心の準備もしていない時に突然やってくるのが葬儀です。
参列していただいた方からは香典をいただきますよね。結婚式や内祝いと同じく、香典をいただいた方にもお返しの贈り物が必要です。
香典返しの贈り物は、お祝いごとのお礼とはまた違った選びにくさがありますよね。特に初めて身内の葬儀を執り行った場合は、お返しに適したものなんて皆目検討がつかないという方も多いのではないでしょうか。
品物がわからない時、先方に好きなものを選んでもらえるカタログギフトは心強い味方。
ですが、カタログギフトと言っても様々なものがあります。
その中でも香典返しに適しているのはどんなものなのでしょうか?
香典返しとはどんな贈り物?
まずは「香典返し」がどんなものなのかについて知っていきましょう。
「香典」は葬儀に参列してくれた方からいただく不祝儀のことです。
ご祝儀をいただいた時、内祝いなどでお礼を返すように、不祝儀についても内祝いを贈りお返しをします。
とは言え、不祝儀のお返しが「お祝い」というのは変な感じがしますよね。
香典返しは「忌明け祝」とも呼ばれている贈り物で、故人が亡くなってから喪に服す期間が終わったことをお祝いする内祝いです。忌明けは宗派によって異なりますが、一般的に仏教であれば四十九日、神道であれば五十日が忌明けです。
忌明けした際には、法事やお祭りがありますので、お返しが必要な間柄の方とはそこでまた顔を合わせることになります。そのため、香典返しは忌明けの法事で渡すことが一般的です。
地域によっては、香典返しと忌明け祝を区別するところもあります。
区別する場合は、忌明け祝のことを「引き出物」として参列者に渡すしきたりです。
「故人が無事に成仏しました」というお祝いが、香典返しの元なんですね。
四十九日法要で渡すのが一般的ではありますが、場合によっては通夜や葬式の日にすぐ返してしまう「即日返し」を行う場合もあります。葬儀の際に「即日返し」をしていれば、別途お返しを贈る必要はありません。
適したギフトはどんなもの?選び方のポイントは?
具体的に品物を選ぶ時、どんな選び方があるのでしょうか?
相応しくないとされているものは、「長く残るもの」です。一般的には金額によらず、「消えるもの」を選ぶのが無難でしょう。
というのも、葬儀はやはりあまり縁起の良い行事ではないので、「不祝儀を残さない」という意味合いで、形として残らないものを贈ることがマナーと言われています。
消えものにカウントされるのは以下のような品物です。
- 生活用品(石鹸・洗剤・ラップなど)
- 食品(お菓子・飲み物など)
- 消耗品(タオルなど)
「タオル」は形に残るのでは?と思われるかもしれませんが、タオルは「悲しみを拭い去る」というような意味合いで選ばれる無難な品物の1つです。タオルも使い倒したら捨ててしまうような消耗品の部類で、金額の幅も広いため、無難なギフトとして選ばれるのでしょう。
もう1つ例外として、日本酒は消えものではありますが、香典返しには不適切とされています。
日本酒は神事のお供え物として使われることからも分かる通り、慶事(喜ばしいこと)のイメージが強い飲み物です。ですので不祝儀のお返しとしては相応しくないとされています。
また、選ぶ基準として、いただいた金額の「半分」から「3分の1」程度の品物を贈るというマナーがとても重要です。
金額の相場については、多すぎても少なすぎても失礼になってしまうので、金額の決め方をきちんと把握しておきましょう。
このように、香典返しは選べる品物がかなり限定的である上、金額の制限もあるので、最大限相手に喜んでもらえるものを、と考えるとかなり大変です。
それでなくても葬儀から四十九日までは、法要の準備や故人の遺品整理、生活の立て直しなど、やることが山積みになっています。できる限り労力はかけず、失礼のないようにしたいところですよね。
それでは、労力を最大限省き、かつ先方に喜んでもらえる手段として、カタログギフトを贈るという選択肢はどうなのでしょうか?
香典返しにカタログギフトは失礼?
香典返しにカタログギフトを選ぶと失礼にあたるのではないか、と心配される方が多いです。
それでは実際、カタログギフトは相応しくないのでしょうか?
相応しくないと心配される理由の1つとして、掲載されている商品の中には「消えもの」ではないものが入っているということが挙げられます。「不祝儀は残さない」がマナーなのに、残るものを注文できるカタログなんて贈っていいの?と心配されてしまうんです。
ですが、カタログギフトは「消えもの」に含まれます。
お礼として贈るのは商品のラインナップが書かれた冊子ですよね。
カタログの冊子は注文を終えてしまえば役割がなくなり、廃棄されてしまうものです。注文された商品が消えものではなくても、商品を購入するための冊子は残らず消えてしまうので、あまり関係ありません。
また、消えものかどうかを細かく気にする方は、カタログギフトをもらっても、商品の中から消えものを選ぶことができるので、自分で判断して選ばれるでしょう。掲載商品に「消えもの」が含まれていないことはまずないので、心配しなくても大丈夫です。
カタログギフトを贈る行為そのものは全くマナー違反でもなんでもありませんが、避けたほうが良いケースもあります。
それは、贈る相手が年配の方の場合です。
好きなものを選べるということを説明しても、年配の方は仕組みがよくわからなかったり、わざわざ自分で選んで注文するのが煩わしいと考える方も少なくありません。
慣れている比較的若年層の方であれば戸惑うことはまずないと思いますが、贈り先に年配の方が多い場合は、カタログギフトで気を利かせようとするよりは、値段相当のタオルなど無難なギフトでお返しをしたほうが喜ばれるでしょう。
香典返しとして人気のカタログギフトは?
