躑躅(つつじ)の花はわたしたちの身近に見ることができる花ですが、意外とその花言葉など詳しいことまでは知識がない、という方が多いのではないでしょうか。
そこで今回はつつじについて、花の咲く季節や花言葉、育て方や手入れの仕方、英語での呼び名や蜜には毒がある?ということまで幅広くご紹介し、まとめています。
また、あわせてつつじの名所と呼ばれるところについてもご紹介しています。
今年の春はつつじの花めぐりなどいかがでしょうか?
躑躅(つつじ)が咲く季節は?
つつじは漢字で「躑躅」と書きます
ツツジ科の植物で、主にアジア圏に多く見られます。
日本ではちょっとした公園に行けば見ることができますし、樹高もそう高くないために庭に植えたり垣根にしているというご家庭も多く、比較的よく目にする馴染みのある花です。
それもそのはず、日本では万葉集につつじの花の名が登場するほどに、古くから育てられいる植物なのです。
特に江戸時代には栽培が盛んにおこなわれ、品種改良も行われてきました。
花の色は赤、ピンク、白、紫、オレンジなどがありますが、多く見られるのは赤、ピンク、白のつつじでしょうか。
つつじの開花時期は4月から5月にかけて、となっています。
春から初夏にかけて多くみられ、また日本国内では場所によっては5月の終わりまで咲いているところもあります。
ですが、大体ゴールデンウイークあたりにピークを迎えることが多いので、つつじの名所ではさまざまな催しが行われたりもします。
つつじの満開の時期はだいたい5日から1週間程度です。
あまり長くないので、満開の時期はなるべく逃したくないものですね。
とはいえ、つつじも品種改良がすすんでいますので、つつじの名所などではうまく組みあわせることによって長く楽しめるところもあるようです。
つつじの花言葉は?
躑躅(つつじ)の花言葉を見てみましょう。
つつじは万葉集では「美しい少女」の代名詞として使われていました。
それが由来なのか、逆なのかはわかりませんが、つつじの花言葉はそれを象徴するような言葉が並びます。
「慎み」「節度」「自制心」、また、「努力」や「訓練」といった言葉もあります。
また、つつじは色ごとに花言葉も変わります。
赤いつつじは「燃え上がる愛」、ピンクのつつじは「恋の喜び」、白いつつじの花言葉は「初恋」、紫のつつじは「美しい人」など、色別に見ると恋や愛についての花言葉が多くなり、鮮やかとなりますね。
ピンクや赤のつつじの花言葉がやや情熱を持った愛、恋を表現しているのに対して、白いつつじは「初恋」となるのは、無垢な印象や純潔さを表現しているのでしょう。
どの色のつつじにしろ、縁起がよくないものもありませんし、恋愛関連の贈り物にはぴったりですね。プロポーズや、結婚記念日などに、選んでみたら、喜ばれるかもしれません。
つつじの育て方・手入れは?
つつじは庭などで育てることが多い、という印象ですが、鉢植えでも育てることができます。
苗植えの時期は、3~4月の間か、9~10月など、暑くもなく寒くもない穏やかな気候の時を選びましょう。
鉢の大きさにはゆとりをもつようにし、水をたっぷり与えてください。
つつじは乾燥が苦手な植物ですから、鉢に安定させたあとも、水やりは欠かさず行うおうにしましょう。
庭に植えたつつじは、天気に任せて大丈夫です。
とはいえ、夏に暑い日が続き、雨が降らない、などの時には日に1度、水やりをするのもおすすめです。
肥料はそんなにたくさん与える必要はありませんが、花が咲き終わった6月くらいと、秋も始まった頃の9月、そして休眠期の1月ごろに肥料をあげると良いです。ただ、つつじは肥料焼けをおこしやすいので、少し離れたところにあげるようにしてください。
つつじのお手入れは、そんなに大変ではありません。
ただ、時々剪定をしてあげないとどんどん大きく育ち、形も不揃いになっていきますから、年に一度のペースで行ないましょう。
剪定は、つつじの花が咲き終わってから、夏になる前にしましょう。
つつじは夏に花芽をつけるため、その前に剪定をするのがおすすめです。
つつじは英語でAzalea
つつじは英語で「Azalea(アザレア)」と言います。
ですが、日本にはつつじとは別にアザレアと呼ばれる花があります。
同じツツジ科ですが、いわゆる「西洋つつじ」というのが日本では「アザレア」と呼ばれて親しまれています。
