昭和の日と聞いて、すぐ日にちがわかる人はどのくらいいるでしょうか。
もしかしたら、若い世代の人たちの方が知っている人が多いかもしれませんね。
実は昭和の日は、比較的最近に制定された新しい祝日なのです。
一体どのような意味や由来がある祝日なのか、どうして新しく制定されることになったのか気になることがたくさんあります。
天皇誕生日やみどりの日からの変更や関係性も気になりますよね。
今回は昭和の日について意味や由来は天皇誕生日と関係があるのか、みどりの日から変更された理由などをご紹介します。
昭和の日の意味や由来とは?
昭和の日の意味や由来について、詳しく説明していきましょう。
昭和といえば平成の前の元号で、64年とかなり長い期間だったことで有名です。
2019年5月より平成に代わる新しい元号になるので、昭和は2つ前の元号となるわけですね。
歴史の流れの早さを実感している人も、おそらく多いのではないでしょうか。
昭和の日という祝日ができたのは2007年からで、意味は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」となっています。
国民の祝日に関する法律の改正にて、昭和の日の意味が示されているのです。
昭和といえば第二次世界大戦、そして終戦後の高度経済成長など、まさに激動の時代だったのではないでしょうか。
平成の前の時代に世界的な戦争が起きていたというのも、半ば信じられません。
さまざまな時代の荒波を乗り越えて、これからの日本の将来のために忘れてはいけない元号だというのが昭和の日の由来なのですね。
昭和の日は毎年4月29日ですが、昭和天皇の誕生日に当たります。
昭和天皇から、平成の現在の今上天皇になるまでは「天皇誕生日」として制定されていました。
そして今上天皇即位に伴い、天皇誕生日は12月23日となったために2006年までは「みどりの日」という名称になっていたのです。
昭和生まれの方々は、おそらく4月29日はみどりの日というイメージが強いと思います。
昭和の日制定の2007年に祝日の改正があり、みどりの日は4月29日から5月4日に変更になりました。
昭和の日は天皇誕生日、みどりの日を経て生まれた祝日なのです。
昭和の日の原点・天皇誕生日からみどりの日になった理由
昭和の日の原点は昭和時代の天皇誕生日でしたが、昭和天皇崩御後も引き続き天皇誕生日が「みどりの日」と名前を変えて祝日であり続けた理由はなぜなのでしょうか。
昭和天皇の誕生日は4月29日。
昭和天皇が崩御されたのは1989年の1月7日だったので、3ヶ月ちょっと後にくるはずの天皇誕生日はもう天皇誕生日ではなくなってしまいました。
現在の平成の今上天皇の誕生日は12月23日なので、そのまま移動させれば本来であれば問題ないはずだったのです。
昭和天皇の誕生日である4月29日といえば、ゴールデンウィークのはじまりの日ですよね。
日本で暦通りの勤務の人たちは、昔から毎年のゴールデンウィークを楽しみにしていました。
昭和から平成に変わるとなると、通常であれば天皇誕生日は4月29日から12月23日へと変更になります。
天皇誕生日が移動することにより、ゴールデンウィークの期間が短くなってしまうのです。
ゴールデンウィークは各業界でも売り上げにおいて伸び率が良い時期で、さまざまな恩恵を受けています。
昭和天皇の誕生日を祝日のままにしておかないと、ゴールデンウィークが成り立たなくなるのです。
昭和天皇の誕生日は、春から初夏にかけて植物たちが青々と生い茂る時期のため「みどりの日」と名称変更がされました。
みどりの日には「自然と親しむとともにその恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくむ」という意味があります。
みどりの日という名称になった由来は、昭和天皇が生物学者だったことで
植物などの自然を大切にしていたからといわれています。
全国植樹祭にも毎年参加されていたため、みどりの日が適しているのではないかと決定しました。
みどりの日が昭和の日になった理由
1989年の昭和天皇崩御後、2006年までは昭和天皇の誕生日を「みどりの日」としていました。
みどりの日は制定されたときからずっと「本当は昭和の日にした方が良いのでは?」という議論がされてきた件でもあったのです。
みどりの日を昭和の日にしたがった理由としては、昭和という名前が付いていないことでそのうちに昭和という時代が忘れ去られてしまうのではないかと懸念されたためです。
日本は今でこそ先進国の一員となっていますが、昭和時代には第二次世界大戦に敗戦して高度経済成長など時代の荒波に飲まれてきました。
現代の平和な生活があるのは、昭和時代のおかげといっても過言ではないのです。
昭和を風化させないためにも、毎年4月29日を「昭和の日」として名前を残すことが大切だと制定されました。
昭和の日に関してはスムーズに名称変更がされたわけではなく、実はいろいろな批判もあったのです。
「昭和」と名がつくことで戦争体験者が辛い思いをする、諸外国からは戦争を連想させてネガティブなイメージがあるなどが理由となっています。
一度2000年当時の首相である森喜朗氏が、日本を神の国だと発言したことがきっかけで「昭和の日」案は立ち消えになったこともありました。
ネガティブな意見もあったものの、やはり昭和は日本にとって大切な時代だったということから改めて制定されたのです。
昭和の天皇誕生日からみどりの日、みどりの日から昭和の日になるまでは一悶着どころでは済まないくらいの紆余曲折があったのですね。
昭和の日はあるのに明治や大正はなぜないの?
