梅雨の時期には何だか調子が悪いという人も多いのではないでしょうか?「気のせいかも・・・?」と気付かないふりをしている人もいるかも知れませんが、その不調にはれっきとした理由があるのです。
ここでは、梅雨になると体調不良を起こす原因とその対策法についてを詳しくご紹介します。
梅雨とは一体どんなもの?
梅雨とは、「つゆ」「ばいう」と呼ばれる現象です。日本では北海道や小笠原諸島を除いた場所で起こる気象現象です。毎年5月から7月にかけて雨や曇りが多くなり、雨季の一種と考えられています。
春の終わりから夏の始めにかけて起こるもので、移動性高気圧と温帯低気圧とが交互に通過し天気が目まぐるしく変化します。梅雨の時期が始まることを入梅(にゅうばい)や梅雨入り(つゆいり)といい、日本の雑節でも6月11日頃を入梅と呼んでいます。昔から、入梅が田植えの目安ともされているのです。
梅雨時期が終わることを梅雨明け(つゆあけ)や出梅(しゅつばい)といい、梅雨が終わると本格的な夏到来と言われています。
梅雨の期間はおよそ1ヶ月から1ヶ月半とされています。降水量は、九州が500mm、関東・東海が300mmほどです。梅雨は、その年によって期間や降水量が変動し、雨が150mmほどと少ない年もあれば、期間が2ヶ月近くになることもあります。降水量が少ない年や期間が長引く年は、夏に気象災害が起きやすいとされています。
梅雨の雨の降り方にも地域差があります。西日本方面では、積乱雲の関係で比較的強く、激しい雨が降ります。反対に東日本方面では、曇天でしとしと雨が降り続くような降り方をします。
梅雨時期には、なぜか体調不良になる・・・理由は?
梅雨の時期になると、なぜか体調が優れないと感じる人が多いものです。毎年、梅雨の時期になると原因不明の体調不良に悩まされてしまうのです。
むくみや怠さ、頭痛や眩暈、関節痛、胃腸の調子が悪いなど、様々な箇所に不調が起こり、その体調不良は一つの症状にとどまらないこともあります。
では、体調不良に陥る原因は一体何なのでしょうか?
人間が生きていくためには、水分が必要です。健康維持のためには欠かせない大切な水ですが、身体にとって多くなり過ぎると体調不良を招いてしまうのです。雨の湿気など、外からの影響でも身体の内部に水分が貯まる要因となります。
中国漢方では、身体が雨などによる湿気の影響を受けることを「湿邪(しつじゃ)」と呼んでいます。体内の水分量を増やし、悪影響を及ぼすと考えられています。長雨の梅雨時期や、台風の多い時期、湿気の多い夏季などは要注意なのです。
体調不良は低気圧のせいなの?
日本は海に囲まれた島国であることから、元来湿気の多い場所です。そのため、湿気には強い人が多いのですが、湿気に負けてしまう人もいます。雨や台風が近づくことを身体の不調で分かる人がいるのはそのためです。
天気により体調不良が起こるのは「気象病」と呼ばれ、梅雨時期や台風が近付くと頭痛や眩暈がしたり、古傷が傷んだり、喘息発作が起きやすくなったり、鬱状態になったりもします。愛知医科大学では、この気象病を研究しており、天気痛外来なるものも存在します。
昔から、体調の変化と天気には密接な関係があります。気象病には気圧の変化が大きく影響していて、気圧が低下する際に不調を訴える人が多いものです。ただこれは、必ずしも低下の際にだけに限りません。気圧が上昇するときに、同様の不調を訴える人もいるのです。気圧が変化すると、人間には大きなストレスが掛かります。ストレスを感じると人はそれに抵抗するように自律神経の活性化を行います。自律神経は、交感神経と副交感神経とがあります。交感神経が活性化すると血管を収縮し心拍数を上げ興奮を促します。副交感神経は血管を広げリラックスを促します。この2つのバランスが崩れることで体調不良を引き起こしてしまうのです。
気象病を発症しやすいのは、耳が弱い人ということも言われています。内耳の働きが弱り、気圧の変化に柔軟な対応ができず、気象の影響を受けるのです。
梅雨の時期に頭痛が起こりやすいのはなぜ?