香典返しでカタログギフトを贈りたいと考えた場合、どのようなカタログギフトが人気なのでしょうか?
カタログギフトは大手百貨店でも幅広く準備されており、充実したラインナップから選ぶことができますが、近頃は細かいニーズに応えることができるWeb通販のものも人気です。
まず、失礼にならないかどうかの心配がある方は、たくさんのカタログギフトから選ぶのではなく、「香典返し用」を想定されたカタログギフトの中から選ぶのがおすすめです。
最初から不祝儀のお返しのために作られているので、カタログ掲載の商品の中に不相応のものが含まれているのではないか?と心配する必要がなくなります。
「残らない」という基準を考慮されているため、消えものが多かったり、余らせるほど多くの量がある商品は省いたり、とマナーを含めて選ばれていて安心です。ギフトの紹介サイトでは、どのような基準で選ばれているのかを説明してくれているものも多いので、説明に目を通して「これなら安心だ」と思うものを選ぶのでも良いでしょう。
また、掲載商品の内容だけではなく、贈る時のサービスに注目して選ぶのもおすすめです。
のし紙の準備をしてくれるところは多いですが、付属サービスは商品や会社によって様々です。
- 動画付きのメッセージカードを入れてくれる
- 包装紙を用途や相手によって選べる
- 申込み方がWeb・はがき・電話など複数用意されている
このように、カタログギフトによって付随するサービスが異なります。
選ぶときには「このサービスがついているのは嬉しいな」と思えるようなものを選ぶというのも基準の1つとして考えてみましょう。
香典返しに挨拶状は必要?
香典返しで悩んでしまうことの1つが「挨拶状」です。
お祝いやお返しは商品だけではなくメッセージカードや挨拶状、お礼状などを送るのがしきたりですが、香典返しには必要なのでしょうか?
香典返しの挨拶状は、必要な場合と不要な場合があります。
まず、不要な場合ですが、香典返しを四十九日法要の時に手渡す場合は、用意する必要がありません。
理由はシンプルで、その場で手渡すため、挨拶状でわざわざ挨拶しなくても、口頭で伝えることができるからです。二重になってしまうので、法要で手渡す場合は挨拶状は省略されます。
必要な場合は、別途香典返しを先方に郵便などで贈る場合です。
挨拶状は、出産内祝いや結婚内祝いなどとは異なり、品物と一緒に添えて送ります。ギフトのメッセージカードのような位置付けですね。
別途郵送などでギフトを贈る場合は、四十九日法要が終わり、忌明けした日以降に届くように贈るのがマナーです。
挨拶状も一緒に送るので、忌明けする日を計算して準備するようにしましょう。
不祝儀のお祝いでは、挨拶状の内容にもいくつかのルールがあります。
時候の挨拶はしない(必要ではない)
お礼状や挨拶状には決まり文句の時候の挨拶ですが、香典返しに限って言えば、必ずしも必要なものではありません。ただし、抜く場合には頭語と結語も抜いて書くようにしましょう。
句読点は使わない
葬儀や法要は「つつがなく終わる」ことが重要なので、途中でつっかかる句読点はつけないのがマナーです。普段書く文章とは異なり違和感があるかもしれませんが、そういうものと思って書いてみてください。
まとめ
香典返しにカタログギフトを贈るというのは、マナーの観点からは全く問題ありません。
ギフトを選ぶ基準は「不祝儀は残さない」という意味合いから消えものを贈ることが好まれますが、カタログギフトは商品を注文したら捨ててしまうものなので、「消えもの」に含まれます。
ただ、カタログギフトでお返しをすることを検討した時、やめたほうがいいのは、相手がご年配の方である場合です。
ご年配の方はカタログギフトの仕組みがわからなかったり、わざわざ自分で注文することを手間に感じるなど、あまり好ましく思わない方も少なくないので、ご年配の方に贈るお返しはマナーに則った無難なものを選べれば良しとするくらいの気持ちで問題ありません。
身内の不幸は悲しむ間もないくらい慌ただしく過ぎていくので、なかなか香典返しに割ける時間も限られます。
カタログギフトは金額がわかれば品物を選ばず注文できるため、手間も最小限で相手に喜んでもらえるとても良い選択と言えるでしょう。
送り主も受け取り側も負担にならないギフトとして、是非選択肢に入れてみてくださいね。
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