もともとは中国が原産の牡丹ですが、日本にも奈良時代に伝って以降、その美しさに人々は魅了されてきました。
1つ1つの花が大きく存在感を感じさせる牡丹は、見ているだけで圧倒させられます。
そんな牡丹ですが実は品種改良を重ねて、あらゆる種類が出来上がっていることをご存知でしょうか。
日本でも寒牡丹や春牡丹、冬牡丹といった種類がありますが、その中でも細かく分類されているのです。
こちらでは牡丹をあらゆる角度から解釈し、魅力を理解できるように花言葉や歴史までをもご説明していきます。
今年は今までとは違う気持ちで、牡丹を鑑賞する機会を持ってみて下さい。
時代や国関係なく、人々を魅了する牡丹の特徴とは?
牡丹という花は、古来から日本人にも愛されてきました。
美しい大輪の花びらが特徴で、落葉性低木でボタン科ボタン属になります。
花の大きさは15cmにもなり、その見た目の鮮やかさが最大の特徴。
牡丹は中国が原産の花となり、国花としても認定されています。
一番中国で人気がでたのが6世紀前後でありましたが、現在でも伝統的なチャイナ服に牡丹の模様が描かれているのは色鮮やかな花でる上、国花であることが理由だとも言えるでしょう。
牡丹が日本で親しまれるようになったのは奈良時代以降ですが、当初は生薬として配合されるために輸入されていたと考えられています。
実は牡丹の根は消炎効果などが期待されており、漢方として使われていたのですね。
そのボタンが美しく、鑑賞するのにふさわしいとされたのは江戸時代になってからとも言われています。
江戸時代は人々の生活も大分落ち着き、花を愛でる余裕が人々に出てきたのかもしれません。
花々が品種改良をされはじめたのも、江戸時代辺りからなのです。
名前の由来についてですが、もちろん牡丹という名前は中国のもの。
現地では「モウタン」と発音しますが、これを日本読みしたのが「ぼたん」。
また牡丹はその美しい花の姿から、百花の王などとも言われています。
それ以外にも美牡丹は別名がたくさんあり、その昔は富貴草や深見草、二十日草などとも呼ばれていたことがわかっています。
ただし現在はほとんど、これらの別名を呼ぶことはありません。
牡丹が美しく咲く開花の季節は種類によりけり
牡丹と聞いても、花に興味の無い方は見頃の季節もわからないかもしれません。
牡丹の季節は一般的にいうと、4月末から5月中旬頃。
G.Wなどにあちこちで、牡丹祭りと題されたポスターを見かけることもありますよね。
この季節に見ることができる牡丹を、春牡丹を言います。
実は牡丹は冬の季節に咲くものもあり、それは寒牡丹といって春牡丹と区別をしているのです。
ただ寒牡丹は冬だけに花を咲かせるだけではなく、通年を通して2回花を咲かせるという種類のものになります。
つまり春にも咲いている。ということになるのです。
基本的に春牡丹は暑いところが苦手であり、季節でいうと当然夏が苦手。
もしも夏場に自宅で育てている場合は、なるべく日陰になるところに置いておくのがベストです。
また牡丹には寒牡丹の他に、冬の季節に花を咲かせる冬牡丹という種類も。
実は寒牡丹はあまり手を加えなくとも育ち、葉を付けないで花を咲かせてくれる手のかからない植物なのです。
自然の状態そのままでも良い、ということになりますね。
ですが冬牡丹はそうもいかず、改良された品種。
そのため自らの生命力だけで花を咲かせることはできず、人工的に温室などで花を付けるのです。
このように大きなくくりとしては、季節で分類される牡丹。
牡丹には春牡丹、寒牡丹、冬牡丹というものがあることを、覚えておきましょう。
牡丹の種類を見分ける方法は時期は育成地など
牡丹はとても種類が多く、パッと見ただけではどの種類なのか見分けることが非常に困難です。
その見分け方を知れば、牡丹鑑賞をしても花の美しさをより楽しめるというもの。
そこでこちらでは、牡丹の見分け方のコツをご紹介していきます。
まず牡丹の種類を見分ける方法の1つに、時期があります。
先ほどもご紹介しましたが、牡丹は花を咲かせる季節により種類が違います。
まずは春咲き、冬咲き、早咲き、遅咲き。
牡丹の場合、早咲き、遅咲きという言い方をすることに関しては、「春」を基準に考えて良いでしょう。
一般的には、春牡丹が知られているからです。
次の牡丹の見分け方ですが、育成地も重要。
牡丹はもともと中国の花ですが、現在知られている育成地から中国牡丹、日本牡丹、西洋牡丹と名付けられています。
西洋牡丹の中にもアメリカ牡丹やフランス牡丹など、細かく分類。
日本牡丹も新潟牡丹、島根牡丹、関西牡丹などと分類されています。
このように一口に牡丹と言っても、それぞれ見分け方を知らないとどの時期に咲くか、またはどこの育成地のものか知らずに鑑賞してしまうことになるのです。
牡丹の時期は主に春、4月下旬から5月中旬頃ですが、この後に続く開花時期を迎えるのがシャクヤクです。
昔から「立てばシャクヤク/座れば牡丹/歩く姿は百合の花」と言われてきました。
これは美しい女性を比喩しているものなのですが、低く地面に近い場所で咲く牡丹を座る姿、茎が伸びスラっとした姿が美しいシャクヤクを、女性が立った姿に見立てているのはさすがです。
このように牡丹は常に美しいものを象徴する花として、人気があったのですね。
牡丹の種類を知って鑑賞したい!
