自分がもし葬儀を行う側だとすると、通夜・告別式の日からは忙しい日々が続きます。後は香典返しを送ればよいという時期になって、初めてホッとできるのではないでしょうか。
現在はほとんどの場合、香典返しを宅配便などで送ってもらいます。
人それぞれに都合がありますから、わざわざ香典返しを持参してあいさつにまわるよりも、配達してもらう方がお互いに気楽でよいと考える人が増えているのです。
宅配便などを利用する場合には相手の住所が必要ですが、香典返しを送りたいのに相手の住所がわからない、ということを経験する人がいるようです。
今回は香典返しの住所について解説します。
住所がわからない理由や聞き方、対応策について説明します。
住所がわからなくても、慌てないで!なんとかなる場合とは
何人かで香典を出している場合、不祝儀袋には代表者1名の住所しか書いていないことがあります。
不祝儀袋の中に、香典を出した人たちの名前がわかるようにリストが入っている場合もありますが、住所まで書いてあることはあまりありません。
香典返しを1人ずつに送りたいときは、まず代表者のもとに連絡をして、それぞれの住所を教えてもらいましょう。
代表者から、1人ずつのお返しは結構ですといわれた場合は、無理をして香典返しを送る必要はありません。
職場の部署の人たちが連名で香典を出している場合なら、代表者のもとに1つ香典返しを送ればよいでしょう。
そのときは個包装になっているお菓子や飲み物を送り、職場でみなさんに分けてもらうとよいですね。
ただし、職場の部署のように顔を合わせる機会がない場合に、みなさんで分けてくださいとお願いするのは、代表者に負担をかけることになってしまいますから、無理はしないで相手のいう通りにすることが大切です。
香典返しを辞退するために、あえて住所を記入しない人もいます。
この場合は、受付の人に伝言があるか、不祝儀袋などに香典返しは辞退したいと書いてあるはずです。
住所がわからない、と慌てる前に受付を担当した人や不祝儀袋の中をよく確認してみましょう。明らかに香典返しを辞退している場合は、相手の言葉に甘えても大丈夫です。
近所の人なら、住所がわからなくても問題ない!
住所を知らせない理由の1つに、相手の人が近所に住んでいるため、わざわざ住所を教える必要がないと思っていることがあげられます。
葬儀には地域の人も参列しているはずです。顔見知りの人がいたら、「香典返しを届けるために、〇〇さんの住所を知りたいのですが、ご存じありませんか」と聞いてみましょう。
たとえ住所がわからなくても自宅の場所がわかれば、直接香典返しを届けましょう。勤め先などがわかっていれば、そちらに香典返しを届けるのもよいでしょう。
本来香典返しは自分で相手に手渡しして、葬儀に足を運んでもらったお礼と四十九日法要などが無事に終わったことを報告するものでしたから、直接香典返しを届けるのは礼儀にかなった丁寧な対応です。
住所がわからない人でも、近所に住んでいそうだなと感じたら(名字から近所の人だと分かる場合もあります)、いつでも手渡せるように香典返しの品物は手元に用意しておくとよいですね。
ただ住所や電話番号がわからない場合は、いきなり訪ねていくことになるので、玄関先で失礼するなどの気遣いが必要です。また、突然の訪問であることを、おわびすることも必要です。
今まで紹介した状況に当てはまらないのに、住所がわからない場合は調べる必要があります。
せっかく葬儀に足を運んでくれた人に対して、香典返しを送りたいと思うのは当然です。住所を調べるために、できることを紹介します。
香典返しを送る相手の住所を調べる方法!カギは芳名録!
