社交の場と聞くと、何か身構えたくなってきますが、パーティならどうでしょうか。私たちの間に定着したように思えるパーティですが、パーティに関する言葉のすべてをみなが理解しているわけではないようです。
パーティに関する言葉というのは、そのパーティがどんなスタイルで行われるのかを示しているので、ちゃんと覚えておくとパーティに出席するときの心構えができるようになります。
心構えができれば、自信をもってパーティに出席できるようになり、社交の場が広がります。今回はパーティに関する用語について解説します。
よく聞くビュッフェの本当の意味!カクテルパーティとの共通点は?
特にパーティでないときもよく聞くのが「ビュッフェ」という言葉です。これは飾り棚という意味のフランス語で、飾り棚から自由に料理を取る形式の立食パーティを行ったことが由来となっています。「バイキング」と混同されることもあるようですが、バイキングの名称は、昭和になってから日本で付けられたものです。ビュッフェは伝統あるパーティのスタイルとして、国際的にも認められています。
現在ではメインテーブルに用意された料理を各自で取り分け、なおかつ立食形式の食事をビュッフェスタイルと呼びますが、セルフサービスで料理を取り分けることそのものを、立食形式でなくてもビュッフェスタイルと呼ぶ場合があります。
給仕人が料理を出すランチやディナーに比べて、ビュッフェは気軽なパーティということができます。気軽といっても、マナーはきちんと存在しますから、注意が必要です。料理を取る順番はコース料理と同じで、前菜・メイン・デザートの順になります。
ビュッフェでは、使った皿の数が多いほどマナーがよいとされています。前菜からデザートまで同じ皿を使うことがないようにしましょう。冷たい料理から温かい料理に移るとき、料理のソースが混ざりそうなとき、次の料理を取りに行くときも皿を取り替えましょう。また立食形式では、皿やグラスの持ちすぎには注意しましょう。特に両手に皿を持って歩いてはいけません。
立食形式のパーティといえば、カクテルパーティも忘れてはいけませんね。これは前菜程度の軽い食事とカクテルを出す立食形式のパーティです。夕方早い5時半から6時頃に始まり、時間内ならいつ退席しても構わないので、自分が好きなだけ出席することができます。
ディナーの前に行われることも多いため、フォーマルな服装で出席する人もいますが、仕事をしているときの服にジャケットを羽織った、という感じの服装で出席する人もいます。
正式なパーティはこの2つ!「ランチョン」と「ディナー」!
「ランチョン」は意味としては昼食のことです。昼食ならランチではないかと思うかも知れませんが、ランチよりもランチョンは格式があるため、パーティの場合なら、正式に座って昼食を取るパーティを意味しています。格式がありますが、ディナーよりは気軽な集まりとなるため、服装はセミフォーマルで十分です。
ランチョンは正午、または午後1時から始まることが多いようです。海外ではこのランチョンをガーデンパーティにすることもあります。自然の中での優雅な昼食は、アウトドアのときとはまた別の楽しさが感じられます。
「ディナー」というのは1日の中で最も正式な食事という意味で、大体夕食のことを指します。パーティでディナーといえば、最も格が高いものになるわけです。
夕方6時から7時過ぎに始まることが多く、食事はフルコースが提供されますから、テーブルマナーのおさらいをしておく必要があります。服装も招待者からドレスコードが指定されることもあり、フォーマルな装いが要求されます。
正式なパーティとされ、着席して臨むことが決まっているのは、基本的にはランチョンとディナーの2つです。
正式なパーティがわかりやすい名前を持っているのは、何だか意外な感じがしますね。
知らなかった!レセプションの意味は歓迎!
