もし家族や親族を亡くして、葬儀をすることになった場合、お勤めをしている人なら、仕事を休まなくてはなりません。
仕事を休む分は、誰かにカバーしてもらうわけですから、申し訳ない気持ちになる人もいるでしょう。その上、会社から香典が出る場合があります。
会社からの香典には、個人の名前が書いてあるとは限りません。部署名や、有志の人の名前が連名で書いてあることもありますから、ほかの参列者の方々と同じ香典返しでよいのか悩んでしまいますね。
今回は、会社へ差し上げる香典返しについてお知らせします。差し上げる時期と方法だけでなく、香典返しの品物も紹介します。
覚えておくと必ず実際の場面で役に立ちますから、ぜひ参考にしてください。
会社からの香典!まず確認したいこととは?
会社からの香典にもいろいろ種類がありますから、始めに不祝儀袋に書かれている名前をよく確認をしましょう。
会社には慶弔規定があります。会社の名前で香典が出されている場合は、ほとんどが慶弔規定にのっとった福利厚生として出されていますから、香典返しは必要ありません。
これは社員の権利ですから、安心して受け取りましょう。
どうしても不安な場合は、総務部などの担当部署に問い合わせるとよいでしょう。さりげなく直属の上司に尋ねてみるのもよいですね。
自分の上司などが個人的に葬儀に参列した場合は、香典返しもほかの参列者と同じ対応です。
自分が所属している部署から、個人名ではなく部署名が書かれた香典が届いた場合、または有志の方が数名で香典を包んでくれた場合は、ほかの参列者とは違った方法で香典返しを渡します。
何人かで香典を出してくれた場合は、1人の負担する金額が千円に満たないこともあります。香典返しの相場は、香典の半額から3分の1ですから、金額が少ないほど香典返しの品物はえらびにくくなるわけです。
1人ずつに香典返しを用意するのが難しいと感じたら、別の方法を考えましょう。
1人の負担した金額が少ない場合、香典返しは必要ないという意見もありますが、会社の人には普段からお世話になっていますから、ささやかでも香典返しを渡しましょう。
少し違う?会社へ香典返しを渡す時期と方法!
通常、香典返しを渡すのは四十九日法要などが終わって、忌明けとなったときです。
最近では葬儀の当日に渡す即日返しも増えていますが、会社の人たちに香典返しを渡すなら、葬儀のための休暇が終わり、再び出勤するときがよいでしょう。
大きなお菓子の詰め合わせなど、中が個包装になっていて、みなで分けられるものを用意して、1人ずつ配って香典返しにするとよいでしょう。これなら1人分の費用が少なくて済みます。
ただし、配るものの量は多めに用意して、部署の全員に行き渡るようにすることが大切です。
もし部署の全員が香典を出していないとしても、自分が葬儀のために会社を休んだことで、負担がかかった人がいたはずです。そんな人にもお礼の気持ちを伝えるために、香典返しを渡してください。
会社内なら、相手の顔を見て、香典返しの品物を手渡しできます。
お礼状を添えることができなくても、こちらの心をしっかりと伝えるために、きちんとあいさつをしてください。
香典へのお礼だけでなく、仕事をカバーしてもらったことにもお礼をいいましょう。
いろいろと口にするのが難しければ、「お世話になりました」の一言だけでも伝えてください。誰でも困ったときはお互いさまという気持ちになるでしょう。
さらに仕事に復帰するので、よろしくお願いしますと伝えられれば、なおよいですね。
会社への香典返しで、香典へのお礼の気持ちだけでなく、仕事をカバーしてもらったことへのお礼の気持ちの両方を伝えることができます。
香典返しで、よりよい人間関係が作れそうですね。
香典返しの差し上げ方は、社内で決まっている場合がありますから、前もって直属の上司に相談しておくとよいでしょう。
自分のやり方が、後で同じ状況になった人の負担になるかもしれませんから、自分だけは丁寧にしたいと思っても、なるべく前例の通りにすることが大切です。
会社への香典返しに便利なお菓子な!その理由とは
悲しみを後々までひきずらないように、後に残らない飲み物や食べ物、消耗品などが昔から香典返しにはえらばれてきました。食べればなくなってしまうお菓子は、香典返しにおすすめの品物です。
会社への香典返しに、お菓子は見た目が華やかな上、量が多すぎても来客用のお茶菓子にするなど、使い道に困りません。
また、人数に合わせて量や金額を簡単に調節できますから、たくさんの人に渡したい会社への香典返しとして、お菓子は便利な品物でもあります。
お菓子には賞味期限が長いものが多いため、安心できますし、個包装になっているものをえらべば、簡単に配ることができます。
お菓子は種類が多くてえらぶのが大変だと思われるかもしれませんが、昔から愛されてきた定番のお菓子をえらべば大丈夫です。
モロゾフやヨックモック、東京風月堂などの焼き菓子は、どんな年代の人にも好まれるため、さまざまな年代の人がいる会社への香典返しにはピッタリです。
お菓子なら季節感を出せるので、受け取る人も喜びます。
暑い季節なら、ゼリーや缶入りの水ようかんがおすすめです。これらのものにもちゃんと賞味期限の長いものが販売されているので、安心して会社のみなさんに食べてもらうことができますね。
故人の勤め先だった会社への香典返し!気を付けたいこととは?