昭和の日と聞いて、多くの人が思い浮かぶのが「昭和の日はあるのに、どうして明治や大正はないの?」ということです。
確かに昭和の前の元号である明治や大正も、日本の礎となった大切な時代ですよね。
カレンダーを見ていると一見して明治や大正の文字は無いのですが、実は11月3日が昭和の日と同じ位置づけなのです。
11月3日といえば文化の日ですが、明治天皇の誕生日が11月3日でもともと祝日だったのですね。
明治天皇が崩御された後も明治天皇の功績を称えて「明治節」として祝日に制定されていました。
なぜ明治節から文化の日へと名称変更したのかというと、第二次世界大戦で敗戦した後GHQ (連合国軍最高司令官総司令部)が関係しています。
支配のためではなくポツダム宣言締結を目的とするため、日本占領政策をおこなった機関であるGHQ。
11月3日の祝日である「明治節」の名称が、天皇とのつながりが強いとGHQから指摘を受けたのです。
名称変更の命令により、明治節ではなくなって正式に「文化の日」となりました。
大正時代も天皇誕生日は「天長節」として祝日ではありましたが、崩御した後も祝日となるような動きはありませんでした。
理由は天長節が8月31日で、季節柄ものすごく暑くて天皇誕生日の祝典も日にちをずらしておこなっていたためです。
そのために本来の天皇誕生日を覚えている人が少なく、定着しにくかったのが理由といわれています。
どちらにしても8月31日は子供たちは夏休みですし、祝日になってもあまり意味はないと思われてしまいそうですね。
昭和の日が今後なくなる可能性はあるの?
現在の元号である平成も、平成31年4月30日でいよいよ終わりを迎えます。
平成が終わると次は新しい元号に変わるわけですが、次の元号になったら「平成の日」はできるのでしょうか。
またひとつ過去の元号となる昭和の日は、なくなることはあるのか気になりますよね。
明治の天皇誕生日である11月3日が文化の日として残っていることを考えると、簡単には昭和の日がなくなる可能性は考えにくいでしょう。
なにせ平成の倍以上の長さを誇り、日本にとって忘れてはならない歴史が詰まっています。
平成の日は名称がどうなるのかは次の元号になってみないとわかりませんが、おそらく何かしらの形で祝日になると思われます。
12月23日はクリスマス前で、休みだと嬉しいと思う人も多いですからね。
天皇誕生日の行く末は、今後の展開が気になるところです。
まとめ
昭和の日について意味や由来は天皇誕生日と関係があるのか、みどりの日から変更された理由などをご紹介してきました。
昭和の日は4月29日で昭和天皇の誕生日であり、もともとはみどりの日と呼ばれていた祝日です。
みどりの日が5月4日に移動したのをきっかけに、4月29日が昭和の日になりました。
昭和は激動の時代であることから、今の日本の土台となったことは明らかです。
昭和という時代を、後世まで風化させないために名付けられたのが由来となっています。
昭和の天皇誕生日からみどりの日を経て昭和の日となるまでには紆余曲折ありましたが、今後なくなる可能性は少ないでしょう。
平成も世も残りわずか、今後昭和の日はどうなっていくのか見守りたいですね。