健康的な生活を送りたい方にとって、大事な要素の1つになってくるのが日々の食生活。身体に良いとされている食品は多くあるものの、毎日同じ食材では飽きてしまいます。
そこでおすすめなのがえんどう豆です。実は最近になって、再注目されている食材であり、欧米ではえんどう豆が原料のピープロテイン商品が大人気です。えんどう豆は、子供が大嫌いなグリーンピースで知られる「実えんどう」の仲間であり、身体に良い栄養が多く含まれる食材として日本でも古くから重宝されてきました。
食卓に取り入れたくなるえんどう豆の驚きの健康成分と、明日からでも食卓に出せる栄養素を逃さないための茹で方のコツ。美味しく食べるためのえんどう豆レシピを紹介します。
えんどう豆に含まれる栄養素ビタミンB1の含有量
えんどう豆は健康食品として再注目されており、仲間であるグリーンピースは給食で頻繁に使われている食材なので、皆さん十分にご存知でしょう。
えんどう豆ですが、乾燥豆の状態にした100g中に含まれている栄養を以下の表にまとめました。
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 食物繊維 | ナトリウム | ビタミンB1 | ビタミンB2 | カルシウム |
352kcal | 21.7g | 2.3g | 17.4g | 1mg | 0.72mg | 0.15mg | 65mg |
表に記した成分以外にも、カリウム870mg、葉酸24μg、炭水化物60.4g、鉄5.0mg、亜鉛4.1mgが含まれます。数値を見ると、ミネラル類と食物繊維、たんぱく質が高いことが分かるでしょう。
たんぱく質は身体を作るのに必須な3大栄養素の1つ。ミネラルと食物繊維も多くの健康食品に含まれるお馴染みの栄養素です。注目して欲しいのは、ビタミンB1。ビタミンB1は、体内に取り入れた糖質をエネルギーに変換する際、必要になる補酵素としての役割を果たしています。
ビタミンB1の具体的な人体への働きとしては、脳の中枢神経、指先や足先の末梢神経の働きを正常化する役割を担っています。不足してしまうと反射神経の異常、手足のしびれをきたしてしまいます。
1日必ず摂取しておきたい栄養素として推奨されており、年齢や性別によって推奨量に差があるものの、18歳~29歳の推定平均必要量は、1.4mgです。乾燥えんどう豆100gで必要量の半分を摂取できる計算になりますから、ビタミンB1を摂取するのに重宝できる食品と言えるでしょう。
えんどう豆を食べる際の注意点
えんどう豆を食べる場合、気をつけるべき点があります。えんどう豆を加工品ではなく、そのまま食べる場合には、鮮度の良い内に早めに食べることが重要です。
どうして重要なのかというと、えんどう豆ばかりではなく、野菜や果物、魚介類といった生鮮食品は、鮮度が落ちると味も栄養も失われてしまうからです。
せっかく豊富に含まれている栄養も、時間を経過するごとにどんどん失われていきますから、なるべく鮮度の高い状態で調理をし、食べるように心がけましょう。
更におすすめなのが、旬の時期により多く食べるようにすること。旬の時期は最も美味しく食品が食べられる時期であると同時に、含まれている各栄養素も満点の状態で食べることができます。
えんどう豆の旬の時期は、夏場の6月~8月。近年では食品の流通を平均化するためにハウスで生産されたえんどう豆も多く出回っており、旬の時期が曖昧なものも見かけるようになりました。
ハウス生産も悪いとは言いませんが、露地物のえんどう豆と比較すると、ひどい場合には含有するビタミン量が3分の1しかないものまで存在している状況です。
健康のことを考えて食卓にえんどう豆を使った食事を取り入れるなら、なるべく露地物のえんどう豆を旬の時期に鮮度の高い状態で調理をし、並べたいものですね。
えんどう豆のおすすめ保存方法
旬の時期に大量に購入しても、一度に食べられる量は限られてきます。せっかく調理をしたのに食べきれずに廃棄するのでは、非常にもったいないですね。なるべく長く使いたいのであれば、保存方法を覚えておきましょう。
えんどう豆の保存方法としては、乾燥したえんどう豆商品の場合であれば、直射日光があたらない場所に常温で保存ができます。乾燥ものならば、大体1年程度は保存することができます。
サヤがついている生のえんどう豆の場合であれば、サヤから取り出し、水洗いをして綺麗にしてからザルに開けて水気を切ります。
100gや一度の調理で使う量をビニール袋に入れ、空気をできるだけ抜いてから縛ってから冷蔵庫で保存するのがセオリーです。もちろん冷凍保存も行うことができます。
冷凍保存の場合には、冷蔵保存の際に行ったビニール袋の上に更にジッパー付きの袋などに入れて保存をするようにしましょう。
冷凍保存をした場合には、解凍時に注意が必要で熱を加えてしまうと、せっかくのビタミンB1が水分と一緒に流れ出てしまう可能性があります。
