夏の花と聞くと、真っ先に向日葵(ひまわり)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。太陽の光を受け輝く大きな花が特徴で、花屋の店頭でも年中見掛けます。では、向日葵は一体どんな花なのでしょうか?ここでは、夏の花の代名詞でもある向日葵について、詳しくご紹介します。
向日葵とはどんな花なの?
向日葵(ヒマワリ)とは、キク科に属する一年草です。北アメリカが原産で、黄色の大きな花を咲かせます。日本には17世紀頃に伝わりました。向日葵は比較的強い花で、初心者でも簡単に育てられます。道端などで咲くこともあり、その華やかな見た目で老若男女皆に愛される花です。
キク科の花の特徴に、たくさんの花が集まって一つの花を成形する「頭状花序」というものがありますが、向日葵もそれにあたります。種は1.5センチほどのもので、向日葵の花ひとつあたり5百個から3千個も採れます。
向日葵は、7月20日の誕生花でもあります。
向日葵はどんな意味で付けられた名前なの?
向日葵は、日回り、日輪草(にちりんそう)、日車(ひぐるま)などとも呼ばれています。
その中でも、一番メジャーな呼び名が向日葵です。向日葵と書き、「ひゅうがあおい」とも読みます。
学名は「Helianthus」といい、太陽の花という意味を持ちます。
日本名では向日葵とされていますが、どういった意味でこの名になったのでしょうか?
名付けには、向日葵の花の習性が関係していました。向日葵は日向性であることから日向と呼ばれ、更に太陽に向かい成長する植物の葵と合わせてこの表記になりました。
ひまわりと呼ばれるのは、太陽の動きに合わせて花が回るとされていることからです。この動きは花の成長段階で起こるもので、成長が盛んな一時期だけに見られる現象です。朝は東、夕方は西というように花の位置が変わるのですが、成長しきった花は東を向いて動きません。海外では、サンフラワーともいわれています。
向日葵の季節とは・・・?
花屋の店頭では一年中見掛ける向日葵ですが、一番綺麗に花を咲かせる季節は夏です。
夏から秋に掛けての季節に大きな花を咲かせるのです。夏の花というと、向日葵を思い浮かべる人も多いでしょう。
夏の花といわれているだけあり、温かくならないと発芽しません。一定の温かさが続くことが発芽や開花の条件となってきますので、地域差が出てきます。また、種蒔きをしても天候不良が続く場合、なかなか発芽しないことも考えられます。開花予想が立て辛い花なのです。
日本では、向日葵は8月の花とされていますが、地域によって6月から10月まで長期間に渡り咲きます。西日本では4月頃に撒いたものが7月には咲きます。東日本では、7月中旬から8月頃までに咲きます。北海道では10月に咲くところもあります。冬場に咲く向日葵もあります。それは、「ヒマワリ・バラード」という種類で、5度から10度の気温で開花します。園芸用に作られた改良品種ですので、自生種ではありません。耐寒性があるのですが、夏場でも充分育ちます。
向日葵の花言葉は?
向日葵の花言葉は、「あなただけを見つめる」、「憧れ」です。これは、黄色のベーシックな向日葵の花言葉です。
向日葵にも色が異なる種があり、白い向日葵の花言葉は、「程よい恋愛」ですし、紫の向日葵の花言葉は、「悲哀」です。
また、向日葵にはサイズが様々あり、大輪の向日葵は「偽金持ち」「偽りの愛」、小輪の向日葵は「恋慕」「高貴」という意味があります。
もし、恋人や想い人に贈るのであれば、黄色く小さい花のものが好ましいのかも知れませんね。
向日葵の種類は?
向日葵にも、様々な種類があります。
野生の向日葵は、およそ60種はあるといわれます。2メートルを超える背丈の高いものから、10センチ程度のものまでありますし、花の大きさや色も種類によりそれぞれです。花の形も異なり、花びらが多く八重咲き状態になっているものもあれば、シンプルなものもあります。
- ソラヤ・・・黄色が濃く、上向きの花が咲きます。花首が堅めになっているため、切り花に向いた花です。
- テディ―ベア・・・80センチ程度まで成長するものです。八重咲きで丸くモコモコとした印象の向日葵です。
- マンチキン・・・70センチ程度まで成長するものです。ボリュームのある花で、鮮やかな黄色が印象的です。
- ゴッホのひまわり・・・ゴッホが描いたひまわりのイメージを持つ花です。一重咲き、半八重咲き、八重咲きと様々な花の形があり、花粉が無いのが特徴です。
- グッドスマイル・・・中心が黒く、濃い黄色の花弁で40センチ程に成長します。丈が伸びすぎないため、形が良くまとまります。
- モネのひまわり・・・レモンイエローの花弁で、八重咲き、花粉が無いのが特徴です。切り花でも美しく保てます。
- サンリッチ・・・葉が小さめなので切り花に向いています。花の形、花の色のバランスが良く、美しい種類です。
向日葵の植え方!どうすればいい?
