大人になると必要になる物の1つがふくさです。結婚式ならまだしも、お葬式で急に必要になる物ですから現在お持ちでない方は準備しておくのがおすすめです。
ですが、ふくさにも色々種類があり、これを購入すれば良いという物でもないのです。慶事用と弔辞用、形態でも分かれてきます。どれを購入してどうやって包めばよいかということを紹介いたします。相手の方にお渡しする時にも決まりがありますが、難しい物ではないので覚えておきましょう。
ふくさとは?
ふくさとは、相手の方に贈る金品を包む正方形の布の事を言います。元々は貴重品が入った箱の上に掛けていた風呂敷でした。風呂敷はそのうちに贈り物を運ぶ時に日焼けや汚れを防ぐ為に使われるようになりました。元々は1枚の布でしたが、裏地が付くようになり生地の4隅にも房が付き、現在のふくさの形になりました。現在では冠婚葬祭の時にのし袋を包む時に使います。
ふくさを使う理由は?
ふくさを使う理由にはいくつかあります。まずは相手の方の気持ちに沿い、共有するという思いやりの心です。また、のし袋は紙でできているため、角の所が折れたり汚れたりする可能性があります。繊細な水引も折れやすいのですが、ふくさに包めば折れにくくなります。お金のやりとりをするのですが、そのままの裸で渡さないという気遣いからもふくさを使用します。どうしても当日にふくさが用意できなかった場合にはハンカチで代用しても大丈夫です。
ふくさには決まった包み方はあるの?
ふくさにはそれぞれ包み方があります。結婚式など慶事の場合を紹介します。
まずふくさの角が上下左右になるように広げます。のし袋をふくさの中心に置きます。上下の線を結んだ中心線と、のし袋の右側が重なるように移動します。左側のふくさをのし袋の上にかぶせます。次に上のふくさをのし袋の上にかぶせます。次に下のふくさをのし袋の上にかぶせます。最後に右側のふくさをかぶせて、あまった部分を裏に折り返せば完成です。
次に弔辞の場合です。弔辞の場合もふくさをひし形に広げる所から始まります。留め具が付いている場合のふくさは左側に留め具が来るように置きます。この後は慶事のふくさの包み方と全く逆の包み方になります。ポケットの付いている金封ふくさの場合には、左側が開くように置きます。
包むのが苦手な方におすすめなのがポケットの付いた挟むタイプのふくさです。ふくさにはのし袋を包むタイプと挟むタイプがあります。挟むタイプでしたら簡単ですので、包むのが苦手だという方はこちらを選びましょう。挟むタイプでもマナー違反にはならないのですが、正式な物を使いたいのでしたら包むタイプにしましょう。特に目上の方の目に触れる場合でしたら包むタイプにするのが無難です。目上の方はマナーに厳しい場合が多いので、失礼のないようにしましょう。
ふくさはどこで買えるの?
急にふくさが必要になった時、家にあると思っていたのに無かった時にはどこで買えば良いのでしょうか。
最も手軽にふくさが購入できるのはコンビニなのです。全てのコンビニに置いてあるというわけではないのですが、急に必要になった時には覗いてみましょう。
他には100円ショップでも購入できるので、初めてふくさを購入する方にはおすすめです。少し金額は上がりますが、デパートや百貨店などのスーツ売り場でも購入できます。他の方にじろじろふくさを見られることはありませんが、高品質の物を持つと大人としての自信を持つこともできます。お葬式も結婚式も特殊な場ですので、小物で自信をつけるのも良いでしょう。
結婚式など当日まで時間がある時にはインターネットで好みのものを通販するのも良いでしょう。インターネットなら変わったデザインの物もありますので、若い方にもおすすめです。人気によってランキングされているので、どれを購入すればよいのかわかりやすいのも良いですね。
ふくさには種類があるの?
