結婚を望む男女が行うお見合い。
今は昔ほど一般的なものではなく、テレビやドラマの中の話だと思っている人も多いかもしれません。
あまり良いイメージを持っていない人もいるでしょう。
お見合いとはそもそも何なのか、どんなメリットがあるのか、服装やマナーもご紹介します。
お見合いとは?
お見合いとは、結婚を希望する男女が、第三者の仲介によって出会う慣習です。
親戚や近所の人、会社の上司や恩師などに仲介してもらう他に、結婚相談所を利用したお見合いもあります。
結婚相談所のお見合いはさらに仲介型、データマッチング型に分けられます。
仲介型は、仲人やアドバイザーと呼ばれる人が介入し、サポートしながら進めていくお見合いです。
性格や希望を把握したアドバイザーが合いそうな会員を紹介し、会うまでの段取りもサポートしてくれます。
データマッチング型でも、アドバイザーが合いそうな人を紹介してくれるという点は仲介型と同じです。
プロフィールや希望などがデータ化されているので、検索システムを使って自分でも相手を探すことが可能です。
仲介型と大きく異なるのは、会う段取りから先を自分たちで行わなければいけないという点です。
積極的に間に入ってサポートしてくれるわけではないので、仲介型よりも行動力が求められます。
悩みや相談があるときは対応してくれるので安心です。
お見合いの由来は?
近年、男女の出会いの方法はさまざまで、職場や学校、友人の紹介、街コンや婚活パーティー、インターネットを使った出会いまであります。
しかし、昔はお見合いでの結婚が一般的でした。
お見合いは「目と目を合わす」または「女合わす(めあわす)」という言葉からきており、女性を男性に引き合わせることが由来とされています。
当初のお見合いは家同士の結びつきを重視したもので、一族の繁栄を願った政略結婚でした。
お見合いが始まったのは鎌倉時代からだといわれており、身分の高い武家、公家、貴族の家同士で行われていました。
江戸時代には庶民にも広がり、親戚や近所の人がお見合いの話を持ってきて、男女の出会いのきっかけを作っていたようです。
女性に相手を選ぶ権利はなく、顔も知らない人のところへ嫁ぐことも珍しくありませんでした。
お見合いのメリットは?
お見合いは結婚を前提に行われるものです。
そのため、結婚に向かうまでに無駄な過程がありません。
恋愛ならば、相手に結婚の話題を出してもいいのか悩んでしまう人も多いと思います。
結婚の話題を出されて重いと感じる人もいるでしょう。
その点お見合いは、お互いの目的が結婚であるということがはっきりわかっているので、最初からためらうことなく結婚について話し合うことが可能です。
結論をずるずると長引かせるのは失礼にあたるため、結果が早く出るのも特徴です。
お見合いをしてから3か月以内に結婚するかどうか決めるのが一般的とされています。
恋愛ではお互いの結婚に対する考え方がわからないことも多く、相手に結婚するつもりがないことを何年も付き合ってから知ることもあります。
お見合いでは自分の生活圏内で出会うことが難しい人と出会うことも可能です。
結婚となると、やはり安定した経済力も大切ですよね。
はじめから条件を重視するお見合いでは、安定した経済力のある相手を選ぶことが可能です。
また、お見合い結婚は離婚率が低いといわれています。
今は夫婦の3組に1組が離婚する時代です。
恋愛結婚した夫婦の離婚率が40%であるのに対し、お見合い結婚した夫婦の離婚率は10%です。
気持ちが燃え上って結婚したのではなく、相手を冷静に見極めて結婚していることが大きな要因だと考えられます。
恋愛結婚では、相手のいいところしか目に入っていなかったり、子どもができて流れで結婚することもあるでしょう。
いざ結婚してみると相手の嫌な部分が見えてきたり、恋愛中に聞きにくかった経済的なことが問題になり離婚につながります。
どんなに愛情があっても、金銭的問題やよくない家族関係は夫婦生活を脅すこともありえます。
事前に収入や家族関係を把握できるお見合いはリスクの回避が可能であり、円満な結婚生活につながります。
仲介人を通じてお見合いをした場合、仲介人のメンツを守るための衝動的な離婚は少なるのです。
それもお見合い結婚の離婚率が低い理由の1つです。
釣書とは?
