クリスマスが近付くとワクワクする人も多いのではないでしょうか?
現在では当たり前のように行われているクリスマスですが、一体日本ではいつから定着してきたのでしょうか?
ここでは、日本のクリスマスがいつから行われているのかを中心にご紹介します。
クリスマスとは一体何?
10月末にハロウィンが終わると、今度は日本中がクリスマスムードに包まれます。日本でも12月25日をクリスマスとして多くの人が祝っています。クリスマスと聞くと「イエス=キリストの誕生日」というイメージを持つ人が多く、聖母マリアが家畜小屋でキリストを産んだ日だと思われがちですが、厳密にはイエス=キリスト誕生日ではありません。実は、12月25日はキリストの誕生を祝う日であり、キリスト教では降誕祭と呼ばれているのです。
この降誕祭は、12月24日の日没から、25日の日没までとされています。
クリスマスが日本で祝われるようになったのはいつから?
では、元々仏教徒が多い日本でキリスト教徒の行事であるクリスマスが祝われるようになったのはいつからなのでしょうか?
日本では明治維新が起こる前、天文21年頃に山口県で宣教師がミサを行なったのが始まりと言われています。江戸幕府ではキリスト教が認められなかったため、その後暫くは日本国民に広まることはありませんでしたが、明治時代になり小売業者がクリスマス商戦を始めた頃から急速にクリスマス文化が定着してきました。
大正天皇の崩御が12月25日であり、昭和初期にはこの日が休日でした。この頃、日本ではクリスマスが年中行事になり、クリスマス料理も普及しました。戦後の日本でも変わらずクリスマスが祝われ続け、クリスマスツリー、イルミネーション、プレゼント商戦、ケーキや料理の販売と大きなイベントと認識されるようになってきました。現在では、クリスマスが休日ではありませんが、年末の忙しいムードの中でも各地で盛大に祝われています。
クリスマスツリーを飾る意味は?
日本でも11月頃から各所でクリスマスツリーを見掛けます。
クリスマスツリーに電飾やオーナメントを飾るのは、アメリカで19世紀以降に始まった風習です。
クリスマスツリーは、聖樹(せいじゅ)とも呼ばれていて、モミの木などの針葉樹が用いられます。日本では、エゾ松が使われることもあります。
常緑樹を使うのは、冬場でも枯れない強い生命力と、アダムとイブの知恵の木を表わしていると言われています。
ツリーは様々なオーナメントで飾られますが、現代ではサイズも色も豊富に存在しますので、好きな物を飾り各家庭でオリジナルのツリーが出来上がります。
本物のモミの木は独特の香りがあり、癒されると感じる人も居れば、強烈な匂いと感じられる人も居て、好みが分かれます。香りが食事などの邪魔になることもあり、本物は玄関先などに飾るのをおススメします。
プラスチック製のツリーもありますので、そちらを愛用する人も多いものです。
チキンとケーキを食べるのはなぜ?
日本では、クリスマスにはチキンとケーキが欠かせないと感じる人が多いものです。
では、なぜチキンとケーキを食べるのでしょうか?
本来、アメリカなどではクリスマスに七面鳥を食べる習慣があります。でも、日本では七面鳥が手に入り辛く一般的なものではないため、チキンを食べるようになったのです。
ケーキもヨーロッパ諸国ではクリスマスに食べられています。アメリカではケーキよりパイなどを食べるようです。
日本では様々な国の文化を取り入れ、自国ならではの文化として大切にしているのです。
クリスマスリースは何のために飾るの?
クリスマスリースを見掛ける機会も多いものです。
リースは元々、結婚式などの祭事などに広く使用されていて、花や葉、ツルなどで編まれています。ローマでは、祭儀にもリースが使用されていました。
クリスマスリースは松ぼっくりや赤、緑のリボンなどクリスマスカラーで作られていて、クリスマスムードをより高めています。近年では、様々な素材を利用し、自分だけのリースを作れるワークショップが開催されることもあります。玄関の扉やお店の入口などに飾られ、見る者を楽しませてくれます。
サンタクロースがプレゼントを運んでくる日は?
キリスト教では、クリスマスは愛の日といい、モミの木の下にプレゼントを置く風習が昔から根付いています。
では、サンタクロースがプレゼントを持ってくるのは、一体何日なのでしょうか?
