雛人形を処分しようと考えたことがある人も居るかも知れません。でも、実際に処分しようと思っても、どのタイミングでどんな風に手放せば良いのか?人形だからいけないことなのではないか?と及び腰になりがちです。ここでは、そんな雛人形の処分や供養について詳しくご紹介します。
雛人形が不要になったらどうすれば良い!?
「蔵や倉庫から古い雛人形が出てきた」、「巣立った子供の雛人形をどうしよう」、「亡くなった親や親族の雛人形はどうすべき」など、雛人形が不要になり悩む場面があるでしょう。そんな時、不要な雛人形はどうしたら良いのでしょうか?
人の形をした人形などは、そのままゴミとして捨てるのはバチが当たるような気がして、気が引けてしまいます。日本では、昔から人形やぬいぐるみには魂が宿ると信じられており、きちんとした手続きを踏んで処分をしないと怖いと感じてしまうのです。特に雛人形は、産まれた娘の厄を背負い、守るという身代わりとして用意されたものであるため、余計にバチが当たる、縁起が悪い様な気がしてしまうのです。
このように、手元から無くなった時に、気分が悪かったり、何か引っ掛かりを感じると、その後の生活に影響してしまいます。
では、気分良く処分するためにはどうしたら良いのでしょうか?
雛人形を処分する方法は供養!?寄付や譲渡するという選択も・・・
前述の様に雛人形の処分を考えた時、通常の可燃ごみ、もしくは粗大ごみに出す事ができますが、ゴミで捨ててしまうのは気が引けます。そんな時は、雛人形の供養をしましょう。
人形の供養を行う神社仏閣は全国的にあります。基本的には自ら持ち込んで依頼をする形ですが、宅配便などで受け付けているところもあります。人形の供養には、共同供養と個別供養とがあり、どのように供養してもらいたいかで決められます。中には、年に数回、人形共同供養のセレモニーを行う神社仏閣もあり、人形の持ち主だった者がセレモニーに参列し、ご焼香などを行い、読経を聞きながら見送れるサービスも行っています。
供養の他には、寄付や譲渡、買取サービスなどの方法があります。
雛人形の寄付を募る団体や、自治体などもあります。寄付団体などでは、寄付された雛人形をワクチンに変え、発展途上国の子供達へ送っているところもあります。また、雛人形を使用したイベントなどを開催するため、寄付を募っている自治体もあります。寄付の場合、送料などは持ち主の負担の場合がほとんどです。
譲渡は、主に知人や親族間で行われています。雛人形は、その性質上、特定の子の幸せを願い用意されたものなので、全くもって面識の無い人へ譲るのは避けたいところです。どうしても欲しいという人が身近に居る場合は別ですが、譲渡は親族や親子などで行うに留めるのが無難です。
有名人形作家が作った年代物の雛人形などは、プレミアが付きアンティークショップなどで案外高値が付くこともあります。もし、気になるものがある場合には、査定だけでもしてもらってみても良いでしょう。
雛人形の供養はいつ?どこでするのが正解?専門業者はある?
雛人形の供養は、いつどのようなタイミングで行うべきなのでしょうか?飾らなくなった時というのは分かるのですが、世間ではいつまで飾っているのでしょうか?基本的に雛人形を飾るのに期限はありません。一生大切に飾る人も多いものですが、近年、終活がブームになってきたので、そのタイミングで自ら手放すことを決める人も増えてきました。
処分や供養はどこですれば良いかと悩む人もいますが、近くの神社仏閣で供養を行っていればそちらに持ち込めますし、近くの自治体で寄付を募って居れば、そちらに持ち込むこともできます。
人形供養には、特に適したシーズンがあるわけではないため、いつでも可能と言えます。
神社仏閣での人形供養が年に一度という所も多く、その受付が行われているタイミングで持ち込めればスムーズです。もし、時期を合わせるのがどうしても難しい、その時期まで待てないという場合には、人形の保管と持ち込み代行を行ってくれる専門業者もあります。
神社などでの処分方法はお焚き上げ!費用は?
神社仏閣で行われている人形供養のお焚き上げは、どの位の費用がかかるものなのでしょうか?
お焚き上げは、前述の通り共同供養と個別供養とがあります。
共同供養は段ボール箱一箱分あたり2千円から5千円程度が一般的です。持ち込みの際、玉串料として社務所や受付に渡します。中には、人形供養に決まった金額を提示していない神社仏閣もあり、金額に悩むこともあるかも知れませんが、無料でお願いしようとするのはマナー違反です。あくまで、供養していただいたお礼の気持ちを玉串料として渡しましょう。
個別供養では、個別に読経供養を行うため、共同供養よりも費用が高いものです。依頼する際に予約が必要な場合もありますので、事前に確認をおすすめします。
郵送でお願いする場合には、プラスして送料が掛かることもあります。持参できる神社仏閣であれば、直接持ち込んでお願いすると良いでしょう。
ガラスケースなどに入っている雛人形もありますが、供養先によってはケースは受け付けていない、ケースは別料金が掛かるなど同時に持ち込めない場合がありますので注意しましょう。
一部だけ処分したい場合でも受け付けてもらえるの?
雛人形の処分を考えている人の中には、住まいの広さなどが変わる関係で一部だけを手元に残して処分したいという希望がする場合もあります。特に、男雛と女雛だけを残したいという希望も多いものです。このように、一部だけを残して処分ということですと、寄付や譲渡はできません。でも供養は可能な場合がほとんどです。
ただ、注意しなくてはならない点もあります。雛人形供養は、その量で決まることが一般的で、段飾りなどではセット料金での供養です。男雛と女雛を除いても、セット料金である事は変わりません。
また、一度依頼をして持ち込んだり送ったりしてしまうと、やっぱり返してほしいということができません。例えお焚き上げまで時間があったとしても、持ち込まれた多くの中から指定の物だけを返却することは非常に難しいのです。lそのため、供養に関してはきちんと気持ちの整理と覚悟をしてから行うようにしましょう。
雛人形への感謝の気持ちを忘れない
自分自身で雛人形を手放すことも人生では有るかも知れません。
雛人形は、娘が産まれたらその子を守り、迫る災厄を代わりに被り、子供を健康、そして幸せな結婚に導いてほしいという願いが込められたものです。成長を見守り、何年もに渡り大切にされてきた雛人形は、とても大きな存在です。
そんな人形を手放す際には、やはり「ありがとう」の感謝の気持ちを持つことが大切です。また、それと同時に自分自身の雛人形に対する想いもきちんと整理して納得してから手放すことが大切です。勢いで処分してしまい、後から後悔するようでは悲しいものです。年に一度しか出すことの無い可愛い雛人形を、思う存分愛でてからでも処分は遅くありません。感謝の気持ちで手放せる時に気分よく供養できるようにしましょう。
まとめ
雛人形の処分は、通常のゴミでも可能ですが、やはり人形という点や、子供の身代わりとなり見守ってくれたものであるという点などから、供養という方法をとるのが一般的です。供養は全国の神社仏閣で受け付けていますので、事前に確認の上、そちらに持ち込むと良いでしょう。
また、それ以外の方法として、寄付や譲渡などがありますが、こちらも一定の条件などがあるため、事前確認をおススメします。
近年ではコンパクトな雛人形も多く出回っています。子供が産まれると、つい豪華な段飾りを贈りたくなりますが、後の処分のことを考えると、最初から小さくて出し入れが楽な場所を取らないタイプの物を選んでおくと、人生の中でより長く楽しめるかも知れません。