人生にお祝いをする機会は数多くありますが、中々巡り会う機会がないのが受章・受勲のお祝いでしょう。
まず受章と受勲の正しい意味からわかっていないと、ちゃんとお祝いをしてあげることも難しいですね。
今回は受章・受勲のお祝いについて解説します。
受章と受勲の正しい意味だけでなく、お祝い金を差し上げるときの注意点、お祝いに贈るならどんな品がふさわしいのか、
受章・受勲のお祝いのパーティに出席するときの心構え、など詳しく説明しますから、きっと役にたちますよ。
受章・受勲の意味!何を受けるのか
勲章、褒章を受けることを受章といいます。
受勲という言葉は勲章を受けるときだけに使われるようです。
勲章という言葉は知っていても、実際はどんなものか見たことがない人がほとんどでしょう。
勲章は個人や団体の功績や活躍を称え、世の中に広く知らせるために、国家が出すものです。
勲章とよく似た褒章というものもあります。
勲章の勲には、国や主君のために尽くした手柄という意味があり、褒章の褒には、ほめる、称えるという意味があります。
勲章は長年の功績を称える意味合いが強く、おおむね70歳以上の人が対象ですが、褒章は功績の年月に関係がないため、
様々な年代の人が対象になるという特徴があります。
ところで「じゅしょう」と聞いたときに、多くの人が思い出すのは、「受賞」の方でしょう。
賞は勲章や褒章と同じ目的・個人や団体の功績や活躍を称え、世の中に知らせるために出されるものです。
ですが賞を出すのは、勲章や褒章と違い、組織、企業など様々な団体です。
政府の関連機関、または政府そのものが賞を出すこともあります。
ノーベル賞やピューリッツァー賞はよく知られている賞ですね。
また学校などでも、子どもたちのやる気を出すために、賞を出しています。
賞は様々な機会、場所で出されていて、私たちの生活に密着していることがわかります。
よく授賞式、と書いてあるのを見たことがある人もいるでしょう。
これは授ける側(つまり賞を出す側)からの言葉で、授賞は賞を授ける、という意味です。
また勲章に関しては、叙勲という言葉の方をよく聞くかも知れませんが、これは勲章を授けるという意味になります。
だから叙勲のお祝いなどというのは、ちょっとおかしな使い方になります。
「受章」、「受賞」、「授賞」はみな使うべきときが違うのに、読んだときの音は同じです。とても紛らわしいので注意してくださいね。
受章・受勲のお祝い!その前にすることとは?
国がその人の功績を認めて、勲章や褒章を出してくれるのですから、ぜひ周りの人はそれをお祝いしてあげたいですね。
勲章、褒章ともにいくつかの種類があります。それぞれ貢献した分野によって種類が分かれ、勲章の場合はランクがあります。
例えば、横山大観のように有名な画家なら文化勲章を受章することがあるでしょう。
長年活躍している俳優さんなら、紫綬褒章を受章するでしょうし、長年地域の子どもたちのために、
民生・児童委員をしている方なら、藍綬褒章を受章するでしょう。
どんな勲章や褒章を受けるかで、その人がどの分野で称えられているのかがわかります。
現在はネットを使って、勲章や褒章の種類や意味を調べることができます。
その人がどのような活動をしていたのか、そしてどのような勲章や褒章を受けるのか、お祝いをする前によく調べておくとよいでしょう。
そうすれば、お祝いの言葉をかけるときにも、的外れになることがないでしょうし、お祝いを渡すときの間違いもなくなるのではないでしょうか。
勲章や褒章の名前を間違うのも、自分が気まずいだけではなく、相手にとっても失礼にあたりますから、ぜひ事前に調べておいてください。
心を込めたお祝いをするときには、下準備が大切になるのです。
受章・受勲のお祝いに、お祝い金を差し上げるときの注意!
それでは実際にお祝いの気持ちをどうやって示せばよいのでしょうか。
まず考えられるのは、お祝い金を渡すことです。
お祝い用の祝儀袋は、蝶結びののしが付いたものを選んでください。
蝶結びののしは、何度でも結び直しができることから、
何度あってもよいこと(例えば出産祝)などに使われます。
受章・受勲のお祝いの相場は5000円からとなっていますが、
お祝いする相手が肉親の場合は、もっと金額が大きくなります。
包む金額によっては祝儀袋を変えましょう。
金額が大きいほど祝儀袋も値段の高いしっかりしたものを使う必要があります。
祝儀袋のパッケージには、いくらぐらいの金額を入れるのに適しているかが記入されていますから、参考にするとよいでしょう。
表書きは「御祝い」でよいでしょう。
「御受章御祝い」でもよいですが、「受章」の字を間違えないように気を付けてください。
「受賞」や「授賞」ではありませんよ。
もしお祝いのパーティに参加する場合は、結婚披露宴と同じように受章・受勲のお祝いとして、お祝い金を持参するようにしてください。
滅多にない!受章・受勲のお祝いパーティ!服装はどうする?
