普段占いを本気で信じているという人は、そんなに多くはいないでしょう。
本気ではないけれど、今日はラッキーといわれれば気分がよいし、今日の運勢は最悪、といわれれば用心しようかという気持ちになるのではないでしょうか。
世の中にはさまざまな占いがありますが、誰でも知っている生まれ年の十二支は占いにおいて大切な役割を持っています。
一体十二支にはどんな意味があるのか、きちんと知ることで占いは単なるオカルトのような存在から、人生のナビへと進化していきます。
今回は十二支が、本当はどんなもので、占いではどんな意味を持つのかを詳しく解説していきます。
「十干十二支」の本当の意味!占いに結び付いたわけとは
誰でも知っている十二支は、年を表す動物のことではありません。
もともと古代中国で、年を数えるために考え出された、数字を意味する言葉でした。
古代中国の王充という人が、字が読めない人にもわかるようにと、子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥に動物を当てはめたのです。
十二支は年を数えるためのものでしたが、日を数えるためには、十干がありました。
甲乙丙丁戊己庚辛壬癸が十干で、1か月を10日ごとに区切って1単位としました。
人々は農作業をするために十干と十二支を組み合わせて使い、季節を先取りすることに役立てたのです。
十干の干は木の幹、十二支の支は木の枝を意味していて、十干と十二支は切っても切れない関係であることを表しています。
干支とは、もともとは十干十二支のことだったのです。
季節の変化で作物が成長したり、枯れてしまったりすることで人々は命を持つものの未来が、太陽が与えるエネルギーの変化で予測できると考えたのでしょう。
十干十二支はもともと中国にあった陰陽五行説と結び付いて、四柱推命や算命学などの占いに欠かせないものになりました。
この世の全てのものは陰陽、そして木火土金水の性質があると考えるのが陰陽五行説です。
木は火にくべられると、よく燃えて炎の勢いをよくしますが、全て燃えると灰が残って土に変わります。
このように木火土金水の性質は全てお互いに関係しあって、この世の中を作っています。
この陰陽、木火土金水の性質に十干十二支を当てはめて考えることで、その人本来の性質や、他人との関係をどうやって結べばよいのか、どう行動したらよいのかがわかります。
十二支だけで考えると、自分の生まれた十二支が巡ってくるのは12年に1度ですが、十干と十二支が組み合わさると、自分の干支が巡ってくるのは60年に1度です。
十干十二支を使って占う方が、より詳しい情報が手に入るのです。
十干と十二支全ての組み合わせが、60では少なすぎると思われるかもしれませんが、陽の干と支、陰の干と支が結び付くという法則があるために、十干十二支は60通りあるといわれています。
動物のイメージに左右されないで!本当の自分の性質を知るために!
現在では干支による占いというと、十二支に当てはめられた動物のイメージで、その人がどんな人かを明らかにするものが多いようです。
確かにかわいらしいうさぎと辰年の龍ではずいぶんとイメージが違います。
動物は十二支を覚えやすくするためのものなので、その動物のイメージだけにこだわっていると、大切な情報を受け取りそこねてしまいます。
もちろん、動物たちが十二支に使われるようになるには、おめでたい由来がありました。
それを調べるのは楽しいことですが、自分の人生を豊かにする占いのために、十二支の性質を知りたいなら、自分の十二支が陰陽五行説でのどの性質を持っているのかを、調べたほうが役に立ちます。
例えば辰年の龍は、伝説上のおめでたい生き物だから十二支に選ばれた、という由来があります。
古代の中国では、龍は権力者の象徴だったそうですが、今でもその名残は十分にありますね。
一方十二支の辰は、陰陽五行説では春の土の性質を持っています。
保守的な面がありますが、人との関わりを大切にする性質です。
火の性質を持つ十二支からはエネルギーを与えられますが、金の性質を持つ十二支にはエネルギーを与えることが可能です。
もし自分が辰年の生まれなら、この時点で、だから自分は彼から学ぶことが多いのだとか、彼女から頼られるのはこんなわけがあったのだと気付かされるはずです。
自分の人間関係が、なぜ今の状態になっているのかが理解できるのです。
自分の十二支の動物を大切に思うのはよいことです。
特にお正月には、十二支でおめでたい気分が盛り上がりますが、四柱推命や算命学で使う十干十二支とはわけて考えた方がよいでしょう。
「十干十二支」は変化する!四柱推命も算命学も難しくて、面白い!
