冬が訪れ年末が近づくと、「来年は◯◯年だね」と干支(えと)のお話をする機会が増えますね。オリンピックイヤーの2020年はねずみ年。12年を一回りとした最初の年なので、始まりを意識している人も多いのではないでしょうか?ねずみ年なのに漢字で書くと子年(ねどし)だったり、そもそも干支って何だろうと不思議に思ったり、なんだか興味が湧いてきます。
干支に関する知識を紐解いていくと、そこには長い歴史の中で育まれた人々の知恵が隠されていました。今回の記事では、ねずみ年を中心に干支に関する情報を詳しくご紹介していきます。
干支の由来とはどのようなものなの?
小さい頃から干支に慣れ親しんできた日本人ですが、あらためて干支に関する質問をされるとちょっと困ってしまいますね。「ね、うし、とら、う、たつ、み…」と順番に全部言えても、口にした言葉がどんな意味を持つのかよくわかりません。干支の疑問を解くためには、まず「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を知る必要があります。
十干とは、簡単に言うと方角や属性を示すもの、十二支は、時間の周期を表すものです。発祥は古い時代の中国で、方角、時間、陰陽といった属性を合わせて物事を見定め、吉凶を占うために使われてきました。時間の流れを表す十二支は、12年を一区切りとして巡っていきます。なぜ12年が一区切りとなるのか、答えの鍵は「木星の動き」にあります。
まだ天体の動きもはっきりとしていないはるか昔、人びとは星の動きを観察することで時間の流れを読み解いていました。さまざまな星の観測が行われる中に木星があり、木星は12年で地球の夜空を一周することがわかったのです。木星の動きを基準にした紀年法(年の数え方や記録方法)は歳星紀年法と呼ばれ、「今木星は夜空のどこにあるか」を観測することで何年なのかを判断したのです。
観測をする時に図面に割り振られたのが「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥」の漢字で、円の中心からぐるりと囲むように記されました。それぞれの漢字はそのままではわかりにくかったため、発音や漢字に近い動物をあてがいわかりやすくされたのがいわゆる現代の十二支です。より理解を深めてもらうため、「神様が動物達にかけっこをさせて一番になった動物から順に年の代表にした」というお話や、「神様が人気者の動物を投票で決めようとしたら、ねずみが目立たないことを嘆いていたので投票の日だけ大きくしたらねずみが一番になった」というお話が伝承として残っています。
干支のねずみ年にはどんな意味があるの?
ねずみ年は、12年で一周する干支の一番最初の年です。新しい周期のスタートであること、そして動物のねずみが持つ特徴から、多くの人が次のような意味合いを持たせてねずみ年を迎えています。
- 生き生きと芽生える年
- 大きな物事をスタートさせる年
- 今後の繁栄を願う年
- 新しいことを始める年
- 賢く振る舞い富を得る年
上記の例を見た時に、あれ?っと気がつくことはありませんか?本来の干支の意味、ねずみという動物の特徴、伝承のお話などが混ざっていますね。干支という考えが広まって以来、人びとは伝え聞いた話を大切に受け継いできました。そして、それぞれの干支を迎える度に思い出し、気持ちを新たにしてきたのです。
ねずみ年は、十干十二支で見ると陽の気と水気がお互いに良い影響を出し合い、勢いよく物事が芽生えて発展する年です。水は流れることで良い気を循環させていくので、滞らせないよう注意しながら、長年の夢や思い付いたアイデアを積極的に実現させていきましょう。
ねずみ年生まれの人の性格は?
干支にまつわる情報として気になることの一つに、「生まれた干支で性格は変わるの?」という疑問がありますよね。とくに古い世代の人だと、若い妊婦さんの出産予定日からついたずねてしまうこともあるかも知れません。ねずみ年生まれの人は、次のような性格の人が多いと言われています。
- コツコツと真面目に取り組む。
- こまめに動く。
- 要領が良い。
- 機転が働く。
- 我慢強い。
- 繊細で几帳面。
- 節約上手で無駄遣いをしない。
とても誠実で実直なイメージですね。周囲の人から好かれて、穏やかな生活をしているような雰囲気があります。どんな辛いことも真面目に我慢強く取り組むのは良いことですが、一方で次のような点が心配されます。
- 我慢しすぎて突然感情が爆発してしまう。
- 周囲からの期待がストレスとなり逃げてしまう。
- 気を使いすぎて自分の本当の気持ちが言えない。
生真面目で器用になんでもこなすねずみ年の人は、周りの人から頼られやすい代わりに自分の中にストレスを溜め込む傾向があります。基本的には争いごとを好まないので上手くかわしていきますが、本当は自分の好きなことだけに打ち込みたいという気持ちもあるのです。
ねずみという言葉から、「寝ずに身を粉にして働く」ととらえる人もいますが、ずっと動き続けることはできません。真面目で誠実な性格だからこそ、気がついたら心が限界に達していることもあります。もしねずみ年で心当たりのある人がいたら、「いつもありがとう」「手伝うよ」「疲れたら休んでね」という気持ちで接してみましょう。
ねずみ年にやっておくと良いことは?