最近よく聞くのが「レセプション」です。言葉としての意味は歓迎会、招待会、またホテルの受付などです。全く違う意味のように思えますが、これはレセプションの語源が「受け取る」という意味の動詞だったからです。
ここから、相手の気持ちを受け取ることという意味のレセプションという名詞が生まれました。相手の気持ちを受け取ることが歓迎という意味に発展しました。受付も最初に歓迎する場所であるために、レセプションの意味の1つになったと考えられます。
パーティとしてのレセプションは、ビジネスシーンで行われることが多く、その場合は立食形式のパーティであることがほとんどです。
レセプションの目的は新製品の発表、プレスリリースなどから、創立記念などまで多岐に渡っているので、どんな服装をすればよいかが違ってきますから、出席するレセプションによって、自分で注意する必要があります。
会社の創立記念パーティなら、フォーマルな服装を心がけた方がよいのはいうまでもありません。立食形式であることを活かして、様々な人とコミュニケーションを取ることができますから、人脈を広げるためにレセプションは最適です。ビジネスには役に立つので、積極的に出席するよう心がけたいのがレセプションです。
女性に人気?ティーパーティに出席するなら、ココに注意!
ティーパーティは、お茶会のことです。お茶と軽食が出るティーパーティは、女性が参加することが多く、午後3時頃から始まります。
もともとイギリスにはアフタヌーンティーという、紅茶と軽食や菓子を楽しむ習慣がありました。上流階級の社交の場として知られていましたが、現在のイギリスでは上流階級だけでなく、誰もが楽しむ習慣になっています。この習慣がイギリスの植民地だったアメリカなどに伝わり、各地にティーパーティが広まったのではないかと思われます。
気軽にお茶を楽しむ集まりのため、服装やマナーに厳しい決まりがあるわけではありませんが、せっかく招待されたのですから、あまりカジュアル過ぎない装いを心がけたいですね。
また振る舞われる紅茶や焼き菓子には、招待する側のセンスがにじみ出るものです。カップの色や柄、紅茶の香り、焼き菓子が手作りかどうかなど、細やかな心遣いを十分に味わい、ゆったりとしたひと時を過ごしてください。
実は伝統的?ガーデンパーティで注意するのは天候の変化!
ちょっとおしゃれな響きを感じるガーデンパーティですが、実は昔から私たちもよく耳にしている園遊会のことです。
これも発祥はイギリスで、19世紀後半にビクトリア女王の誕生日を祝うために始まりました。日本では明治に入ってから、始めて西洋風のガーデンパーティが行われるようになりました。現在は家にお客様を招きたい場合も、よい季節ならガーデンパーティを行いますし、結婚披露宴にも取り入れられています。
かつてガーデンパーティは上流階級で行われるもので、飲食するだけでなく、女性も参加できるスポーツを行ったり、庭に大きなテントを張ったり、音楽隊を呼んだりと趣向を凝らしたそうです。
もしガーデンパーティに出席するなら、天候の変化に対応できる工夫をしてください。急な温度変化に対応できるように、脱ぎ着が簡単な上着を着用するとよいでしょう。
またガーデンパーティでは、庭園の美しさもおもてなしの1つですから、それをしっかりと味わいましょう。現在ではカジュアルな印象が強いかも知れませんが、立食パーティであってもやはりマナーはあります。ビュッフェスタイルのところで紹介したマナーを参考にしてください。
まとめ
今回はパーティ用語について解説しました。よく聞く言葉だけれど、意味が今ひとつわからないと思っていた人は、スッキリしたのではないでしょうか。
立食形式が多い、ビュッフェやカクテルパーティ、正式なのはランチョンとディナー、ビジネスシーンでよく行われるレセプション、優雅なお茶会はティーパーティ、園遊会のもとになったガーデンパーティ、わかってしまうと意外に簡単で、招待されるときもどんな集まりかあらかじめわかるので、心構えもできますね。
パーティは社交の場、と聞くと何か特別感がありますが、実は社交というのは、人と人の付き合いのことです。
人は生きている限り人と付き合わないわけにはいきません。どうせ付き合うなら余裕を持って楽しく付き合いたいものです。
パーティ用語の意味がわかっているか、いないかは、ほんの小さなことですが、この小さなことが余裕を生み出して、社交の場を楽しくしてくれるかも知れませんよ。