西洋つつじは、アジア発のつつじがヨーロッパにわたり、そこで品種改良をされたものです。
西洋つつじは花びらの数が通常のつつじよりも多く、見た目にもやや豪華になっています。
また、色もピンクや赤、白の他、紫や青など、従来のつつじにはない色もあります。
つつじは英語では「Azalea」といい、つつじの総称を英語圏ではAzaleaと呼びますが、日本ではアザレアというと西洋つつじのことをさす、というやや、複雑なことになっているのですね。
ちなみに西洋つつじもつつじと開花時期はほぼ同じです。
つつじとサツキの違い
つつじに似た花にサツキが挙げられます。
実際、つつじとサツキは見た目がよく似ていて見分けがつかない、という方も多いと思います。
この2つの花の違いはどこにあるのでしょうか、見分け方をご紹介します。
つつじとサツキはまず、咲く時期に少ズレがあります。
つつじは4月から5月、特にゴールデンウイークにピークを迎える花ですが、サツキはつつじの花が咲き終わったあと、5月の中旬くらいから花の見ごろを迎えます。
また、つつじと比べると花や葉の大きさが若干小さく、小ぶりとなっています。さらに詳しく言うと、おしべの数が、つつじが多くて10本程度あるのに対し、サツキは5本、と少ないのです。
とはいえ、ここまであまり詳しく見なくても、5月終わりくらいに咲いているものはサツキだなと覚えておけば良いでしょう。
なお、その花の小ぶり具合から、つつじは庭木としてよく親しまれるのに比べ、サツキは盆栽として人気があります。
サツキは湿気にも乾燥にも強いため、育てやすい、ということも理由の一つかもしれません。
つつじの蜜は毒?
ところで、つつじの花の蜜を吸ったことがある、という方も多いのではないでしょうか。
つつじの蜜は甘く、特に好奇心旺盛な子供にとってはその誘惑はとても大きいものです。
ところが、つつじは種類によってはその花の蜜に毒がある、とされており、最近でもテレビで取り上げられたりしていますね。
全てのつつじに毒があるわけではなく、身近なものでは「レンゲツツジ」の蜜には毒があるとされています。
主に身体に起きる症状としては、摂取してから数時間後、嘔吐や痙攣、麻痺、呼吸困難、など危険なものばかりです。
最悪、死に至ることもあるようですから、レンゲツツジの見分けがつかないようでしたら、好奇心からでもつつじの蜜を吸う、ということはやめておいたほうが良いでしょう。
つつじの花言葉は「愛」にまつわる素敵なものばかりでした。
しかし、中には危険な毒をもつものもある、と思うとつつじの花には色々な教訓が込められているような気がしますね。
つつじの名所をご紹介
最後に、つつじの名所と言われる場所をいくつかご紹介しましょう。
東京近郊に限っての情報になりますが、有名なところですと「文京つつじまつり」があります。
開催期間は年によって違いますが、大体4月の上旬から5月のゴールデンウィーク明けくらいまで1ヶ月ほど楽しめます。
2千坪に百種3千株のつつじが咲く様は圧巻といっていいでしょう。
青梅市にある塩船観音寺には約2万株のつつじがあり、4月の中旬くらいから咲きはじめ、5月上旬まで楽しむことができます。
種類もさまざまなので長く開花期間を楽しむことができます。
こちらは室町時代に建てられたという本堂も大変見事で、つつじが咲いていない時期でも一見の価値のある場所です。
千歳烏山駅からほどちかい西沢つつじ園では約1万5千株のつつじが見られます。
期間は4月下旬から5月上旬で、こちらは売りもののつつじなので、もし気に入ったら購入することもできます。
そのほか、東京だけでも調べるとさまざまなところでつつじを楽しむことができます。
お近くの公園などでも見ることはできますが、つつじが群生して咲いている様も美しいですから、ぜひ、季節になったらお出かけしてみてください。
開催期間は年ごとにかわりますから、お出かけの際には事前に調べてからのほうが良いでしょう。
まとめ
今回は躑躅(つつじ)について、花の咲く季節や花言葉、英語での呼び方、育て方や手入れの仕方までご紹介しました。
つつじは身近に咲く花ですから普段は何気なく見過ごしていることも多いかもしれません。
こうして花言葉や、毒があることの意外性などを知ると、つつじをまた違った目で見ることができそうですね。