世界各国で差がありますが、我が国では一般的に、24日のクリスマスイブの夜にプレゼントが置かれ、翌25日の朝にプレゼントを受け取るパターンが定着しています。
ただ、必ずこの日に贈らなくてはならないと決まっている訳ではありません。プレゼントを渡す気持ちがあれば、どちらの日でも構わないのです。親から子へのプレゼントでは、仕事の兼ね合いやプレゼントの準備などで前後することがありますので、その家庭独自のルールを決めても良いでしょう。「サンタさんも忙しいから、25日の夜に来るよ」という家庭があっても子ども達は信じるでしょう。何より、お互いの気持ちを大切にしましょう。
日本でもキリスト教徒は過ごし方が違う?
日本でも仏教徒とキリスト教徒ではクリスマスの過ごし方が異なるのでしょうか?
大きく違う点は、キリスト教徒は教会で開かれるクリスマスミサに行き、その後家族と過ごすところです。友人とパーティーをしたり、恋人と過ごすこともありますが、基本は家族と過ごすのです。
ただ、日本でも家族と過ごすという人が大半なので、大きく異なるのはミサに出向くか否かというところでしょう。日本では、住職などもクリスマスという行事を大切にしている人が多く、仏教徒だから何もしないという考えを持つ人は少ないものです。保育所や幼稚園、小中学校などでもクリスマスメニューを出したり、クリスマスパーティーをするところも多く、宗派関係なく皆で楽しめるクリスマスが定着しています。
クリスマス商戦でプレゼントが売れる!?
クリスマス商戦という言葉を聞いたことが有る人も多いのではないでしょうか?
クリスマスの時期は一年の中で特に消費活動が盛んになるため、その需要をいかに取り込めるか、小売店同士が戦う姿を表しています。
ケーキやチキンなどの食品、子供のプレゼントに人気のおもちゃ、大人の女性に贈る宝飾品や化粧品など様々な分野で商戦が繰り広げられます。
近年では、クリスマス当日に消費する品や贈り物だけでなく、大人の女性が自分で購入して使える化粧品の詰め合わせ「クリスマスコフレ」や、クリスマスを待つまでに楽しめる「アドベントカレンダー」、「シュトーレン」などが毎年人気で、発売後すぐに売り切れてしまうものもあります。
また、プレゼントの他にも、クリスマスに関連するイベントは毎年人気です。
他国のクリスマスは?
他国のクリスマス事情が気になる人も居るのではないでしょうか?
世界各国のクリスマスにはそれぞれ特徴があります。
北欧では、クリスマスを「ユール」と呼び、藁で作った山羊を飾ります。妖精がプレゼントを運んでくると言われているところもあります。
フランスの教会では、クレーシュと呼ばれるキリストの降誕場面を飾り、クリスマスカードを贈り合います。子供がサンタクロースからプレゼントを貰うのは1月6日です。
イタリアでは、ベファーナという魔女がプレゼントを持ってきます。
オランダやドイツでは、12月6日をニコラウスの日と呼び、プレゼントを貰います。北部地域ではヴァイナハツマン(降誕祭の男)がプレゼントを持ってきて、南部地域ではクリストキント(キリストの子)がプレゼントを持ってくると言われています。
プレゼントは一年間良い子にしていた子だけが貰え、悪い子は石炭や木炭を贈られるという地域もあります。
イギリスは12月25日にサンタクロースがプレゼントを持ってきます。クリスマスは基本的に家族と過ごし、家庭料理を味わいます。クリスマスまでに家族で家を飾り付け、より一層家族の絆を深めます。クリスマス当日には台所にヤドリギが飾られます。
アメリカもイギリス式のクリスマスです。クリスマスにちなんだグリーティングカードを贈ります。
ロシアでは、冬祭りと呼ばれています。サンタクロースはマロース爺さんという名で親しまれています。
オーストラリアや南米などではクリスマスが真夏です。屋外やプールなどでクリスマスパーティーが行われるところも多いようです。
欧米諸国や大韓民国、中国などではクリスマスが法定祝日です。中には12月22日頃から1月3日頃までホリデーシーズンとして休みが続くところもあります。
このように、各国で様々な祝われ方をしています。
ドイツなどではクリスマスマーケットが有名ですし、フランスでも街中がイルミネーションで飾られます。他国のクリスマスを経験してみても面白いかも知れません。
まとめ
日本のクリスマスは天文21年という大昔から始まり、徐々に定着してきました。戦後には、年中行事として認識され国民に欠かせないイベントになってきました。
近年では、クリスチャン以外でも参加できるミサを開く教会もあります。11月頃から、街中にイルミネーションが飾り付けられ、ツリーやリースを飾り華やかムードです。子供から大人までワクワクする時期を存分に楽しみましょう。