里芋はスーパーや八百屋さんでもよく見かけますが、様々な種類があるのはご存じでしょうか。
年中販売されているのは、それぞれの種類の旬が異なっているからなのです。
里芋の種類には特徴があり、歯ごたえも味も異なります。
同じ料理に使っても別の里芋ならまた違った味になり、バリエーションが楽しめます。
健康にもダイエットにも良い里芋の魅力をご紹介いたします。
里芋の旬は?
里芋の旬はそれぞれの里芋によって異なります。
スーパーで年中里芋が販売されているのは、里芋の品種によって旬が違うからなのです。
「石川早生」や「セレベス」は8月の下旬から10月にかけてが旬です。
それよりも遅い9月が旬な里芋が「えび芋」です。
お正月のおせち料理に使われる里芋は12月と1月を旬にむかえる「八頭」や「頭芋」です。
それぞれの里芋は硬さや味が異なるので、好みの物が見つかったら名前を覚えておきましょう。
自分の好きな里芋は旬を超えると見つからない可能性があります。
里芋の名前と旬を覚えておけば購入する時に間違いを防げます。
旬の時にはどれも美味しいのですが、選ぶときにはふっくらとして丸みを帯びた物を選びましょう。
持ったときにもずっしりとしているものは実がしまって美味しいものです。
軽く感じたり、傷がついているものは避けましょう。
里芋は古くなるとカビ臭くなるので、臭いもチェックすることが大切です。
里芋の種類は?
里芋にも様々な種類があるのですが、よくスーパーで見かけるのは「セレベス」と「土垂(どたれ)」です。
セレベスはインドネシアのセレベス島から伝わったと言われていて、他の里芋よりも芽の部分が赤いのが特徴です。
たくさん収穫できるので始めて里芋を作るかたにもおすすめですし、里芋特有のぬめりが少なくあっさりと食べられます。
柔らかすぎずホクホクとした食感が楽しめるので、セレベスの煮物は他の里芋とひとあじ違います。
土垂はもっともメジャーな里芋です。
里芋と聞いて思い浮かべるのが土垂と言っても良いくらいに広く知られています。
特有のぬめりもあり小ぶりなので味もしみこみやすいため、煮っころがしにおすすめです。
里芋には親芋と子芋があるのですが、土垂の親芋は大きく煮くずれしにくいので煮物にするのが良いでしょう。
石川早生(イシカワワセ)はひし形に近く小ぶりで、よく見る里芋の形とは異なります。
簡単に皮がむけるため調理がしやすく、ねばりのある肉質なのであっさりとした味付けでも美味しく食べられます。
「八頭(やつがしら)」は流通が少ないため見たことがある方は少ないでしょう。
その名前から「末広がり」を思い出させるため、縁起物の料理に良く使われます。
里芋には親芋と子芋があるのですが、八頭は子芋が固まってしまい一つになっている状態なのです。
そのため見た目はいくつかのボールが組み合わさったような変わった形をしていて、インパクトがあります。
粘りが少ないためほくほくとした食感で、あっさりとした味が楽しめますし栄養素も他の里芋よりも含まれているのが特徴です。
種類とは少し違うのですが、里芋の親芋のことを「頭芋」と呼ばれ、縁起の良い食べ物として扱われています。
スーパーでも販売されているのですが、京都では「人の頭(かしら)になるように」という願いをこめてお雑煮に入れて食べるようにしています。
里芋の種類はいくつかあるので、お気に入りが見つかりますよ。
里芋を使ったおすすめの料理は?