十干十二支を用いる四柱推命や算命学では、十干どうし、十二支どうしが出会うことで、性質が変わり、人生の思わぬ動きを教えてくれます。
自分の干支は一生かわることがなくても、自分がいる場所や時間、出会う人によって運勢は変わっていくことを、私たちは自分でわかっているはずです。
自分でも考えることはありませんか?『あのとき、あそこに行かなかったら…』『あのとき、あの人と付き合わなかったら…』これは、自分が行く場所や時間、出会う人によって十干十二支がであい、変化をしたために人生が変わったということなのです。
では、十干十二支は、どのように変わっていくのかを少し説明します。
十干における陰の性質であるものと、陽の性質のものが結び付くことを、干合といいます。
例えば木の性質の甲と土の性質の己が出会うと、本来は木の性質が土のエネルギーを吸い取ってしまいます。
これを相克の関係といいますが、甲と己に限っては、干合が起こるために相克の関係にはなりません。
2つの性質が合わさることで、土の性質に変化するのです。
干合の結びつきはとても強いので、他人と強く結び付き、協力できるように変化します。
干合のように十二支にも支合という関係があります。
子と丑のように違う性質を持つ2種類の十二支が結び付くと、性質が変化します。
子は水の性質、丑は土の性質で本来は相克の関係ですが、支合すると土の性質に変化します。
支合も干合のように強い結び付きを表します。
3種類の十二支が結び付く場合もあります。
これを三合といいます。
必ず土の性質を持つ十二支が入っているのが特徴です。
相手の十二支と自分の十二支が三合している場合は、強い縁が生じるそうです。
生まれた年、月、日のそれぞれに十二支がありますから、自分自身でも三合を持っている場合があります。
この場合の三合は、人生を突き進む上での強さです。
十干十二支は他人との関わりだけでなく、自分の状況も教えてくれるわけです。
また十二支は、方角を表す関係から、季節で分類されます。
同じ季節どうしの十二支が結び付くことを方合といい、やはり3つの十二支が結び付きます。
例えば春に分類されるのは、寅、卯、辰です。
方合で結び付いた3つの十二支は強い力を発揮します。
十干十二支には干合、支合、方合と3つも変化があり、性質も変わってしまうのは、難しいと感じるかもしれません。
しかし、この変化があるからこそ、四柱推命や算命学は、刻一刻と変化していく人生に対応できる、生きた占いということになります。
これらの占いでは、あなたの十二支はこれだから、こうなるといった決めつけをしません。
片方がもう片方のエネルギーを吸い取ってしまう、相克の関係は普通悪い関係ということにされてしまいがちですが、それが状況によっては、別の新しい関係に生まれ変わる可能性があります。
逆に干合によって強い結び付きができたとしても、状況によってはその結び付きが悪い方向に行ってしうこともあります。
どちらの場合も隠さずに教えてくれるのが今回紹介した四柱推命や算命学なのです。
よく妄信的に占いに頼ってしまう人がいますが、このような占いなら、ものの見方が偏ることはないでしょう。
どんなことにもよい面だけ、悪い面だけということではありません。
そのどちらも見るように促してくれるのが、四柱推命や算命学なのです。
まとめ
今回は十干十二支を使った占いについて解説しました。
十二支は、本当は年を数えるためのもので、十干と一緒に使う十干十二支だということを初めて知った人もいたのではないでしょうか。
空を見て年月を数えることを知った昔の人が、太陽や月の動きから人生を予測しようとしたことには、感心させられます。
そんな昔の人たちの知恵の結晶である十干十二支について、少しでもお知らせできたなら幸いです。
今でも十二支は私たちの生活に根付いていますが、実は十干も忘れられてしまったわけではありません。
丙午という年の迷信をご存じですか?丙午の年に生まれた女性は気が強く、男性を食ってしまう(つまり男性が女性にダメにされてしまう)といわれていました。
丙午の女性と結婚すると、男性は早死するとまでいわれていたのです。
もうすっかり迷信などなくなったと思われた1966年は丙午の年でした。
出生率はガクンと減り、前後の学年と比べると、学校でのクラス数も少なくなりました。
忘れたと思ってもまだまだ根付いている、十干十二支にはやはりそれだけ価値があります。
十干十二支について、もっと知りたくなった人も多いでしょう。
ぜひ、「十干十二支」で検索してみてくださいね。