衣替えという習慣があることは、誰でも知っているでしょう。
でも、制服がある職業の人でなければ、自分には関係ないと思っている人も多いかもしれませんね。
また、いざ衣替えをしようとしても、まだ寒い、暑いなどで二の足を踏むことも多いですね。本当に衣替えは必要な習慣なのでしょうか。
今回は衣替えがいつから行われているのかをお知らせします。
実は歴史のある習慣で、日本人である私たちには必要なことがよくわかります。
衣替えの時期やリスクを避けるコツ、清潔に衣類をしまう方法なども紹介しますから、きっと役に立ちますよ。
長い歴史!衣替えはいつから行われている?
衣替えは、平安時代の宮中で始まりました。宮中では更衣と呼んだため、民間では衣替えと呼びました。江戸時代になると幕府は、出仕する武士たちに対して、年4回の衣替えを制度化しました。
年に4回は多いなと感じる人もいるでしょうが、日本には四季があるため、多くの人々に衣替えは受け入れられました。武士だけでなく、一般の庶民も衣替えは年に4回だったようです。
明治時代に入ると役人、軍人、警察官が洋服を着るようになりました。そして6月1日に夏服、10月1日に冬服に着替えることが決まりました。これが衣替えとして最初に学生の間に浸透して、次第に一般的になっていきました。
江戸時代に比べると、回数は減りましたが、衣替えはどうして必要なのか疑問に感じている人も多いでしょう。でも、衣替えにはちゃんと意味があるのです。
衣替えのコツは移行期間!季節に合った服を着る!
衣替えには、季節に合った服を着て快適に生活するという目的があります。
現在の衣替えは明治時代と同じで、6月1日と10月1日です。どちらの衣替えも、まだ寒い、暑いというリスクがあることが多いです。
そのため、衣替えには2週間から1カ月の移行期間が設けられています。この期間内は気候によって、自分で衣服を調節してもよいので、1つの場所に夏服と冬服(場合によっては合服)の両方の人がいる場合があります。
この期間中に天候の様子を見ながら、次の季節の服に替えていくと、無理なく衣替えができるでしょう。
制服ではない人も、自分で移行期間を設けると、えらぶ洋服が気候に合わないで寒い、または暑いというリスクを避けられます。
移行期間中には、1日の最高気温と最低気温に注意しましょう。
気温22度は半袖と長袖の分かれめといわれているので、1週間の中で最高気温が22度をこえる日が多くなったら、半袖の服を用意するとよいでしょう。逆に最高気温が15℃を下回る日が増えると、冬服の出番がやってきます。
1日の最低気温を知ることで、半袖を着て出かける日でも、上着を用意する必要があるかどうかを判断できます。昼間は半袖で快適だったけど、夜は寒くてカゼをひきそうになったということを避けられますから、最低気温もぜひチェックしてください。
最近は天気予報でも、1週間を通しての最高と最低気温を知ることができますし、その日の服装についてもアドバイスをしてくれますから、衣替えの参考にできますよ。
また、日本の気候は地域によって、冷涼だったり温暖だったりするため、衣替えも時期がずれています。例えば北海道なら6月15日と9月15日、九州の南端から台湾の北東までの南西諸島なら5月1日と11月1日が衣替えです。衣替えは私たちに無理じいをするのではなく、季節に合った服を着て、快適に生活するためにあることがよくわかりますね。
まだある!衣替えの目的!清潔な服を収納するため!