綺麗な向日葵を咲かせるために植え方のコツはあるのでしょうか?
向日葵は比較的簡単に種から育てることができる植物です。向日葵の種蒔きは、4月から6月の春に行います。土に1~2センチの穴を空けて、そこに2~3粒の種を入れます。大きくなるタイプの向日葵は50センチ程度の間隔を開けて種を埋めます。小振りのタイプなら20センチ程度の間隔で構いません。寒さに弱く、20度以上で発芽します。
向日葵の種は日光に当たると芽が出ません。これは嫌光性といわれるものです。向日葵以外にも嫌光性の植物は多いのです。種を蒔いたら、きちんと土を被せて種を隠すことが大切です。
種以外の方法では、苗を手に入れて植えることができます。向日葵は5月から8月頃まで苗が出回ります。葉の色が濃く、健康的な苗を選びましょう。向日葵の根は直根性といい、枝分かれせず真っ直ぐに伸びる性質があります。そのため、根にダメージを与えてしまうと、育たなくなってしまいます。苗を植え変える際には、根をほぐしたりせず極力、直接根を触らないようにしましょう。
種を蒔く場合も、苗を植える場合も、日当たりが良く風通しの良い場所にしましょう。肥料は特に必要ありませんが、気になるようであれば肥料を混ぜた土に植えることも可能です。水はあげすぎに注意しましょう。
大きな花を咲かせるものから、小振りな花をたくさん咲かせるものまでありますので、自分好みの向日葵を育ててみるのも楽しいでしょう。丈が高くなるものは支柱を立ててもあげると失敗無く育ちます。
ヒマワリ油など食用にもされているの?
向日葵は美しい花を観賞するだけのものではありません。向日葵の種は、古くから健康食として食べられています。ヒマワリ油には、不飽和脂肪酸が多く含まれています。
種は炒って殻を剥けば食用にできます。向日葵の種には、リノール酸をはじめ、葉酸、鉄分、ビタミン、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、繊維など様々な栄養素が入っています。栄養価が高いため、世界中でスーパーフード、若返りや長寿のためのスーパーナッツとして食されています。ただ、油分が多くカロリーが高めなので、一度に沢山食べるのは避けた方が良いでしょう。
向日葵の種は生薬でもあり、出血性の下痢治療に用いられていました。
向日葵の種というと、小動物のエサを思い浮かべる人も居るかも知れません。実際にハムスターやリス、小鳥などは向日葵の種を好んで食べます。
また、現在では食用の他にも、油をディーゼル燃料として使う研究も進められています。
向日葵畑は綺麗!圧巻の美しさ!
全国各地に向日葵畑が存在します。
関東では、神奈川県座間市で「ひまわりまつり」が行われています。約55万本もの向日葵が植えられ、見る者を圧巻します。毎年、8月初旬から半ば頃にかけて開催されています。
茨城県筑西市では、「あけのひまわりフェスティバル」が行われます。約100万本も向日葵が植えられているのですが、幾つかの品種が見られます。8月下旬頃が見頃です。
栃木県益子町では、「益子町ひまわり畑」があります。約200万本の向日葵が植えられています。例年、8月初旬から中旬にかけて美しい向日葵畑が見られます。
この他にも、各地でひまわり畑が開かれます。夏休みの思い出作りにいかがでしょうか。
まとめ
向日葵は、北アメリカ原産の花で、16世紀頃にイギリスへ伝わり、その後17世紀に日本へ伝わりました。
様々な種類があり、色も幾つかありますが、人々に元気や活気を与えてくれる黄色やオレンジのものが愛されています。
現在、向日葵は様々な都道府県や市町村の花となっています。比較的育てやすい花なので、自宅で栽培することも可能です。自宅で綺麗に咲かせるには、日当たりが良い場所を選ぶのがポイントです。是非、気軽に挑戦してみて下さい。