神社からお守りを頂く人は多いものです。ですが、その処分に困る経験をしたことがあるのではないでしょうか？下手に処分をするとバチが当たる気がしてしまいますし、だからといってボロボロになるまでずっと持ち続けるのも気が引けます。何の迷いも無く回収場所に投げ込んでいたという方もいらっしゃるかも知れませんが、それはマナー違反にはならないのでしょうか？返納するためには何か特別なマナーがあるのでしょうか？ここでは、神社のお守りの返納について詳しくご紹介します。
神社のお守りは返納した方が良いの？
厄除けなどの目的で、毎年神社でお守りを手に入れる人も多いのではないでしょうか？でも、毎年のように頂いていたら、どんどん古いものが溜まってしまいます。そこで古いものをどのように手放したら良いのか悩むことがありますが、そんな時は是非返納という方法をとりましょう。
お守りは神社などから授けられた大切なものです。お守りは、自分のものと考えている人も多いかも知れませんが、実はご利益を頂くためにお借りしているものなのです。そのため、願いが叶った時や、何かを無事に成し遂げられた時には、神様に感謝し返却しておく、そして、また必要になったら御貸しいただくのが本来の使い方なのです。
また、それぞれに返納時期がありますので、なるべくそのタイミングでお返ししましょう。
お守りの返納はどこでするの？別の神社でも良いの？
では、お守りの返納はどこですれば良いのでしょうか？返納できる場所をチェックしておくと安心です。
神社には「古札納所」などと書かれた場所があります。「古神符納所」と書かれていることもあります。これらの場所で返納が可能です。年始には大きなカゴやケースのようなものが置かれ、そこに参拝客が持ち寄ったお守りやお札などが入れられるようになっていることもあります。お守りの返納は、基本的に頂いた神社でしますが、場所が遠く、どうしても足を運べない場合があります。その際には、最寄りの別の神社で返納することができますが、なるべく同じ神様を祀っている神社へ返納する方が良いとされています。もし、全く神様の違う神社へ返納したい場合には、事前に社務所へ確認してみましょう。別の神社での返納が不可能な際には、郵送などの方法をとりましょう。
お守りの返納はいつすべき？ベストなタイミングは？
頂いたお守りの内容により返納時期が異なります。具体的なお守りの種類と返納時期は以下の通りです。
「安産祈願」は、無事に出産が終わり落ち着いた頃に返納します。産まれた赤ちゃんのお宮参りの際に返納する人が多いようです。
「子授け祈願」は、安産祈願のお守りを授かる際に返納します。戌の日に安産祈願をする時に返納しましょう。
「縁結び」は、良縁に恵まれた際に返納します。結ばれた相手と2人で神社を訪れてお礼参りをするカップルも多いようです。
「厄払い」は、前厄、本厄、後厄と毎年変えます。そして、後厄が終わりお礼参りをする際に返納します。
「合格祈願」は、合格した後に返納します。
「病気平癒」は、病気が治り落ち着いてから返納します。
このように、願いが叶ったり、次のお守りを手にするタイミングでリターンするようにします。
「商売繁盛」や「家内安全」などは、毎年新しいものにチェンジします。一年毎に変えるお守りは、初詣の際に交換することをおススメします。
神社でお守りを返納する場合には費用が掛かるの？
お守りの返納には費用が掛かるのでしょうか？
お守りの供養に一律の費用が掛かる神社もあります。ただ、新年に行われる合同お焚き上げでは、無料で受け付ける所も多いため、そのチャンスを逃さないよう、初詣の際に忘れずに持参して預けます。
もしも、無料で返納できたとしても、願いを叶えるために力を貸して頂いた神様に感謝の気持ちを込めてお守りの代金分程度のお賽銭をすると良いでしょう。返納所にお賽銭箱がある時は、そこへお賽銭を入れておきます。
お守りの返納は郵送でもできるの？
お守りを頂いた神社へ足を運べない場合には、郵送で返納することができます。ただし、全ての神社で郵送での返納を受け付けている訳ではありませんので、事前に確認が必要です。郵送料は自分負担なので、間違っても着払いで送ることの無いようにしましょう。また、お焚き上げ料が別途掛かる神社もありますので、確認して指定された方法で納めましょう。サイズによって供養の料金が変わるところもあります。サイズの虚偽をしたり、明らかに少ない金額で郵送してしまう非常識な方も居るようですが、受け取り拒否をされてしまっては意味がありません。