衣替えの目的として、忘れてはいけないのが、季節外の服を清潔にしてしまうということです。これを怠ると、次に着るときに白い服が黄ばんでいたり、材質によっては虫に食われたりします。
結果として、服がムダになることもある大きなリスクになるので、服をしまうときには十分に注意することが必要です。
洗濯をして時間がたった服をそのまましまうのは、とても危険です。
洗濯で落としきれていなかった、見えない汚れが酸化することで黄ばみとなって現われることがあるからです。
汚れをしっかりと落とすことが黄ばみを防ぐだけでなく、虫食いも防いでくれます。服をしまう前には、もう1度洗濯をすることをおすすめします。
襟ぐりや袖口など、汚れの残りやすいところに注意をして、場合によっては液体酸素系漂白剤(色柄物にも使えます。塩素系は使えないので、注意してください)を洗剤と併用することや、つけ置き洗いなどをしてください。
そしてさらにしまう服にアイロンをかけると、虫食いの被害を防げます。アイロンの熱で、洗濯をしても服に残っている幼虫や卵は死んでしまいます。
スチームとドライ、どちらのアイロンを使うか迷ってしまいそうですが、スチームアイロンの蒸気には、殺菌・消臭・防虫の効果が期待できます。また、ウールなど直接アイロンを当てられない服にも、浮かして使うことができるので、安心です。
一方、ドライアイロンは、綿や麻に向いています。服の素材によってアイロンを使い分けてください。
スチームアイロンをかけた服は、シワを防ぐためにハンガーにかけるなどして置いておき、水分がとんでからしまってください。
服を食べる虫が卵を産むのは、5月のゴールデンウィークの頃です。6月に衣替えがあるのは、理にかなったことですね。
なお、酸素系漂白剤やアイロンを使う前には、服についている洗濯表示のタグをよく見てからにしてください。
衣替えがきっかけになる!服の総点検!
毎日の着替えのついでに見るのとは違い、衣替えのときに見ると、もう着なくなった服がよくわかります。
衣替えは服の総点検をするよい機会です。着なくなった服は処分して、収納スペースに余裕を持たせましょう。
無理をして収納スペースに服を詰め込みすぎると、見た目が悪いだけではなく、出し入れがしにくいため、結局どの服も着なくなり、収納スペースはパンパンなのに、着る服がないという不思議な状況に陥ります。
また、ぎゅうぎゅう詰めの状態では、収納スペースの中の空気が滞ってしまいます。
これが湿気やカビの原因になり、せっかく防虫剤を入れても虫に食われてしまうという結果を招きます。
収納ケースなどに入れた衣類に防虫剤を使うときは、衣類の上に置いてください。防虫成分は空気より重いので、衣類の上に置くことで、下の方までまんべんなく行き渡るそうです。
処分する対象になるのは、毎日着ているときには気付かない劣化がある服です。
色があせている、布地が毛羽立ったり、擦れたり、薄くなったりしている、ボタンが取れているのに、付け直していないなどは劣化の証明です。
ボタンを付け直していないのは、自分でももうこの服は着ないとわかっている証拠です。
着るつもりなら、ボタンの1つくらいはなんとかつけるはずです。
また、もう少し痩せたら着る予定の服も、処分の対象です。
たとえ痩せたとしても、体形は年々変わっていくため、その服が入るようになる保証はありません。また、人の好みも変わるため、痩せたときにはもっと別の服が着たくなるかもしれません。
実は長い目で見ると服も消耗品です。衣替えで、十分に働いてくれた服は処分して、残った服が全力で活躍できるようにしてあげましょう。
衣替えの仕上げ!収納方法を見直そう!
収納スペースに余裕ができたら、収納方法も見直しましょう。
引き出しの中の服は重ねてしまわずに、立てると取り出しやすくて機能的です。
服を重ねると、下になった服が見えず、同じ服ばかりを着るため、劣化を招いてしまいます。立てて収納することで、引き出しを開けるとすべての服が見えるので、どの服もまんべんなく活躍するようになるでしょう。
毎日の生活の中で、洋服の収納スペースが乱雑になったり、服が増え過ぎて使いにくくなるのは仕方のないことです。
でも、衣替えがそんな普段の生活のリセットをする機会になってくれます。朝から気持ちよく着替えができれば、1日よい気分で過ごせます。
まとめ
今回は衣替えがいつから行われているのかをお知らせするとともに、衣替えの時期やリスクを避けるコツ、清潔な衣類のしまい方についても紹介しました。季節に合った服を着て健康的に生活するために、衣替えは必要な習慣だということがよくわかりました。
また、衣類の点検をして気持ちよく生活するために、衣替えが大切な役割を果たしています。
衣替えの意味や目的がわかって、やる気になった人も多いでしょう。これからも、衣替えの習慣を大切にしてください。
衣替えをすることで、寒い、暑いなどのストレスが減り、毎朝の着替えがスムーズになると、生活が気持ちよく変化をします。衣替えで、確かに生活は変わるのです。