1月の第2月曜日は成人の日。新しく大人の仲間入りをした若者が、華やかな衣装を身につけ式典に向かう姿を目にしますよね。とくに娘を持つ親御さんは、成人の日を迎えるために早い時期から着物やお祝いの準備をなさっていることと思います。日本では祝日と位置付けられ、成人の日を迎える家族がいなくてもちょっとワクワクしますよね。
全国的なお祝いムードの包まれる成人の日ですが、なぜ成人の日が祝日となったのかはあまり知られていません。成人の日について調べていくと、とても面白いことがわかってきました。今回の記事では、成人の日に関するさまざまな情報をまとめ、詳しくご紹介していきます。
成人の日の由来とは
成人の日が初めて日本で制定されたのは、戦後間もなくの1948年です。毎年1月15日を成人の日とし、新たに大人の仲間入りをした若者を祝うための祝日になりました。1月15日が成人の日になったのは、小正月が由来といわれています。
小正月とは、明治時代以前に使われていた古い暦上の正月のことです。昔の人は誕生日という認識がなく、小正月を迎えたら一つ年を重ねると考えていました。つまり、1月生まれの人も12月生まれの人も、正月を迎えたら1歳年をとるという考え方です。面白いですね。小正月を基準にした年齢の数え方は数え年と呼ばれ、古いしきたりの残る地域では今もよく使われています。
古い歴史を紐解くと、奈良時代にはすで元服の儀という成人の儀式が行われていました。元は頭、服は着るものを示しており、大人と認められた証として大人の装いや髪型に変えたのです。元服の儀は平均すると15歳前後で行われていたようですが、大人と同じ能力を身につけた者や、大人の役に立つ力を持つ者はもっと早い年齢で成人の儀式を迎えていました。
戦後に制定された成人の日は、第二次世界大戦で多くの働き手を失った日本が、新しい世代の担う成人達を祝おうという気持ちが現れたものです。20歳という年齢は民法に由来し、法律的責任を追う年齢=成人と認識されます。(2022年4月1日より成年年齢が20歳から18歳へ引き下げされました。)初めて施行されて以降毎年1月15日が成人の日でしたが、ハッピーマンデー制度の導入により、2000年から毎年1月の第2月曜日が成人の日になりました。日にち固定ではない祝日の導入は当初わかりにくいとの声もありましたが、連休が増えることでお祝いしやすいとの反応も多く、現在では広く受け入れられています。
身も心も成長したことを祝い、責任を負う立場になったことを自覚してもらう成人の日。祝日で連休という楽しい雰囲気もありますが、成人するということの意味を考えるきっかけにして欲しいですね。
祝日?祭日?成人の日はどちらになるの?
成人の日を含めた国民の祝日は、祝日法と呼ばれる法律によって定められています。実は戦後に改定された法律では、祭日という言葉は使いません。祭日は簡単に言うとお祭りをする日で、戦前の日本では主に皇室が祭り事を行う日でした。
皇室が行う祭り事とは神道に則ったもので、季節の変わり目や神様へ感謝する日が祭日です。祭日になると皇室が神道の儀式を行うので、国民も合わせて休日を取り、天皇とともに神様への感謝をしていました。戦後に法律が改定されて以降は祭日の考えが廃止され、祭日は別の名前に変化して祝日になりました。具体的な例は以下の通りです。
- 四方節→正月
- 紀元節→建国記念日
- 春季皇霊祭→春分の日
- 秋季皇霊祭→秋分の日
- 新嘗祭→勤労感謝の日
成人の日は戦後に制定された国民の休日なので祝日ですが、名前だけが変わって日にちが変わらないので、お年寄りの人は混同しがちです。戦前の考えが廃止されたことで新しい名前になった祝日ですが、それぞれの日が持つ意味を考えてみるのもいいかも知れませんね。
成人の日にはどんなお祝いをすればいいの?
