様々な商品の中でも、香典返しの品物として人気があるのがお菓子です。値段も手頃で選びやすいのが香典返しのお菓子の特徴ですが、相手の好みやご家族の人数、会社の職場の状況によっても変化があるため、一つのお菓子で済ませるというわけにもいきません。
香典返しのお菓子選びをするときには、外してはいけない大事なポイントがあります。今回は、香典返しのお菓子を選ぶ時に注意するべき点や会社や職場への渡し方について、詳しくご紹介していきます。香典返しのお菓子につけるのしについても解説しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
香典返しのお菓子は相手の好みを優先して考える
香典返しに限らず、お菓子は人によって好みが異なりますよね。自分が好きだと思っているお菓子でも、他の人にはあまり口に合わなかったという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
香典返しのお菓子は、送った相手に美味しく食べて頂くことが大前提です。お香典という形でお心遣いを頂いたことに対して、感謝を表す意味が込められますので、相手の好みを優先して考える必要があります。お返しする相手に同居しているご家族がいる場合には、ご家族全員で楽しんで頂けるお菓子を選ぶのも良いですね。
もう一つ注意をしなければならないのが、お菓子を送る相手にアレルギーがあるかどうかです。特に洋菓子では、卵や小麦粉、乳製品などを使用していることも多いですし、和菓子でもそば粉や大豆アレルギーが出ることもあります。事前に知っていたにも関わらずアレルギー成分が入ったお菓子を送ってしまうと、意識していなくても相手に嫌がらせだと思われかねません。
わざわざ尋ねることまでは必要ありませんが、もし相手の好みやアレルギーなどがわかっている時には優先して考慮し、喜んで頂ける香典返しのお菓子選びをしてみましょう。
香典返しのお菓子は賞味期限と個別包装を意識して選ぶ
香典返しのお菓子は、購入してからすぐにお渡しできるとは限りません。遠方に住んでいる人には郵送する必要がありますし、店頭で購入してもすぐお渡し出来ないこともあります。香典返しのお菓子は、賞味期限が長く保存がしやすいことが大切です。具体的な例としては、以下のような物になります。
- クッキーやおせんべいなどの焼き菓子系
- 密閉されており常温保存も出来るゼリーや羊羹
- 個別包装で密閉されており、賞味期限が一ヶ月以上あるおまんじゅうなど
香典返しで賞味期限の長いお菓子を選ぶと、故人が亡くなって間もないご遺族でも心の余裕を持つことが出来ますし、受け取った相手もゆっくり楽しめるというメリットがあります。さらに、個別包装のお菓子を選ぶことでおすそ分けがしやすくなりますので、食べきれなかったり苦手なお菓子でも無駄になることがありません。
賞味期限が長く個別包装がしてあるお菓子は、送る側にも受け取る側にもメリットが生まれます。香典返しのお菓子は賞味期限と個別包装を意識して選ぶようにしましょう。
香典返しののしは宗教や地域によって違ってくる
香典返しのお菓子にかけるのしやのし書きも、頭を悩ませる種の一つですよね。実は宗教や地域によってのし書きに違いがあります。これが正式だと思い込んでしまうと、後で指摘されたり注意されることもありますので、事前に次の点を確認してみましょう。
- ご葬儀が行われた宗教
- ご葬儀が行われた地域
- 遺族や親族間での話し合い
まず最初に、宗教でののしの違いについて解説して行きます。香典返しののし書きで、全国的に認識されているのは「志」や「満中陰志」ですよね。どちらも「ちょっとしたお返し」という意味があるのですが、「満中陰志」の方はもう少し仏教の要素が強くなります。それでは、もし他の宗教で葬儀を行った場合、お返しにかけるのしやのし書きはどうすれば良いのでしょうか。
キリスト教での葬儀では、お香典ではなく献花代として気持ちをお渡しすることがあります。頂いたお気持ちに対するお返しの品を用意することもあり、金額は頂いた金額の三分の一程が目安です。使用するのしは、蓮の花が印刷されていないものであれば、一般的な仏事用ののしで問題ありません。蓮の花は仏教を強く表すことにつながりますので、キリスト教以外の宗教でも使わないように気を付けましょう。のし書きに「偲び草」や「感謝」といった言葉を使うと、より心のこもったお返しになります。
