多くの人から親しまれている果物に、蜜柑(みかん)があります。
甘酸っぱくてスッキリした味わいは、子供からお年寄りまで食べやすいのが特徴です。
みかんといえばコタツの上に置いてある姿を想像する人が多いかもしれませんが、旬はいつなのでしょうか。
みかんとひとくちにいってもさまざまな種類があり、味もバラエティ豊かです。
たくさんみかんを食べるという人も多いですが、どんな栄養が含まれているのかも気になります。
美味しい食べ頃の見分け方や保存方法も把握しておくと、お店で買うときに役立つかもしれませんね。
今回はみかんの旬について。
種類や栄養、美味しい物の選び方や保存方法を詳しくご紹介していきます。
蜜柑(みかん)の旬はいつ?
みかんの旬は概ね秋から春に入るまでの寒い時期ですが、実は収穫される時期によって旬が異なります。
収穫時期ごとに味わいも異なっていて、寒さが深まるごとに違ったみかんの美味しさを感じることができるのが特徴です。
収穫時期は主に4つの種類に分けられるので、旬について詳しく見ていきましょう。
・極早生(ごくわせ)
10月から11月にかけて収穫されて市場に出回るのが、極早生と呼ばれるみかんです。
スーパーや八百屋で売られているみかんのラベルに「極早生」と書かれていて、なんて読むのだろう?と思った人も多いのではないでしょうか。
極早生のみかんの旬は最も早い時期なので、まだ緑がかったものも多いかもしれませんね。
早い時期に収穫しているので皮はまだ薄く、うまくきれいに剥くのが難しいです。
気になる味はまだ甘みを感じるというよりも、さっぱりとした酸味が多くなります。
甘いみかんよりも酸っぱいみかんが好き、口の中をさっぱりさせたいという人は極早生のみかんがおすすめです。
旬の終わりの時期である11月になると少しずつ糖度が増して、コクが出てきます。
極早生の旬を過ぎて遅い時期に収穫すると完熟になりますが、あまり収穫時期を遅らせると木に負担がかかりやすくなるのです。
木に負担がかかると次の年にみかんがあまり収穫できなくなるので、できれば旬に合わせてさっさと収穫してしまうのが良いとされています。
・早生(わせ)
早生の旬は11月から12月にかけての時期で、本来のみかんらしい甘さと酸っぱさのバランスが整った味わいが特徴です。
極早生のさっぱり感にコクがプラスされて、多くの人が食べやすくなっています。
皮も薄めではありますが剥きやすいくらいまでに厚くはなるので、小ぶりで可愛らしい見た目です。
みかんの皮の内側にある白い皮を「じょうのう」といいますが、早生ではまだほとんど目立ちません。
・中生(なかて)
多くの人が想像していて、味を思い浮かべるのが12月から1月が旬の中生みかんです。
酸味はなりを潜めて、どちらかというと甘さが全面的にきて食べやすくなります。
甘さとコクが出てくる頃なので、酸っぱいみかんが苦手な子供などでも美味しく食べられるでしょう。
皮の厚さも安定して見た目も立派になってくるため、中生みかんはお歳暮としても贈られています。
みかんらしい美味しさを存分に楽しむには、旬の12〜1月に食べるみかんが一番だという声が多いです。
・晩生(おくて)
晩生みかんの旬は1月から3月までで、旬の中でも最後の時期に収穫できます。
年が明けて以降のみかんは糖度が益々増えて、誰が食べても安定した甘さを楽しめるでしょう。
甘さが増すと同時に皮も分厚くなってくるので、中には皮を剥くのが大変だと感じる人もいます。
蜜柑(みかん)にはどんな種類がある?
みかんは収穫時期によって味が異なりますが、旬ごとにみかんの種類もさまざまなものがあります。
スーパーで売られているようなものからなかなか市場では出回らないものまで、みかんの種類を詳しく見ていきましょう。
・樹上完熟みかん
本来旬の時期で収穫するところを、樹につけたまま熟成させるのが完熟みかんです。
木に負担をかけてしまうため生産量は少ないですが、みかん本来の美味しさを堪能できます。
・南柑20号
温州みかんの中生の中ではポピュラーな種類のひとつで、酸っぱさと甘さのバランスが良いのが特徴です。
ぜひ冬になったら、コタツの上に常備しておきたい種類ですね。
・宮川早生
温州みかんという名前でスーパーに売られている場合、宮川早生であることが多いです。
小さめのころんとした見た目がとてもかわいいので、食べやすいのが魅力ですね。
・興津早生
興津(おきつ)早生は他の種類よりも甘さが強くてコクがあり、食べやすいのが特徴です。
宮川早生の次に、スーパーで見かけることが多いのではないでしょうか。
・田口早生
興津早生の変異種で、12月に近づくごとに糖度が増していきます。
甘さが出てきたものから順に収穫され、市場に出回ります。
・原口早生
宮川早生の変異種で、偶然発見されたレアな種類です。
酸っぱくも甘く、みかんらしい味わいで非常に美味しいのが魅力的なポイントです。
・木村早生
みかんの粒ひとつひとつがはじけるような食感で、はっきりした主張を感じる味わいです。
ジューシーで甘みも強いので、酸っぱいみかんが苦手な人に適しています。
・青島みかん
静岡県の青島さんの畑の温州みかんが突然変異して発見された、静岡県と神奈川の足柄で作られている種類です。
大きめサイズで味も濃く、お腹いっぱいになれるため満足感があります。
・由良早生
極早生の中ではトップクラスの甘さを誇るので、早い時期に甘いみかんを食べたい人におすすめです。
見た目も小さめで、可愛らしい和歌山みかんです。
・あけぼの
極早生といえば緑がかった色をしていますが、いち早く濃いオレンジ色になるのがあけぼのの特徴です。
皮が薄いので食べやすく、甘さやコクも申し分ありません。
・有田みかん
和歌山みかんのブランドのひとつで、最も知名度がありますね。
正しい読み方は「ありだみかん」なので、間違えないようにしましょう。
蜜柑(みかん)に含まれる栄養と効能とは?
