幼少期に河原や道端で咲く白い可愛らしい花をつける白詰草に、魅了された経験は誰にでもあるでしょう。
白詰草と言われると、どんな花だったかな?と思ってしまう方もいるかもしれませんが、実は別名をクローバーと言います。
クローバーと聞くと、幸せが来る葉っぱというイメージがありますよね。
そのクローバーに付ける白い花をたくさん結び合わせ、花冠を作ったこともありませんか?
散歩をしながら見つけた白詰草には、何となく人を穏やかにさせる不思議な魅力があります。
そんな白詰草について、こちらでは知らなかったあれこれをまとめていきましょう。
白詰草の開花時期は?
何となく暖かな日差しの中に見ることが多い白詰草ではありますが、実際に育てたりすることはそうない種類の花ですよね。
何気なく目にとまる、どちらかというと道端に咲くイメージの花ではないでしょうか。
白詰草は主に4月~6月に開花のピークを迎える花であり、まさに春の花となります。
あの可愛らしい白い花をたくさん庭に植えたい、そう思う方もいるかもしれません。
もちろん白詰草は育てることも可能です。
しかも園芸に興味があってもまだ何も育てた事がない、そんなビギナーの方でも簡単に育てることができる難易度の低い植物となります。
もちろん庭などに直接植えることもできますが、住んでいる場所などの問題で直接植えることができない時は鉢植えを使いましょう。
種まきや飢えかえなどの時期は年に2回、春と秋頃に行います。
春は3~4月、秋は9~10月頃、鉢植えの場合は肥料も若干必要ではありますが、もしも直接地面に植える場合は肥料も不要となり、そのまま育っていくのでとても育てやすいですね。
しかも地植えの場合、水やりを頻繁にやらなくても雨だけで育つのもビギナーにおすすめの理由です。
忙しい方にとっては、やはり水やりや肥料などの作業の面倒くささが、中々園芸のスタートを切らせないということもあるはず。
基本的に白詰草は繁殖していく植物ですので、そこまで手間暇とかけなくとも勝手に成長してくれます。
もしもあの可愛らしい白い花で埋め尽くしたいなどと考えている方は、場所を考えて自生させてみるのも良いかもしれませんね。
白詰草の名前の由来は?
先ほどご紹介した様に白詰草は繁殖していきますが、白詰草を漢字で見るとその名がついた理由を何となくでも想像できる方もいるのではないでしょうか。
白詰草は日本全国で目にすることができる植物ではありますが、原産地はヨーロッパです。
マメ科になり、しかも多年草なので、1度植えると毎年そこから数を増やして自生していくのです。
そのため牧草などとして育てられることも多く、緑肥としても作られていました。
ここまでの説明を読むと、「白い花がどんどんその場を敷き詰める」などという意味から白詰草という名前が付いたのでは?と思う方もいることでしょう。
実は白詰草の名前の由来は、繁殖をするという理由からではありません。
1846年の江戸時代に、オランダが日本にガラス製品を献上するということがありました。
ガラス製品を日本に届けるということ自体、割れてしまう可能性もありますよね。
現在のように、梱包材がしっかりしていなかった江戸時代ですから余計です。
そこでガラスの周りに白詰草をびっしり入れることで、白詰草をクッション材にしていたというのです。
この時に箱の中に詰められているという意味合いから、「白い詰め草」という呼び名を作り出したということでした。
また白詰草はクローバーとしても、日本の子供たちに昔から人気があります。
通常の葉が3枚なのに対し、たまに見つけることができる4枚のクローバー。
その4枚のクローバーを見つけた者は、幸せになれると言われていますよね。
白詰草が国花にされている場所は?