他の宗教の葬儀でも、仏式のように何かしらのお気持ちを頂くことがあります。母国や宗教によってしきたりも違ってきますので、わからない時には家族や周囲の人に尋ねてみるのが一番良い方法です。
宗教の違いだけではなく、地域によっても付けるのしやのし書きが違うこともあります。関西から西日本の地域では「黄色と白の水引の結び切り」ののしを使用するところも多く、事前にのしの確認をしなければなりません。お店によってはアドバイスをしてくれることもありますので、香典返しであることをあらかじめ伝えておき、一番失礼のないのしやのし書きを提案して貰いましょう。
会社や職場に香典返しのお菓子を渡す方法と注意点
部署ごとやパートごとに、少しずつお金を集めたお香典を「◯◯一同」という名義で頂いた時には、各自にお返しするよりもみんなで分けられるお菓子の方が受け取る側も手に取りやすくなります。
一番多いのは、用意した香典返しのお菓子を職場へ直接持っていく方法です。まず職場の事務所まで出向いてお菓子を渡し香典返しのお菓子であることを伝えておくと、事務の方が職場のお茶の時間に配ったり、一言メモを添えて自由に持ち帰れる場所にセッティングすることもあります。
中小企業で社長や社員との距離感が近い職場では、香典返しのお菓子を持って行って社長や上司にお礼を述べてから、お茶の時間などに皆んなで分けて貰ったという例もあります。普段から人間関係の距離が近いのであれば、顔を見てお礼を言ったり話が出来る方法で渡すのも良いでしょう。
持って行ったお菓子をその場で食べて貰える場合は良いのですが、シフト制で時間が合わなかったり休憩時間がずれていたりすると、なかなかお菓子に手をつけないというケースもあります。お香典を出し合ってくれた人を一人一人確かめるのも難しいですし、職場の雰囲気を気まずくするのは避けたいですよね。
もし香典返しとしてお菓子を持っていくことが難しいと感じたら、急に仕事を休んだお詫びとお礼という形にしてみましょう。忌引きでお休みしている間のフォローに感謝し、お礼としてお菓子を持っていくと、職場の人全員に気持ちよく受け取って貰えます。大切なのは、会社の人達に感謝の気持ちを伝えることですので、香典返しという形式にこだわらない方法を取るようにしましょう。
香典返しをお菓子にするときは団体へのお返しを基本的にする
会社や職場、パート、アルバイトといった団体からのお香典の他に、個人的に親しい同僚や上司からお香典を頂くことも少なくありません。これは実際にあった例ですが、中小企業の社長がご夫婦で弔問に訪れた際、会社名義の他に社長個人でお香典を包んで下さったケースもあります。
会社だけではありません。夫や妻が亡くなった場合、子供の通っている学校の教師一同とPTA一同の他に、親しくしているママ友達や役員の人から個人名でお香典を頂くこともあります。わかりやすく言うと、お香典は団体からと個人からに分かれており、お返しする相手にふさわしい品物を選ぶ必要があるのです。
香典返しのお菓子は、数も選べてお手頃な価格が多いというメリットがあります。種類が豊富に揃っているので送る側も選びやすく、悩むことがほとんどありません。団体からのお香典は、複数人から少額ずつを集めてお香典を下さっているので、お菓子を分け合う形式のお返しが一番しっくりきます。
お菓子には高級なものもありますので、選び方によっては個人でお香典を下さった方にも喜ばれますが、個人の好みやご家族の人数など細かい配慮が必要です。お香典の金額によってはお菓子では足りないことも多く、お菓子以外の品物の方が良い場合もあります。
香典返しのお菓子は選びやすく価格もお手頃ではありますが、頂いた状況やふさわしいかどうかをよく考え、適切な品物を選ぶようにしましょう。
まとめ
香典返しのお菓子を選び方や注意点について、詳しくご紹介してきましたがいかがでしたか?普通の手土産やプレゼントではなく、香典返しとしてのお菓子というだけで、選ぶポイントや気を使わなければならないことも違ってきます。お悔やみと暖かい気持ちが詰まったお香典のお返しですから、そのお礼をお菓子に託してお渡ししたいですよね。相手の好みや状況、適切なのし選び、会社や職場への相応しい渡し方など考えることも多いですが、一つ一つを丁寧にこなして、相手にも喜ばれる香典返しのお菓子を用意してみましょう。
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