日本人の私たちは「お日柄」という言葉を日頃からよく耳にします。
街を歩いていると『本日大安吉日』といったノボリを宝くじ売り場の前で良く見かけます。
また、人生の節目の日である結婚式の日程を決める時にも気にする人は多いですよね。
しかし、その一方で「大安は縁起が良い日、仏滅は縁起が悪い日、くらいは分かるけど、それ以外はよく知らない…。」という人も少なくありません。
この記事ではお日柄の歴史や意味などについてわかりやすくご紹介します。
お日柄とは？
吉凶を判断するときの元になる６つの日、大安、友引、仏滅、先勝、先負、赤口のことをお日柄といいます。
６つ合わせて六曜（ろくよう）または六輝（ろっき）と呼びます。
よくカレンダーの日付のところに小さく書いてある、アレのことです。
６つすべてのお日柄には意味があり、縁起が良いとされる日、縁起が良くないとされる日があるので、普段はそんなに気にしていない人も結婚式などの大切な日はこのお日柄を大切にしたりしますよね。
六曜の歴史
諸説ありますが、中国で生まれ、日本に入ってきたのは鎌倉時代末期から室町時代の初期のあたりとされています。
明治時代には、政府が暦注（暦記載されるに運勢や日時の吉凶のこと）を禁止しましたが、その際も六曜だけは迷信ではないと記載が許されたり、第二次世界大戦後には爆発的に大流行したりと、大昔から私たち日本人の生活になくてはならないものでした。＊諸説あり
戦国時代には名だたる将軍たちも戦をする時にこの六曜を気にして、時には戦の日が変わることもあったとか。
六曜は時代の流れとともに６つの日それぞれの名称が変わったり、意味が変わったりしながら今に至ります。
お日柄の決め方
お日柄は旧暦の暦をもとに作られているのですが、そこにはシンプルな決まり事があります。
基本的には、大安→友引→仏滅→先勝→先負→赤口の順に繰り返されるのですが、各月の1日は、六曜が順に巡るようになっているのです。
1月1日は大安、2月1日は友引、3月1日は仏滅、4月1日先勝、5月1日は先負、6月1日は赤口、そして7月1日にまた大安からスタートして、8月1日に友引、9月1日に仏滅〜と順に続いていきます。
しかし、現在の暦と旧暦は違うのでズレが出るため、毎月の1日に決められた六曜が来るように月のどこかで調整されています。そういった理由で月に1回ほど、この順番が乱れています。
お日柄（六曜）それぞれの意味
六曜それぞれの読み方と意味を縁起が良いとされている順にご紹介します。
大安（たいあん、だいあん）
大安は六曜の中でもっとも縁起が良いとされている日。
大安吉日という言葉がありますが、「やってはいけないことが何もない」「1日を通して悪いこと（害）がない」として、何事においても吉、失敗しない日といわれているのでこの日に引越しをする人、結婚式をあげたり、入籍するカップルは多いです。宝くじ売り場もこの日は行列ができたりしますよね。
ちなみに内閣組閣もこの大安の日を選んで行っているそうです。
友引（ともびき、ゆういん）
昔は「勝負をしても共（とも）に引き分ける」という意味でしたが、現在は「友を引き込む」に意味が変わっています。
縁起の良いことも、縁起の悪いことも友を引き込むので、場合によって吉にも凶にもなるのが友引。葬儀（法事、火葬）などはこの日は避けたほうが良いでしょう。
朝晩は吉、昼は凶とされています。
先勝（せんしょう、さきがち、さきかち、せんかち）
「先んずればすなわち勝つ」という日で、先回りして早め早めの行動が良い日。大事な用事は午前中に行うのが吉。午前中は吉、14時～18時は凶とされています。
先負（せんふ、さきまけ、せんぷ、せんまけ）
「先ずればすなわち負ける」という日で、午前中の行いや急ぎの用事は凶とされています。
午後からは吉ですが、先負はあまり良いお日柄ではないので、勝負事や急ぎの用件、大切な用事は別の日にまわし、無難に過ごす事がおすすめの日です。
