初誕生日というと子供が1歳になるおめでたい日ですよね。
産まれてすぐのふにゃふにゃとした時と違い、赤ちゃんもだいぶしっかりとしていることでしょう。
ここまで育てるのも大変な苦労があったことかと思います。
せっかくの初誕生日ですから、しっかりとお祝いしてあげたいですよね。
今回は初誕生日のお祝いの仕方などをご紹介したいと思います。
昔の初誕生日のお祝いはどんなことをするの?
子供が1歳になる初誕生日には、一升餅を背負わしたことのある方も多いのではないでしょうか。
地域によっては盛大に行うなど、いろいろと差はあるかと思いますが一生に一度の初誕生日をお祝いしてあげたいですよね。
昔から初誕生日祝いはあったのでしょうか?
そもそも昔は誕生日という概念がなく、誰もが元旦に1つ年を取る数え方をしていました。その為、元旦が昔の人々の誕生日だったのです。
現代のように誕生日で年を数えるようになったのは、ごく最近の事で、昭和24年に年齢のとなえ方に関する法律が制定されてから各個人の誕生日で年を取る数え方に変わっていきました。
その為、昔はどの子供も元旦に初誕生祝いを行うのが一般的で、誕生日当日などにお祝いするのはごく最近の事です。
では昔はどのようにして初誕生日をお祝いしていたのでしょうか。
昔は現代よりも医療の発展が乏しく、子供は7歳までは神様の子と呼ばれるほどに高い死亡率でした。
特に赤ん坊の死亡率は高かったので、1歳になる初誕生祝いは成長の喜びと長生きできるようにとの願いを込めて行われていたようです。
このような理由もあって、現代よりも1歳まで無事に生きることの出来た初誕生日のお祝いには家族だけでなく、お産婆さんや親戚、近所の人を招いて盛大に行いました。
ちなみに昔は初誕生祝いとは言わず、1歳のお祝いは「ムカレ」、「ムカイドキ」、「ムカワリ」、「ムコヅキ」、「餅誕生」などと呼んでいました。
このお祝いでは餅やお赤飯などを炊いたそうです。
日本ではお祝い事にお餅がよく出てきますよね。
実はお餅は農業に関わりの深い日本人にとって、特別な力が宿る食べ物と考えられていました。
お餅の中は米粒が凝縮しているとされており、新しい生命を生み出し再生することの出来る霊力があると考えられていたのです。
そのお餅を食べることによってお餅の力を体内に取り込むことが出来ると信じられていたのでお祝い事などに欠かせない食べ物とされてきました。
当然1歳のお祝いにもお餅は欠かせないものだったのでしょう。
初誕生祝いには通常のお餅以外に10合分のお餅を使った一升餅というお餅を準備したそうです。
一升餅は炊き上げると約2キロになるお餅なので結構な重量があります。
一升餅の風習は現代でも広い地域で残っていますから、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
テレビでお餅を背負わされて転んだりしている赤ちゃんの映像を見たことのある方もいるでしょう。
一升餅の風習は赤ちゃんに風呂敷などで包んだ一升餅を背負わせる風習ですよね。
“力餅”なんて言い方もします。
一升と一生をかけて「一生、子供が食べ物に困らないように。
一生健やかに育つように」という長いが込められているのです。
よたよた歩きの赤ん坊に2キロの重さのお餅を背負わせたら転びますよね。
何故、わざと転ばすような重いお餅を背負わせていたのかは知っていますか?
実は昔“誕生日前に歩き出した子供は将来、家から離れてしまう”という言い伝えがあったので、わざと重たいお餅を背負わせて転ばすことでこの言い伝えを払拭しようとしていたのです。
他にも“踏み餅”や“立ち餅”という、ついた餅の上に赤ちゃんを立たせる風習もあります。これには“子供が将来、家から遠く離れてしまわないように”という願掛けの意味があったようです。
現代も世襲制がありますが、昔の商人などは子供へ店を継ぐのが当たり前でしたから将来、子供が家から離れて暮らしてしまっては大変です。
その為、家から離れてしまわないように願いを込めたのですね。
初誕生祝い、現代でのお祝いの仕方は?