成人式のお祝いは、なんとなく振袖やスーツで成人式に出席したあと、家族や仲間と集まって会食をするといった流れが多いですよね?リラックスできる人との楽しいひと時ももちろん素敵ですが、オリジナルなお祝い方法も思い出に残って素敵です。実際に成人の日をお祝いした人達はどのようなことをしたのか、具体的な例をご紹介します。
《カメラマンに依頼してフォトブックを作った》
成人式の日は友人たちと出かけると言うので、プロのカメラマンに頼んで娘の晴れ姿を前撮りしてもらった。スタジオだけではなくロケも行い、娘がよく遊んだ公園や毎年初詣をする神社、海や美しい街並みの中で写真を撮ってもらった。素人ではできない美しい写真の仕上がりに娘も大満足で、早速自分のSNSに載せたところ大変評判も良かった。
《古いアクセサリーをリフォームしてプレゼントした》
母から受け継いだ指輪があったがデザインが古いので、思い切って宝石を外しオリジナルのアクセサリーを作ることにした。娘は指輪よりもピアスが良いというので、貴金属店に頼んでオリジナルなデザインを起こして貰い、宝石を付け替えて娘好みに仕上げてもらった。世界に一つだけのアクセサリーができたことをとても喜び、社会人になった今でもよく身につけている。
《ちょっと変わった料理を作って家族でお祝い》
大学生で成人のお祝い自体にあまり興味を示さない息子。外食を提案しても曖昧な返事だったので、ちょっと面白い料理をたくさん作ってお祝いした。ひき肉一キロのハンバーグやメガ盛りのローストビーフ、息子が小さい頃の写真を印刷したケーキを注文して用意したところ、家族中で大爆笑。成人式後に帰宅した息子も大笑いして写真をとり、早速友人に自慢していた。ちょっと変わったお祝いの仕方だったが、家族みんなで用意したのも良い思い出になった。
いかがですか?親戚を招いての正式なお食事会も素敵ですが、一生思い出に残るお祝い方法は祝う側も楽しくなりますよね。いよいよ大人になったという希望と不安が入り混じっている新成人。思わず笑顔になるお祝い方法で、素敵な時間を作ってみましょう。
成人の日にはどんな贈り物がいい?
ご親戚の方に成人を迎える人がいると、どんな風にお祝いをすれば良いか困ってしまいますよね。お祝いの席に呼ばれるのならご祝儀も渡しやすいですが、出席できなかったりそもそもお祝いの席を開かないとなると、なかなか渡すタイミングも見つかりません。
もし成人のお祝いについて困ったら、次の点を確認しましょう。
- 成人を迎える人が三親等以内(甥・姪)か
- お付き合いの頻度
- 自分の娘や息子の時にお祝いを頂いたかどうか
- 自分から見て三親等以内に入る人が成人する場合、ご祝儀やプレゼントは用意しておくと良いでしょう。ご祝儀の目安は約10000円で、お祝いののしに「御祝」「祝御成人」と書くようにします。直接会えない場合でも、ご本人に届くよう送るといいですね。
成人になると好みもはっきりしますので、品物をプレゼントをする時にはあらかじめ欲しいものを聞いた方が良いでしょう。もし難しい場合には、以下の項目を参考にしてみましょう。
- スマホ用バッテリー
- 名前入りのUSBメモリ
- カバン
- 財布
- 名前入りの文具など
スマホ用のバッテリーやUSBメモリなどは、現代の若者を象徴していて面白いですね。他のプレゼントの例を見ても、社会人になっても使えそうな品物が選ばれています。ご紹介した例を参考にしながら、これはと思う贈り物を選んでみましょう。
成人の日は受験の季節!郵便局はどうなるの?
成人の日がある1月と言えば、まさに受験のシーズンですよね。願書や必要書類を提出するために、郵便局へ足を運ばなければなりません。ところが、祝日の場合多くの窓口では取り扱いがありません。受験生を抱えたご家族にとって、願書や必要書類を送れるかどうかはとても気になりるところです。
郵便局では、土日・祝日でも取り扱いが可能な「ゆうゆう窓口」が設置されています。ゆうゆう窓口は、営業時間外でも郵便物の受付をしてもらえるサービスで、集荷がされるような大きな郵便局に設置されていることが多いです。
ただし、ゆうゆう窓口が必ずあるかどうかは、実際に調べてみないとわかりません。ゆうゆう窓口が設置されて入る郵便局は、ホームページから検索できます。詳しい営業時間まで知りたい方は、郵便局のホームページからアクセスして場所を調べておき、いざという時に慌てないようにしましょう。
まとめ
今回は、成人の日に関するさまざまな情報をご紹介しましたが、いかがでしたか?祝日法で制定された成人の日は、未来を担う新成人を迎え入れるためのお祝いの日です。連休になるのでいろいろな予定を立てることも多いと思いますが、本来の成人の日の意味に少しだけ思いを馳せて、祝日を楽しく過ごせるようにしてみましょう。
※2022年4月1日より成年年齢が20歳から18歳へ引き下げされました。これにより2022年4月1日に18歳19歳の方は新成人となります。しかしながら成人式は法律による年齢の決まりではありませんので、今まで通り20歳になる方を対象に成人式を行っていきます。