香典返しが必要なのは、自分の勤め先の会社だけではありません。
故人の勤め先だった会社にも、香典返しが必要になる場合があります。
故人の所属部署から香典が出た場合は、やはり1人ずつのお返しをするのは難しいことが多いです。部署全体に宛ててお菓子の詰め合わせなどを差し上げて、分け合ってもらうのがよい方法です。
故人が勤めていた会社の方々とは、ほとんど面識がない場合がありますから、宅配便などを利用して届けても構いません。届ける時期は、四十九日法要などが終わった後がよいでしょう。
この場合は、会社の方々が自分で包みを開けるわけですから、香典返しのマナーとしてかけ紙をかけることが必要です。
香典返しには、のしが付いていないかけ紙を使います。水引は黒白(地域によっては黄白)の結び切りをえらびます。
表書きは「志(宗教、地域を問わずに使えて便利です)」と書き、喪主(葬儀を行う遺族の代表)の名前を書くのも忘れないようにしましょう。
蓮の花の模様のかけ紙は、仏教でしか使えませんが、白無地なら宗教をえらびませんから、失敗がありません。
宅配便などを利用して届けてもらう場合は、直接あいさつできませんから、必ずお礼状を添えてください。
葬儀に参列して、香典をくださったことへのお礼はもちろんですが、故人がお世話になったことにもお礼ができるとよいですね。
当然ですが亡くなった人は、もうお礼の気持ちを伝えられません。故人の勤め先だった会社に香典返しを送り、お世話になったお礼を伝えることは、きっと故人の望みでもあります。これは心を込めて行ってあげてください。
香典返しが必要ない場合!お礼状で心を伝えたい!
会社への香典返しについていろいろと紹介してきましたが、そもそも会社には香典返しは一切受け取らないという規定がある場合もあります。
また、香典返しは辞退するという内容の申し出があった場合や、一家の働き手が亡くなった場合にも、香典返しは必要ありません。これは香典をこれからの生活に役立てて欲しいという心遣いからされることです。
このような場合に、香典返しを押し付ければ、相手の心遣いを無駄にすることにつながります。香典返しを差し上げないのが心苦しいなら、一番よいのは心を込めたお礼状を送ることです。
香典返しを辞退しようとする方は、遺族のその後を心にかけているはずです。
お礼の気持ちを伝えて、遺族がどのように暮らしているのかを知らせれば、きっと喜んでくれるでしょう。香典返しに頼らなくても、香典へのお礼は十分にできます。
まとめ
今回は会社へ差し上げる香典返しについて、いろいろとお知らせしました。
差し上げる時期と方法だけでなく、香典返しの品物も紹介しました。
また故人の勤め先だった会社への香典返しに気を付けたいことも、いろいろとお知らせしました。きっと実際の場面で役に立つでしょう。
誰でも葬儀のことなど考えたくないでしょうが、誰でも必ずいつかは身近な人の葬儀を体験します。
香典返しは決して自分と無関係ではありません。
あわただしい葬儀のときに、香典返しのことまでは落ち着いて考えられません。
特に会社に差し上げる場合は、時期や方法がほかの参列者とは少し違いますから、余計に大変に感じるでしょう。
早すぎることはありません。ぜひ、今すぐにでも会社への香典返しについて考え始めてみましょう。