里芋は煮っころがし、筑前煮やお味噌汁が定番です。
特に煮っころがしは簡単ですし、作れると周りの評判も上がる料理です。
煮っころがしの作り方を紹介しますので、ぜひ作ってみてください。
一人分は作りにくいので、最低でも二人分から作ってみましょう。
*二人分ならまず里芋を10個くらい用意して、皮がついたまま綺麗に洗います。
*水気を切ったら里芋の上下を切り落として縦にし、厚めに皮をむきましょう。
*一口サイズがよいのであまり大きいようなら更に横半分に切ります。
*塩で軽くもんで、ぬめるようなら水洗いしましょう。
*塩は里芋6個分に対して大さじ2と少し多めです。
※キッチンペーパーや布巾でふいてぬめりをとる方法もあります。
*鍋に里芋と、大目の水をいれたら強火にかけて下ゆでします。
*水から火にかけるのがポイントで、煮立ってきたら中火にしましょう。
*水にとってぬめりを洗い流したら水をきります。
※この時ぬめりをきちんと取っておかないと、
味がしみこみにくくなるのできちんと取りましょう。
*鍋に里芋とだし汁を入れたら強火にかけ、煮立ってきたら中火にして5分から6分煮ます。
*酒、みりん、砂糖を加えて煮るのですが
ご家庭によっては酒やみりんを使わないのでご家庭の味に合わせましょう。
*醤油とサラダ油を加えて落とし蓋をし、コトコトと煮汁が少なくなるまで煮ます。
※落とし蓋が無い場合はアルミホイルを折って使うと便利です。
調味料は「さしすせそ」の順に入れるので、砂糖の後に醤油をいれましょう。
「さ」は「砂糖」、「し」は「塩」、「す」は「酢」、「せ」は「醤油」、「そ」は「味噌」のことなので覚えておきましょう。
甘味は他の調味料よりも味が浸透し辛いので早めに入れた方が良いのです。
塩は食材から水分を出してしまう作用があるので、最初に入れてしまうと他の味が入りにくくなります。
酢は早く入れると酸味が飛ぶので気をつけましょう。
*醤油と味噌は火をかけすぎると風味が飛ぶので最後の方に入れます。
*煮汁が少なくなったら焦げないように鍋をゆすりながら味をなじませて完成です。
里芋は和食だけでなく、グラタンやシチューに入れてもとろみが出て美味しくなります。
栄養も高く美味しい里芋で、様々な料理にチャレンジしてみましょう。
余った里芋は冷蔵庫にいれるのではなく、土がついたまま新聞紙にくるんで風通しのよい冷暗所に置いておきましょう。
冷蔵庫に入れてしまうと冷温障害を起こして痛みが早くなるのです。
これは里芋が暖かい所で摂れるものなので、環境が変わると品質が落ちてしまうのです。
美味しく里芋を食べるためには適切な保存を行いましょう。
里芋の正しい洗い方は?
里芋を料理する時に洗うと手がかゆくなったことはないでしょうか。
里芋の茎や球茎にはシュウ酸カルシウム結晶が含まれていて、洗う時の力で針状に変化して刺さるからかゆくなるのです。
手袋をして洗うと防げるのですが、手袋が無い場合には手に重曹や塩をまぶしてガードすると良いでしょう。
里芋は皮がついたまま隙間なく、たらいか桶に入れ、棒で書きまわすとお互いがぶつかって皮がはがれます。
アルミホイルでこすっても皮がむけるので、包丁が苦手な方はやってみましょう。
皮をむく時には濡れたままだとむきにくいので、洗って一度乾かしましょう。
包丁で皮をむく時にはすべりやすいので注意が必要です。
里芋の栄養素は?
里芋の特徴といえばぬめぬめした食感なのですが、あのぬめぬめの正体は「ガラクタン」という栄養なのです。
ガラクタンとは炭水化物とタンパク質が混ざったもので、優れた効果があります。
心筋梗塞や脳梗塞の原因ともなるコレステロールや、高血圧の予防として血圧も下げてくれます。
血圧が高い方の中には塩分の多い料理を好まれる方も多いですが、里芋は薄味でも美味しいですし血圧も下げてくれるのでおすすめなのです。
ガラクタンの他にカリウムも多く含んでいるのですが、カリウムはむくみの予防に効果的です。
むくみを放っておくと太る原因になるので、里芋で肥満を予防しましょう。
さらにガラクタンは大量に摂取しても脂肪にならないことから、ダイエットの強い味方でもあります。
人間の消化酵ではガラクタンを分解することができないので、どれだけ食べても脂肪にならないのです。
ダイエット中は便秘になりやすいのですが、食物繊維の豊富な里芋なら便秘にもなりませんしカロリーも摂りすぎません 。
栄養もあってダイエットにも効果的なので、ダイエット中には里芋の料理がおすすめです。
他には粘膜を保護する効果もあるのですが、粘膜を保護できるとタンパク質の消化や吸収が高まって胃の働きが活性化されるのです。
その為潰瘍の予防にも役立つと言われているので、胃の弱い方は里芋を積極的に摂りましょう。
タンパク質の吸収が高まるとスタミナもアップすると言われているので、風邪をひきやすい冬には特におすすめです。
まとめ
里芋は身近な食材ですが、調べてみると様々な魅力があります。
その栄養素の高さから健康にも良く、食べ過ぎても太りにくいのでどの世代もおすすめの食材です。
調理方法も和食にこだわらず洋食にも使うと新たな発見があり楽しめます。
自分のお気に入りの里芋が見つかれば、料理もさらに楽しくなるでしょう。
里芋は一見地味な存在なのですが、その実力はとても高いのです。