ニュースでも取りあげられる春の海のレジャーといえば、潮干狩り。
親子連れには特に人気で、海に出かける良い機会ですし、生態系の観察にももってこいですよね。
スーパーでは年中見かける貝類ですが、潮干狩りは春にしか楽しめないイメージが強いです。
しかし実は潮干狩りのベストシーズンは春ではないかも知れないんですよ。
今回は楽しめる季節についてや必須アイテムなど、潮干狩りのイロハについて詳しくお話していきますよ。
何故潮干狩りの時期は「春」となっている?
潮干狩りといえば春、というイメージが一般的には定着していますが、実は潮干狩りは1年中できるものなんですよ。
砂浜に生息する貝類は、年中そこに滞在し、春以外はお引越しする生態ではないというわけなんです。
では、まず潮干狩りが春のレジャーとして定着している理由からお話しておきましょう。
●春に潮干狩りをする理由
潮干狩りに行く際に重要になってくるのが、潮の満ち引きです。
満潮の際は危険ですし、上手に貝を掘り出せませんよね。
干潮になったタイミングで砂浜に降りていくかと思いますが、春は潮の引きが一番強く、潮干狩りをするスペースが広く取れるんです。
これが春に潮干狩りをする理由の一つといえるでしょう。
潮の満ち引きは地球の自転・月の引力・太陽の位置によって変わるようなのですが、地球の回転の中心と太陽・月が一直線に並ぶ時期が一番潮の干満差が出る、つまり潮干狩りスペースが広くなる、というわけなんです。
この現象は、春だけでなく秋にも訪れるそうですが、春先はアサリが産卵前ということで一番栄養があるシーズンでもあります。
これが春に潮干狩りをする理由の二つ目なんです。
潮干狩りのベストシーズンは人それぞれ!?
作業がしやすく、アサリに栄養がある時期はやはり春だったことはお分かりいただけましたね。
しかし先ほどもお話しましたが、潮干狩りは1年中できるレジャーです。
ということは、一般的にはベストシーズンは春であっても、人によって潮干狩りに一番いい時期は異なるのではないでしょうか。
以下に他のシーズンで潮干狩りをしに行く際のメリットについてまとめてみましたよ。
●秋の潮干狩りもおすすめ!
地球の回転の中心や月、太陽の位置が一列になった時期が潮の干満差が大きいとお話しましたが、これは春だけではなく秋にも起こる現象です。
ということは、秋も春と同じくらいの広いスペースで潮干狩りができるということがいえますが、これは夜間に被ってしまうそうで、お子さん連れには不向きといえます。
しかし、あえて干満差がでる夜間ではなく、昼間を狙えば潮干狩りにはうってつけかもしれませんよ。
TVでも見るように、春先の潮干狩りスポットはどこも混雑していますから、人の少ない秋口の潮干狩りはやりやすくて良いものなんです。
具体的には9~10月頃が良いのですが、その頃はまた暑さが続いている年もありますし、海の水が気持ちよく感じられるかと思います。
●冬でも潮干狩りができる?
1年中できるということは、もちろん冬場でも潮干狩りは可能ということです。
日によって日中でも潮が引くこともあり、人はほとんど来ませんから貸し切り状態を満喫することができるでしょう。
しかし、如何せん潮風もあり寒いですから、一般的には好まれない環境ですが、キリリとした寒さの中、静かに何かに熱中することが好きな方にはぴったりといえますね。
夏場の潮干狩りは避けましょう!
潮干狩りは年中楽しめるレジャーですが、あまりおすすめできない時期が一つだけあります。
夏場の潮干狩りは暑さゆえに弊害もありますので、避けた方が無難といえるんです。
海といえば夏なのですが、何故潮干狩りは止めた方がいいのか、以下で詳しく説明いたしますね。
●熱中症になる危険性が高い
潮干狩りは砂浜で日差しが降り注ぐ元行います。
貝を掘るのに集中してしまうと水分補給もおろそかになりやすいですし、砂浜は日差しを遮る場所が少ないです。
夏場に長時間日に当たる作業は、帽子をかぶっていたとしても危険が大きいものですから得策とはいえませんね。
●掘った貝がダメになりやすい
地中にいる内は日差しから隠れられていましたが、掘り出された貝類は潮干狩りが終わるまで強い日差しにさらされることになります。
つまり、生ものを長時間高温の中放置するわけですから、貝たちが腐ってしまいやすいんです。命を無駄にしてしまいかねないので、保冷バックなどの用意がない場合は夏に潮干狩りをしないようにしてください。
潮干狩りに必要な持ち物とは?