受章・受勲のお祝いのパーティに出席するとき、滅多にない機会で色々と戸惑うことが多いでしょう。
まず服装に頭を悩ます人が多いかも知れませんね。
そんなときは落ち着いて、パーティの主催者が誰なのかを確かめてください。
受章・受勲の当事者が主催者なら、感謝の集いのような内容になることが多いため、出席者も親族や親しい友人が多くなります。
このため受章・受勲の当事者の方よりもあらたまらないように、出席者は略礼装で臨むことがよいでしょう。
発起人を立ててパーティを行うときは、組織や企業で行うことが多いため、ホテルなどの大きな会場で行うことになります。
この場合、服装も改まる必要が出てきます。フォーマル度が高くなるといってもよいでしょう。
受章・受勲の当事者の方は、正礼装で出席すると思われますから、パーティの出席者は準礼装が必要になります。
正礼装、準礼装の場合は昼と夜では服装が違います。
パーティの主催者が誰であるかとともに、パーティが行われる時間も服装を決めるための大切な要素になります。
この正礼装、準礼装、略礼装の3つは覚えておくと、どんな服装でパーティに参加したらよいのか悩んだ場合、
ほかの出席者と相談したり、主催者に問い合わせをしたりするとき、また衣裳を新調するときに役に立ちます。
正礼装は最も格の高い礼装で、その場の主役が着用します。
昼の集まりの場合は、ワンピースで、スカート丈はロングが正式です。
準礼装はワンピースやアンサンブル、ツーピース、セパレーツなど、正礼装よりは制約もなく自由な服装が楽しめます。
スカート丈は膝丈よりも長めがよいでしょう。
このとき、柄物よりも無地の方が格上になりますので、覚えておいてください。
略礼装はドレッシーなワンピースやアンサンブル、ツーピースなど、カジュアルになりすぎないように注意して選びましょう。
友人や会社の同僚の結婚式などに出席するなら、略礼装でよいでしょう。
また招待状に、平服でおいでください、とことわり書きがあるときは略礼装で出席してください。
男性の場合にも、正礼装、準礼装、略礼装の違いがありますから、服装は出席する集まりによって変化させることが必要になります。
例えば男性の正礼装は、昼はモーニングコートで、夜は燕尾服になります。
直接お祝いに行けない!そんなときはお祝いの品を贈りたい!
お祝いのパーティに行くのではなく、あくまで個人的にお祝いをする人、直接お祝いに伺えない人は、お祝いの品を贈りましょう。
一般的なお祝いの品は、花束やお酒類ですが、花束や鉢植えは皆が贈るため、重なってしまうことが多いようです。
またお酒類も、本人は飲まない場合があります。
お祝いに使える鯛や伊勢海老などは気分が盛り上がるものですが、これも好き嫌いがある場合や、食べきれない場合がないとはいえません。
いずれの場合も、1度ご家族や自分と同じような立場でお祝いをする人たちに連絡をとって、何を持参すれば邪魔にならないか、相談できるとよいですね。
受章・受勲というのは、人生に1度あるかないかという滅多にない機会ですから、ずっと使ってもらえる記念の品を贈るのもよいですね。
万年筆や卓上で使える置き時計など、小さくても趣味のよいものを選びましょう。
特に万年筆は使ってもらうことで、その人の癖が染み付いて唯一のものに育っていくため、受章・受勲のお祝いの品としてはお勧めです。
(ただしお祝いする相手が自分より目上の人の場合は、万年筆を贈ることがタブーになる場合があります。
相手が目上の人の場合は、手紙などを添えて、失礼のないようにする必要があります)
趣味に自信がない、という人は予算だけを決めて、カタログギフトを利用するのも1つの方法です。
きっとその人の趣味にあった物を選んでもらえるでしょう。
まとめ
今回は受章・受勲のお祝いについて解説しました。
受章・受勲という言葉の意味から、日本の勲章・褒章について、お祝いを差し上げるときの注意についてまで詳しく説明しましたので、
きっと役に立つことでしょう。
受章・受勲は滅多にない機会ですから、お祝いされる側だけでなく、お祝いする側にとっても価値ある経験になります。
色々と悩むこともあるでしょうが、お祝いする気持ちというのはどんなときでも同じはずです。
そのことを忘れずに、またとない機会を楽しむつもりで、受章・受勲のお祝いをしてあげてください。