ふくさには慶事用と弔辞用があります。女性用と男性用にも分かれますので、その中から好みの物を選びましょう。おめでたい慶事用には暖色系で華やかな物でも大丈夫です。慶事用ではシンプルに1色の物もあればレース素材や花柄、水玉やフリルのついた物もあります。友人の結婚式ならお洒落なふくさで出席するのも良いですね。また、普段使う頻度は低いですが必ず必要になる物ですので、親しい方へのプレゼントにするのもおすすめです。お値段も1000円から購入できますので、気軽にプレゼントできますね。
弔辞用のふくさは慶事用とは異なりシンプルな物が多いです。色も華やかな物は少なく、悲しみの気持ちに沿った控えめな物が多いです。慶事用と弔辞用の両方に使えるふくさや、台付きのふくさという物もあります。紫は昔から高貴な色とされているので、慶事用にも弔辞用にも使えます。台付きのふくさは包む金額が多い時に使うものなので、使用頻度は少ないでしょう。
慶事用と弔辞用のふくさは色や柄でも少しは見分けが付きますが、最も異なるのはふくさの開く方向です。
慶事用は右開き、弔辞用は左開きになっています。上下対称に作られている物は慶事用と弔辞用のどちらにもお使いいただけます。弔辞用のふくさでは小物入れが付いた物もあります。弔辞では念珠が必要ですが、念珠袋の無い方は小物入れの付いたふくさで代用できます。お清めの塩も入れて持って帰ることができるのでおすすめです。
弔辞の場合には、入れる金額によってもふくさの種類は変わります。1万円から3万円なら金封ふくさという、ポケット状になっているふくさを使います。3万円以上なら1枚の布になっている爪付きのふくさを使います。
5万円以上なら幅を取るので切手盆の付いている台付きのふくさを使いましょう。
ふくさを使ったときののし袋の渡し方は?
のし袋はふくさに入っていますが、そのまま渡さずに出して渡さないといけません。ふくさをお盆と考えるとイメージがわきやすいです。
結婚式の場合には、まず左手の上にふくさを乗せます。右手で開いてなかからのし袋を取りだします。相手の方から文字がきちんと読めるように、時計回りに回して渡します。ふくさはたたんで受付台に置いても良いですし、のし袋の台の代わりにしても大丈夫です。受付に並んでいる間にふくさからのし袋を出して、ふくさをバッグの中にしまっても大丈夫です。
お葬式の場合には、ふくさからお香典を取りだし、取りだし、ふくさの上に置いて差出ます右手で持って、左手でふくさを開けます。結婚式の時とは逆で、反時計周りに回して渡します。受付で順番を待っている間に取りだすのはマナー違反とされています。受付で渡す場合には、まずはお悔やみの言葉を述べましょう。その後一礼してお渡しします。
お香典は表書きが相手の方から見て向きが正しくなるように渡しましょう。大切なのは、ふくさを開ける時に四隅がだらりと下に垂れさがらないようにすることです。見た目が美しくないので、ふくさは小さく開けてのし袋を出しましょう。最近では渡し方も少しずつ異なり、ふくさごと渡す方法もあります。みなさんが知っているマナーと、受付の方が知っているマナーが異なる場合があるので臨機応変に対応しましょう。
ふくさの作り方
なかなか気にいるふくさが無い場合や、使うまで日にちがある場合には手作りするのもおすすめです。世界に一つの物になるので他の方の物と間違えることもありません。ほとんど直線縫いなので失敗することもなく、手縫いでも1日あれば作ることができます。風呂敷で作るのも良いですし、余り布も使えるのでおすすめです。着なくなった古い着物で作ってもお洒落です。のし袋の大きさに合わせて布を切って縫うだけですが、接着芯があればより丈夫な物が作れるでしょう。
作り方は本やインターネットですぐに検索できます。布で作るだけでなく、飾りにレースやお気に入りのボタンをつけてもお洒落ですね。刺繍が得意な方は刺繍を入れるのもオリジナリティがありますね。結婚式用でしたらコサージュをつけても華やかになります。たくさん作って周りの方にプレゼントするのも良いですね。
いざという時のために用意しておく物は?
結婚式でしたら当日まで時間があるので前もって準備できますが、お葬式の場合には急に決まりますよね。
いざという時のために慌てないように、お葬式用のふくさは事前に用意しておきましょう。
悲しみの場ですので、結婚式よりもふくさの外見にはこだわり、失礼のないようにしなくてはいけません。お数珠が入るポケット付きの物もありますが、ふくさとは別にお数珠とお数珠入れもセットで用意しておきましょう。
他にはバッグや男性の場合にはネクタイ、女性の場合にはストッキングを用意しておくと良いでしょう。
まとめ
ふくさには色々種類がありますが、基本的なマナーを抑えておけばそれほど難しくはありません。色や形に決まりはあっても個性を出すこともできますので、お気に入りのふくさを見つけてみましょう。結婚式の場合には着ていくお洋服と合わせてもお洒落です。最も難しいのは相手の方に渡す時です。何回か練習して本番に臨むのが良いでしょう。