特に健康食品として取り入れたいのであれば、時間は掛かるものの自然解凍するのがおすすめです。
生のえんどう豆の冷蔵保存の目安は、2~3日程度。冷凍なら14~21日前後になりますから覚えておきましょう。基本的には賞味期限が記載されているため、あくまで目安として覚えておいてください。
えんどう豆の栄養を無駄にしないレシピ
たんぱく質とビタミンB1、ミネラル、食物繊維といった健康生活に必要不可欠な栄養成分を含んでいるえんどう豆。えんどう豆を健康補助食品として調理する際、注意しなければならないポイントがあります。
ビタミンB1は脳神経や末梢神経の働きを助けてくれる頼もしい存在ではありますが、水に溶けやすいという弱点を持っています。枝豆のように塩を入れたお湯の中に入れて茹でて、お湯切りをしてアタリ塩を振って食べる。
スタンダードな食べ方をした場合には、せっかくのビタミンB1がお湯と一緒に流れてしまいますから、健康食品として食卓に並べたいならミスマッチな調理方法と言えます。
せっかくえんどう豆が持っている高い栄養成分をきっちりと体内に取り入れられるレシピを覚えておくことは、とても大事ですから覚えておきましょう。
●えんどう豆のポタージュ
えんどう豆ポタージュは、食物繊維が豊富で大豆のたんぱく質も摂れるおすすめのメニューです。
材料 | えんどう豆 | 玉ねぎ | 長ネギ | 豆腐 | 水 | 固形スープの素 | 塩 | 豆乳 |
分量 | 60g | 1/4個 | 1/4本 | 50g | 150ml | 1個 | 小さじ1/2 | 200ml |
- えんどう豆をさやから出し、たまねぎと長ネギはみじんぎりにしておく。
- 鍋に水、固形スープの素、塩を入れて強火にかけ、沸騰したらえんどう豆と玉ねぎを入れる。
- 中火で5分ほど煮たら弱火にし、長ネギを入れて2分間煮る。
- ミキサーに3と豆腐、豆乳を入れてミキシングし、網を通して鍋に戻す。
- 中火にかけて沸騰寸前になったら火を止めて、塩コショウで味を整え完成です。
お好みでクルトンを加えると、食感が代わり見た目にも綺麗ですね。
●えんどう豆とタコの彩りごはん
材料 | えんどう豆 | 米 | もち米 | ゆでダコ | みりん | 酒 | 醤油 | 昆布 | 塩 |
分量 | 80g | 1合 | 1/2合 | 足1本 | 大さじ1 | 200ml | 小さじ1 | 5cm角1枚 | 小さじ1/2 |
- 米ともち米を合わせ、炊き込み30分以上前に洗いザルにあげておく。
- ゆでダコは水洗いをしてから水気をしっかり切り、えんどう豆と同じ大きさに切る。
- えんどう豆を水洗いし、水気を切ってから塩をひとつまみ程度ふっておく。
- 米ともち米、みりん、酒、醤油を入れ、最後に水で通常に炊く分量になるように調整する。
- 刻んだゆでダコとえんどう豆を入れて最後に昆布をのせ、スイッチを入れる。
- 炊けたら昆布を取り出し、10分ほど蒸らす。
- 底からかき上げるように混ぜたら完成です。
食事で摂取できない分を補うサプリメント製品のおすすめ
できることなら食事で推奨されている摂取量を補いたいですが、例えばビタミンB1を1.4mg摂取するとなると、1日に乾燥えんどう豆を200g食べなければならず、現実的ではありませんね。
どうしても不足してしまう栄養に関しては、サプリメントや健康食品化されたもので補うことをおすすめします。欧米で流行りのピープロテインは、えんどう豆が原料になっているおすすめのサプリメント商品です。
牛乳から作られるホエイプロテインや、同じ植物である大豆が原料のソイプロテインは有名ですが、アレルギーで使用できない方に爆発的な人気があるのがピープロテイン。
筋肉の生成・修復に必要な必須アミノ酸であるBCAA、集中力の向上と髪の毛や肌の細胞を構成しているたんぱく質を生成するリジンが豊富に含まれています。
動物性の原料から製造されるプロテインと比較すると、飽和脂肪酸やコレステロールが含まれないため、動脈硬化のリスクがありません。GI指数が低い食品であるため、飲んだ後の血糖値の向上も緩やかで、消化時間も長く満腹感が持続します。
えんどう豆独特の香りや味がどうしても残ってしまうため、味の好みが分かれる心配はありますが、高い栄養面でのサポート力を考えると、日々の生活に是非取り入れたいサプリメントと言えるでしょう。
まとめ
えんどう豆が健康生活に役立つ栄養を多く含む食品であることが分かりましたね。乾燥すれば長期保存食にもなり、レシピも炊き込みご飯だけではなくバリエーションが豊富ですから、食卓に是非取り入れたい食材です。
食事だけで推奨する栄養摂取量を補うのが厳しい場合には、えんどう豆が原料になっているピープロテインを取り入れることで、手軽にえんどう豆の健康効果に預かることができますからおすすめです。
ご自身の食卓に取り入れるばかりではなく、健康やダイエットに関心がある方への贈り物としても最適ですよ。