葬儀とはいつだって急に起こってしまうものですから、突然何を用意したら良いの?と、不安になってしまう経験は誰にでもあるかもしれません。
服装などは喪服でいけば間違いないとは思いますが、持ち物は意外にも知らない方もいることでしょう。
葬儀であまりにマナー違反の色見や形のものは、非常識な人であるととられかねません。
また香典の相場なども意外と知らないもの。
大人として仕事関係の方の葬儀に参列することもありますので、できるだけ自然に常識的な振る舞いをしたいものですよね。
そこでこちらでは葬儀の際の持ち物について、まとめていきます。
葬儀における一般的な持ち物マナーとは?
葬儀は色々な執り行い方がありますよね。
ですがよほどの場合を除き、持ち物はそうそう変わりません。
もちろんキリスト教などの時や神教などの時には、持ち物が変わることも多少はありますが、こちらではあくまで一般的な仏式の葬儀に参列する際の持ち物マナーについてお話ししていきます。
まず必ず持っていく必要があるのは、袱紗です。
袱紗とは香典袋を包む袋のことで、色見は黒や紫、グレーなどが好ましいですね。
間違っても結婚式専用の袱紗は使わない様にしましょう。
ただ最近は弔事関連両方で使うことができる、グレーなどの色見のものが販売されてもいるのでそれらなら問題ありません。
万が一袱紗を持ち合わせていない、忘れてしまったなどの場合も慌てなくて大丈夫です。
大判のハンカチに包んでいけば、失礼にはあたりませんので覚えておきましょう。
またそのハンカチについてですが、葬儀の持ち物として使用する場合は白や黒などの無地、または刺繍の縁取りまでは許されています。
時計や指輪の貴金属に関してですが、光っている宝石類は基本的にタブーです。
ただ時計などは時間が気になる方はないと困りますよね、そんな場合は黒などのシンプルで光らない物を身に着けましょう。
指輪は結婚指輪であり、さらにダイヤなどの華やかな飾りがないものであれば大丈夫です。
もしもそのことを忘れて付けてしまったという場合は、石側を手の平の方に回して隠す配慮があればOKでしょう。
傘ももちろん黒か紺、もし地味な色の傘が無い場合はビニール傘でも良いとされています。
葬儀に参列する際の、女性の持ち物や装飾品の注意点とは?
葬儀に参列する際の持ち物は男女ともに色見や、煌びやかさには注意しなければなりません。
ですが女性はもともと荷物が多いことが多いので、その場合他にどんな持ち物にすれば良いのかが悩むところです。
こちらでは女性葬儀参列する場合の、持ち物の注意事項をまとめていきます。
・ネックレス
基本的には真珠のものが好ましいのですが、一連のものをつけるように。
これは不幸が重なるという意味合いがありますので、二連以上のものは避けます。
・ピアス・イヤリング
やはりこちらも付けるのであれば、装飾の無い真珠だけのものにしましょう。
・髪型
あまりに髪の長い方は、後ろで一つにまとめたりハーフアップをするなどをして、耳元をすっきりさせます。これはお焼香があるため。
もしも結べない様でしたら、髪が邪魔にならない配慮をするのがおすすめですね。
髪飾りは派手なものはタブーなので、黒などのものを選びます。
・かばん
もちろん喪服用の黒い鞄を持つのが好ましいですね。
また女性の場合は荷物も多いので、フォーマルでも持ち運びしやすいサブバッグを用意しておくのもおすすめです。
また当然ですが動物柄の鞄を持つのも、殺生のイメージを連想させてしまうのでタブーとなります。
葬儀に参列する際に数珠は必ず必要なの?
意外にも見落としがちなのが数珠です。
数珠は誰でも持っていくものなのか?と気になった方もいることでしょう。
何も準備をせずにいった葬儀で、多くの方が当たり前のように数珠を片手に参列している姿を見かけたこともあるかもしれません。
数珠とは仏教が信仰され始めたインドでできたものであり、白檀などの木でできた玉を何個も繋げたものに意味を込め、故人の冥福をいのるために念仏を捧げるためのものです。
キリスト教では当然ありませんが、代わりにロザリオという名前のものがありますね。
また本来の数珠は除夜の鐘の数、108回と同じで、煩悩の数108個でできています。
ただ簡略化した数珠もあり、付けているものはその数の限りではありません。
また数珠がないと葬儀に参列できないのかというと、そんなことはありませんので安心してください。通夜などは特に突然訃報が届くものなので、数珠をいつもかばんにいれているという方の方が少ないでしょう。
しかも宗派や宗教にもよりますので、数珠自体持っていないことも不思議ではありません。
わざわざ数珠を他人から借りることもありませんので、無い場合はそのまま合掌して故人の冥福を祈れば問題ないはずです。
ここで覚えておきたいのは、数珠は他人から借りないということ。
もともと数珠には、数珠の持ち主の不運を払うというような意味合いも込められています。
そのため他人に数珠を貸すこと自体が、おすすめできないものなのです。
はた目から見ると参列の際に、数珠を片手に念仏を唱えている参列者の姿が目に入りやすいかもしれませんが、気にする必要はないでしょう。
身内の葬儀に参列する場合の持ち物「香典」マナーは?