赤口（しゃっこう、しゃっく）
「すべてが絶滅する日」「火の元、刃物など死を連想させるものに気をつける日」という大変縁起の悪い大凶の日です。
吉の時間帯（11時～13時）もありますが、この日は大事な行いを避ける人が多いです。
仏滅（ぶつめつ）
仏滅はみなさんご存知ですよね。
「仏も滅びるような大凶の日」とされ、六曜の中では一番縁起が悪い日といわれています。
仏滅は吉の時間帯もなく一日中、凶です。
この日は結婚式を挙げる人が少ないため、挙式費用が安くなることでも有名です。
縁起の悪い日とされていますが、縁を切りたい人や物とお別れをして新しいスタートを切るには実は良い日なんですよ。
「お日柄も良く〜」の挨拶の本当の意味
スピーチで良く耳にするこの挨拶。勘違いしている人もいますが、これは天気を表した言葉ではありません。
この場合のお日柄とは、上記で紹介した六曜のこと。
六曜で良いとされている日や時間帯のことを「お日柄もよく」と表現しています。
特に結婚式でこの言葉を良く聞きますが、そもそも結婚式は良いお日柄を選んで挙げる人が多いので、この挨拶ができるというわけなんです。
外が雨でも雪でも台風でも関係なく使える、天気とは無関係の挨拶なんです。
結婚式とお日柄
これまでお日柄を気にしたことがなかった人でも、結婚式に関してはお日柄に重点を置いて挙式日を決めるという人は多いはず。
たとえ本人たちは気にしていなくても、両家の家族が気にする場合もあるでしょう。
結婚式におすすめなのは大安と友引
六曜の中で一番縁起が良い日なうえ、1日を通して凶の時間帯がないので、時間帯を気にせず結婚式をあげられるのが大安です。
友引は「友を引き込む」という意味があるので、この日に結婚式を挙げることで、友を幸せに引き込むという意味が生まれます。
ただし、友引は11時〜13時が凶の時間帯なので気になる方は避けても良いと思います。（個人的にはそこまで気にしなくていいような気がしますが）
大安と友引は非常に人気の高い日なので早めの予約をおすすめします。
特に人気の結婚式場ですと１年待ち…なんてことも！
意外とメリットがある赤口と仏滅
この日は結婚式を挙げる日としては敬遠されがちです。
しかし、逆転の発想で考えたら人気の式場でも予約が取りやすいというメリットがあります。
また、結婚式を挙げる人が少ない日なので、他の日に比べ割引がきいて安く結婚式を挙げられる場合も少なくありません。
最近ではお日柄を気にしないカップルも増えてきているので、気にならない人にとっては希望日や希望額が通りやすいお得な日となります。
お葬式とお日柄
葬儀の場合は結婚式に比べてお日柄をそこまで気にする必要がないとされています。
日程はご遺族の事情に合わせることが第一ですが参考までに。
友引は避ける
「友を引き込む」という意味がある友引の日は避ける場合が多いです。
地方によっては友引は休みにする火葬場も少なくなく、友引の翌日は火葬場が混み合う、なんて話もあります。
仏事は仏滅が良い
仏滅の日には「仏事はよろしい」という言葉があり、お葬式や法事は仏滅に行うのが良いとされています。
ちなみに法事に限っては赤口でも良いといわれています。
まとめ
最近ではお日柄を全く気にしない人たちも多く、六曜が入ったカレンダーも昔に比べたらあまり見なくなりました。
ですが、特に年配の方は気にする方がまだまだ多くいらっしゃいます。
そうした方々に失礼のないよう、そして気持ちよくお付き合いができるよう、ある程度は知っておいてもいいかなと思います。
生活する上でお日柄に対して神経質になる必要は全くないですが、せっかく六曜の意味を知ったのなら、予定を決める時にゲン担ぎくらいの気持ちでカレンダーをチェックしてみるのも楽しいかもしれません。
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