では実際に潮干狩りに行く際、どういった道具を準備したら良いのでしょうか。海へ行くわけですから汚れや濡れの対策は必要ですし、こちらで必需品について確認していきましょう。
また、潮干狩りのちょっとしたコツも併せてご紹介いたしますね。
●あると便利な道具について
潮干狩りは家族連れに人気のレジャーですから、お子さんのことも考慮して持ち物を準備したいところですね。
貝を採るのに必要な道具と、お子さんも長時間一緒に楽しめるためのものをピックアップしてみました。
以下の道具が一式あると、困ることなく過ごせるはずですよ。
- 貝採り用:爪が長いタイプの熊手、ゴム手袋、バケツ、網目が粗いザル
- 貝保存用:新聞紙、クーラーボックス、保冷剤
- 後片付けなど:タオルやウェットティッシュ、ゴミ袋
- その他必需品:折りたたみ椅子やレジャーシート、ばんそうこう、消毒薬、砂場遊びの道具(お子さん用)
熊手は爪が長いものを持って行くと、深くまで刺さり掘りやすいです。
布製の手袋は海水が染みてきて手荒れの原因となりますので、手袋はゴム製のものがベストでしょう。ザルは網目が粗くないときちんと砂を落とせませんので、持って行く際は網目具合を確認しておいてください。その他の道具の使い方は追って説明いたしますね。
熊手の先や石でつまずくなど、浜辺では怪我をしてしまうこともありますから、救急用品は忘れないようにしてください。
また休憩用の椅子や、お子さんが潮干狩りに飽きてしまっても遊べるように砂遊びセットがあると良いですよ。
●潮干狩りの上手なやり方!
潮干狩りに出かけたことがない方もいらっしゃるかと思いますし、せっかくなら大漁を目指したいところですね。
そこで潮干狩りの上手なやり方について、こちらでポイントをおさえておきましょう。
1. アサリの住処を探す
- 凸凹の砂地
- 海水が溜まっている場所
(砂が盛り上がった部分と水が溜まった部分の境目にアサリが生息しています) - 「アサリの目」とよばれる、砂地に開いた小さな穴を探す
(アサリは小さな管を体から伸ばし、海水を吸ったり吐いたりするため、砂地にポツポツと穴が開きます) - どうしてもアサリが見当たらない場合は、管理員の方に尋ねてみると、一緒に探してくれます
2. アサリが居そうな場所の検討をつけたら、熊手を使い砂を掘り返す
3. アサリを見つけたら、いったんバケツに入れておく
4. ある程度溜まったら、ざるに移し海水で砂を洗う
5. 潮干狩り場のルールに則り、持ち帰り可能な量の範囲で採集する
6. お帰りの際は、湿らせた新聞紙にアサリをくるみ、保冷剤が入ったクーラーボックスに入れて持ち帰りましょう
各地の潮干狩りポイントをチェック
全国各地に潮干狩り場は開かれていますが、お近くに良いポイントはありますでしょうか。
ご自宅付近の潮干狩り場が分からない方も多いかと思いますので、有名な潮干狩り場についての情報もまとめてみました。
出かけやすい潮干狩り場があるかどうか、確認してみてくださいね。
●野島公園(神奈川県)
年間を通して営業
料金:無料
●富津海岸潮干狩り(千葉県)
3月中旬~9月中旬まで営業
大人:1,500円 小学生:1,000円 4才~小学生未満:800円
持ち帰り:大人2kgまで、子ども1kgまで
●波崎海水浴場(茨城県)
年間を通して営業 料金:無料
持ち帰り:1人あたり1kgまで
●吉田海岸(愛知県)
4月上旬~6月下旬まで営業
大人:1,500円 小学4年生~6年生:1,000円
持ち帰り:大人4kgまで、子ども2kgまで
●姫路白浜潮干狩場(兵庫県)
4月上旬~6月下旬まで営業
大人:1,500円 小人:1,300円
持ち帰り:1kgまで
●香良洲海岸(三重県)
3月下旬~8月下旬まで営業
料金:無料
●行橋市海岸線(福岡県)
年間を通して営業
大人:500円 小人:300円
●金崎海岸(長崎県)
4月下旬のみ営業
大人:1,000円 小人:500円
まとめ
今回は潮干狩りができる季節についてや必須アイテム、上手に採集するコツなどをご紹介してまいりましたが、潮干狩りでお役立ていただける情報はありましたでしょうか。
実は夏場以外は潮干狩りが可能であったり、持って行く道具にもちょっとした工夫があると良いことが分かりましたね。
各地の潮干狩り場もいくつか載せておきましたので、ご参考になれば幸いです。みなさんもぜひ、ご自分に合った時期に潮干狩りを楽しんでみてくださいね。