一般参列についてはお話ししましたが、これはあくまで他人、つまり血の繋がりの無い方の葬儀の場合です。
身内の葬儀に参列する場合は、どう変わってくるのでしょうか?
まず身内といっても、どの辺りまでは親族であるのかも難しいですね。
基本的な親族の定義は、血縁で6等身、婚戚で3等身まで。
ただこれはあくまで法律上の話ですので、実際にお付き合いがあるのかどうかでも変わってきます。
婚戚3等身というのは、義理でいるなら甥っ子・姪っ子たちまで入ります。
例えば、旦那さんの姉の子供や、奥さんのお兄さんの娘、などということですね。
その場合はかなり頻繁に連絡をとる場合もあるでしょうから、親族というのに相応しいのもうなずけます。
ただ親族の場合、悩むのが香典などではないでしょうか。
こちらで親族の香典相場をご紹介します。
・叔父/叔母
1万円~3万円
・いとこ
3000円~3万円
・その他親族
3000円~3万円
になります。
ただし金額に差があるのは、お付き合いの仲によりますので注意しましょう。
身なりや持ち物については、一般の参列者のマナーと変わらないので、さっきほどの注意事項はそれぞれ守れば問題ないでしょう。
供花も親族だから出す必要があるの?という疑問もあるでしょうが、供花ももちろんだします。
喪主の方から供花を遠慮するなどとする断りが無い限り、供花はどうしたらよいのか?と遺族や喪主の方、また葬儀会社に尋ねるのが無難でしょう。
また親族の葬儀の際には、一般参列者よりも早くいくことが好ましいですね。
やはり人の手を借りたいということもあるでしょうし、それ以外にも一般参列の方が見えるとお顔などをゆっくり拝見することも難しくなります。
1時間前には到着して待機、または故人と最期のお別れをすませておくと良いでしょう。
葬儀で遺族側の場合のマナーは?
それでは葬儀に参列する際に、遺族側である場合はどのようにしたらよいのでしょう?
遺族と親族を混同される方もいますが、遺族は故人の家族のことを指します。
一緒に生計を共にしていた、したことがある兄弟や子供、両親などですね。
もちろん遺族の場合は、葬儀の主催者ということにもなりますから親族よりも気を付けたいところがあります。
それは僧侶への気遣いや、一般参列の方へのお声がけ、返答などですね。
あまり故人の知り合いとお付き合いがない方は、、遺族とはいえ面識もないので声をかけにくものでもあるかもしれません。
また相手から「ご愁傷様です」などと言われても、「誰だっけ?」ということもあるでしょう。
そんな時にも失礼な態度をとることは許されないので、「来ていただき有難うございます。故人が生前に御世話になりました。」などと返答すると良いですね。
また相手から故人との関係性を伝えられたら、少しの間でしたら話をしても良いでしょう。
他にも挨拶をしたい方もいる可能性がありますので、長話はやめておきます。
遺族側で気になる香典の相場もまとめておきます。
・喪主側は0円
・喪主以外の遺族は相場が10万円
ただ葬儀代金を折半するなどの場合もありますよね。
その際は香典は不要とされています。
ケースバイケースですので、遺族で話し合うのもおすすめですね
まとめ
こちらでは葬儀参列者を、一般参列、親族、遺族のくくりで分け、簡単に持ち物や服装、香典マナーを説明してきました。
葬儀は突然参列することになるので、準備をすることはそうありませんよね。
ですがいざという時のために、基本知識を頭に入れておくことはとても重要でしょう。
突然のことに調べるところまで気が回らないこともありますので、知っておくだけで安心感もあるはず。
大人のマナーは知らないと恥をかくこともあるので、十分注意しなければなりません。