せっかく物事の芽吹きと繁栄が象徴されているねずみ年ですから、万全の体制で迎えたいですよね。では、具体的にはどのようなことに取り組めば良いのでしょうか?実際に行動をしている人をお手本にして、幸運への第一歩を踏み出してみましょう。
《転職して自営業を立ち上げる》
会社勤めを続けるのも素晴らしいことですが、自分の好きなことでお金を稼ぐことができたらもっと素敵ですよね。もし転職して自営業を立ち上げたいという気持ちがあるのでしたら、ねずみ年はチャンスの年です。会社という形でなくても、自宅で副業を始めたり在宅ワークを計画してみるのも良いですね。
《積立貯金を始める》
富の繁栄もねずみ年の特徴ですから、積極的に貯金をするのも良い方法です。例えば、今までなんとなく銀行に溜めていた預金を積立に切り替えたり、保険の見直しをしてお金の整理をするのもいいですね。株式で積立をする金融商品もありますから、悩んでいる人は一度お話を聞きに行ってみるのも良いでしょう。
《新しい銀行口座を作る》
生活費や給与振込口座とは別に、新しい銀行口座を開設します。目的はいろいろありますが、例えば旅行資金の積立や生活費の黒字分だけを入金したり、「〇〇円になるまでは引き落とさない」と目的を決めると、ねずみ年のパワーも手伝ってお金が貯まりやすくなります。
《銀行印を新しくする》
今ある銀行印を、ねずみ年に新しく作り変えるのも金運にぴったり。干支をモチーフにした銀行印を作れば、ねずみが金運を運んできてくれるかも知れません。長年使用している印鑑は、ふとした時に掛けたり印がうまく押せないこともありますので、もし手持ちの銀行印が古い時には作り変えてみましょう。
《お財布を新調する》
気に入っているお財布でも、擦り切れたり汚れているとパワーダウンしてしまい、出費が多くなることもあります。そもそもお財布は、一年に一度は買い換えたり、複数のお財布を使い分けて休ませると金運もアップすると言われます。ねずみ年をきっかけに綺麗なお財布を手に入れて、良いお金の循環になるよう工夫してみましょう。
ねずみ年の縁起物を手に入れて運気を上げよう
ねずみ年を始め、干支にまつわる縁起物はその一年の運気を守るお守りです。最低でも11月頃には準備をして、ねずみ年のパワーをお迎えしたいですね。ねずみ年の縁起物はたくさんありますが、風水に凝っている人などは次のような縁起物を準備しています。
- ねずみの置物(陶器・木彫り・ちりめん細工の人形など)
- ねずみが描かれた掛け軸
- ねずみが絵付けされたお皿の飾り物
- ねずみが刺繍されたタペストリー
- ねずみが絵付けされたごはん茶碗を新調して一年使う
上記の他にも、大黒様の置物や掛け軸などを飾ったり、大黒様のお守りを持つ人もいます。実は白ねずみは大黒様のお使いと言われており、その昔大黒様が白ねずみを助けたというお話があるのです。白いねずみを夢で見ると金運が上がると言われていますし、身につける持ち物の一つにねずみをモチーフにした物を取り入れてもいいですね。
年末が押し迫ってくると、いろいろなお店でねずみをモチーフにした品物を目にします。飾ったり持ち歩いたり、楽しく選びながら自分だけのお守りを探してみましょう。
まとめ
今回は、干支のねずみにまつわるさまざまな情報をご紹介してきましたが、いかがでしたか?古い歴史がある干支は、自然と人間の営みを結びつける大切な役目を担っているように感じます。今回ご紹介した運気上げの方法や縁起物など、自分の興味があるものを少しずつチェックして、より良い一年となるよういろいろ試してみましょう。