川越祭とは、川越氷川神社で行われる氷川祭の山車行事のことですが、どんな目的でいつ行われているお祭りなのでしょうか。
無形文化財にも指定されている山車は、江戸の風情を現在に伝えるものといわれる川越祭りで使われるもの。また江戸の天下流を川越でアレンジし発展したといわれる点も気になりますね。ここでは川越祭りの由来や、見どころをご紹介すると同時にお祭りを見るポイントとなる山車についてもご紹介します。
川越祭りとは
川越祭りとは一体どんなお祭りなのでしょうか。
川越というと埼玉県川越市を思い浮かべますが、お芋ではなくてお祭り?歴史はあるの?など疑問がわいてきます。ここでは川越祭りの起源と目的についてみていきます。
川越祭りは、江戸の神田明神で行われていた天下祭の影響を受け、当時の様式を現在に伝えるとても珍しく貴重な『都市型祭礼』です。
もちろん、川越独特の変化が加わり発展したもので、2005年、平成17年に川越氷川神社の山車行事として国の指定重要無形民俗文化財になりました。ここでのポイントは山車です。
川越祭りの起源は、10月14日に川越氷川神社が行う、豊作に感謝する例大祭とそのあとに行う祭礼『神幸祭』です。この『神幸祭』で山車が使われていました。1648年当時の川越藩主、松平伊豆守信綱が氷川神社に神輿などを奉納して祭礼を行うことを奨励したことをきっかけに、町内ごとに仮装行列や踊り屋台を出し一気に祭礼が町民に広がっていったのです。
氷川神社の氏子の大手町、喜多町、幸町など13町から14台の豪華な山車が曳きだされます。川越商人の財力が現れた山車ともいわれ、江戸時代から天下祭りより豪華な山車だったと言われています。さらに、新河岸川の水上輸送の発達で川越には江戸の風俗がリアルタイムに伝わってきており、これを氷川神社のお祭りに取り入れていったのが、川越祭りです。
現在の川越祭りは1826年に描かれた『川越氷川祭礼絵巻』を忠実に再現している点で当時の様子がよくわかりる貴重なお祭りです。
それでは、この川越祭りは何のために行われていたお祭りかというと、氷川神社の神様が、お神輿に乗って川越の城下町を巡ることで、地域社会の安泰と繁栄・厄除けを祈願しているといわれています。
川越氷川神社の起源
川越氷川神社は、約1500年の歴史ある神社で、古墳時代の541年に入間川で光るものを氷川神としてお祀りし、創建されたといわれています。また室町時代に、同じく埼玉県の大宮氷川神社から分祀したともいわれています。さらに、室町時代の1457年に大田道真・道灌親子が河越城を築城後は川越氷川神社を守護神、鎮守としてきました。
ただ、残念なことに江戸時代の1638年に河越城とその城下町が大火事で焼失してしまいました。その際に藩主、松平信綱が川越氷川神社を城下町の鎮守と定め現在に至ります。現在の本殿は1842年に作られたもので埼玉県の文化財に指定されています。
川越氷川神社のご祭神は、2組の夫婦紳とその子供の5柱であることと、出雲大社の縁結びの神様といわれる大己貴命(おおなむちのみこと)が祭神に含まれることから、『家族円満の神様』または「縁結びの神様」として有名です。
因みにここでいう縁とは、男女の縁だけでなく、人と人、人とものなどあらゆるものの縁を指します。
境内の玉砂利を持ち帰り大切にすると良縁に恵まれると言い伝えがあることから、玉砂利を麻の網で包んだ『縁結び玉』がおまもりとして、毎朝8時から20体頒布されています。
その他夏限定で、江戸風鈴に木の短冊をつけた『縁結び風鈴』もあり、涼しげな音色で願いの成就を祈願しています。また、毎年神社が創建された10月14日に例大祭と神幸祭りを行っていて、これが川越祭りの起源にです。
山車の種類
川越祭りは、神田明神のお祭りの『江戸の天下祭』の影響を受けていて、豪華な山車に神話や英雄などの人物の人形がのっている『江戸型山車』が使われています。この山車の上部は狭いところや高さ制限のあるところを通れるように上下するせり上がり式の仕掛けが付いています。