各国には「国花」と呼ばれている花がありますね。
日本の国花は「菊」だと言われていますが、実は国花といっても法的に決められたものではなく、あくまで日本を象徴するものの代表。
そのことからも、日本の国花は桜と菊だと言われています。
それと同じように、アイルランドでは白詰草が国花とされているのです。
アイルランドではシャムロック(実際にはウマゴヤシ・カタバミなども含めた3枚の葉の植物全判のこと)と呼ばれ親しまれている白詰草ですが、親しまれるには理由があるのです。
それはアイルランド人の多くの方の、信仰心と関係しています。
アイルランドではキリスト教信者が多いのですが、その教えは「三位一体」が主体。
三位一体とは「さんみいったい」と読み、キリストが信じていた天の神である「父」と、キリスト、そして「聖霊」が1つになるということを指します。
白詰草は別名をクローバーと呼び、葉の部分は3枚もつく植物でした。
その形が三位一体の信仰をイメージさせたことで、白詰草はアイルランド人にとって素晴らしい植物となったわけですね。
このことからも、実はアイルランドでは4つ葉よりも3枚の物の方が、価値があるとされているのです。
白詰草がアイルランド人に親しまれている証として、毎年3月17日の祝日「セント・パトリックスデー」では白詰草の飾りを体につけてお祝いをするといいます。
セント・パトリックスとは、アイルランドにキリスト教を布教した人物であり、未だに愛されている人物として国中で知られているのです。
白詰草の特徴は繁殖力が強いこと
白詰草の最大の特徴は、繁殖力が強いということでしょう。
だからこそ散歩などをしている最中に、一面の白詰草の敷地を目にすることができるといえます。
あまり家庭で栽培しているのを目にしないのも、自生植物として認知されているからかもしれません。
この白詰草の繁殖力には、ある秘密があります。
それは白詰草の根にあるのですが、実は根粒菌という菌を自ら蓄えることができるというスゴ技を持っているからなのです。
この根粒菌は窒素のことなのですが、植物が成長していく上で窒素は重要な肥料となります。
その肥料となる根粒菌を根っこにため込むことができる白詰草は、自分でどんどん繁殖していくことがでできるということなのです。
ですが窒素が多いからよく育つということでもないので、白詰草を庭などの地面で直接育てる場合には肥料をやらずそのままにすることが大事です。
これは、窒素は多すぎても植物を枯らしてしまうからという理由から。
白詰草はマメ科の植物であることはお話しましたが、マメ科の植物はこの特徴を持っています。
つまりマメ科が育てやすいのは、根粒菌が備わっているからということですね。
白つめ草の花言葉は?
日本にもたくさんの花があり、誰かに贈り物をする際にも選ばれることが多いですよね。
貰うだけで嬉しい気持ちになることができるカラフルな花ですが、花言葉の知識が無いとせっかくのプレゼントでも相手を不愉快な気持ちにさせてしまうということもあります。
白つめ草は花屋で購入するという種類のお花ではありませんので、花束であげることはないかもしれません。
ですが花言葉を知っているだけで、散歩に出かけた時により白つめ草の魅力を楽しむことができますよね。
お子さんと散歩にいく時にも、もしかしたら白つめ草についての会話が盛り上がる可能性もあります。
白つめ草の花言葉は、「約束」です。
この約束という言葉が花言葉に使われるようになったのは、先ほどのアイルランドのセント・パトリックスが関係しています。
最初にキリスト教を布教する時に彼は白つめ草の葉の部分、つまりクローバーの3枚の葉を使って「三位一体」を表現したという話しでした。
その後セント・パトリックスの命日に、国民がクローバーの葉を胸にさし「約束」をしたという由来から花言葉の意味が来ているのです。
ただクローバーの葉の枚数により、花言葉も変わるとされていました。
- 白つめ草の葉が1枚…始まり
- 白つめ草の葉が2枚…平和
- 白つめ草の葉が5枚…財運
- 白つめ草の葉が6枚…地位と名誉
- 白つめ草の葉が7枚…限りなき幸運
などと言われています。
日本では4つ葉のクローバーを見つけると幸運だと言われていますが、他の海外ではこのように発生率が低い葉のものにまで花言葉が付けられているのです。
それだけ白つめ草が大切にされているということですね。
まとめ
こちらでは日本でも愛されている身近な花、白詰草についてお話をしてきました。
暖かな日差しの中、散歩の途中に見つけることができる白詰草。
何気なく目にとまる白詰草には、「春が来たな」と思わず嬉しくなってしまいますよね。
厳しい寒さが過ぎ、ようやくゆっくりお散歩を楽しむことができる季節になったら、今年は白詰草を探してみませんか?
毎年何気なく見ているつもりでも、よく見るともしかしたら知らなかった白詰草の魅力に気が付くかもしれません。
その際にはご紹介したアイルランドの人々の愛や歴史を思い出し、白詰草に込められた不思議な由来を感じてみるのも良いですね。