梅雨の時期になると、頭が重くスッキリしない、頭痛が頻発するという人がいます。
薬を飲んで毎日しっかり身体を休めることができれば良いのですが、薬を飲み続けるのも不安ですし、休んでばかりはいられないものです。梅雨時期の頭痛は、「低気圧頭痛」と呼ばれ、気圧の低下により血管が広がることで片頭痛が起こります。普段から片頭痛を持っている人は、雨が降ると一段と酷いという実感があるでしょう。低気圧頭痛の場合は、片頭痛の対処法と同様に、冷やすことが効果的です。どうしても治らない場合や、日々吐くほど酷い時には、早めに受診をして片頭痛薬を処方してもらいましょう。慢性的な疲労や、ストレスは片頭痛や低気圧頭痛を悪化させますので、なるべく普段から規則正しい生活を送るように心掛けましょう。
目に見えないカビが原因となっていることも・・・
梅雨時期は、湿気が増すため、知らず知らずのうちにカビを発生させています。
目に見えないカビに日々接することで、咳や鼻水などアレルギー症状を起こすことがあります。
いわゆる、カビアレルギーというものですが、知らないうちに症状が悪化していくことがあるため注意が必要です。
梅雨時期に体調不良を感じたら、アレルギー科で検査することもできます。
また、食品に生えるカビは食中毒の原因になることもあります。
日々の生活の中でカビを100%排除することはできません。部屋の除湿やこまめな掃除で減らすことができますので、ジメジメする時期には念入りにしましょう。
雨に対するストレス
雨が好きという人もいますが、多くの人が雨=憂鬱だと感じるものです。雨に濡れて気分の悪い想いをしたり、アクティブに動けない、予定が立てられないなど、雨が続くということは、それだけで日々の生活に制限が出て、ストレスを感じてしまいます。
ストレスを受けると自律神経系が乱れ、体調不良を来たしますので、梅雨時期に体調不良を訴えることとなるのです。
梅雨は長くても1ヶ月半ですので、その期間を予め快適に過ごせるように計画しておくことが効果的です。素敵なレインウェアを用意しておいたり、雨でも楽しめるイベントに参加するなど、普段できないようなことをして刺激を受けるのもストレスを軽減させてくれます。
梅雨の時期はむくみが出る・・・
梅雨の時期にはいつも以上にむくみが出やすくなります。
前述のように、雨が降ることにより外からの影響で体内に余分な水が貯まります。これは、水毒や水滞とも呼ばれ、梅雨時期やゲリラ豪雨、台風が頻発する湿気の多い夏場に多く見られる現象です。むくみは、単純に冷えて血行が悪くなることでも起こるため、冬場に酷くなるイメージですが、夏の方がむくみやすいという人もいるのです。
梅雨の影響でのむくみを解消するには、適度な運動と湯船に入ることをおススメします。雨でいつも通りの運動量を保てずに血行が悪くなり悪化する人もいます。適度な運動を心掛け、血流を良くするために湯船に入り温まりましょう。
梅雨による体調不良の対策は?
梅雨による体調不良の対策は、体内の水分量を整えて、水の循環を良くすることです。
余分な水を体外に出すには、昆布やワカメといった海藻、きゅうりなど瓜類、ハト麦や黒豆といった豆類を摂取すると良いでしょう。
また、早寝早起き、適度な運動、ストレスを溜め過ぎない生活、といった普段からの対策・予防も大切です。規則正しい生活が雨による影響を受けにくくするのです。
梅雨は、雨が降ると冷えますが、晴れ間が除くと暑く、1日の気温差が大きい時でもあります。その差に身体が付いていけないこともありますが、充分な体力、気力を蓄えておくことで乗り越えられます。
梅雨が明けたら本格的な夏到来するため、夏に向けて身体を整えておきましょう。
まとめ
梅雨は雨が降り続く特殊な季節です。日本の雨季とも呼ばれ、動植物に欠かせない大切な恵みの雨が降り注ぐ時期なのですが、思わぬ体調不良に見舞われることも多いものです。湿気が多く、低気圧に見舞われることで、頭痛、眩暈、むくみ、咳、関節痛、胃腸の不調、鬱などが起こります。
雨に濡れることで身体が冷え、風邪を引くこともあります。レインウェアを活用し、濡れるのを防ぐことも大切です。
規則正しい生活が梅雨時期の不調を和らげることに繋がりますので、なるべく心掛けるようにしましょう。