送る封筒には「お焚き上げ希望」と分かりやすく記します。郵送前にお守りへ感謝し御礼をしてから丁寧に梱包して送るようにしましょう。
お守り返納でNGなマナーは？
お守り返納では、やってはいけないNGマナーがあります。
神社のお守りは神社へ、お寺のお守りはお寺に返納するものですが、そこを間違えてしまうと大変なマナー違反、失礼になってしまいます。両方ともなぜか同じ形なので、非常に間違いやすいものですが、よく見ると裏面に記載があります。〇〇神社、〇〇大社、〇〇神宮などと書かれている物は神社へ、〇〇寺、〇〇寺院と書かれている物はお寺に返します。
また、自分に必要なくなったからといって、気軽に他の人へ渡したり、あげたりするのは止めましょう。授かったお守りは、神様が自分にご利益をもたらすために力を貸してくれています。そのご利益が不要になったからと言って、気安く他人に渡すのはマナー違反です。
もし、誰かにお守りを渡したいという時には、その人のためだけに願いを込めて、新しい物を授かるのが基本です。
返納できない場合はどうしたらいいの？
どうしても、どこの神社にもお返しできない場合には、家庭ゴミ（燃えるゴミ・可燃ごみ）として処分することができます。
ただ、お守りは非常に神聖なものですから、他のゴミと同じような扱いをしてしまうとバチあたりになってしまいます。
きちんとした手順を踏んで出すようにしましょう。
〈お清め手順〉
- 綺麗で大きめな白い紙（和紙など）の真ん中にお守りを置きます。
- 塩を軽くひとつまみ左側にかけ、次に右側にもひとつまみかけます。最後にもう一度左側にひとつまみかけます。
- そのまま紙に包みゴミ袋に入れます。この時、お守りが紙からはみ出てしまわないようにしましょう。
ゴミ袋に入れますが、生ゴミなどの臭いの強いゴミや汚れの強いものとは一緒にしないように注意してください。プラや金属の付いているものは可燃ゴミには出せません。
お守りを自宅で燃やすこともできます。室内ではなく庭など広い場所で燃やします。
燃やす処分方法でも、前述のようにお清めをしてからにします。
自宅で燃やす際には、火の元に充分注意しましょう。火を焚いているうちには目を離さず、何かあったらすぐに消せるようにバケツに水を張って置いておく事をおススメします。
キーホルダーのように加工された金属やプラスチックが使用されたお守りは、ダイオキシンなど有害物質が出ることがかんがえられるため、燃やすことができません。
どうしても返納したくない！！そんなときは？
大切な人から頂いた、どうしても処分や返納をしたくないお守りを持つ人も居るのではないでしょうか？
そんな時は無理をしてリターンする必要はありません。
その代わり、定期的にお守りを頂いたところに出向き、参拝してお賽銭を入れ、感謝しましょう。
「適切なタイミングで手放さないと不運になる」と実しやかに言われていますが、効果が徐々に薄れていくだけであり、悪いことが起こるという訳ではありません。現に、形や色が綺麗だからという理由で持ち続ける人もいます。
お守りに有効期限はありません。自分が納得するまで、自分に必要と感じなくなるまで持つことが許されます。見守って頂けることに深く感謝し、すんなり手放せるまで大切にしましょう。もし、お守りの効果に違和感を感じたり、効果を感じなくなったとしたら、それが手放す時です。
お守りはリサイクルできない！！
エコな現代人の考えでは、お守りもリサイクルするのでは？と考えてしまうかも知れません。でも、お守りはリサイクルやリユースできないものなのです。
そもそも、お焚き上げは、魂が宿ると考えられるものや、誰かの思いが強く影響するようなものを供養しながら焼き清める儀式です。お守りやお札の他にも、正月飾りや縁起物など家庭ゴミとして出し辛いものをお焚き上げで処分します。
誰かの念が籠ったお守りリサイクルしようという神社はありませんし、それを使いたい人など居ませんので、勿体無いと感じても手放すようにしましょう。
まとめ
お守りの返納は基本的に頂いた神社にします。どうしても足を運べない場合には別の神社でも受け付けてくれる可能性もありますので、確認の上返納しましょう。また、郵送で受け付けている所があります。料金などを確認して不足の無いように送ります。自宅で燃やすことも、家庭ゴミとして出す事もできますが、充分お清めをしてから丁寧に包み処分します。通常は一年に一度お守りの交換が必要ですが、お守りには有効期限はありませんので、自分が納得してからの返納で構いません。
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