をつくれば作るほど、商売繁盛
- つばめが巣をつくると、豊作
- 火事になりそうな家には巣作りしない
- つばめの高飛行は晴れの予感
などがそれにあたります。
これらのことは日本各地で言われていることなのですが、理由としてはつばめは「安全・安心」であるところにしか巣をつくらない警戒心の強い鳥であるからとされています。
つばめが自宅の軒下に巣を作ったら、幸せの象徴だと喜んでよいかもしれませんね。
まとめ
こちらでは燕がどうしてその名になったかの意味や由来、またひなの保護法などをまとめてきました。古来より人々の幸せの象徴とされている燕がもしも巣をかけたら、ぜひそっと見守ってあげてください。
可愛らしく成長したひなが、寒くなる頃に南国へ向けて立派に飛び立っていく姿を見ることができるかもしれません。
その時は我が子のような思いで、成長を喜んであげて下さいね。