日本人にとって馴染みの深いみかんですが、どんな栄養が含まれているのか気になりますよね。
好きな人はたくさん食べるみかんだからこそ、美味しくて栄養もとれるなら一石二鳥です。
具体的にみかんに含まれる栄養と、得られる効能について詳しく見ていきましょう。
・βカロチン
βカロチンは緑黄色野菜や果物に多く含まれる栄養で、体に取り入れるとビタミンAに変わる性質を持ちます。
水溶性ビタミンなのでたくさん摂り過ぎても問題なく、目や皮膚の粘膜を強化して健康に保つのが特徴です。
・ビタミンC
みかんなどの柑橘類といえば、ビタミンCの含有量が多いことで知られています。
ビタミンCは免疫力を高める、鉄や葉酸などと相性が良くて吸収を高める、コラーゲンの生成をサポートして美肌にする効果が期待できます。
・βクリプトキサンチン
βカロチンとともにみかんの色を出すための成分で、がん予防などの効能があります。
・ペクチン
みかんなどの果物に含まれる食物繊維で、便秘を改善する作用があります。
特にみかんの白い皮に多く含まれているので、なるべく外側の皮をむいたらそのまま食べるようにしましょう。
美味しい蜜柑(みかん)の選び方
どうせ食べるなら、美味しいみかんを食べたいですよね。
美味しいみかんを食べたいけれど、お店に売っているものの選び方がよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
実は美味しいみかんの選び方のポイントは、主に4つあります。
ぜひ選び方のポイントを把握して、美味しいみかんを食べましょう。
①皮の表面がきめ細かい
みかんの皮を良く見てみると、表面に細かいつぶつぶが密集しているのがわかります。
みかんの皮のつぶつぶを「油胞」といい、なるべくきめ細かい方が枝の先の方に成っていたものです。
枝の先に成っているみかんは太陽の光を浴びやすかったので、糖度が高い傾向にあります。
②皮の色が濃いオレンジ色
皮の色が鮮やかで濃いオレンジ色のみかんは、見た目だけでも美味しそうですよね。
色が濃いということは、遠くからでも発見されやすく美味しい実ということになります。
人間を含む動物に発見されやすく食べられやすい実は、生物学的に優れている傾向にあるからです。
③房の数が12〜13個ほど
みかんは1個あたり10房程度が詰まっているのが一般的ですが、中には12〜13房詰まっているものもあります。
房の数が多いほど種が多いので美味しいといわれており、優秀なみかんに分類されるのです。
房の数は実際に皮をむいてみないとわからないように感じますが、実はヘタを取ると細かく放射線状に線が見えます。
線の数と房の数は同じことが多いので、目安にしてみてくださいね。
④手に取ると重みを感じる
実際にみかんを手に取った時に、ズシリと重さを感じるものは実が詰まっている可能性が高いです。
いざ食べてみたら中身がスカスカ!ということがないように、重さをしっかり確認してみてくださいね。
蜜柑(みかん)の正しい保存方法
スーパーに売っているような小袋ではすぐに食べきってしまうので、ダンボール1箱を購入したいという人も多いですよね。
一度に大量に購入した場合には、正しい保存方法をおこなわないとみかんをダメにしてしまうことがあります。
1個でもみかんを無駄にしないためにも、保存方法の手順について把握しておきましょう。
①みかんをひとつずつチェックする
ダンボールでみかんを箱買いしたら、まずはみかんを全て箱から取り出しましょう。
ひとつずつ手に取って傷がないか、傷んでいないかなどをチェックします。
少しでも傷が付いているものはすぐにカビるのでハネて、傷んでいるものはすぐに処分しましょう。
みかんはひとつでも腐ってしまうと、周りのみかんも腐りやすくしてしまうのです。綺麗な見た目のみかんのみを保存するようにしてくださいね。
②保存用の箱とみかんを乾燥させる
湿気が多いとカビが発生する原因になるので、まずは保存用の箱とみかん自体を乾燥させます。
みかんを乾燥させる際は、新聞紙の上に置いておくと湿気を吸ってくれるのでおすすめです。
③みかんを逆さまにして入れる
みかんは上にヘタが付いているので、傷をつけるのを防ぐ意味でも逆さまにして置くのが鉄則です。
箱に詰め直す際も新聞紙の上に置くことで、湿気が溜まるのを予防します。
みかんは重ねて入れると重みで傷みやすいので、なるべく重ねないようにしましょう。
④通気性の良い場所に保存する
みかんの箱詰めが終わったら、廊下や和室などの通気性の良い場所に置いておきます。
冷暗所で湿気が少ない場所が保存に適しているので、みかんを置いておく場所を確保しておきましょう。
まとめ
みかんの旬について種類や栄養、美味しい物の選び方や保存方法を詳しくご紹介してきました。
みかんの旬によって種類分けがされており、万人ウケするのは中生みかんです。
種類によって甘さや食べた時の感じが異なるので、食べ比べてみるのも面白いですね。
みかんはβカロチンやビタミンCなどを豊富に含むので、体に良い果物です。
きめ細かくて色の濃い、中身が詰まったものを選びましょう。
正しい保存方法をすることで、大量に買った時により長くもたせることができます。
冬に欠かせないみかん、ぜひ美味しい時期に堪能してくださいね。