釣書は、「つりしょ」または「つりがき」と読みます。
縁談があったときに相手に渡す書類で、就職活動で使う履歴書のようなものです。
「身上書」と呼ばれることもあります。
釣書は縦書きにし、3つ折りにして封筒に入れます。
封筒には表に釣書と書きましょう。
まず、氏名と生年月日を書きます。
難しい読み方の名前であれば、ふりがなをふると親切です。
年齢を書く必要はありません。
次に書くのは現住所です。
こちらも読み方が難しい地名にはふりがなをふります。
学歴は、名門の幼稚園や小学校を出ている場合はそこから書いてもいいですが、そうでない場合は中学校卒業からでかまいません。
留年したことや予備校に通っていたことを書く必要はありませんが、中退している場合は後で問題にならないよう正直に書いておきましょう。
事情や理由もきちんと書きましょう。
職歴は、バイトなど全てを書く必要はありません。
転職の経験も、事情や理由がわかるように書きます。
ただし転職を何度も繰り返している場合、書くのは今の勤務先だけで大丈夫です。
経済力は重要なポイントになるので、男性は収入を書くことも多くなっています。
資格は、特別印象がよくなるようなものを持っていなければ、書く必要はありません。
趣味は、好みや生活を知れる、人柄が表れる重要なポイントです。
例えば、読書なら好きなジャンルや本のタイトルなど具体的に書きましょう。
身長と体重も書きますが、正確に書くのは身長だけで大丈夫です。
明らかにうその体重を書くのはよくありませんが、釣書には写真も同封するので、体形がどんなかんじなのかは写真を見るとだいたいわかります。
その他にも信仰や既往症など、結婚生活を送る上で事前に言っておいたほうがいいことは書いておきましょう。
住宅・車のローンや奨学金の返済などがある場合も正直に書いておきます。
親との同居、子ども、ペットについてなど結婚後の生活に対して考えや希望があればそれも書きましょう。
釣書は手書きが原則です。
相手だけでなく相手の家族も見るものなので、筆ペンや万年筆を使い誠実さが伝わるよう丁寧に書きます。
用紙は上質紙、和紙、便せんなどを選びます。
釣書に同封する写真は、お見合い用にフォトスタジオで撮ってもらったものを1枚、スナップ写真を1~2枚用意します。
男性はスーツ、女性はワンピース、スーツ、振袖などがフォーマルで清潔感のある服装がおすすめです。
釣書は、仲介人を通じて相手に渡してもらい、その内容を見てお見合いをするかどうか決めるものです。
そのため、お見合いの話があったときに仲介人に預けます。
封は開けたまま渡しましょう。
お見合いのマナーは?
女性の服装で好まれるのは、清楚なワンピースやスカートです。
黒などは暗い印象を与えてしまうので、白やベージュ、ピンクなど明るくてやわらかい色の服を選びましょう。
パンツはNGです。
派手すぎるものや地味すぎるものも避けましょう。
男性は、スーツかシャツとジャケットがおすすめです。
清潔感が大切なので、シャツのしわなどには気をつけましょう。
髪や爪、ヒゲもきれいにしておきましょう。
意外に足元も見られています。
汚い靴は避けましょう。
待ち合わせでは、遅刻は厳禁です。
お見合いに限ったことではありませんが、時間にルーズな人はあまり良い印象を持たれません。
10分前には到着するようにしましょう。
男性は女性より早く到着するのがマナーなので、20分前に到着するよう心がけましょう。
また、声をかけるのは男性からというのがマナーです。
女性は前もって目印となる持ち物や服装を伝えておいたり、わかりやすい場所で待っておくなどの気
遣いが必要です。
無事に待ち合わせ場所で会えたなら、男性は女性をエスコートして移動しましょう。
笑顔を絶やさずに話すと好印象です。
自分のことばかり話さず、相手の話にも興味を持って聞きましょう。
しかしお見合いのマナーとして、言ってはいけないこと・聞いてはいけないこともあるので、注意が必要です。
今までのお見合い回数や他に交際している人の有無などを聞くのはやめましょう。
過去の恋愛経験など、プライバシーに踏み込みすぎるのもよくありません。
貯金額などの唐突な質問も、相手に不快な思いをさせてしまうことがあります。
お見合い後の返事は、できるだけ早くするのがマナーです。
もう1度会いたいと思った場合も、お断りしたい場合も早めに仲介人に伝えましょう。
まとめ
お見合いについて、由来やメリット、マナーなどを紹介しました。
お見合いも、時代とともに少しずつ変化してきています。
恋愛結婚に憧れる人は多いと思いますが、お見合い結婚にもいいところはたくさんあります。
興味のある人は、お見合いも検討してみてはいかがでしょうか。