まず家族の中に、その人を知っている人がいないかを確認してください。
家族の中に知っている人がいれば、自宅の住所録、アドレス帳などに住所が記入されているかもしれません。
年賀状などがとってあれば、それを調べるのもよいですね。
それでもわからなければ、葬儀の受付で使う芳名録(芳名帳)で確認してください。
葬儀に参列する人は、必ず受付で芳名禄(芳名帳)に自分の名前と住所を記入します。不祝儀袋に住所が書いていなくても、芳名録には住所が書いてある場合もあります。
芳名録と一緒に受付で使われるものに、香典帳がありますが、これは受付を任された人が、香典をくださった人の名前と金額を書くためのもので、参列者が直接書くことはありません。住所を確認したいなら芳名録がよいでしょう。
芳名禄にも不祝儀袋にも住所が書いていない場合は、その人の名前の前後に記帳している人に注目してください。
芳名録の同じページに隣り合って記帳している人は、一緒に葬儀会場に到着したのかもしれません。
前後に記帳している人に直接問い合わせてもよいし、芳名録の住所から見当をつけて電話帳などで調べてみるのもよいでしょう。
ただし電話帳に電話番号を掲載していない人もいますから、すべての人が電話帳で住所がわかるわけではありません。
また、電話帳などで住所を調べられた場合も、同姓同名でないことを確認するため、1度電話で連絡をして香典返しを送ってもよいかを確認しましょう。
住所を知らせていないのに、香典返しが届いたのでは相手の人も驚いてしまいます。
現在は住所などの個人情報を、みだりに他人に教えることを嫌う人が多いですから、住所を調べるために問い合わせをするときは、必ず事情をよく説明しましょう。
香典返しを送りたいので、住所が知りたいということを伝えれば、相手の方もそれほど警戒をしないでしょう。
残念ながら、こうして調べてみても住所がわからず、近所で会うこともない相手もいます。
こんなときには、諦めることも必要ですが、思わぬところに縁はあるものです。葬儀に参列してもらったことへのお礼の気持ちは、別の形で伝えることができるかもしれません。
香典返しという形にこだわらずに、お礼ができるときを待ちましょう。
早くすべてを済ませてスッキリしたいという気持ちはよくわかりますが、何事も焦ってはいけません。
相手の住所がわからないときの最後の対応策は、じっくりとまたの機会を待つことです。
必ず書こう!香典返しを送らなくても住所は必要!
このように香典返しを送るために、住所がわからないと葬儀を行う人たちはとても困ることがわかりました。
誰でも葬儀に参列して香典をくださった人に、お礼の気持ちを表すために香典返しを送りたいと考えています。それができないときには、心にはモヤモヤしたものが残ってしまいます。
だから誰かの葬儀に参列して香典を出す際は、住所をハッキリと書くことがとても大切です。
もし香典返しを辞退するなら、それを誰にでもわかるように知らせることが必要です。ただ黙って住所を書かないのでは、葬儀を行う人たちを混乱させてしまいます。
また香典返しを送らなくても、葬儀を行った人たちはあいさつ状やお礼状を送りたいと考えるものです。
葬儀に参列した人も、残された家族のことが気になるはずです。あいさつ状やお礼状はそれを知らせる大切なものですから、香典返しを辞退するときでも、ぜひ住所はハッキリとわかりやすく書いてください。
住所は必ず2回書く!どこに書けばよい?
住所は、受付の芳名録と不祝儀袋の両方に書きます。
不祝儀袋に中袋がついている場合は、中袋に住所を書く欄が印刷されています。
2回も住所を書くのは面倒だと感じるかもしれませんが、芳名録と不祝儀袋の両方に同じ住所が書かれていれば、その住所に住む人物が確かに受付で香典を出して、葬儀に参列した証拠になるはずです。
芳名録と不祝儀袋の住所が一致していれば、芳名録は葬儀の大切な記録となり、香典返しを送るほかにも、さまざまな用途に使われます。
住所は省略せずに、建物名や部屋番号まで正確に書きましょう。
郵便番号や電話番号は香典返しを送るときに必要になることが多いので、これも省略せずに書いてください。後から郵便番号だけを調べるのは、思ったよりも手間がかかります。
電話番号を書いておけば、後から問い合わせを受けることができ、葬儀を行った人たちの役に立てるかもしれません。
住所や電話番号は個人情報という考えもありますが、葬儀のときは特別だと割り切りましょう。
芳名録も不祝儀袋も、住所は縦書きで書くことが多いです。
番地や部屋番号の数字は、縦書きの場合は漢数字、横書きの場合はアラビア数字で書いてください。
まとめ
今回は香典返しの住所について説明しました。
相手の住所がわからない理由や、聞き方、対応策について説明しました。
住所の聞き方にも、さまざまな相手に聞く方法があることがわかりました。
住所がわからないときには、慌てずに今回説明した方法を試してみてください。
香典返しを送るために、住所が大切なことがよくわかりましたから、自分が葬儀に参列する際には忘れずに住所を書きましょう。
住所を書くだけで、葬儀を行う人たちの負担を軽くできますから、キチンと書きたいですね。
1人ひとりの心がけで、香典返しを送りたいのに住所がわからない、ということは減っていくはずです。
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