牡丹には大きなくくりで季節による種類が多いことがわかりましたが、他にもたくさん種類が存在します。
江戸時代中期以降、様々な花が品種改良されていく中で牡丹も例外ではありませんでした。
元々の原生種自体は8種類しかないのですが、現在ではその数は品種改良を重ねて大分増えています。
その中で最も違いを見せるのが花。
牡丹の花は花びらの数により種類が分けられており、枚数が少ないかどうかで種類が決まります。
主な例が、一重/八重/千重/万重。
これは花びらが少ない方から、多い方へ種類の名前が変わっているのです。
また花の形で種類が分類されていることもあり、抱え咲き/獅子咲き/平咲き/盛り上げ咲きなどに分けられています。
ではここで人気のある種類を、いくつかご紹介していきましょう。
・種類:金閣
中輪で千種咲きの牡丹、フランスで品種改良をされており黄色っぽい花びらにオレンジの縁取りが印象的。
・種類:太陽
大輪の花八重咲の牡丹、比較的育てやすい牡丹として人気。
・種類:貴婦人
千種咲きの牡丹、乳白色をした花びらが魅力的な高貴な雰囲気が特徴。
・種類:花王
大輪の万重咲きの牡丹、もともとが丈夫な種類なので育てやすいのが特徴。
・種類:サンダーボルト
一重咲きの牡丹、珍しい品種でアメリカで作られました。
これだけ見ても種類が多い牡丹。
まだまだありますので、調べてみるのもおすすめです。
牡丹の花言葉を知ってより魅了されたい!
花言葉などを調べることは、誰しもが一度はやってみたことがあるかもしれません。
牡丹の花言葉をまずはご紹介します。。
・人見知り
・恥じらい
・風格
・富貴
などがそれらにあたります。
牡丹の花言葉を見ると人見知りなどとありますが、実際には風格や気品漂うイメージが強いですね。
中国で国花となっている理由を見ても、その意味がわかります。
牡丹は花びらが比較的大きく、1つ1つの存在感がありますよね。
どの花びらも小さくまとまっているわけではなく、しっかり自分の花をアピールしている様にも見えます。
その高貴さが時代を通して人々を魅了しているのでしょう。
実際に中国では花神などと称されており、牡丹の美しさは評判なのです。
同じ時期に咲く、牡丹と一緒に並べられるシャクヤクもまた、柔らかく美しい魅力があります。
ですが牡丹の豪華で華やかな印象は、シャクヤクの可憐さをも上回ると言う方がいるのも事実。
ぜひそこまで牡丹に興味のない方でも、今年は意識して鑑賞してみてはいかがでしょうか。
まとめ
こちらでは牡丹という花の種類や見分け方、また花言葉などについてもまとめてきました。
普段は意識することのない牡丹という花ですが、注目するといかに豪華な花を咲かせるかを実感することができるでしょう。
牡丹はここまでに様々な品種改良をされてきましたが、どれも原産地の風土にあうものばかり。
ひとくくりに出来ない牡丹の魅力は、見る者を飽きさせません。
今年の春は牡丹の鮮やかに咲く姿を見て、花の魅力を楽しんでみてくださいね。
今まで気が付かなかった牡丹の美しさに、感銘をうけることになるでしょう。