昔の初誕生日の祝い方をご紹介しましたが、現代ではどのようにお祝いしているのでしょうか。
昔のように親戚を集めて盛大に初誕生祝いを行うなんて地域もあるようですが、大体の方は両親だけか、両家の祖父母を呼ぶくらいの規模で行っているようです。
お祝いの内容はというと、一升餅を背負わせる“力餅”を行う方が多いようですね。
昔と異なり、中身のお餅は大きな丸い形ではなく、後で食べやすいように小分けのお餅を使う方も増えているようですよ。
他にもハート形のお餅やカラフルな色付きのお餅、お餅ではない一升パンなんていうものもあるようです。
初誕生祝いの風習では“力餅”の他に“選び取り”なんてものもあります。
選び取りも力餅同様に古くから初誕生日に行っており、戦国時代からある風習ともいわれています。選び取りは、子供の前に品物を置き選び取ったもので子供の将来の職業を占う風習です。
品物は筆や電卓、スプーンやボールなどで、筆を取ったら小説家や物書き。
電卓はお金持ち、スプーンは料理人でボールはスポーツ選手なんていわれています。
地域や家庭によっても品物は異なるようですが「鏡を取るとアイドルや美容師、ノートパソコンでIT関係の職に就く」なんて占ったりもします。
選び取りは本人よりも周りの大人の方が楽しいのかもしれませんね。
初誕生日のお祝い…料理は何を用意したらいいの?
初誕生日のお祝いを自宅で行う場合、料理は何を用意すれば良いのかと迷う方もいるかと思います。
初誕生日の料理には特に決まりごとはありませんが、昔ながらの祝い膳を出したいと思う方は一汁三菜の縁起の良い料理を用意すれば良いでしょう。
例えば赤飯や尾頭付きの鯛も縁起ものですよね。
赤飯には魔除けの意味があり、鯛は「目出度い」なんて語呂合わせがあります。
汁物は二枚の貝殻が寸分なく合わさる蛤を使うと良縁に恵まれるといわれていますので、お祝いにピッタリですね。
他にも香の物には紅白なますや、煮物はレンコンを使うと先々の見通しが良くなるなんていわれもあります。
子供の成長を願って作られている祝い膳も素敵ですが、現代ではそのようなおもてなしをする方は少数でしょう。
多くの方がお誕生日の料理でおもてなしをしているかと思います。
参列者が多い場合、宅配のピザやお寿司などを用意すれば準備もしなくて良いので簡単です。
まだ初誕生日の赤ちゃんは離乳食の時期ですから、参列してくれる人たちが喜ぶ料理が良いでしょう。
ケーキもまだ赤ちゃんには食べさせられないかと思いますので、シンプルなパンケーキにヨーグルトや苺を乗せてあげるとお誕生日っぽさが出るのでお勧めです。
他にもフルーツの盛り合わせなどもカラフルで豪華になりますよ。
初誕生日のお祝い金の平均金額は?
初誕生日のお祝いに招かれたらお祝い金はどうしたらいいのでしょうか。
一般的には大体5千円~1万円程の現金を包む方が多いようです。
子供との関係によっても金額は異なり、祖父母の場合は1~2万円、叔父叔母の場合は1万円(未婚の場合などは5千円)、友人ならば5千円が相場のようです。
もし初誕生日のお祝いの場所がレストランや料亭などの場合は、食事代のことも考慮して1万円以上は包みましょう。
お祝い金の他に品物を贈る場合はプレゼント代と合計して考えても問題ありません。
現金を包む場合は紅白蝶結びの水引ののし袋を選び、表書きは“初誕生御祝”としましょう。
品物を贈る場合は事前に何を贈った方が良いのか子供の両親に聞くのが一番です。
子供はころころと興味の対象が変わりますし、あまり大きい物だと置き場所に困ってしまう場合があります。
サプライズも素敵ですが事前に確認を取っておいた方が無難です。
初誕生日、お勧めのお祝いの仕方!
初誕生日をより特別に記憶に残る物にしたいと考える方もいるでしょう。
思い出に残る色々なお祝いの仕方があります。
最近では赤ちゃんでも食べられるケーキを赤ちゃんだけで好きなように食べている様子を写真や動画で収めるのも流行っているようです。
顔も床もぐちゃぐちゃにはなりますが、一生懸命食べている姿は可愛らしく、記念になるのですね。
他にも定番の手形や足形は大きくなるにつれて成長の具合が分かるのでお勧めですよ。
毎年の誕生日に手形や足形をとれば成長の度合いが分かりやすいので「こんなに大きくなったのだな」と感慨深い気持ちになれます。
他には寝相アートというものもあります。
寝相アートとは寝ている子供の周りに色々と飾り付けをして写真に残すものです。
子供が寝ている間に準備できるので忙しくても簡単にできますし、誕生日仕様の飾りの中で眠っている赤ちゃんの映像は良い記念となることでしょう。
まとめ
初誕生日は子供にとっても両親や周りの人たちにとっても特別なものですよね。
1歳はまだまだ赤ちゃんですが、産まれてから確実に出来ることが増えてぐんと成長している時期でもあります。
これからも健やかに元気よく成長してほしいという願いを込めて盛大にお祝いするのも良い記念となるでしょう。
1歳のおめでたい初誕生日を楽しんでお祝いしてあげて下さいね。