山車
氏子の町内から14の山車が出て、川越市内を曳きまわします。山車の前方には必ずお囃子台がありここで、笛と太鼓に合わせて舞と囃子を披露します。
山車の大きさは、横3m超・縦4m超・高さ8m超、重さが5〜6トンです。大体横が軽自動車2台分、縦が普通自動車、高さが、軽自動車4台分以上ですね。すごく大きいということが分かります。
山車は披露するお囃子により3つの流派に分かれます。王蔵流、芝金杉流、堤崎流がメインの流派。山車の変化に応じてお囃子も変化しました。
さて、山車の見どころは、曳っかわせ。これは、山車が市内を回っているときに他の町内の山車と出会ったときに山車の前を歩く囃子や提燈を持った人たちが競い合うもので、この曳っかわせに勝ち負けはありません。それでも、お囃子の声で競い合う曳っかわせは夕方6時30分から9時ごろまで市内の交差点で繰り広げられ、迫力満点です。
川越の見どころ
川越は、蔵のまち、小江戸などと呼ばれ独特の雰囲気のある街です。鉄道の駅からは少し離れますが川越は、こちらの蔵の町が本当はメインの町です。
駄菓子
昔ながらの駄菓子屋さんがあり、20店位が集まる駄菓子屋横丁では、お好みの駄菓子を購入して楽しむことができます。
サツマイモ
川越はサツマイモ栽培も盛んで、江戸時代後半には『川越いも』として味の良いことから有名になりサツマイモを利用したお菓子が多いのも特徴です。サツマイモそのものが分かる甘露煮やシナモンなどを使ったお菓子があります。蔵の町を散策しながら購入できます。
時の鐘
1日に4回なる時の鐘は、川越のシンボルです。1624年に建立されたのが、明治時代1894年に再建されました。蔵の町を散策していると時の鐘が見えます、自由に見学ができるので足を運んでみるのも良いですね。
お祭りが行われる蔵の町は、川越が大火事になった際に焼け残った蔵と同じ構造の蔵を建てたことでできた街並みですが、これは川越駅周辺の街並みとは違った独特の雰囲気を持った街です。近代的な街並みとこれとは違った町の雰囲気の双方を楽しめるのが川越の特徴といえます。
どこで見たらいいの?アクセスは?
川越祭りは氷川神社の例大祭とその後の『神幸祭』が発達したもののため、氷川神社の他川越市内で見学ができます。ただ、大勢の方が見学に来るお祭りのため、交通規制があります。また、川越駅周辺は発達した街並みが続きますので、駐車場の確保は難しい上に、会場付近は非常に混雑するため、車での移動は注意が必要です。早めの移動が必要です。
そのため、おすすめは、電車利用。車を利用する場合は、隣駅まで車で行き駐車場確保し、電車で1駅移動が確実です。また、せっかくなので早い時間に蔵の町を散策する場合や、氷川神社に行くためには、JR川越駅または西武鉄道の本川越駅から東武バスまたはコミュニティバスに乗ります。
電車でのアクセス
川越は、JR,東武鉄道、西武鉄道が乗り入れる交通の便が良い地域です。利用しやすい鉄道で訪れることができます。
新宿からJR埼京線利用 川越駅まで54分(最短)、東武鉄道利用 川越駅まで47分(最短)
駅からはバスで移動してください10分程度です。
車の場合
関越道川越インターを利用約20分
駐車場
市内にある有料駐車場・コインパーキングを利用:駅周辺に市営駐車場があり200台程度駐車可能ですが、民間の駐車場は大規模なものではないので、コインパーキングの事前予約サービスを利用するなど工夫が必要です。
まとめ
- 川越祭りは、川越氷川神社の例大祭と『神幸祭』が発達した都市型祭礼
- 川越氷川神社は、1500年の歴史を持つ神社で、縁結びで有名
- 川越祭りは、天下祭りの流れをくみ、豪華な山車
- アクセスは、複数の鉄道駅があり、電車が便利
小江戸と言われる川越で行われる川越祭りは、メインとなる夜だけでなく昼間は、蔵の町を散策できます。夜には、山車の曳っかわせを楽しんで下さい。